Bianchiの徒然ブログ

インターネット、そこは技術のフロンティア。 これは、コミュニケーションアーキテクトたる“macume”が、新時代のツールBlogの下に、21世紀において執筆を継続し、未知のネット世界を探索して、新しい情報や人との出会いを求め、永劫進化するネット世界に自由に公開した日誌である。

【書評】神のなせる采配か?ーー『ジョナサン・アイブ〜偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー』

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私的公開日誌:ウェブ暦@150330.01

それはまるで「神の采配」としか思えないジョブズとアイブとの出会いのことだ。それが、本書を読んだ第一印象である。

iMacにはじまる今日のアップル社の快進撃と隆盛は、スティーブ・ジョブズひとりに帰せられるものではない。
ジョブズ、現CEOティム・クック、本書の主人公であるジョナサン・アイブとが三位一体となり、アップル帝国をつくり上げたという方が正しいだろう。

私は、勘違いをしていたのだが、アイブの名が特に知られるようになったのはここ数年で、その最初が98年の初代iMacからのデザイナーだと思っていたのだが、実はそれよりずっと前から同社のデザイナーだった

本書は、故ジョブズの“魂の継承者”たるジョナサン・アイブの英国時代の若かりしころから、アップル社でだれよりも権限を持つほどの存在になるまでを綴った本だ。
全13章のうち、彼の英国時代が3章まで、アップル社時代が4章からで、特に故ジョブズとの関わりがあり読み応えのあるのが5章からである。


■高校時代からその“天賦の才”を発揮

アイブは、すでに高校生のころから頭角をあらわしその才能は際立っていた。
彼は、英国王立芸術協会(RSA)のコンテストで、賞を2回も受賞した初めての学生だった。高校時代に1回、大学時代に1回

大学の学費は、当時の英国屈指のデザイン企業RWG(ロバーツ・ウィーバー・グループ)が学費を援助した唯一の学生であり、大学時代にはそこでインターンもしていた。
大学を卒業するころには、すでにプロの世界でもその名を知られていたほどだった。

アイブ自身、コンピュータにはなじまなかったそうだが、1987年、Macintoshと出会ったことが、その後の彼の運命の導きとなる。

大学卒業後、そのRWGに入社してプロとしてのキャリアをスタートさせた。
そこでは、世界各国の大手企業からの仕事を引き受けていたが、景気の悪化から同社をやめることになった。
その直後、ロンドンにあるデザイン企業Tangerine(タンジェリン)に加わった。

RWG、タンジェリン時代は、世界の有名な大手企業のプロダクトデザインをいくつも手がけたが、そうした中には日本企業も数多くあった。

1991年、ロバート・ブルーナーがそのタンジェリンを訪問する。
ブルーナーは、当時のアップル社内にデザインスタジオ(IDg)を開設し、デザイン責任者におさまっていた。
89年、アイブが大学を卒業したてのとき、RSAの賞金で米国旅行に出かけた。その際、カリフォルニアを訪問してブルーナーと知り合った。

ブルーナーは、優秀なデザイナーを探して欧州のデザイン会社をいくつも訪れていたのだが、もっとも関心をもっていたのがアイブであり、どうしても彼をアップル社にスカウトしたいと切望していた。
アップル社はタンジェリンと契約したが、最終的な正式な製品には到らなかった。

92年、ブルーナーの誘いを受け、アイブは妻とともに米国に渡りアップル社に入社する。彼は27歳だった。


■アップル社ーージョブズとの出会い

アイブが最初に手がけたのは、当時PDAといわれ、これからの時代を担う製品とまで称されていた2代目のニュートン・メッセージパッドだった。
その後、97年、アップル20周年記念限定製品として販売されたMacintosh「スパルタカス」のデザインにも携わった。

しかし、アップルの業績は回復せず、倒産まであと3ヶ月となったとき、ジョブズが劇的に同社に復帰する。アイブ自身、この時点では実はアップル社を去って英国へ帰国することを考えていた
ジョブズ復帰が発表された日のミーティングの場で「僕らの目標は金儲けではなく、偉大な製品を作ることだ」というジョブズの宣言で思いとどまる。

ジョブスは以下のようにも語った。

「アップルが市場の支持を失ったのは、顧客の本当のニーズに集中せずにすべての人にあらゆるものを提供しようとしたからだ。」

そうして製品ラインアップを含め、大胆な集中と選択(リストラ)を断行する。その中にはアイブも手がけてきたニュートン・メッセージパッドも含まれていた。

我が国でも集中と選択(リストラ)というのは行われるが、れは自社の都合で行われることがほとんどだ。ジョブスは、それではダメなことをわかっていたのだろう。
製品のコンセプト自体から作り直し、顧客にとって何が最良なのかを根本から考え直した。

当初、ジョブズは外部の著名デザイナーを探していた。アイブのことなど知らなかったのだ。
しかし、しばらくしてデザインスタジオを訪問したとたん、そこに並べられていたプロトタイプの数々を見て驚き、アイブと意気投合してその後はこのスタジオに入り浸りになる。

そしてiMacが誕生する。
しかし、発売された当時、特にフロッピーディスクドライブを非搭載としたことが批判された。それについて、アイブは以下のように語る。

「フロッピーディスクドライブは、古臭い技術だ。批判は承知しているが前進に摩擦はつきものだし、進化が段階的に起こるとは限らない。」

別に日本企業でなくとも、通常であれば役員会では承認されないだろう製品だ。役員の誰かが「フロッピーディスクドライブはあった方がいいだろう」といえば、その通りだと他も常識的な同意するだろう(ないよりはあったほうがという意味で)。
そうして、いくつものほとんど使われないような機能までつけた製品が開発される。

