2004年10月27日

必ずとらなくてはいけない必須脂肪酸の含有量が最も多く、バランスが優れた食品「麻の油」

健脳・アトピー治療・肌のトラブル解消・体質改善・老化防止などに優れた効果

赤星栄志(あかほしよしゆき)
Hemp Revo, Inc 代表。NPO法人返付製品普及協会顧問
1974年滋賀県生まれ
1996年日本大学農獣医学部卒業
学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て、2001年バイオマス(生物資源)の研究開発を行う Hemp Revo Inc を設立。
定期的に麻の実料理教室を開催している。
著書に「ヘンプがわかる55の質問」(2000年)最新刊では「体に優しい麻の実料理」(2004年)などがある。
http://www.hemp-revo.net/

現代人が不足している栄養素それは意外にも脂肪。カロリー摂りすぎの現代人にとって脂肪は健康の敵のようにおもわれています。しかし意外なことに現代人にとって不足しているのは、実は脂肪なのです。

■「オリーブオイル」と「麻の実油」

日本で流通している植物油は、サラダ油(大豆と菜種油などの混合)、コーン油、ごま油、オリーブオイル、キャノーラ油の順となっています。最近はオリーブオイルが健康によいと人気ですが、その成分の80%はオレイン酸です。しかし、オレイン酸で昔から日本で使われてきた菜種油(約60%)やごま油(約40%)など、ほとんどの植物油に含まれているものなのです。しかもオレイン酸は、食べ物から体内で合成できるので、あえて摂る必要はありません。摂りすぎはむしろ肥満の大きな原因となります。
健康の敵のように言われる油ですが、絶対に摂らなければならない油もあります。人間の体は食べ物を変化させて、ほとんどの脂肪酸を作り出せるようになっており、そのせいで食べ過ぎが脂肪太りにつながるのですが、しかし、体内で作れない脂肪酸もあり、それらは食物として摂取しなければなりません。
必ず摂らなければならないという意味で「必須」脂肪酸と呼ばれています。必須脂肪酸にはリノール酸(n-6系)とαリノレン酸(n-3系)の2種類があります。オリーブオイルにはこれらの必須脂肪酸は2つあわせても、10%しか含まれていません。
菜種油で33%、亜麻仁油でも72%にすぎません。しかし、麻の実油には80%も含まれていて、すべての植物油のなかでもっとも必須脂肪酸割合が多くなっています。
つまり麻の実油は人間の体が必要としている油だといえます。

■バランスのいい脂肪酸摂取が大切

重要なのはこの2種類の脂肪酸をバランスよく摂るということです。
この2種類の脂肪酸はホルモンと同じような働きをし、しかも作用は正反対です。例えばリノール酸は血液を固くし、α・リノレン酸はやわらかくします。ですからバランスよく摂るとらなければ、必須脂肪酸とはいえ、かえって害になるのです。厚生労働省や多くの脂肪酸研究者は4対1で摂ることを推奨しています。ところが一般的に売られている食糧油会社の製品のほとんどはリノール酸が非常に多く、特にコーン油サフラワー油には、α・リノレン酸は全く含まれていません。麻の実油はこの2つの必須脂肪酸を、理想的なバランスで含んでいます。一昔前までは「植物性リノール酸でできたマーガリンだからからだにいい」などと宣伝されていましたが、現在では、リノール酸過多が生活習慣病やガンの原因になることが常識になっているため、リノール酸という言葉をほとんど聞かなくなってしまったほどです。そのかわりにでてきたのがオレイン酸ですが、オレイン酸は必須脂肪酸ではなく、それほど重要な脂肪酸ではありません。現代人にとって重要なのはα・リノレン酸なのです。
現代人には血液が粘っこくなっている人が多く、それが血液循環を悪くして、心臓病や脳卒中の原因のひとつにもなっているのですが、α・リノレン酸には血液を柔らかくサラサラにする働きがあるので、これらの病気の予防や治療にも役立ちます。ほかにもα・リノレン酸を摂ることにより、α・リノレン酸欠乏やリノール酸過多が一因といわれている高血圧、肥満、痴呆症、糖尿病、高コレステロール血症、結石症、アトピー性皮膚炎、アレルギー、潰瘍などの多くの現代病や生活習慣病の予防と改善が期待できます。
リノール酸の方は大部分の種子油に含まれていますが、α・リノレン酸を含んでいるものとなると、ごま油(63%)亜麻仁油(57%)麻の実油(20%)、大豆(8%)に限られてきます。

