The Blog Must Go On

インターネット、そこは最新技術のフロンティア。 これは、コミュニケーションアーキテクトたる“macume”が、新時代のメディアBlogの下に、21世紀において執筆を継続し、未知のネット世界を探索して、新しい情報や人との出会いを求め、永劫進化するネット世界に自由に公開した日誌である。

戯作【推薦状第2弾】「このブログを読め〜未来のマーケッターに与うる言説ーーニーチェ」

倫敦巴里_ニーチェ
私的公開日誌@ウェブ暦:160405.01

10ヶ月前(15年6月)、川端康成の文体模写で自分のブログへの推薦状を書くというなんとも粋狂なことに挑戦したのだが、やはり実に楽しくて仕方がなかった。

悲しいかな詩も文学作品も創作する才能がない私には、せめてこうした文体模写での遊びくらしかないというわびしさもある(~_~;)。
和田誠の『倫敦巴里』も、なんとか復刻して知らない人たちにやはり楽しんで欲しいものだ。

さて、今回の文体模写は、畏れ多くもニーチェを選んだこれも、文体模写の元ネタ探しで楽しんでいただければ嬉しく思う(明白すぎるかも^o^;)。


戯作【推薦状第2弾】「このブログを読め〜未来のマーケッターに与うる言葉ーーニーチェ」

「この大いに高貴にして才気ある人物について、私がなにがしかを述べておくことは、どうしてもしておかねばならぬことのように思われる。

梅下くんが発する様々な言説のうちで独自の位置をしめているのは、私の言を要するまでもなくDigital Ambient Society(電子環境社会)とCommunication Metamorphoses(交流変容)である。

この2つの言葉は、私のEwig Wiederkehren(永劫回帰)、Wille zur Macht(力への意志)と同様、永遠に語り継がれるであろう。

梅下くんは、この2つの言葉でこれからの新時代のマーケッターたちに最大の贈り物をした。幾千年にも響くであろうこの言葉は、彼自身の魂の深淵からほとばしる叡智よってもたらされたものである。

彼は断じて夢想家ではない。無限のビジョンの充溢と幸福の深みから、一人また一人、一社また一社とつらなってくるのだ。

さあ兄弟たちよ、彼とともにその魂の杯を酌み交わそうではないか。」


学生時代、ドイツ古典哲学こそ最高峰の哲学だと私は思っていた私は、実はニーチェにはまったく関心がなく読んだこともなかった。

徹頭徹尾に論理的な思考(特にヘーゲル)に憧れたていたのは、小学生のころに見た『スタートレック/宇宙大作戦』(OST)の影響かもしれない。
とにかくスポックが一番好きで、感情に流されるカークとは違い常に沈着冷静、論理的に破綻したり誤謬がないのは究極の理想なのだ、と信じていたし将来そうした人間になりたいと思っていたほどだった。
もちろん、今日ではそのようなことはけっして思ってはいないのだが。

初めて読んだニーチェの本は中公文庫の手塚富雄訳による『ツァラトゥストラ』だった。
なにを言いたいのかよくわからなかったが、とにかく魂を揺さぶられるような文章だった。
ちなみに、社会学者の大澤真幸が初めて読んだのも『ツァラトゥストラ』だということを最近になって知った。私と同じように、なにが書いてあるのか理解できなかったが衝撃を受けたと語っている。

古典文献学者だったニーチェは、偶然にもショーペンハウアーの主著『意志と表象としての世界』を手にしたことで、哲学者としての誕生することになったといっても過言ではないだろう。
もとより、二人は直接的には面識はないが、まさにセレンディピティの典型例である。ちなみに、ショーペンハウアーはゲーテとは親交があり、そのゲーテは彼を絶賛していたそうだ。

それほどのショーペンハウアーではあっても、同時代には絶対的なヘーゲル哲学が君臨していた。今日においても、どちらかというと、栄華を極めたドイツ古典哲学にショーペンハウアーは入れてもらえず
傍流扱いしかされていない。
ニーチェも、現在ではその独自の思想や影響力、哲学史的意義などが評価されているが、当時はショーペンハウアーと同じような不遇を託つ身となるとは歴史の皮肉だ。

ニーチェが存在しなければ、ショーペンハウアーほとんど一顧だにされることない哲学者のようにも思う。
しかし、彼はまた、仏教やインド哲学に影響を受けた最初の西欧の哲学者である。それ以降では、同じようにインド哲学、特にヨガの世界観に感化されて人智学を創始したルドルフ・シュタイナーが有名だろう。

ショーペンハウアーは、裕福な商家の出自であり、美味い食事を堪能しつつ厭世哲学を語っていたと言われている。
真実か否か、私は彼の研究者でないし彼の主著も読んでいないのでわからない。

70年代、『ニーチェ全集』を刊行していた白水社から、『ショーペンハウアー全集』(全14巻+別巻1)が出ていた記憶はあるのだが、代表作『意志と表象としての世界』ですら、今日では中公クラシックスから刊行(全3冊)されているだけだ。その代表作にしても、世に知られているわりには読まれていない本だろう。

実をいえば、私がショーペンハウアーの著書で読んだことがあるのは、恥ずかしながらエッセイして知られている『読書について』だけだ。
これは、多分、彼の著書中で最も読まれている本だろう。岩波文庫をはじめ各出版社からこれまでにも様々な訳者によっていくつも刊行されている。

「どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書より、ほどよい冊数で、きちんと整理されている蔵書のほうが、ずっと役に立つ。同じ事が知識についてもいえる。いかに大量にかき集めても、自分の頭で考えずに鵜呑みした知識より、量はずっと少なくとも、じっくり考え抜いた知識のほうが、はるかに価値がある」ーー『読書について』

その当時、大量の知識を獲得することが重要だと思っていた私には、この本はとても気づきの多かった著書だった。
いつか主著である『意志と表象としての世界』も、じっくりと読んでみたいと思っている。

あれ!? ニーチェではなく、なんかずっとショーペンハウアーについて語っている(^_^;)……。
な、なにとぞご容赦のほどを。


【おすすめブログ】
戯作【推薦状】「梅下くんのブログを推奨しますーー川端康成」

●「精神の淫売」としての政治という情況ーーニーチェの箴言に寄せて

http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/977751.html

●このブログを見よーーニーチェ人気に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1182101.html

●特集「人文書入門」ーー『文藝』2014年夏号
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1858840.html