しかし、iMacは大ヒットして、ここからアップル社の復活劇が始まる。
Macintoshが最初につくられたとき、それまでのようなコマンドを打ち込んでコンピュータを操作する専門家以外の人たちのためのコンピュータという意味で、“The Computer For the Rest of Us.”(普通の人々のためのコンピュータ)をコンセプトに掲げていた。

実は、iMac購入者の32%が初めてPCを購入し、12%がWindowsから乗り換えだった。
そのポップな筐体からおもちゃのようだとも評されたが、iMacはそのコンセプト(原点)へ回帰するようなマシンだった。

その後のiPod、iPhone、iPadもそうなのだが、発表時はさんざんな評価だったがこれらの製品はいずれも大ヒットし、それまでPCやそうしたデバイスとは無縁な多くの人たちを魅了し、結局は競合他社も追随することになる。

ジョブズは、日本でもベストセラーとなったウォルター・アイザクソン著『スティーブ・ジョブズ』(講談社刊)の中で、アイブについて以下のように語っている。

「アップルでジョニー以上に業務運営の権限を持つのは私だけだ。彼に支持を与えたり、口を挟んだりできる人間はいない。私がそうしたからだ。」
「アップルの魂をだれよりもよく理解している。僕に精神的なパートナーがいるとしたら、それはジョニーだな。」

ジョブズが、いかにアイブを信頼しきっていたかがわかる。
そいういう意味では、アイブこそ、ジョブズの精神を体現している後継者であり、唯一無二の存在で換えのきかいない人物であるには違いないのだ。

しかし、この間がすべて順調だったわけではない、アイブと当時の上司との軋轢や葛藤、エンジニア部門との対立など、いくつかはまるでドラマさながらのエピソードのように本書でも紹介されている。

また、デザイナーがはたす役割は、素材選び、工法や工程などの製造技術まで含めた仕事だということがよくわかるだろう。
これから、プロダクトデザイナーを目指したい人には、様々なヒントや気づきを提供してくれる点が多いのも本書の特長である。

本書の著者は、以下のように締めくくっている。

「iMacに始まったジョニーとジョブズとのコラボレーションは、歴史上もっとも豊かに実った創造的パートナーシップといっていいだろう。ふたりは力を合わせてアップルのエンジニアリング主導の文化を覆し、すべてがはるかに融合されたデザイン主導の手法を築き上げた。そのこでは、ハードウェア、ソフトウェア、広告も含めた創造的なエンジニアリングという意味での「デザイン」がアップルのすべてに沁み込んでいた。」

歴史に「れば・たら」はないが、もしアイブがアップルに入社しなかったら、これほどの復活劇と大成功はなかっただろう。

アップル社のデザインでは、これまではフロッグデザインのヘルトムット・エスリンガーが有名であった。その彼は『デザイン イノベーション〜デザイン戦略の次の一手』(翔泳社刊)を著している。
 
いつの日か、アイブも自身のデザイン哲学と秘密を同様に語る本を著してくれるだろう、と期待したいものだ。


(関連リンク)
▼アップルの天才、ジョナサン・アイブは2ミリの妥協もしない
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/watcher/14/334361/021800190/

▼ジョブズが認めた天才 ジョナサン・アイブ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150106/275856/


【おすすめブログ】
●デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(1)ーー奥山清行氏の話に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1293548.html

●デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(2)ーー奥山清行氏の話に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1294186.html

・映画『ロスト・インタビュー スティーブ・ジョブズ 1995』を見て改めて感じること
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/519.html

・Appleのモノ作りの独創性、革新性の秘密についてーーフィル・シラーが語ったこと
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1005152.html

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〓 ハイ・コミュニケーション私論 〓(ITmedia)
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/

〓 Biz/Zine:書評連載スタート! 〓
http://bizzine.jp/person/detail/44/
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書評の極意3カ条を授かるーー「書評家失格!」を書いた私が、書評デビューすることになって

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私的公開日誌@ウェブ暦:150306.01

翔泳社がオープンしたビジネスパーソン向けの新サイト「Biz/Zine (ビズジン)」で、書評の連載をお引き受けすることになった。

今日、書評というのは出版社にとっては、数ある施策の中でも重要なマーケティング活動である。もちろん、ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディア活用によるコミュニケーションと拡散も欠かせないだろうが、できるだけ多くのメディアで書評に取り上げられることで認知度を高めたり関心を集め、それが好評であれば評判をよぶし、たとえ悪評であっても話題となることでその本自体が耳目を集めて売れ行きにも影響を与える。

また、読者にもっとも近い書店員主体によるこうしたコミュニケーション活動も盛んである。
全国の売り場書店員たちの投票だけで決まる「本屋大賞」も人気だし、紀伊國屋書店ではスタッフが推奨する「キノベス!」、読者参加型で人文図書だけを対象にした紀伊國屋じんぶん大賞」などのように、独自のプロモーションイベントも開催している。

さて、翔泳社といえば、ムーア『キャズム』をはじめ、クリテンセンイノベーションのジレンマ』、ソーシャルメディアの教科書『グランズウェル』『コトラー 新・マーケティング原論』、『ストラテジック・イノベーション 戦略的イノベーターに捧げる10の提言』、『企業文化のe改革』などのHarverd Business School Pressシリーズ、 『ビジネスモデル・ジェネレーション』などのベストセラーや話題のビジネス書を刊行し、ほかにもジャック・トラウト、アル・ライズなどマーケティング大家の本など、ビジネスパーソンであればだれでも聞いたことのあるタイトルの本ばかり、とりわけ良書の翻訳本を刊行している出版社という印象が私にはある。