植物油の成分比較表必須脂肪酸脂肪酸多価不飽和脂肪酸率(%)n-6/n-3
リノール酸
n-6系
α-リノレン酸
n-3系
γ-リノレン酸
n-6系
オレイン酸 飽和脂肪酸
麻実油56203129803:1
亜麻仁油14580199721:4
エゴマ油13620166751:4
サンフラワー油7600141076-
ひまわり油711016127271:1
コーン油571029135857:1
大豆油54802315628:1
綿実油5400192754-
ごま油451039154545:1
ピーナッツ油3300481933-
菜種油21110617332:1
パーム油1000395110-
オリーブ油9107515109:1
ラード9104743109:1
バター310286343:1
牛脂210494832:1
ココナッツ油2007912-

■玄米菜食とダイエットにも麻の実油が必要

健康のために玄米菜食やダイエットを試みる人たちの多くは、できるだけ油を控えるようにします。しかし、もともと少ないα・リノレン酸の摂取も減らしてしまうため、かえって健康を損ない、体が弱ったり病気になりやすくなることがあります。ダイエットにも必須脂肪酸、特にα・リノレン酸が多く含まれている油が必要なのはこのためです。麻の実油の80%は必須脂肪酸で、すべての植物油のなかで最も多く、しかもリノール酸とα・リノレン酸の割合が厚生労働省の推進する4対1にもっとも近い油です。麻の実油には、三対一の割合で含まれ、ややα・リノレン酸の割食が多いのですが、もともと不足しているα・リノレン酸の補給につながります。ダイエットにはほかの油を減らして、麻の実油だけ摂取した方がいいと言っても過言ではありません。身体は体で合成できない必須脂肪酸から消費していきますので、麻の実油は肥満の原因になりにくいといえます。

■麻の実油を飲めば頭がよくなる

脳は、重量比で60%が脂質で構成され、そのうちDHA(ドコサヘキサエン酸)が10%を占めます。DHAは青魚に含まれているEPA(エイコサペンタエン酸)と並んで、健脳成分として注目されており、脳の発育や機能維持に重要な役割を果たしています.魚の油は頭をよくするといわれますが、このDHA やEPAの原料となるのが、麻の実油に含まれるn-3系列の脂肪酸であるα・リノレン酸なのです。最近の研究では、魚を食べない人の脳内の細胞膜が硬くなり、神経伝達物質を伝えられなくなることが明らかになっています。ニューロンと呼ばれる神経細胞のDHA不足が学習能力や記憶能力に悪影響を与えるのです。α・リノレン酸は胎児や乳幼児の知能の発達にも関係してきますので賢い子供を産み育てるためにも麻の油がいいといえます。脳の老化は精神と肉体の老化にも深いかかわりがあるといわれますが、頭がしゃっきりしていれば、それだけ健康で若くいられることになります。