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MEMOから始めよ!ーーブロガー的メモしたことを活かす3つのコツ

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私的公開日誌@160309.01

様々な便利なデジタルツールがありながら、手書きの手帳はそれでも種類も販売部数も年々増え続けて好調だという。
また、手帳の活用術の関する本も人気があり、書店に出向けば毎年新しい本が刊行され何冊も見つけられる。
これほどテクノロジーの発達した今日、書くことは打つことに等しい。それでも、手書きの手帳やノートなどの人気は衰えていないし、そうしたものについてのノウハウや活用方法などを指南する本も人気が高い。

ところで、私はいつでも小さなメモ帳を持ち歩いている。A7サイズのリングタイプでポケットに携帯できる(トップ画像)。このサイズは、最近の海外ドラマの犯罪捜査ものでも刑事がよく手にしているタイプのメモ帳だ。一番有名なのはやはり『刑事コロンボ』だろう。日本だと警察手帳にメモを取るシーンが多いが、海外ではバッジを見せると、このタイプのメモ帳を利用している。
それにコンビニでもどこでも手に入る。
 
そのほか、カバンにはノートも2冊入れてあるこちらはA5サイズ。1冊は打ち合わせに使い、もう1冊はセミナーやフォーラムなどで使用するノートだ。メモ帳・ノートは、罫線ではなくすべて方眼紙か無地を利用している。もらいものノートやメモ帳もあるが最近は方眼紙タイプが多いのが嬉しい。

世間には、メモは一切取らない。すべて覚えるという人がいる。メモを取ると、そのことに注意がいってしまうし、書いたことで安心してしまうからだそうだ。
これは、ごもっともなことだと感じるが、私はメモを取る方だ。会議だけではなく、勉強会、セミナー、フォーラムなどのイベントではメモは必須だ。もちろん、あとでブログを書くからということも理由にはある。

人はメモを取る生きだといっても過言ではないのだが、そもそもなんでメモを取るのか。
その理由や目的は、その人のよって様々だろう。もちろん、議事録、レポートや報告書、メディア用に記事にするなど、人によってメモを取る理由や目的は様々なので一様ではないだろう。
特にセミナーやフォーラムなどで、よくPCでメモしている人たちを見かけるのである。そのうちの何人かは、きっとウェッブを含めたメディア関係者だろうと思う。

私のメモの取り方に関していえば、自分だけがわかればよく、目的もアウトプット(ブログ)用のメモ、あるいはノートということになる。


■メモ帳を携帯している理由

私がメモ帳を常に携帯しているのは、書いておけば忘れても大丈夫だからだ。また、書店散策をしていて気になる本を見つけた場合など、すぐにその場で書き留めておけるからだ。都内の事情しかわからないのだが、どの書店でもスマートフォンで本の表紙でも写真を撮るのことは禁止している。

また、クリエイティブ系の人もメモ帳を持ち歩いている人が多い、いつでもどこでもアイデアを思いついたとき、その場で素早くメモに残しておくためだ。コピーライターやデザイナーなどはそうした人が多いし、ITリテラシーの高い人の中にもメモだけは手書きするという人が何人かはいる。
また、筆記具は、ポケットメモの場合は水性ボールペン、ノートではシャープペンシルで芯にはB2を利用と決めている。


■私流3つのコツ

ここで紹介する3つのコツは、あくまでも私流であるので、だれにでも最適なものか否かは確信があるわけではない。しかし、長年いろいろと試行錯誤してきた方法であることだけは確かだ。
したがって、このコツが何人かの人たちには役立つだろうと判断している。

(コツその1)メモは手書きにする
今日、書くことは打つことである。書くより打つ方が早い人も多いだろう。私もそうだが、ブログやビジネス文章を作成するときはその方が確かに早い。それでも手書きメモは重要だ。
手書きであれば、瞬時に文字、図形、記号などなんでも書き込める。特に図形や図案の場合、早いし手書きの方がやはり早いしそのフリーハンド感覚が好きからだ。

さらに、年々PCでメモを取る人が増え続け、あのキーボードの音がうるさいと感じているのだ。講師や登壇者が話しをはじめると、周りで一斉にキーボードが鳴り出す。そうした当の本人たちは自覚はないだろうが、あまりにもキーボードを打つ人が多いとやはり耳障りだ。場合によっては、話している人より打つ音が大きいことすらある。
PCでメモを取る人は、そうしたことには十分に配慮して欲しいものだと感じる。

(コツその2)メモは気づきを書くこと
ブログなので、勉強会やセミナーあるいはフォーラムなどで、登壇者の話した内容を細大漏らさず採録するように見事に内容をまとめている記事に接すると、私には到底まねができないなと感じる。
そうした話した内容をトレースするかような内容は、参加しなくてもあとでそうした記事やブログを読めば話した内容を把握できるでありがたいことではある。
また、最近ではU-NOTEやログミーのようなサービスもあるので、そうしたサービスを利用すれば話した内容はほぼ全部を把握できる。

私がメモを取る場合、話しを聞いていて気づいたことだけを書くようにしている。それはヒントであったり、示唆、疑問点など聞いていて自分でなんとなく「引っ掛かった点」である。そうしたことを残しておくことで、あとでアウトプット(ブログ)するときにとても役立つのだ。

(コツその3)メモは見返すこと
メモを書いたらそれで終わりではない。そもそも何のためにメモを取るのかだ。私はアウトプットのためにメモを残すが、それでもメモした内容すべてブログにするわけでもない。
メモを見返しながら書く内容全体を構成し、思考を整理しながらその途中でメモを見返して書かない場合もある。それはその内容が役立たないということではない、ただ今回のブログには書かないだけで、そのメモは別のところで必ず役立つことがある。

しかも、そうして見返したメモなので、その内容は記憶に残りやすい。記憶に残っていれば、なにかの拍子にパッと思い浮かぶことがあり、それがアイデアや企画、新しいブログのテーマにつながるのだ。

数年前、サイモン・シネック著『WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う』(日本経済新聞出版社)が書店で人気だった。この著書は、米国人によって書かれたものであるが、多くの人たちはWHAT(何をする=成果)やHOW(どうやる=手法)など、どうしても目先のことばかりばかり気にするが、メモを取るという単純なことにおいてもWHY(なぜ=この場合は意義と価値)が重要なことを思い知る次第。


(関連リンク)
▼どうして「パソコンでのメモ」を繰り返していると脳力が落ちるのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258310/090400013/