また、MarkekZineEnterpriseZineCodeZineの各々サイト、それらに関連したイベント開催でご存じの方も多いだろう。
さらには、ITそれも特に開発係の人たちには、エンジニアの祭典といわれるDevelopers Summit(通称:デブサミ)の主催企業としても知られているかもしれない。

昨年(14年)末、「企業のイノベーションを加速させるメディア」をコンセプトにしたBiz/Zine (ビズジン)が、それらサイトに新たに加わった
企業のイノベーションをテーマにし、企業の事業開発や、スタートアップ、テクノロジー関連を中心に、キーパーソンへのインタビューやフォーラムなどのレポートを掲載するなどヒト・モノ・コトなどInnovationに特化した新しいコンテンツサイト


■書評は人気のコンテンツ

読書ばなれとか活字ばなれといわれ続けてずいぶんと久しい。
しかし、私が参加している読書人倶楽部「10 over 9 reading club」をはじめ様々な読書会が人気を集め、書評(ブックレビュー)は新聞や雑誌だけではなく、テレビやラジオでもコーナーがあり、人気も高くニーズも多い。もちろんウェブでも同様だ。

書評というのは、かつては文芸批評家や批評家、作家、エッセイスト、ジャーナリスト、学者(研究者)などの余技としてあつかわれていたことから、批評に比べてどうしても格下とみなされてきた。
さらに、本にはあらゆるジャンルが存在し、それらのど分野についても専門的に語るというのは不可能である。だからこそ、各々の分野のプロたちが、その余技として引き受けてきたという事情もある。
最近では、IT系のエンジニアを中心とした書評(ブログ)が人気だ。

今日、ブログなどの個人書評家も数多くいるし、紀伊國屋書店書評空間」を筆頭に、HONZ、「Book Japan」などに代表される書評サイトがいくつもあり、5大紙中心の書評掲載情報を記録・公開する「書評ニュース」というサイトもあるほどだ。さらにamazonのブックレビュー、様々なソーシャルリーディング(老舗の読書メーター、メディアマーカーから、ブクペ、InBook、booklog、ビジネス書要約bookvinegar)など、多くの読書好きな人たちがこれらのサービスを利用している。
かつてと比較すれば、書評家という職業も一般的に認知され、職種としても確立されているように感じる。

一方、読み手側の事情を考えると、なにを読んだらいいのかわからないという人が意外と多い実情を、以前にもブログに書いた。そうした状況もあり、書評はブックガイドとして活用されることが多い。読書家にしていまや“書評家経営者”の趣も備わったライフネット生命の出口さんなども、読書に迷っている人たちへの処方箋には、聞の書評欄で関心をもった本から読むことをすすめているほどだ。

書店のPOPでは、新聞や雑誌などの書評の切り抜きが飾ってあり、また書店員の書いた寸評や推奨POPで購入する本を決める人たちもいるし、大型書店では書評に取り上げられた本の専用コーナーもあるほどだ。
さらに、ベストセラーランキングを参考にして本を選ぶ人が、この数年はとくに顕著だという話しはあちこちで聞く。どこの書店でも、ベストセラーランキングのコーナーは書店の入り口や目立つところに設けている。


■私が書評を書くようになるまで

私は、これまでにも個人ブログに書評をいくつか書いてきた。
一番最初に書いたのは、09年「【書評】『瀬名秀明 ロボット学論集』を上梓」だった。その当時かかわっていた仕事の関係でロボットについて調べていたら、この著名な小説家がじつはなみなみならぬロボットに造詣が深いことを知って思わず書いたのだ。

ビジネス書では、11年に「【書評】『独自性の発見』復刊によせてーーマーケティングにおける独自性と差別化(1)」を書いた。これは2回の連載だったが、(2)を書くまでの間にアップル社のジョブズが逝去するするというニュースが飛び込んできた。そのショックで、2回目に書こうとしていたことをすっかりと忘れてしまうほどだった。

また、12年には自己啓発本について考察した「【書評】ビジネス書という「無間地獄」に思う」という記事を書いた。このときは一度の記事で3冊についてまとめて書評を書いた。

しかし、私が意識して書評を書くようになったのは、読書人倶楽部「10 over 9 reading club」という、友人がはじめた集まりに積極的に参加するようになってからのことだ。
 
この読書会では、ゲストによるトークと推奨本の紹介、その本の中から課題図書を選んで読書会というユニークな構成になっている。私は、毎回参加するたびに勝手に関連(おすすめ)本を持参して紹介するようになり、どうせなら読んだ本についての意見や感想をアウトプットの質を高めるために書評ブログを書こうと考えるようになった。
それでも、個人ブログに書くだけにとどめていた。

一度だけ、外部のITmedia「マーケッター通信」に書評を掲載したことがある(【書評】セレンディピティや多様性が失われ、「類は友を呼ぶ」だけの世界になってしまうのか?ーー『閉じこもるインターネット)。それでも、自分のブログと同様に字数制限などに関係なく好きに書いたし、特に書評的な書き方をしようという自覚もなかった。

