2008年09月21日

マクロビオティックでトータルライフデザイン 〜TLD〜

自己治癒力(3) 〜細胞の設計図・・・遺伝子〜

●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。
東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実践的研究を30年間行う。
自分自身を自在にコントロールするセルフコントロールと食養をベースに統合的・根本的な指導を行う。現在は生活改善指導の講演会や健康セミナーで活躍中。
著書に『自然健康法』『気と食・驚異のバランスパワー』『梅醤たんぽぽ茶健飲法』(共著)『食養生大全』(共著)などがある。
日本Cl協会にて、トータルライフセミナー、ブレイン・リアリティ・メソッド、個人別健康相談も行う。


生命活動の情報

人の体内では毎日約7,000億個の細胞が新生し、同数の細胞が消減している。細胞を構成するたんぱく質を造るためには、同じ型の分子を形成する情報(設計図)が必要になる。細胞の核の中にあるDNA(デオキシリボ核酸)の一部に遺伝子があり、ここに必要な情報がすべて納められている。

細胞が新たに生まれるとき、DNAが二つに分かれ、そこにある情報によって同一のたんぱく質がつくられ、二つの細胞になっていく。寿命がきた古い細胞は、分解して排出されていく。このように細胞は、常に新旧交代して新しい細胞が身体を造り、生命を維持している。体細胞は、一生の間に平均60〜70回生まれ変わるといわれている。

常に同じ細胞が新生しておれば、人は正常に生きていくことができる。コピーミスは100億回に1度くらいであるが、これが異常に多くなると狂った細胞が増加することになる。多くの細胞が異常になると、生命活動に支障をきたすようになる。この状態に陥ったものの一種が腫瘍である。

腫瘍は、良性と悪性の2タイプがある。良性腫瘍は、一定の大きさで増殖が止まる、他の組織に浸潤しない、転移しないという特徴がある。悪性腫瘍の特徴は、無限に増殖する、周囲の組織に浸潤して犯していく、転移して増殖していく。上皮に増殖するものを癌といい、組織の内部に増殖するものを肉腫という。良性腫瘍は、イボ、ポリープ、筋腫などがあり、悪性腫瘍は、癌、肉腫、リンパ腫、白血病などである。

細胞の変異……腫瘍

病の大半は、炎症か腫瘍である。炎症性の病気は、食事を整えて血液を正常化することによって治癒することができる。しかし腫瘍は、血液を正常化しても細胞まで正常化させることは容易ではない。なぜなら、血液を正常化してもDNAは簡単には元に戻らないためである。症状は改善され、悪化は食い止められるが根治するところまでいたらないのが実情だ。

血液を良質にして細胞の環境を良質にすることによって、生命活動を円滑にするベースができる。この条件が満たされたうえで、DNAを正常化することができれば腫瘍は完治する。この2つの条件、細胞環境の正常化とDNAの正常化ができれば、その後は正常細胞が増加し、異常細胞は新生のための条件を失って増殖ができなくなり、死滅していく。

細胞環境は、食事を正し生活を正すことによって整えることができる。食事を正すことで血液が良質化し、良質な血液は細胞の代謝を高め、良質な細胞を造っていく。しかし、細胞の素材がどれほど完壁であっても、設計図にミスがあれば細胞の構造が異常になる。細胞を造るためには、良質素材と正しい情報二つの要素必要だ。これらの二条件が整えば、自己治癒力は増進する。


脳の仕組み


遺伝子を狂わせるもの

現代社会には、遺伝子を狂わせるものが氾濫している。化学物質の中では、洗剤に含まれる化学合成の界面活性剤、溶剤、除草剤などである。これらの物質は、分解力と浸透力が強いという共通点がある。とくに台所用中性洗剤は、強力である。浸透性の強い物質は、皮膚や粘膜から体内に侵入し細胞の内部に入って核にまで到達する。そこで強力な分解力によって、DNAの損傷が起こってくる。

物理的なものでは、電磁波である。電磁波は、遺伝子、脳細胞、神経細胞を変異させていく。とくに携帯電話、電子レンジ、電気カーペット、電気毛布、などの影響が大である。

遺伝子を正常に戻そうとするなら、悪影響を与える原因をすべて排除すべきである。

意識が遺伝子を左右する

血液を浄化しても、代謝を高めても、いかに効果の高い治療を行っても、DNAが修復されることはほとんどない。DNAは、意識を正さないかぎり変えることができない。DNAを正常化するには、意識をコントロールすること以外に方法がないのである。

意識の深層部にある情報は、脳という「ハード」を通じて遺伝子に反映する。深層にある設計図は、どんなことがあっても狂うことはない。その情報が、末端の遺伝子にまで伝達される過程でトラブルが起こっているのである。正しい情報を遺伝子にまで伝えるプロセスを修復させれば、遺伝子は元の姿に戻る。この条件を満たした状態で細胞が正常化した場合は、その後に遺伝子に損傷をきたすようなことがあったとしても速やかに修復され、いつまでも健康な身体を維持することができるようになる。この状態になると、2度と異常細胞が発生することはない。

遺伝子の正常化

マクロビオティックの実践で癌を治そうとしたとき、意識の条件が満たされず良い結果がえられないことが多い。それは、他のどんな手段を総動員しても、ある程度の改善までで完治までにはいたらない。意識の改善が不完全であるためだ。

心を和やかにして悪感情をもたないようにする、感謝の念をもつ、健康になることを信じてプラス志向を心がける。良くなるという思いを自己暗示的に内面にインプットする。健康な姿をイメージ化する。などなど、さまざまな取り組みがなされる。また、気を全身にめぐらしてパワーを高める。特殊能力者に気やエネルギーを注入してもらう。自然界からエネルギーをいただく。など、他力を頼ることもする。しかし、いかに多くの努力を重ねても、ほとんどが空しい結果に終わる。それは、表面の現象のみをとらえて仮想認識しているためである。本質が変わらなければ、何も変わらない。本質は深層にあるため、だれでも容易に認識することができない。その本源から修復されなければ、望む結果にはならないのである。



この記事へのトラックバックURL