▼A7メモ帳を常に持ち歩く習慣

http://bit.ly/21ZIfjg

▼考え倒すにはB6メモ術が最強かも!
http://tsukuru.xyz/?p=531

▼ベテラン新聞記者に聞く、「上手なメモの取り方」
https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/13998

▼基本に返ろう:完璧なメモを取る方法
http://www.lifehacker.jp/2013/05/130508back_to_basics.html

▼メモの取り方のコツは、メモを後で取ること。
http://bit.ly/21ez50g

▼聞いた内容を完全に理解できるメモの取り方
http://bit.ly/1LIXucr

▼頭が片づく!人気コピーライターの「メモ術」
http://toyokeizai.net/articles/-/101269

▼QUOVADIS→フランクリン→ほぼ日手帳を辞め、デジタル手帳を6年使った僕がまた「ほぼ日」に戻った理由
http://leemanparadise.com/neta/post-3421/

▼手帳使いの達人が説く 私が手帳を愛する理由
http://xbrand.yahoo.co.jp/category/business_money/17540/1.html


(おすすめブログ)
●デジタルネイティブ社会のPCキーボード「騒音」というイノセンスな問題
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/322.html

●文章作成に必須! これはいい!!ーーMac専用フルスクリーンエディタ「Ommwriter」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1014644.html

●Mac専用なだけではない。国産フリーエディタ「iText/iText Express」が、この上もなく重宝な「5つの理由」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1010223.html

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久々に新ブラウザが登場ーーVivaldiとBraveを早速試す

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私的公開日誌@160205.01

今回、久々に新しいブラウザがリリースされたニュースが飛び込んできた。
しかも、昨年後半から今年にかけて相次いで2つもリリースされた。
それが、VivaldiBraveである。

私はブラウザが大好きだ。これまでにも新しいブラウザがリリースされるたびに、インストールしてブログも何度か書いてきた。
思えばブラウザとの付き合いは実に長い。私にとって、インターネットの歴史とは即ちブラウザの利用の変遷でもあるかもしれないと思う。

最近はスマートフォンが主流なので、各々のネイティブアプリが全盛で、ブラウザの利用者は少ないし、10代の若年層であればeメール同様、ひょっとしたらブラウザを使ったことがない人たちすらいる昨今だろう。
私は、スマートフォンでもほとんどがブラウザ利用するほど大好きなのだ。

■はじまりはNetscape
今日では、このブラウザを知っている人はむしろ少ないだろう。95年〜98年の3年間、ブラウザといえばそれはNetscapeのことだった。
当時は、ブラウザを立ち上げることは、同時にメールも確認できるようないわゆる“スイートアプリ”だった。

そうした爆発的なインターネット人気に慌てたMicrosoft(MS)は、巻き返しを図べく同社初のブラウザであるInternet Explorer(IE)を投入
Windows 95にIEをバンドルし、同OSを利用するベンダーのPCすべてにてにインストールするよう強要した(?)こともあり、99年、NetscapeはMSの戦略(陥穽)に完全に打ちのめされてブラウザ市場から駆逐されることになる。
わずか3年ほどの天下だった。

その後、Netscape Navigatorとリニューアルして細々とリリースを続け、08年Netscapeはついに終焉を迎えた。

同じく90年代末、アップル純正ブラウザCyberDogがリリースされた。
ブラウザ、メール、ニュースリーダー、アドレスブックなどの機能も備え、Macユーザーならこのアプリには思い入れの多い人もいるだろう。
データ読み込みのステータスバーでは、犬が走るカワイイアプリで、さすがにアップル社らしいUI・UXだった。
だから、OS Xでアップル純正ブラウザSafariをリリースしたとき、あまりにも普通のUI・UXだったので嬉しさ半分のがっかり半分だった。

■Firefox、そしてGoogle Chromeが登場
04年、Netscape(Mozilla)の系統を引き継ぐブラウザFirefoxの登場は、とにかく嬉しかった\(^O^)/。
このブラウザは、今日のブラウザの標準であるブブラウジング、機能拡張(アドオン、プラグイン)の礎を築いた革新的なブラウザだ。しかもマルチOS対応でもある。
このブラウザは、一時はかなりのシェアだったし、私はいまでもずっとバージョンアップしながら利用し続けている。

06年、同じようにNetscape(Mozilla)の流れを汲んだSeaMonkeyが後を追うようにして登場した。
このブラウザは、メールクライアント、ニュースグループなども揃えており、よりNetscapeの正統なる後継者のようなインターフェイスだった。
現在では、こちらは開発を終了しているようだ。
もっとも、続けても利用者がほとんどいない状況では、それも仕方がないだろう。

2000年代前半、Netscapeを駆逐してブラウザ市場の95%を独占していたあのIEですら、2016年の今日ではシェアは一桁代目前でほんのわずかである。
しかし、これはIEにかぎらず、Firefox、Safari、Operaなど、軒並みシェアを減らし続けている。
そうした中で、Windows 10では新ブラウザのMS Edgeを標準搭載したが、それでもChromeには遠く及ばないし、新ブラウザ投入もかつてのIEのような栄華を望むのは無理というものだろう。

ましてや、スマートデバイス(ほとんどはスマートフォン)が中心の社会になり、ネイティブアプリが当たり前になってい状況では、デスクトップPCでのブラウザのシェアを競うこと自体、ほとんどが無意味である。
しかも、この新ブラウザのレンダリングエンジンには、当初はWebKit系を採用することも検討したようだが、そうしたオープンソースのレンダリングエンジンを採用しなかった理由として、IEのTridentのように独自なエンジンEdgeHTMLを持つことで、困ったことだがそれでもなんとか優位性を確保したいという思惑があるようだ。 

■Vivaldi(画像左)
この新ブラウザVivaldiは、なんとあの元Operaの共同設立者Jon von Tetzchneが立ち上げ、Chrome(28以降)、Opera(15以上)でも採用され、WebKitから分岐したレンダリングエンジンBlinkがベースになっている。
従って、Chromeで利用できる機能拡張の多くがVivaldiでも利用できるし、Chromeユーザーであれば違和感なく移行できるだろう。

このブラウザにはいくつかの特長があるのだが、私のようにたくさんのタブを大量に開いているユーザーには、なんといっても「タブスタッキング機能」が便利だろう。
最初はちょっと戸惑うが、慣れれば類似するタブをまとめてくれるので重宝するだろう。