今年はじめ(1/16)、『書評家失格!ーー書評とは何かについて考えてみた』という自分のブログの中で、「別に連載を持っているわけではないのだが、それでも私は一般的な紙メディアのように字数制限のある書評欄の担当は完全に無理だろう」と、じつは書いたばかりであった。

その直後、翔泳社の担当者から「書評を書きませんか」とご連絡をいただき、まさか自分が書評を連載することになろうとはまったく予想もしなかった。
 
もともと文芸批評が愛読書で、他者をダシに自分を語るような私に、書評がそもそもつとまるのかという懸念があった。字数制限内で短く、しかもわかりやすく本を紹介するような芸当はとうてい無理だと思ったが、とにかく話しだけはうかがってみることにしたのだ。


■書評における極意とはなにか

書評は「本の時評」だと心得ているので、発売後1〜3ヶ月以内の新刊が対象というイメージがある。
しかも、定型と字数制限もあるので、書評“若葉マーク”の私としては、ここはやはり達人に教えを請うしかなく手練れの二人にご指南をお願いした。
 
文芸批評とは異なり、書評は確立された方法論がない。書評家といえば、岡崎武志豊崎由美のお二方が知名度としても現在の代表格だろう。また、根強いファンから名人と讃えられた<狐>こと村山修もいるが、恥ずかしながら私は彼らの本を読んだことがないのだ(^_^;)。

今回、私がご指南を仰いだのは斎藤美奈子成毛眞だ。
斎藤は、『本の本』、『趣味は読書』、『読者は踊る』など、成毛は最新刊『本棚にもルールがある』

斎藤は軽妙洒脱で軽い毒のある書評に定評があり、本人も書評が大好きだと公言してはばからないが以下のように述べている。

「書評はけっして費用対効果の高い仕事とはいえません。読むのは天国、書くのは地獄。場合によっては、読むのも地獄、書くのも地獄。」

本というのは消耗品であり「未来の古紙候補」だとも語る。
だから、誰でもが知っている本より光のあたらない良書というものがあり、そちらのほうが重要なのだと彼女は指摘する。
あ〜、やはり。少数のベストセラー、それらとはまったく無縁なその他の大量の本という、ここでも格差が著しい出版業界である。

「それがために、時には伝道者の気分でその本の魅力を喧伝し、時には著者になりかわってその意義を力説し、ときには読者の立場でちょっとした苦言や要望を呈する。」

斎藤は、書評を「読書代行業」と自認し、ほとんどの人たちがバイヤーズガイドのいわば予習として利用するだろうが、じつは復習で読むほうが面白く、書評は「読書を立体的にする」と述べる。
時評なので、旬を過ぎれば価値が劣化すると思うのだが、それでも時間の経過とともに「風俗資料としての価値を持つようになる」という斎藤らしい物言いだ。

一方、成毛の最新刊は「特別付録[HONZ特製]Webで読まれる書評の書き方」につられて購入した。
書評の心構えについて参考となるイメージは、書店の店頭にあるPOPを書く書店員の気持ちと同じだ、と述べたあとで以下のように言っている。

「書評に個人的な思い入れは不要だ。書き手がどんな体験をしてきた、どんな個性の持ち主かは、読み手には一切関係がない。(中略)極端なことをいえば、書き手がその本を好きか嫌いかや、良いと思うか悪いと思うかは関係ない。ただ、面白いという事実だけに全力を尽くすべきだ。」

したがって、誰が書いても同じといわれるようなものがいい文章で、ビジネス書の報告書のように無個性でわかりやすくて読みやすければそれでよいのだと。

両者の共通点は、書評は「この本、読んでみたい!」と伝えることなのだが、成毛のように無個性な文章が理想的というのは、amazonのブックレビューなどを読んだときには特に感じることである。
だが、これは「文は人なり」という言葉を思いおこすと簡単ではない。

では、どこで個性を発揮するのかといえば、「書評する本選びだ」というのが成毛の考えだ。
これには思わず「なるほど!」と感心した。あたかも、セレクトショップのバイヤーのセレクトした商品あるいはラジオDJの選曲センスがその人の個性であるのと同様な発想や視点だ。

さらに、豊崎由美の書評講座で鍛えられた書評家の石井千湖は、インタビューで以下のように答えている。

「文章を書きたい人っていうのは、私も含めて自己顕示欲が強いところがあるので、強引に自分の得意分野にもっていったり、本よりも自分の頭がいいことをひけらかしたりする文章になってしまいがちなんです。豊崎さんはそうした一人よがりの文章には厳しかった。その時、書評って自分に寄り添うのではなく、本に寄り添わなければいけないということを徹底的に叩き込まれましたね。」(「読者と作家をつなげる書評家の仕事」)

こ、これはイタタタ! 他者やその本をダシに自己を語る私には、じつになんとも耳に痛い言葉。自戒を込め、本に寄り添えるように心がけよっと(^_^;)。
また、書評はこれから読む人たちに向けて書かれるものなので、書評を読んだ人がその本を読みたくなるような仕掛けが必要だし、媒体の読者に合わせる工夫が求められるとも石井は語る。

私が授かった書評の極意3カ条は以下だった

(極意その1)書評は、たんに一読者として本を読み、その本に寄り添う心構えが必要なこと。
(極意その2)文章に個性は不要。本の面白さをわかりやすく短い文章で伝えて読書を促すこと。
(極意その3)書評する本の選定にこそ、その書き手の個性がもっとも発揮されると心得ること。

とにかく、私が好きな文芸批評(批評)とはやはり真逆な視点や書き方なのだが、書評に対する姿勢や輪郭が見えてきた。
上記の方々に「書評」についていろいろとご指南を頂き、極意まで授かったのはありがたかった。