■老化防止にも

麻の実油のほかの特長として、γ(ガンマ)・リノレン酸が2〜4%含まれているという点をあげることができます。γ・リノレン酸は、生理活性物質の材料となり、血圧、血糖値、コレステロール値の降下、血栓を解消して血液の流れをよくする作用があります。γ・リノレン酸はリノール酸を原料として体内で合成されますが、年をとるにしたがって体内合成が難しくなります。γ・リノレン酸を多く含む油としては月見草やボリジ油などがありますが、普通、口にする機会はありませんし、サプリメントで摂るにしても非常に高価です。乳幼児やお年寄り、糖尿病でインスリン不足の人などにγ・リノレン酸の合成が十分でない傾向があり、麻の実油を毎日テーブル・スプーン1〜2杯摂取すると症状改善に役に立つことが明らかになっています。数年前、フジテレビのニュースで中国のある長寿村を取材したことがありましたが、100歳を越える健康な長寿者が多いこの村では、麻の実を常食する習慣があることがわかりました。麻の実油が心臓循環系の病気や脳卒中を予防するからだというのが中国人研究者の考えでしたが、それは事実だといえるでしょう。

■お肌の健康に化粧用麻の実油がいい

麻の実油には食用と、お肌に塗る化粧用がありますが、この二つは油の精製の度合いが異なります。食用の麻の実油は低温圧搾法で搾られ、種子の風味やビタミンや微量栄養素を残すために未精製、つまり搾りたてで何も手をくわえていないものです。独特の風味があり、淡いエメラルド色をしています。化学薬品を使用しない低温圧搾法では搾油量が低いのですが、味と栄養価を考えて、この方法にこだわっています。一方、化粧用は食用の麻の実油を、活性炭などで「ろ過」精製したものです。食用を肌につけるとややべとつき、匂いが気になることがあるのですが、化粧用は透明で、さらさら感があってよく延び、匂いもさほど気にならないレベルになっています。麻の実油がお肌にいいのは、麻の実油の皮膚への浸透力が非常に優れていて、皮膚にいい成分がはやく吸収され、しかも長くとどまる性質があるからです。麻の実油の保湿性の高さは、多くのアロマセラビーの本にも書かれているとおりで、乾燥肌や荒れた肌をしっとりとさせ、外部刺激から皮膚を守り、老化を防いでくれます。また皮膚の新陳代謝を活発にし、免疫機能と保護機能を高めてくれます。アトピーの方は肌への刺激を恐れて市販の油を使いたがらないものですが、麻の実油は刺激がなく、含まれているα・リノレン酸が症状を緩和させる効果も期待できます。食用の麻の実油には皮膚の健康に必要な成分が多く含まれていますので、食用の麻の実油と化粧用の麻の実油を併用することで、効果は一気に高まります。麻の実は日本では縄文時代の昔から利用されてきました。万葉集にも麻の歌が30首以上も入っています。麻の実油は本質的に日本人の肌になじみやすいものだといえるでしょう。

■麻の美油は酸化しやすい?

麻の実油は酸化しやすいといわれることがあります。それはいい油は新鮮なうちに使うべきだということを意味しています。江戸時代には搾油道具をてんびんで担いでまわる搾り屋さんがいて、庶民は毎回、使う分量だけ搾ってもらっていたということです。麻の実油には必須脂肪酸、特にα・リノレン酸が多含まれているのはすでに書きましたが、このα・リノレン酸は不飽和脂肪酸と呼ばれ、オリーブ・オイルなどの飽和脂肪酸より酸化しやすいのが特徴です。
しかしそれは麻の実油がよくないからではなく、逆にいい油だから酸化しやすいのです。
例えばマーガリンは飽和脂肪酸でできていますが、食卓の上に何年も置いておいても酸化しません。
これは食品としては異常なことで、それを知っているのかハエもたかろうとはしません。
逆に新鮮な刺身は、一時問もたたないうちに味が変わってしまいます。
熱と光にさらさないように、特に食用は開栓後、冷歳庫に保管するなど大切に扱えば、酸化の問題はありません。
化粧用は色つき瓶で光を遮断し、さらに箱に入れて保管することで酸化による変質は防げます。 食用も化粧用も、問栓後は3ヶ月以内に使い切ったほうがよく、化粧用は小さ日のボトル入りがいいでしょう。
麻の実油は非常に上質で繊細なのです。酸化は麻の実油の問題ではなく、保管する人問側の管理の問題だと考えるべきでしょう。高品質を保とうと思えば、それなりの注意が必要ということです。