ほかにも、画面が分割されてタイルのように並んで表示できる「タイリング機能」、URLやテキストメモを記録できる「メモ機能」など、独自の機能を備えている。

各機能のナビゲーションも日本語で利用できるので、興味のある人とくにChromeユーザーは試してみるとよいだろう。

■Brave(画像右)
プログラミング言語JavaScriptを作り、Mozillaの前のCEOだったBrendan Eichが新たに開発したブラウザがBraveである。
当初は、サインアップしたユーザにのみ初期バージョンを提供していたが、現在ではサインアップなしでもダウンロードして利用できる。

現在、私のiMacのDockにはOmniWeb、Safari、Opera、Brave(新)、Vivaldi(新)、Firefox、Google Chromeと7つのアイコンが並んでいる。
どれも、最新バージョンで利用しているが、このBraveはとにかく、ほかのどれよりも起動も表示スピードも圧倒的に速い

こちらは、各機能のナビゲーションは全て英語で、Macユーザーは、OS10.9以上でしか利用できないので、その点だけは注意が必要である。

とにかく新しいブラウザの登場は、ブラウザ大好きな人間にとってはこよなく嬉しい状況だ。
今後も21世紀にふさわしいブラウザのさらなる登場に大いに期待したい。


(関連リンク)
▼これまで200万回以上ダウンロードされたVivaldiブラウザがいよいよ公開ベータへ
http://jp.techcrunch.com/2015/11/03/20151102vivaldi-in-beta/

▼ヘビーユーザーのためのブラウザー「Vivaldiベータ版」を試した

▼Operaの人が作ったブラウザ、Vivaldiを試してみた

▼前Mozilla CEOら、新ブラウザ「Brave」公開

▼JavaScriptの父、オープンソースの高速Webブラウザ「Brave」をβリリース

▼新ブラウザ「Brave」(β)を使ってみた Chromeより速くてウザい広告は少ない

▼「Netscape」誕生から20年--ウェブ普及の立役者を振り返る

▼ついに日本でもIEが過半数割れに、世界はすでにChromeが寡占

▼ChromeがMicrosoft Edgeの増加上回る - 10月ブラウザシェア

▼こんなに違う! 世界と日本のブラウザシェア


(おすすめブログ)
●続・激化する「ブラウザ戦争」は誰のため、そして何のため?ーーソーシャルブラウザ“RockMelt”

●「Browserオタク」と呼ばれる私ーー今はFlock、SeaMonkey、Firefoxが、私の“ブラウザ御三家”
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1143682.html

●激化する「ブラウザ戦争」は誰のため、そして何のため?
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/795206.html

●Appleの「インターネット・スイート」ーー今こそ復活して欲しい「Cyberdog」

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研究者たちに会ってきた!ーー「大学共同利用機関シンポジウム2015」に思うこと

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私的公開日誌@151203.01

「このイベント会場できっと出会いそう」と、友人から教えられたのが「大学共同利用機関シンポジウム2015」だった。しかし、その肝心の友人は、当日は仕事で参加できなかったという残念なことに。

私は、毎月SCHOLARに参加していながら、実はこのシンポジウムについては恥ずかしながらまったく知らなかった(^_^;)。
今回、「研究者に会いに行こう!」というキャッチフレーズに誘われ初めて参加した。
ホンネをいえば、自宅にいると11・12月の日曜日に一挙放送している『銀河英雄伝説 外伝』を見て過ごしてしまい、気がつくと夕方という事態は避けたかったという恥ずかしい個人的な事実はあるのだが(;^O^;)。


■大学共同利用機関について

大学共同利用機関とは、全国の研究者の一種のコミュニティーで、国内だけではなく海外の研究者とも連携して学術研究を推進するハブ的な役割を担っている。

各大学だけでは困難な大規模な施設や設備、膨大な学術資料やデータなどの知的基盤、ネットワーク型共同研究や新分野開拓のための場の提供と利用促進を図り、効果的な共同研究をを通じた学術研究の発展に貢献することが目的とのこと。

2004年、下記の4つの大学共同利用機関法人が設立され、各研究分野には様々な研究機関が参加している。

(1)人間文化研究機構(国立歴史民俗博物館/国文学研究資料館/国立国語研究所/国際日本文化研究センター/総合地球環境学研究所/国立民族学博物館)
(2)自然科学研究機構(国立天文台/核融合科学研究所/基礎生物学研究所/生理学研究所/分子科学研究所)
(3)高エネルギー加速器研究機構(素粒子原子核研究所/物質構造科学研究所/加速器研究施設/共通基盤研究施設)
(4)情報・システム研究機構(国立極地研究所/国立情報学研究所/統計数理研究所/国立遺伝学研究所)

年1回、これら各々の研究機関が一堂に会し、各所属の研究者たちの最新の研究成果を発表したり、研究者を目指す人たちとの交流することを目的に、2010年より開催されているのがこのシンポジウム(正式名称は「大学共同利用機関博覧会」)である。


■イベントに参加しての印象

このイベントは今回で6回目を数え、年1回、都内で開催している。
これまでベルサール秋葉原、有楽町の東京国際フォーラムなどで開催してきたが、今回はじめて秋葉原UDX(2階のUDX GALLERY)での開催となった。また、この機関が正式に勧誘したわけではないようだが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)もこのシンポジウムには毎年参加しているようだ。

今年はサイトは昨年までとは違い、ポップなイメージの告知サイトとなった(添付画像)。
当日、各研究機関のブースが出展し、また各研究機関から研究たちが成果を発表するプレゼンテーション(各15分)もあり、会場はほぼ満席だった。
事務局の人に話をうかがったところ、これまでは上記の4つの機構から一人づつの講演形式だったが、今年は初めて各研究機関すべてのプレゼンテーション時間を設けたようにしたとのこと。
これは実に良いことだと思う。

研究者や開発職に限らず、日本人はプレゼンテーションが下手だと言われている。こうした、場でわかりやすく時間内で一般の人々にわかりやすく伝え、自分たちの研究内容や成果を知ってもらうのは非常に貴重でありがたいことだと感じる。

この日、宇宙大好きの私の一番のお目当ては、やはり国立天文台である。
同研究機関の「研究者」バッジをつけた人とブースで気軽に直接話しができるなんてとにかく嬉しい(^_^)。

