The Blog Must Go On

インターネット、そこは最新技術のフロンティア。 これは、コミュニケーションアーキテクトたる“macume”が、新時代のメディアBlogの下に、21世紀において執筆を継続し、未知のネット世界を探索して、新しい情報や人との出会いを求め、永劫進化するネット世界に自由に公開した日誌である。

現代日雇い労働日記ーー21世紀フリーターの変容(前編)

工場日記

私的公開日誌@160913.01

「日雇い労働者、それは最後のプロレタリアート。
これは、惑星連邦マーケティング・スペシャルエージェントが、新時代の非正規用社会の下に、二十一世紀のフリーター社会において日雇い労働を継続し、 新世紀のプロレタリアート体験を通して著した日誌である。」

と大好きな『新スタートレックのナレーションに倣ってはじめてみた。

私自身、これまでいわゆる頭脳労働(ホワイトカラー)をずっと生業にしてきたのだが、今回、いくつかの不運な事情や状況が重なり、思いもかけずに生涯ではじめて肉体労働(ブルーカラー)で糊口をしのぐ身となった。
これもなにかの運あるいは定めなのかもしれない思うことにした。

これから書くことは、直接には私の生業には関係がないし、なにか利益を生むわけではないので無意味なような気もする。しかし、どうしてもなにがしかを書かずにはいられない性分なのだ。
いまの私にとって、こうしたブログを綴るということが唯一の頭脳労働(=楽しみ)でもある。

どうしてこれを日記にしようと思ったかというと、念頭にはあのシモーヌ・ヴェイユ『工場日記』(ちくま学芸文庫)が実はあったからだ。
もっとも、ヴェイユに感化されたのは私だけではなく、調べてみるとすでに13年に柴田広史による『平成工場日記ーー高学歴ワーキングプアが垣間見た社会の一断面』(文芸社)なる著が著されていたことを恥ずかしながらじめて知った次第。未読なのだが、是非とも読んでみたい。

ヴェイユといえば、ハンナ・アレントと並ぶ20世紀を代表する女性の知性では双璧だろう。もちろん、その人の読書体験により彼女たちのほか、スーザン・ソンタグあるいはシモーヌ・ド・ボーヴォワールを上げる人がいるかもしれない。
かしその明晰さ、透徹性と純粋さ、転変の特異性でヴェイユに比類する人はいないだろうし、これほど読むものを引きつける例を私はほかに知らない。

もっとも私の場合、彼女のように堅硬な意志や崇高で純粋な思念から、進んで日雇い労働についたわけではなく「自分の心にそむいて、冷酷な必然の定めに服し」ている由無い仕儀からであり、ヴェイユの日記にあやかること自体、畏れ多いことではあることは本人も重々承知のうえでもある。

それに、日記といっても彼女のように工場での仕事について日々の短信を記し、怜悧な洞察や深い省察を読んだ人たちに与えられるようなことはできるはずもなく、これまでとはまったく異なる仕事環境の日々で過ごすなか、そこから見えてきた社会の断面や世相、人間模様などの情況などについて、ありていにいえば私的心象風景を気が向いたら徒然に書き残すという体たらくであるのでその旨ご承知おきいただきいただきたい。


そもそもフリーターとは

はじめて「フリーター」という言葉をきいたとき、それはフリーランスライターの略かと思った。それが多様な職種でのフリー(ランス)アルバイターの略称だと後に知る。言葉自体、バブル経済の真っ只中(87年)、リクルート社のアルバイト情報誌『フロムエーの造語である

この言葉の出自は、アルバイト(アルバイター)では学生っぽいしパート(タイマー)では主婦のような印象を受ける。そこで、窮屈なサラリーマン(会社員)生活から自由なことあるいは趣味など好きなことに打ち込んだり時間を使ったりして生きていくために、元々は自らが選択するポジティブな働き方を指し示す表現だったような記憶がある。

だから、この言葉に学生は含まれないし、主婦も対象外となっている。
つまり、学校卒業後、正規雇用につかずにアルバイトだけで生計を立てて生活している人たちを総称する言葉なのだ。
例えば、洋の東西を問わず、役者やプロのミュージシャンを目指す人たちはむかしからこうした生き方だっただろう。また、好きな仕事が見つかるまでの執行猶予期間という主体的かつ選択的な就労形態だったはずだ。

しかし、今日では非正規雇用者全体を指し示し、格差社会や貧困生活者を象徴する働き方というネガティブな意味が染み込んでいる
したがって、今日では、フリーター=下流=ワーキングプア=非正規雇用者という図式がすっかりと定着している。要するに、紛う事なきプロレタリアートだということだ。