-体験者の話-

■麻の実油を飲みはじめて
東京都 浜村裕子さん(48歳)

玄米食を始めて10年ぐらいになります。頑固な皮膚病があり、1年に何度も出ては少しよくなり、また出てという繰り返しでした。アトピーとは少し違うようです。知人にすすめられ、麻の実油を飲み始めたのが半年前です。おひたしにかけたり、最近はスプーンでそのまま飲むこともあります。吹き出物なので油はよくないのではと思い、ちょっと心配だったのですが、飲み始めて数ヶ月で、出る回数も減り、小さいうちに消えてしまうようになりました。皮膚にハリが出てきたようにも思います。それとスタミナというのでしょうか、疲れやすくなくなり、根気がでてきたような気がします。
編物をしていても、気がつけば何時問もたっていたりして、自分でも驚いてます。
それと今年は花粉症が少し軽くなったようにも思います。もう少し続けて体質が変わったらいいのですが。

■中性脂肪の値がさがりました
千葉県 貝塚さん(55歳)

以前から糖尿があり、これまでいろいろ試してみました。ご飯やパンをひかえてタンパク質を多くとるようにと言われていたのですが、うまくいきませんでした。知人からすすめられて、麻の実ナッツを食べはじめるようになりました。ポケットにいれておき、腹が減るとそのままおやつのように食べられるのと、腹持ちがいいというのか、空腹感に悩まされることがなくなりました。
3ヶ月後、Hbalcという長期の血糖値の変化をはかる検査をしてもらったのですが、医者も驚くほど(6・1)で、しかもコレステロール値と中性脂肪の値も正常値になっていて、二度びっくりでした。体重は74Kgから71kgに落ちてました。中性脂肪などはもう20年ぐらい、計るたびにチェックを入れられていたのです。最近、麻の実油も摂るようにしているのですが、皮膚や触覚が少し敏感になってきたような気がするのが不思議です。それと関節の痛みも和らいだように思います。

■カサカサ肌が改善されました
大阪府 山科さゆりさん(23歳)

乾燥肌と荒れ性で悩んでました。腕や体だけでなく、顔も乾燥するので、化粧ののりにはいつもヒヤヒヤものでした。若いのに何でと思ってたところ、インターネットでヘンプオイル(麻の実油)を知りました。アロマの本で乾燥肌には抜群と紹介されていたのですが、売ってるところがありませんでした。通販で取り寄せ、さっそく使ってみたところ、はやいはやい。1週間というか3日ぐらいで、違いがわかりました。
塗って顔をマッサージしたのですが、三日ほどすると垢のようなものがボロボロとれてきて、何なんだこれは、という感じでした。顔の皮膚の表面の角質だったようで、それからすぐにしっとりした感じになってきました。油はよくしみ込んで、あとはさらっとしてます。友達からも、色が自くなったみたいと言われるようになりました。
お風呂に入ったときに、顔を湯気で蒸してからマッサージすると特にいいようです。お風呂あがりに体や足にも塗り、かかとのひどいところは布にしみ込ませて、そのうえから靴下をはいて寝ました。綺麗になっていくのが楽しくて・・・。月に2本ぐらい使うので、大切に大切に使うようにしてます。

-麻の実油の食べ方-

【1】手作りドレッシング

◎ 材料
麻の実油、菜種油、ゴマ油、酢、醤油、玉ねぎ、にんにく、すりごま、こしょう
◎ 作り方
野菜をすりつぶす。油以外の材料を混ぜあわせ最後に油をいれる。
◎ コツ
1日寝かせて味を落ちつかせる。
冷蔵庫で二週間はもちます。

【2】そのままでもおいしい

茄でたホウレンソウや妙め野菜にかける
スプーンに一杯(約10cc)毎朝飲む(ナポレオンの習慣だったそうです)



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