ハッブル宇宙望遠鏡のおかげで、宇宙に関して様々な新しさと驚きに満ちた発見が数多くあったし、後継機で18年にも打ち上げが予定されているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のようにさらに高性能な宇宙望遠鏡も用意できる今日、地球の大気層に阻まれるている地上望遠鏡はそれでも役に立ったりすることがあるのでしょうかとか。
宇宙全体の96%を占める暗黒物質(ダークマター)や暗黒エネルギー(ダークエネルギー)はいつきちんと観測できるのでしょうか、などというまことに素人のアホ丸出しのような質問にも親切丁寧に教えて(答えて)くれたのだ。

核融合科学研究所のプレゼンでは、実用化や商業利用についての話しがなかったので、早速展示ブースに赴いて質問した。
すると、まず施設を作るのに10年、実験には20年ほど要するとの話しだった。核という言葉を聞くと、我々日本人は先験的に拒絶反応を示してしまう。
いまの日本の原発政策、核分裂による大量の放射性廃棄物がでる原発には私も反対だが、それでもなお核についての研究は是非とも必要であると認識している。

それというのも、宇宙について研究するにしてもより詳しく核について知ることは不可欠だし、人類の存亡にかかわるエネルギー源の確保という避けては通れない問題を解決するためにも、どうしても核については継続して研究することが必要なのだ。
融合というのは、原子力(核分裂)に比べて生成可能なエネルギー量が大きく、また、放射性廃棄物や二次的に出る放射線の量も極めて少なく、その意味では現時点で「理想の核融合燃料」というのは紛れもない事実なのだ。
そもそも、太陽の輝きはこの核融合反応から発している膨大なエネルギーなのだ。


■戦略的な広報活動の必要性

さて、私は、マーケティングコミュニケーションの専門家なので、どうしてもそうした視点でこのイベントを見てしまう。そこでいくつか気がついたことがあるので記しておきたい。

とにかく、PR不足を感じてしまった。
初回(10年)から今年の第6回目まで含め、メディアでの記事やブロガーによる記事などほぼゼロである。広報ワーキンググループ事務局というのはあるのだが、これが前述した4つの各機構により毎年持ち回り制なのだ。

今年は「高エネルギー加速機構」が担当なので、同機構のサーバー内(kek.jp)にシンポジウムページをアップしてあるが、昨年だと自然科学研究所の「基礎生物学」が担当なので、同機構内の(nibb.ac.jp)のアドレスにシンポジウムのサイトがあるという具合だ。
したがって、毎年シンポジウム開催のアドレスがまちまちで開催年により異なるのだ。

大学共同利用機関としてのサイトもアドレス(4kikou.org)があるにもかかわらず、持ち回り制だという理由からのようだが、なんともったいないことをしているのだと感じる。その肝心の機関のサイトも、20世紀の会社案内のようでなんとも味気なくて誰がアクセするのだという印象。

Twitterアカウントも開設してあるが、イベントの案内だけをただツイート(流している)だけである。昨年は、ニコニコ生放送(ライブ中継)を通じた配信と質問を受け付けたそうだが、それも今年は行っていないとのこと。

要するに、持ち回り性だということもあるので、統一しかつ継続的なコミュニケーション戦略がないのである。
例えば、4つの機構の共同ブログでもあれば、日頃から研究者の日常や研究生活など、情報発信できるとは思うのだが、そうしたことも個々人任せで実施されていない。

また、メディア関係者(大手新聞社)も取材に来てくれないそうだ(過去の記事を検索してもないわけだ)。
ロイターやAFP通信など海外メディアに比べ、日本の新聞社は科学については冷淡で記事になることが非常に少ない。
日本人がノーベル賞を受賞したりすればそれなりに取り上げられるが、その科学的な業績などを報道するよりも人物像などに焦点がおかれ、それも芸能レポーターと同様に一時的に騒ぐのが常である(STAP細胞事件が象徴的)。

私であれば、大手メディアなどはどうでもよく、各種の専門雑誌(例:『天文ガイド』など)、サイエンスライター(フリーランス含む)、また科学についてブログを書いている一般の科学好きな市井の人たちを探し出し、そうした人たちにアプローチ(招待)する。
どうせ、一般メディアなど、あとでネットで記事などを発見して慌てて取材に行くような人種なので、ネットでシェアされることの方が今日ではずっと重要なのだ。

特に、サイエンスライターやブロガーたちとの関係は、一朝一夕にできるわけではなく、日頃から地道にネットワーク作りをして継続的なコミュニケーションをしておく必要がある。
そうして、こうしたイベントの時にこそ招待し、できるだけ多くのブロガーたちに記事を書いてもいらうように“おもてなし”するのだ。


■大学共同利用機関への大いなる期待

各研究機関の展示ブースで、かなり年配の人たち数人が専門的な質問をしている姿を見かけた。おそらく、かつては大学での研究者や企業の研究開発職だった人たちかもしれない。後輩たちの研究成果を見るために訪れたという風情ではないだろうか。

最近では子どもや親子向けのサイエンスイベントが盛んだ。
有名なところでは、小学生を対象にした三菱電機の「こどもサイエンス教室」、ディスカバリーチャンネルと宇宙航空研究開発機構(JAXA)共催で、親子で楽しめる「ディスカバリーキッズ科学実験館コズミックカレッジ」などで、小さな頃から科学者や研究者とじかに触れる機会が提供されている。

中学生や高校生も、将来の研究者の予備軍だろう。
そうした人たち向けに夏休みを利用してこうしたシンポジウムを開催することも、少し長い目でみれば日本の研究や開発に大きく貢献できるだろう。
さらに、一般の人たちにとって、研究機関というのは気軽に訪れることができるものではない。民間でも、オープンイノベーションに積極的に取りくむことで成果を上げつつある企業がいくつもある。
ここのところ大学発ベンチャー企業の増加、産学連携の活発な動きも増えているという追い風もある。

ところで、SCHOLARでは、この8月に九州大学理事・副学長でマス・フォア・インダストリ研究所教授の若山正人さんをお迎えして「21世紀を変える数学の可能性」という講義を開催したが、福岡市は大学だけではなく市全体でイノベーションや産学連携に様々な施策で取り組んでいる地域として、ここのところ様々な活動がメディアにも取り上げられ大きな話題となっている。