しかし、極意を授かっただけで、自分の書評スタイルを自家薬籠中のものとできるか否か、これから修行や研鑽をつんでさらに自分の奥義を極める道はまだずっと先だ。


■自分の書評スタイルを目指して

担当者と話しをする中で、他のどこでも取り上げるような本(特に自己啓発本)、誰もが書くような書評は避けたいとの言葉があった。
私も、ありきたりな本については書きたくないし、できれば評と批評を架橋する新しいスタイルを確立したいという野心は正直ある。

書評がきっかけでその本を読んでみたい、ただなんとなく面白そうということも大事なのだが、読んだことで新しい視点や発想、気づきやヒントなどが提供できれば書評の意義や価値があると思っている。
もとより、「読書の半分は、その読者自身によってつくられる」との至言もあるので、有益な書物であっても、読んだ人すべてがなにかを得られるということは約束できない。
amazonのブックレビューを見ていると、同じ本でも人の読み方はじつに様々であることがわかるだろう。

『敗戦後論』でも知られている文芸批評家の加藤典洋は、『僕が批評家になったわけ』の中において以下のように語っている。

「書いた人間がくだらなくとも、読む人がすぐれていると、書かれたものはすぐれたものとして読まれるということがありうる。」

であるとすれば、私ごときの書いた書評でも、もしすぐれた本として読まれることになれば、それは書いた意味があるということになるに違いない。

書評コンテンツの正式オープンは4月予定とのこと。それまでどのような書き方(書評スタイル・フォーマットや文字数)が最適なのか、いくつか試しながら様子を見ながら決めるとのこと。私も異なるスタイルで、1〜2回テスト的に書いてみることになった。

私の初回掲載分は(2/27)、各々の本からの引用もまじえて1回で3冊紹介する寸評形式で書いてみた。
本の選定は任されている。自分視点でピックアップした本を、いわゆるビジネス書という領域に引き寄せて書評を書けるようにできればと考えている

ところで、小林秀雄は晩年(昭和39年)の『批評』において「書きたいように書いたら批評となった」と語っているが、これぞまさに批評の奥義を極めた名人のお言葉。
私もこれに倣えば、畏れ多いことだが本について書きたいように書き、語りたいように語ることがそのまま書評となるようであれば理想の境地だと思っている(理想が高すぎて、これはちょっと難しいか^-^;)。

今回の書評連載は、私には新しいチャレンジである。どこまで続けられるのかわかないが、それでも引き受けたからには、もし自分で納得できる書評スタイルを確立できたとき、「書評家」と称しても恥じないようになっていれば望外の喜びだと思っている。


(関連リンク)
▼翔泳社がビジネス系オンラインメディア 「Biz/Zine (ビズジン)」をスタート
http://www.atpress.ne.jp/view/53912

▼(第1回書評)「ビジネス・クリエーション」を考える新旧本質の3冊
http://bizzine.jp/article/detail/594

▼Biz/Zineブックレビュー
http://bizzine.jp/article/corner/24

▼【書評】セレンディピティや多様性が失われ、「類は友を呼ぶ」だけの世界になってしまうのか?ーー『閉じこもるインターネット』
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/671.html

▼書評家失格!ーー書評とは何かについて考えてみた
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1880356.html

▼Harvard Business School Press
http://www.shoeisha.com/book/hp/harvard/

▼新しい教養の場としての読書会〜活字離れと読書会人気に思う
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/576.html

▼HONZ

▼Book Japan

▼「書評ニュース」
http://www.shohyonews.jp/reviews/top

▼ソーシャルリーディング・本棚サービスまとめ
http://matome.naver.jp/odai/2131026901503140301

▼ビジネス書の書評ブログ一覧
http://www.ideasakka.com/syohyou

▼読者と作家をつなげる書評家の仕事
http://www.ajec.or.jp/ishi_chiko_interview1/


(おすすめブログ)
【書評】『瀬名秀明 ロボット学論集』を上梓
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/702102.html

【書評】『独自性の発見』復刊によせてーーマーケティングにおける独自性と差別化(1)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1556667.html

▼【書評】ビジネス書という「無間地獄」に思う
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1741262.html

▼人が読書する理由、その方法と量について
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1880851.html

▼時間のないビジネスパーソンに嬉しいーービジネス良書の“サマリーサービス”(要約)「bookvinegar」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1648505.html

書評デビューについての雑感

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私的公開日誌@ウェブ暦:150301.01

先月(1/16)、書評家に不向きな失格者だというブログを書いたばかりだった私である。
その直後、翔泳社の新しいビジネス系サイトで、なんと書評連載を担当することになるという、まさに本人も驚く青天の霹靂(O_O)。

しかし、こうしたお声かけをいただいたり、カンファレンスなどのご招待に与ったりと、ブログを地道に継続(8年)していると、ありがたいご縁や機会そしてお誘いをたびたび頂戴するのは嬉しいことだ。

ご担当者とのご縁もふくめ、こういうセレンディピティにも感謝。

しかし、字数制限や書き方のフォーマットもあるし、初めてのことばかり。
他人の本をダシに自己を語る文芸批評的なスタイルの書評とにならないよう、書評業界というのがあるのかわからないが、とにかく手練れお二人に指南を仰ぎながら、「書評の極意3か条」までも伝授してもらってなんとか苦労しつつ、初回は寸評形式で3冊を紹介した。