■フリーターの苗床となったバブル経済

だから、これは私見なのだが、フリーターという言葉は80年代のバブルの頃にはじまったと思っている。

80年代は空前の好景気を背景に、コンビニなどのチェーン店の拡大や不動産バブルにわく建設業界を中心にして高額のアルバイトも多数あり、場合によっては正規雇用よりずっと稼げる仕事が様々に存在していた時代だった。
このころは、求職情報は新聞の求人広告や折り込みチラシより、こうした各種求人情報誌が主流となる(その後、フリーペーパーさらにはネットに)。

リクルート『週刊就職情報』のほかにも同社ではアルバイト専門の『FromA』、女性を対象にした同社の『とらばーゆ』などを含め、様々なアルバイト媒体も創刊され、「ヤリガイ」というコピーやCMが流行り、学生援護会発刊の『日刊アルバイトニュース』が『an』とリニューアルしたにもこのころだ。

フリーターは、組織や時間にも拘束されず、堅苦しいネクタイとスーツという制服の着用して企業組織の呪縛からも解放され、都合のいいときに好きに働いて稼いで自由に時間が使える生活という時流の空気感にもマッチし、「ヤリガイ」や「職業選択の自由」という広告コピーとともに当時は大きな話題となって様々なメディアでも随分と喧伝された。
一時などは、いやいやサラリーマンになった人たちからすればむしろ羨望すらあり、メディアでの扱いもあたかも新時代のライフスタイルの到来とでもいったような雰囲気で、随分ともてはやされいたような記憶がある。

いま思えば、「80年代は奇妙な時代」(佐伯啓思の表現)ではあった。こうして80年代半ばのバブル景気による日本社会の背景から注目され、メディアやアルバイト情報誌でフリーターという言葉が盛んに使われるようになった。
その後この言葉が定着し、かの『広辞苑』にも掲載されるようになったのがバブル経済崩壊の91年というのはなんとも皮肉である。
直近で例えれば、似たような言葉ノマド(ワーカー)などはそうかもしれない。

ちなみに、バブル景気は、内閣府による景気動向指数(CI)上は、86年12月〜91年2月までの51カ月間とされる。


■バブル崩壊がもたらしたもの

ところが、そのバブル景気崩壊後にこうした状況は一変する。

バブル崩壊の時期は、内閣府の景気基準日付では91年3月としている。これは、90年3月に大蔵省から通達された「土地関連融資の抑制について(いわゆる総量規制)」が嚆矢となり、土地や株式などの資産価格の暴落、ゼネコンなどの破綻、金融機関の不良債権化、企業業績の急激な悪化、それにともない学生の就職難などをもたらし、90年代後半には大手金融機関の相次ぐ倒産が「金融危機」をもたらすことになり、「失われた10年(さらに20年、その後は……)」の要因となってしまうのだ。

そうなると、今度は学校を卒業して就活に励んでも就職先が見つからないことから、否応なしにフリーターを選択せざるをえない時代となる。
このような不況を背景に就職氷河期(これもリクルートの造語)が訪れる。
企業はリストラを断行し、さらには新卒社員の採用抑制して人員のスリム化を進めるその一方で、派遣社員やパート、アルバイト、嘱託社員などの非正規雇用者でそれを補うようになる。

さて「ガテン系」という言葉がある。
これはブルーカラー(肉体労働)を指す象徴的な表現で、元々はリクルート創刊(91年9月)による求人情報誌の名称で、土木・建築・運送業など、いわゆるブルーカラーに特化した求人情報誌で、この雑誌名が語源である。
バブル当時、ガテン系職業は「3K」(きつい、汚い、危険)といわる三重苦職種として慢性的な人材不足に悩まされていた。そこで、雇用側の仕方がない事情もありそうした職種の職場環境の改善や高給優遇を打ち出す企業が増え、加えてバブル崩壊とも重なって数年後にはガテン系の職種にも人が集まるようになる。

インターネットによるオンライン求人情報が当たり前(主流)となった今日では、すでにほとんどの求人誌が消滅している。この求人誌『ガテン』も09年には休刊しているが、代わって現在では『パワーワーカー』という同じガテン系求人誌が刊行され、『タウンワーク』などと同じように駅やコンビニで無料で入手できる。


■非正規雇用ーー若年層から全世代へ拡大

今年2月に公表された総務省の最新(平成27年)の労働力調査」によれば、全雇用者5,284万人のうち,正規の職員・従業員は,前年に比べ26万人増加して3,304万人という一方で、非正規の職員・従業員は18万人増加して1,980万人だ。