もちろん、福岡市は、国家戦略特区に指定されており、特にグローバル創業・雇用創出特区(創業特区)に選定されているということもある。
最近では広島県がそうだろう。

後、そうした積極的で活発な活動なども巻き込んだり活用し、さらなる研鑽による研究成果が社会に大きく貢献することを願いたい。
また、このシンポジウムは継続して、さらなる発展も期待することを願いながら帰路についた。


(関連リンク)
▼「大学共同利用機関シンポジウム2015」(ウェブサイト)

▼Twitter

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http://www.4kikou.org/

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テーマ「なぜ微生物学者が地球外生命体を探すのか」に限らない学びと気づきが続々の白熱講義ーーSCHOLAR.professorに参加して

takai_sinsho

私的公開日誌@150721.01

7月14日の夜、探査機「ニューホライズンズ」が冥王星に最接近するニュースに、世界中が沸き立っていた。
まさにその前夜(13日)、JAMSTEC(海洋研究開発機構)で極限環境生物の研究に携わり、JAXA(宇宙航空研究開発機構)で地球外生命探査の客員教授も務める高井研さんを講師にお迎えし、「なぜ微生物学者が地球外生命体を探すのか」をテーマにした講義SCHOLARで開講された

私は小学生のころ、天文雑誌を毎号買っていたほど宇宙が大好きで、将来は天文学者になりたいとまで思っていた。
それは『宇宙大作戦/スタートレック』(OST)を欠かさずに見ていたことの影響が大きい。もちろん、その後に続くシリーズも含めていまだに一番好きだ。
ディスカバリーチャンネルで、宇宙に関する番組を見ていると、登場する天文学者、物理学者、宇宙(天体物理)学者、惑星科学の研究者から宇宙飛行士にいたるまで、スタートレックの影響がとても大きくて強いことがよくわかる。それは、すでに文化なのだ。

中学生になり、父親にねだって天体望遠鏡(反射式)を買ってもらった。初めて自分の目で実際に月のクレーター、土星の輪などを見たときの感激はいまでも忘れられない。
しかし、悲しいかな数学、物理や化学などはどう頑張ってみても苦手で、早々に天文学者のへの道は諦めた。

『インターステラー』(原題: Interstellar)が話題の映画監督クリストファー・ノーラン
1980年、カール・セーガンが監修した番組『コスモス』に影響され、彼も天文学者になりたかったそうだ。
しかし、作文が好きで数学が苦手だった(私と同じだ!)ので諦めた、と天体物理学者ニール・ドグラース・タイソンが司会を務める人気TV番組『Star Talk』(ナショナルジオグラフィック・チャンネル)でのインタビューで語っていた。
数式や化学式は、自然科学を学ぶもには不可欠だ。特に数学は宇宙語とも称されているので、これが苦手だと天文学者にはなれない。

幼少のころ、こういうなにがしかに大きな影響をうけた体験というのは、きっと誰にでもあるだろう。
例えば、『キャプテン翼』を読んでサッカー選手になった人たちは多い。しかし、すべての人がプロになれるわけではない。ましてやJリーガーしかも日本代表、さらには海外の名門クラブチームで活躍できる選手ともなればごく一握りに過ぎない。


■生命に関する「二大命題」とは?

冒頭、高井先生は自己紹介したあと、参加者に向かって下記の質問をした。

1.生命とはなにか
2.生命の起源とは

上記の2つこそ、生命に関する「二大命題」だそう。
先生は、参加者に問いかけた。どちらがより上位の概念と考えるかと。
一般的には、1がより汎用的かつ上位の概念と思われている。しかし、高井先生にとっては2こそが重要なのだという。

高井先生は「地球生物学者」で、専門は超高熱微生物(超高熱性細菌)の生態学。現在は主に世界各地の深海底に生息している多種多様な生物を研究している。

超高熱微生物とは、極限環境微生物の一種で現在でも生息している古い細菌である。極度に高い温度(約100℃あるいはそれ以上)を好む生物群で、非常な高温に耐えることができる生命体のことだ。
主に温泉や熱水地に生息している。また、近年では高圧の深海、海底火山の熱水噴出孔周辺に生息する多種多様な生物も発見されている。
反対に、極低温微生物というのも存在する。

深海底の生物についてわかってきたのは、実は1980年以降のことである。それまで、深海底は、太陽の光も届かない闇の世界で、生物はほとんど存在していないと考えられていた。

さて、太陽エネルギーの恩恵を受けている「光の生態系」に対し、深海底のマントルや地殻あるいはマグマなどの地球内部エネルギー源で生息する生き物を、高井先生は「暗黒の生態系」と呼んでいる
そして地球誕生45億年の歴史において、「生命の起源」をこれらの「暗黒の生態系」と先生は考えて研究に励んでいるのだ。
ちなみに、先生はこの暗黒の生態系」を「プレカンブリアンエコシステム」と呼んでいる。

「暗黒の生態系」とは、実に巧いネーミングだ。
宇宙についても同じことがいえる。

この20年ほどの間、各種無人探査機、そしてハッブル宇宙望遠鏡のおかげで宇宙についてたくさんのことを知ることができた。それらは、私たち(地球人)の推測、予測・予想、憶測、想定、想像をはるかに超えていた
要するに、私たちが、宇宙についてわかっていることは今日でも少なく、わかっていないことの方が圧倒的に多いという事実なのだ。

それというのも、宇宙における「暗黒物質」(ダークマター)や「暗黒エネルギー」(ダークエネルギー)、それらは前者が23%、後者は72%と2つで宇宙全体の実に95%を占めている物質で、前者は宇宙や天体・銀河を形成し(まとまらせ)、後者は宇宙の膨張を促進している重要な物質なのにもかかわらず、見ることも触れることも不可能で、なぜ存在しているのか今日の最新科学でも依然として謎なのだ。

先日、無人探査機「ニューホライズンズ」の冥王星最接近の最初の映像を見た近国立天文台の渡部潤一教授は、「冥王星は、月よりも小さいため、地形の表面での活動は月と同じようにかなり以前に終わっていると考えられていたので、天文学者の予想を大きく覆す結果だ。冥王星の内部にどのようなエネルギー源があるのか、その理由を探ることが今後のポイントになる」と語っている。

つまり、同じ系内についてすらわかっていないことが多いのだ。想像を絶する広大な宇宙について、私たちはなにもわかっていないのに等しい。

ところで、先月(6月)、MITベンチャーフォーラムに参加し、そこでTomyK Ltd. 代表(ACCESS共同創業者)鎌田富久さんから聞いた話しで気づきがあった。
それは「問題解決より、課題設定の方が大事」という視点だった。課題の設定の仕方により当然ながら解決方法(アプローチ)が異なるのだ。