また、この間の事情を別途ブログにて近日公開の予定なので、乞うご期待を(ってだれがやねん)。

それに、公開から3日、様々な友人たちからデビュー祝福の言葉をいただき、またfacebookでは気遣いでのご祝儀「いいね!」を150ちかくも頂戴しありがたく嬉しい(^_^;)。

とにかく、ご担当の方にはご迷惑をかけないか、続けられるか不安なデビューとなった(^_^;)。


(おすすめブログ)
▼(第1回書評2/27掲載)「ビジネス・クリエーション」を考える新旧本質の3冊

▼書評家失格!ーー書評とは何かについて考えてみた

企業の新規事業開発部門は、なぜ「うだつがあがらない」のか?ーーSCHOLAR.professorに参加した

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私的公開日誌@ウェブ暦:150225.01

前回ブログのSLP PRESENTATION DAY 2015に続き、魅力的で興味深く面白いイベントを体験させてもらったので、どうしてもブログを書きたくなった。
 
SCHOLAR.professorという、こちらも開催2回目のイベントである。いや、むしろコミュニティというべきだろう。
これは「研究開発や新規事業開発を担当されているみなさまに向け、現場で活躍する超一流のサイエンティストもしくはエンジニアによるレベルの高い講義とディスカッションを提供することで、価値創造プロセスそのものを革新することを目指すセミナー」ということをミッションとしている。

今回も集まったのは30人ほど。
私は、何百人と集まる大規模なイベントの必要性も価値も理解はしているが、そうした集まりに参加することはもはや少ない。
それは、イベント専業の主催社や企業主導によるイベントではなく、有志による小規模でより質を重視したイベントが中心となる集まりを重要視し優先しているからだ。


■「ソーシャル・スモールイベント」考現学

09年のブログ『“スモールイベント発想”による「望年会」への密やかにして大いなる期待ーー理念や賛同者による意義深い忘年会』で、私はこれからの時代はスモールイベントあるいはソーシャル・スモールイベントの時代になると下記のように“宣言”した。

「スモールイベントらしく、規模は大きくはないが(それは本来の目的でない)、主催者、来場参加者の双方にとって中身の濃いイベント」
ライトニングトークも用意され、登壇者たちと来場者たちが一緒になり、関心の高いテーマやイベントの談笑したり、初面識者同士でも対談したり、リアルタイムで問題意識を共有したり、相互の知識、人的ネットワークなどのよる“化学反応”が起きることも、他のイベントでは経験できないこと」

また、翌年(10年)のブログ『「BRIDGE 2010 March」に見るソーシャルイベントの時代ーー有志が創り出す参加者と主催者の共有イベント』にも、「これからはむしろイベントのコンセプト、伝えたいメッセージ、盛り込みたいテーマ等を主催する人たちと参加者と協同で開催する「スモールイベント」の時代になる。」と確信して書いたのだった。

当時、朋友とその趣旨に賛同した仲間が中心となって開催していた「BRIDGE」というイベントだった。

当時は、TwitterもFacebookも、まだ限られたイノベーター層しか利用していないころだったが、それでもSNSだけで告知し、毎回100人前後の人たちが集まっていた。

今日では、多様なソーシャルメディアがあり、だれでもが活用している。そうした状況下では、イベント告知や案内も簡単に共有できる。
たとえば、今では誰でも、ほぼ毎日なにがしかのイベントのお誘いが届くであろう。ましてや、Facebookで友達が数千人もいる人ともなると、招待状が山のように溢れているだろう。
しかし、同時にそれは開催日時が重なることが多く、参加ができないイベントの件数が増えることにもなる。私のように友達が600人ほどの人間でも、案内をいただくイベントの同日同時刻の開催が5つも重なることが年に数回はあるほどだ。

そうなると、義理やしがらみに縛られることなく、自分が関心が高く有意義と思われるイベントをどれか一つを選ばざるをえないことになる。

そうしたイベントだと感じたひとつが、今回はじめて参加した「SCHOLAR.professor」だった。


■キャリアパス(形成)について示唆に富む内容

今回のイベントは、ちょうど5年前、先に紹介したBRIDGE2010が9月に「頭のいい人も新事業で大ゴケ!?事業創造のサイエンスとは」をテーマで開催したものにも通じる気がした。
そのときは気づきや発見が多く、7回も連載のブログを書いたほど内容の濃い集まりだった(下記「おすすめブログ参照」)。
それと同様に、今回の話しもえることがも多かった。参加者は、あらかじめいくつかのテーブルに
別れた適宜案内され、1テーブルあたり4〜6人で編成されていた。私が着席したテーブルは4人だった。

当日のゲストスピーカーは、東京工業大学・総合理工学研究科教授の原正彦氏で、当日は以下のような8つのテーマに関する講義を行い、価値創造プロセスを革新するための着想や手法について語った。

1.研究内容と社会にもたらす価値の説明
2.独自の研究開発の方法論
3.ネット系のサービスに使い方における特徴
4.上手くいく産学連携の進め方
5.注目している先端技術や分野について
6.うだつを上げる方法とは何か
7.読むべき一冊、見るべき映画
8.最近注目している話題(社会全般)

これらについて一気呵成に語るのではなく、1つないしは2つについて話し、その後に各テーブルで話されたばかりにテーマについて相互で語り合い、最後にそこで話し合われた内容を各テーブルでリーダーに指名された人がまとめて発表する形で進行した。
私のテーブルでは、一番若い大学院生を指名した。