高井先生の場合、課題(この場合、仮説)設定を「生命の起源」とし、それによるアプローチ(研究)をする手法を選んだのだと私は思った。


■すべては「生命の起源」探求のためにーーキャリア形成あるいは職業選択について

高井先生は、大学院から今日まで、そのキャリアの節目で選んだきた道は、すべてがいかに「生命の起源」につながる研究を継続できるかという判断基準で選択してきたと。

ドクターのとき、3つの選択肢が用意されていたそうだ。
JAMSTEC(海洋研究開発機構)は、もっとも自由度とフレキシビリティが高かったから選んだと仰っていた。つまり、先生自身が引き続き「生命の起源」研究がもっとも継続できる組織あるいは職場環境として選択したということだ。

その後も、すべての選択はその1点のみによると。そうした点では実にぶれていない。
ちなみに、JAXAと比較すると一般的な知名度があるわけではないが、JAMSTEC(海洋研究開発機構)は、しかしNASA(アメリカ航空宇宙局)に近しい存在であると高井先生の話しだ。

ところで、3月のSCHOLARでは、慶應義塾大学環境情報学部教授の増井俊之教授をお招きし、「当たり前に受け入れている不便を拒否しよう」がテーマの講義を聴いた。
そのときの増井先生のキャリア選択の視点と考え方と、高井先生とのそれを比較すると面白いだろう。

増井教授は、次に進むときは、自分がなにか新しく学べるあるいはこれまで知らなかったことについて、知見を得るチャンスがあるか否かでキャリアの選択を決定してきた、というような趣旨のことを語っていたように記憶している(ひょっとしたら、読んだ著書に書かれていたかも^-^;)。

そうした人生やキャリアの選択肢において、どちらが最適解なのかは、私にはわからない。
どちらの考え方がより正しいのかとか、価値があるのかなど正解はないだろう。
それは、その人の職種、かかわっている専門分野や領域、人との出会いや縁、人間関係、職場環境、さらには運によって異なるだろう。
しかし、お二方に共通しているのは、確固たる自分自身での判断基準を持っているということだ。


■人間進化の根源的なものーー好奇心とイマジネーション

今年の3月、日本人を中心とする研究チームが、氷で覆われた土星の衛星エンケラドス内部に「熱水」が存在するという研究成果を、世界5か国から集まった科学者たちの国際会議で発表した。
地球以外で初めて「水・熱・有機物」という生命誕生に必要な3要素を確認し、世界中の科学者たちを驚かせたことは私たちの記憶にも新しいだろう。

そうした状況を受け、翌月(4/13)のNHKクローズアップ現代で「ついに発見!? 地球外生命に挑む科学者たち」が放送された。その際、番組でゲスト出演したのが高井先生だった。

系内では、生命可能性の存在が高い筆頭といわれているエンケラドス(土星)のほか、エウロパ(木星)、タイタン(土星)、ガニメデ(木星)と、4つの衛星に生命の可能性が指摘されている。すべて木星と土星の衛星である。

もちろん、冥王星の外縁部のカイパーベルト内(太陽系外縁天体群)には氷の天体が数百万も存在し、そのなかには冥王星と同じあるいはより大きい氷の天体が存在する可能性があることもわかってきた。そのうちのひとつで、05年に発見された準惑星エリスの公転周期なんと約550年。
仮にそうした天体群の中に、天体内部エネルギーを持っているものがあれば、さらに生命の可能性は広がるだろう。

なにせ、冥王星、エリスの先には、いわゆる「オールトの雲」(約1光年)が存在し、その範囲内には、大小なんと1兆個の天体が存在するともいわれている。

これは、わゆる系外惑星についても同じことがいえる
そうした天体のどれかで万が一にも生命が確認され、そのDNAなどの解析が進んで判明したとき、地球だけが生命誕生の天体ではなく、あまねく宇宙には生命が満ちあふれていることも推測されるし、地球だけではなく宇宙における生命の起源解明にもつながる可能性すら秘めているのだ。

そうすれば、「アストロバイオロジー=宇宙共通原理としても生物学」が大きな意味や価値を発揮する。

あ〜、やはり早くエンタープライズ号ができないかな。
完成すれば、宇宙探査(スタートレック)が格段に進歩するぞ。そうしたときに生きていて、その時代や社会の到来を見てみたいものだ。

また、昨今では大きな話題となっているシンギュラリティ(技術的特異点)であるが、高度に発達したAI(ロボット)が誕生したときにも、人間にとって生命とはなにかという哲学的かつ科学的な命題が突きつけられるだろう

高井先生の話しは聞いているだけでワクワクするし、好奇心とイマジネーションがとても刺激される
先生ご自身は、だれもやらないことに意義を感じ、せざるをえない動機、つまり初源的なもの、根源的ななにかに突き動かされていると仰っていた。
それはまさしく科学者としてパトスだろうし、自己欲求や自己実現の究極の姿かもしれない。
私自身も常に好奇心を持って生きているし、それがある意味では自分の原動力、もっといえばレゾンデートルだと勝手に思っている(^_^;)。

成功するか否かは不明だが、好きなことを追求して生きていくのは茨の道である。この世の中で、もっとも困難なことは意志的に生きることだと私は感じている。

もとより、しがらみに悩みながら生きていくのも辛いしストレスだぞとの声が聞こえてくるし、それも一理はあるのを認めるのにやぶさかではない。
しかし、私は実感的に断言できる。それでも大組織の中でその一員や歯車として、誰かの判断や決定に従って行動や選択している方がある意味では楽だと(キッパリ)。

私は、最近、都職員として8年間勤めた職を辞して福祉作業所を立ち上げた人の記事を読んだ。
こうした道を選択する方が、不平不満だけを言いながら都の職員職にしがみついて生きるより、遥かに険しい道を歩むことになるだろうことは、だれにでも容易に理解できることだ。

人はなにか課題や問題を前にしたとき、できる方法を探すのは遥かに大変だし困難だが、できない理由を答えるのは簡単で楽だし、それが一般的な習性だというのは否定のしようがない事実だ
これは例えてみれば、“GOTHAM”のゴードン刑事の生き方を選択しようと人は望まないだろうが、それでもあえてその茨の道を選択する人はいるとうことだ(^_^;)。