これは、いわゆるワークショップあるいはその進化形として知られているワールドカフェ形式だ。その場で聞いたばかりの話から何に気づき、発見や学びがあったかをその場でシェアする。
そうすることで、講演内容への理解を深めたりする効果を高め、新たな視点や着眼などをえることになり、さらには知らない同志でのコミュニケーション促進にもつながる有効な手法だ。

原氏は、専門領域は粘菌コンピューティングとのこと。なにやら、私の好きな『スタートレック/ヴォイジャー』の基幹コンピュータシステムとして利用されている<バイオ神経回路>のようなお話し。
それに取り組みながら、揺律創発を研究しているとのこと。これは「揺らぎや不安定性を抑圧するのではなく積極的に活用し、生体分子素子群の自己組織化から生じる創発的挙動を原動力として実現する」方法を、イノベーション、組織やキャリア開発に応用することのようだ。

原氏が面白いのは、研究チームを5〜10年でスクラップ&ビルドすることで、次の新しい研究テーマに取り組むこと。
また、そうした際には、自分が得意の分野には取り組まず、素人の領域に挑戦する姿勢だというのがユニークだ。つまり、一方では、自分の得意な分野を残しながらも、プラスアルファ(新奇なこと)による創発こそがイノベーションを誘発するとおっしゃっていた。つまり、これは伸びしろが大切だということだ。
受験生でも勉強しすぎて大学に入学した学生より、多少余裕がある学生の方がその後に伸びるということはよく知られている。
また、真に革新的で新しすぎることは、普通の人たちには容易には理解されないとも語った。

今回の話された内容は理系やいわゆるポスドク(ポストドクター)に限った話しではない。
普通の一般の組織や企業で働いているビジネスパーソンにも重要な示唆や学びがあったと思う。いや、むしろそうした普通の人たちにこそ役立つ充実した時間だったように思う。

理系の優秀な人は、自分の座標軸を動かしたりずらしたりができず、耐性が弱いことから悩みや問題を抱え込んでしまう。世の中はままらないとか、不条理意識からノイローゼや鬱になりやすいとのことだが、これは最近のビジネスパーソン全般にいえる傾向でもある。

右肩あがりの経済成長時代とは異なり、テクノロジーの進化や社会の変化が激しい今日、自分の座標軸を堅持しつつ、柔軟な考え方や視点を持つ必要があり、かつての成功手法に立脚した発想ではこれからのキャリア形成は難しいと語る。

新規事業がうまく行かない原因は、人材、組織体制、企業文化をはじめとしていくつかの要因がある。また、人はできる理由よりできない理由を探したり求めがちだ。その方が楽だからである。できる理由や方法を探したり考えることのほうがずっとハードルが高い。

だからこそ、最近の多くの企業ではベンチャーファンドを組成し、積極的にベンチャーと組もうとしている。それは、イノベーションと何度も号令をかけても、なかなか上手く進すまないからだ。そこで、外部の異なる文化を持っているベンチャーなどとに牽引してもらうしかないと、ようやく悟ったということでもある。

私が今回の中でも一番印象に残ったのは、チームづくりについてである。私が得たことは以下の3点。

1.異分野の融合に欠かせない共通言語づくり
2.チームに適宜負荷をかけることによる結束づくり
3.チームを通じた文化(=歴史)づくり

また、モチベーションは誰かに与えるもらうこともあるだろうが、最終的には自分の内発的なものとして作り出さないとダメだろう。

私は、自分が20代のとき、30歳のころ、40歳のころ、全て違う会社や組織と仕事をしてきたが、一貫しているのはマーケティングコミュニケーションということだ。これが、自分で今まで興味深く深く追求していることである。
この分野も20世紀と21世紀では大きく転換している。

私のキャリア形成や仕事に対する姿勢や考え方については、昨年も『セレンディピティ、キャリアのピボット、またはレイヤーとしての人付き合いについて考えてみた』(ITmedia)で述べたので、ここでは繰り返さない。ご興味のある方は、あわせてご笑覧願えればありがたく思う。

このコミュニティは、今後も各々の専門分野のプロフェッショナルを招き、そうした人たちから学びをえることを目的に運営されるようだ。また、ユニークな会員制を採用しているのも特長だ。
オープンな場ある一方で、こうしたクローズドば集まりはこれからも増えるだろうことも確信している。

NHKの人気番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』というのがある。それのまさにリアル版にワークショップがついている趣のあるイベントといえば理解しやすいだろうか。

「興味深いイベントの歴史が、また1ページ……」と、ここは大好きな銀河英雄伝説風にいっておこう(^_^)。


(関連リンク)
▼SCHOLAR.professor
http://scholar.tokyo/

▼SCHOLAR.professor(Facebook公式ページ)
https://www.facebook.com/SCHOLAR.tokyo

▼SCHOLAR.professor(Twitterアカウント)
https://twitter.com/SCHOLARtokyo


▼メンバーを“シャッフル”すると化学反応が起きる
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/0907/22/news045.html

▼「どーせ無理」を無くしたい…世界を感動させた町工場のおっちゃんのスピーチ
http://spotlight-media.jp/article/106300900536746109

▼「日本人は一生懸命働く。ただ、そこにビジョンがない」 ノーベル賞・山中伸弥教授が指摘
http://logmi.jp/37307

▼キャリア築く気概が必要 元「ポスドク」で作家の円城塔氏 
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGU1202K_T10C13A1I00000/

▼セレンディピティ、キャリアのピボット、またはレイヤーとしての人付き合いについて考えてみた
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/594.html