ところで、講義後、私が高井先生にエンケラドス(土星)とエウロパ(木星)、そのどちらにより生命の存在する可能性が高いとお考えですかと質問したところ、エウロパと実は返答があったことも付け加えておこう(^_^)。


■短期的な利益か、それとも意義と価値かーー難しい問題

また、短期的な現世利益(リターン)か、長期的でしかもリターンがあるか否かわからないものに投資するのかという、二者択一の選択の問いかけが先生からあった。

私は、後者が自分自身の価値観と生き方だと思うが、機関投資家のようにすぐに利益を得られるのかを選択するのは、その人の価値観や生き方であると思う。

もちろん、どちらだけしか存在しないのはバランスを欠くとは思っているし、現状の経済活動を円滑にするのは難しいだろうことも理解できる。
エンタープライズ号のピカード艦長の言う「24世紀には、お金ではなく人類の成長のために働く。」というのが当たり前な世界システムが、一刻でも早くできあがるようになるのがもちろん理想だと私個人は思っている。

今回、高井先生の講義に参加したのは、もちろんテーマに最も関心があったからである。
しかし、テーマによる講義だけではなく、様々な気づきやヒント、学びと確認がある非常に貴重な体験だった。人は何に影響を受けて生き方を決めるのか、キャリア形成に対する考え方、人生の様々な段階(レイヤー)で出会うセレンディピティや運(チャンス)などのとらえ方などだ。

かのゲーテは、たった1冊の書(本)がその人の人生を変える、というような主旨の発言を確かしていたように記憶している。なにかに気づく、発見する、ヒントをえる、影響を受ける、さらには開眼や啓示を受けるようなとき、それが人、音楽か映画、あるいはマンガやアニメである場合もあるだろう。

たとえそれがどのようなものに基づく体験であれ、なにかを学ぶ人、気づく人というのはなんでも栄養として吸収したり養分とするものなのだ


■これまで参加して感じていること

さて、高井先生の白熱講義は、私個人にとってはこれまでの中でも特に印象深く興味の尽きない講義だった。
SCHOLARは、聴講するだけの講義や拝聴するだけのありがちな20世紀的セミナーや講演会とはまったく異なる。
例えてみれば、今日の「アテナイの学堂」のような気がする(ちと大げさか^-^;)。

毎回の講義は、普段ではめったに聞けない話や内容であり、またこうした場がなければ会う機会やご縁をえることが叶わない人たちだ。刺激的で私の好奇心をそそるテーマや内容だからこそ、都合がついて可能な限り参加している。

しかし、学生(大学院生)もいるが、参加者の多くはほとんどがビジネスパーソンつまり社会人である。職種や年齢、キャリアやバックグラウンドも異なる多彩な人が集まっている。

したがって、テーマによる講義がもちろん最重要なのだが、それだけではなく、講義内容から参加者が様々な気づきや発見、自分自身で持ち帰れる“なにか”があることが理想的なのだと実感した。もちろん、すべての講義が常に同じというわけにはいかないだろうが。

もっとも、同じ本や映画を見ても、すべての人がそこからなにかを学んだり気づきえる(厳密には引き出せる)わけではない。やはり、人それぞれである。「本の半分は、読者によってつくられる」との格言もあるくらいだ。
だから、それは提供者側の課題でだけではなく、その半分は参加している私たち姿勢や心構えに実はかかっているいるという自覚も、また大いなる真実であるのだ。

例えば、スピルバーグ監督作『ジュラシック・パーク』(93年)と『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(97年)は、恐竜のCG技術ばかり注目されたが、隠されたテーマは高度なバイオテクノロジーを持つ科学者と、資本制社会においてそれを支援する企業との関係性(あり方)について、実は問題や極めて示唆を与える作品として提示されているのだ、という視点で見ることもできるだろう。

いづれにせよ、新しい試みなので試行錯誤はあるだろうが、SCHOLARにはこれからも期待したい。

さて、次回のSCHOLARは8/28(金)の開講で、初の週末開催となる。
「21世紀を変える数学の可能性」をテーマに、九州大学理事・副学長、マス・フォア・インダストリ研究所教授若山正人さんをお迎えしての講義だ。
ま、まずい。なんと、私のもっとも苦手な数学の登場だ。はたしてついて行けるのか、いまから心配だ(~_~;)。

(1)九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所
http://imi.kyushu-u.ac.jp/~wakayama/index.html

(2)「数学の博士を広く世に送り出すことは疑いなく社会に役に立つ」(若山正人さんのインタビュー)
http://globe.asahi.com/feature/100201/side/01_06.html



(関連リンク)
▼JAMSTEC(深海・地殻内生物圏研究分野)
http://www.jamstec.go.jp/sugar/j/

▼プレカンブリアンエコシステムラボラトリー
http://www.jamstec.go.jp/less/precam/j/

▼高井研「まだ見ぬ生命を深海・宇宙に求めて」(JAXAインタビュー)
http://www.jaxa.jp/article/interview/2013/vol78/index_j.html

▼第11回 高井研:私を氷衛星地球外生命探査に連れてって(前編)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20140708/406546/

▼第12回 高井研:私を氷衛星地球外生命探査に連れてって(後編)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20140708/406546/

▼「ついに発見!? 地球外生命に挑む科学者たち」(NHKクローズアップ現代)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/d13)etail02_3639_all.html

▼「高井研「極限・宇宙生物学〜生命の起源はどこにあるのか」(13年12月6日)
https://www.youtube.com/watch?v=RDniq-rhyvE

▼イノベーションに欠かせない「好奇心ドリブン」の学習法
https://mirai.doda.jp/series/point-of-view/planned-happenstance-learning/


▼福祉作業所に革命を起こす 元東京都職員が職を投げ打ってのチャレンジ
http://www.huffingtonpost.jp/jun-hori/handicapped-work_b_7829432.html?utm_hp_ref=japan-society


(おすすめブログ)
●生命体存在の可能性が高い太陽系内の衛星についての「まとめ」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1899843.html

●MITベンチャーフォーラムーー「新産業・新技術ベンチャーカンファレンス」に参加して
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1896886.html

●"コロンブス指数"で「30年後の普通や常識を考える」ーーSCHOLAR.professorに参加して
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/730.html

●アオヤマの学堂:SHOLARイベント
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/cat_50673.html

●近未来像を見る[宇宙/ロボット/SF]
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/cat_35550.html

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