(おすすめブログ)
・プロローグーー近年最高のBRIDGE2010 Septemberに参加して
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1241613.html

・切り口とアイデアは“セット”の意味とはーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(1)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1247506.html

・見ることと見えることの大きな差異ーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(2)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1248468.html

・同質化から飛躍的なアイデアは生まれないーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(3)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1250824.html

・就職する側と採用する側ともに“不変”とは…ーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(4)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1254091.html

・重層的で多岐にわたる問題提起ーー BRIDGE2010 Septemberに参加して(5)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1254478.html

・エピローグーーBRIDGE2010 Septemberに参加して
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1256723.html

SLP PRESENTATION DAY 2015に参加して思う

cover

私的公開日誌@ウェブ暦:150224.01

先日(2/21)、SLP PRESENTATION DAY 2015に参加してきた。私は初めてだったが、今回が2回目の開催となる。
SLPとは、Startup Leadership Programの頭文字をとった略称のこと。
友人から案内をもらって初めて知ったほどで、私はこのイベントや団体については、実はまったくノーマークだった。

SLPは、06年に米国ボストンから始まった起業家育成プログラムで、起業するにさいしてCEOが必要とするノウハウとネットワークを提供する場として、シカゴ、ニューヨーク、シリコンバレー、ロンドン、パリ、モスクワ、メルボルンなどすでに世界11か国、21都市で同時に開催だとのこと。
アジアでは、すでに中国やインドにでも開講しているが、日本では14年9月から提供を開始したとのこと。

この起業家育成プログラムは、14年9月〜2015年3月にかけてのプログラムスケジュールを見てみると、毎週1回約6か月の受講期間で、受講料35,000円という驚きの安さである。

ここのところ、こうしたスタートアップのピッチイベントが盛んに開催されている。朝活を利用して毎週定期的に実施ているところもあるほどだ。
我ら日本人はプレゼンの訓練を受ける機会が、海外の人たちに比べると少ないので、こうした場に数多く挑戦して鍛えられるのもよいだろうと感じる。

今回のイベントは、SLP・新日本有限責任監査法人・EY新日本クリエーション・Crewwによる共催イベントとである。

さて、今回、30の募集に対して100の応募があったとのことで、当日は選ばれた35社が参加した。
渡された参加者リストを見ると、それらには「パートナー希望」、「資金調達希望」、「仮説検証希望」、「フィードバック受けたい」など、各々がこのピッチに参加した動機が記載されていてわかりやい

会場は、6つのコーナーに分かれ、各々のテーブルにはメンターが1〜2名。その前でプレゼンテーションをして、その場ですぐにアドバイスやフィードバックが受けられるものだ。
参加者のピッチ目的が明確であり、またその場ですぐにメンタリングを受けられるというのが、このイベントの特長だろう。

起業したてばかりではなく、企業に勤めているが起業を目指して一人で開発しているエンジニアなどもかなり参加していた。

この2〜3年、スタートアップが熱気を帯びているのはよいことだと思う。一方では、私の周辺にも最近のスタートアップ熱に浮かれすぎている、何でもかんでも他力本願すぎる、自分たちでもっと最低限の勉強してからにして欲しいという声はちらほら聞くし、そうした部分もあるのも否めないと感じている。

しかし、むしろそうした人たちが多いということを受け止めるべきだと思う。受容しなければ、新しい事業創出は限られた人たちだけの「特権」になってしまうし、可能性のある芽を見逃してしまうだろう
そうした中から、新しい起業家が誕生するのだ。豊かな苗床とすることこそが重要だ。スポーツでも選手層が厚いチームが強いのと同じだ。

どこに参加しても、同じようなスタートアップのピッチばかりでは、むしろ先行きが不安だ。私の友人がいみじくも言っていたが、どこのピッチに出かけても参加するスタートアップの顔ぶれが同じようだと。
また、これだけピッチが開催されると、今後は特色や独自性あるピッチイベントが求められてくるだろう

今回のSLP PRESENTATION DAYは、アクセラレータープログラムに挑戦する以前の孵化したて、これから玉子を温める段階にある人たちが多かった。
これは、NTTドコモベンチャーの「39works」と同じような試みのような気がする

1点だけ残念なのは、参加35のプロフィールやビジネス概要がなく、どれを聞くべきあるいはどれが私にとって興味あるピッチなのかの判断に迷ったことだ。次回は、そうした点を改善してもらえればと思う。

今後、このイベントがさらに盛況となり、ここから巣立つスタートアップが増えてくれることを願う。また、私もこうした場でメンターできるようにさらに研鑽を積みたいとも感じた。
とにかく、次回も参加が楽しみなイベントがまたひとつ増えたことは嬉しい。


(関連リンク)
▼SLP PRESENTATION DAY 2015


▼世界的起業家育成プログラムが日本初上陸!スタートアップ・リーダーシップ・プログラム東京 9月開講決定!
http://news.harmony.ne.jp/entry20011.html

▼【SLP PRSENTATION DAY 2015開催】ピッチするスタートアップ30募集開始!
http://entrepedia.jp/en/companies/A-11623/announcements/675

39works


【おすすめブログ】
・「技術ベンチャー経営の戦略と実践」公開講座に参加して(1)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1529745.html

・「技術ベンチャー経営の戦略と実践」公開講座に参加して(2)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1529976.html

・「技術ベンチャー経営の戦略と実践」公開講座に参加して(3)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1530432.html

・「技術ベンチャー経営の戦略と実践」公開講座に参加して(4)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1531970.html
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