さて、1984年、雇用労働者全体のうち10人のうちの1〜2人だけが非正規雇用労働者で15.3%だった。
しかし、その割合は年々増加の一途をたどり、2014年にはその割合が実に全体の37.4%と、この30年間で10人のうち3人ないしは4人が非正規雇用労働者となっている。

1990 年代前半まで非正規雇用の中心は35〜54歳で、その大半が女性などのいわゆる主婦のパートであった。
バブル崩壊による新卒の採用が落ち込んだここともあり、その後、2000年ごろにかけては若年層の非正規雇用者が増加
しかし、少子化が進み若年人口が減っていくとともに、15〜24歳の非正規雇用者数は2000年ごろをピークに実は減少傾向に転じている。

それとは対照的に、高齢化社会の進展により、65歳以上の非正規雇用者は1990年の41万人から2015年には261万人へと6倍以上にも増えた
非正規雇用者のうち、55歳以上の人は1990年時点ではおよそ5人に1人だったが、2015 年には3人に1人になっている。

こうした各種統計(総務省、厚生労働省、内閣府)による情報は、すでに様々なニュースやメディアなどでもたびたび取り上げられているし、格差社会の是正やセーフティネットの必要性は深刻な社会問題化し、山田昌弘著『希望格差社会〜「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』(ちくま文庫)で語られていることはすでによく知られているし、それは国内に限らず世界的情況であることも我々には十分に了解していることである。

「現代日雇い労働の歴史がまた1ページ……。」と、ここはやはり大好きな『銀河英雄伝説のナレーション風に締めておこう。


(続く)


(関連リンク)
▼「中年フリーター」のあまりにも残酷な現実

▼なんで中高年フリーターって正社員採用されないの?と思った時に読む話

▼何歳までフリーターとしてやっていけるか?

▼わが国サービス産業の現状と問題点(PDF)

▼労働力調査(基本集計) 平成27年度(2015年度)平均(速報)結果

▼世界の貧富の格差が拡大、1820年代の水準にまで悪化 OECD


【おすすめブログ
●セレンディピティ、キャリアのピボット、またはレイヤーとしての人付き合いについて考えてみた

●根深い「負のエコシステム」ーー新年度時期に繰り返される様々な光景

●いまや大学講師も「使い捨て」の時代ーー京都大、非常勤職員100人を22年度再契約せず

戯作【推薦状第2弾】「このブログを読め〜未来のマーケッターに与うる言説ーーニーチェ」

倫敦巴里_ニーチェ
私的公開日誌@ウェブ暦:160405.01

10ヶ月前(15年6月)、川端康成の文体模写で自分のブログへの推薦状を書くというなんとも粋狂なことに挑戦したのだが、やはり実に楽しくて仕方がなかった。

悲しいかな詩も文学作品も創作する才能がない私には、せめてこうした文体模写での遊びくらしかないというわびしさもある(~_~;)。
和田誠の『倫敦巴里』も、なんとか復刻して知らない人たちにやはり楽しんで欲しいものだ。

さて、今回の文体模写は、畏れ多くもニーチェを選んだこれも、文体模写の元ネタ探しで楽しんでいただければ嬉しく思う(明白すぎるかも^o^;)。


戯作【推薦状第2弾】「このブログを読め〜未来のマーケッターに与うる言葉ーーニーチェ」

「この大いに高貴にして才気ある人物について、私がなにがしかを述べておくことは、どうしてもしておかねばならぬことのように思われる。

梅下くんが発する様々な言説のうちで独自の位置をしめているのは、私の言を要するまでもなくDigital Ambient Society(電子環境社会)とCommunication Metamorphoses(交流変容)である。

この2つの言葉は、私のEwig Wiederkehren(永劫回帰)、Wille zur Macht(力への意志)と同様、永遠に語り継がれるであろう。

彼は、この2つの言葉でこれからの新時代のマーケッターたちに最大の贈り物をした。幾千年にも響くであろうこの言葉は、彼自身の魂の深淵からほとばしる叡智よってもたらされたものである。

彼は断じて夢想家ではない。無限のビジョンの充溢と幸福の深みから、一人また一人、一社また一社とつらなってくるのだ。

さあ兄弟たちよ、彼とともにその魂の杯を酌み交わそうではないか。」


学生時代、ドイツ古典哲学こそ最高峰の哲学だと私は思っていた私は、実はニーチェにはまったく関心がなく読んだこともなかった。

徹頭徹尾に論理的な思考(特にヘーゲル)に憧れたていたのは、小学生のころに見た『スタートレック/宇宙大作戦』(OST)の影響かもしれない。
とにかくスポックが一番好きで、感情に流されるカークとは違い常に沈着冷静、論理的に破綻したり誤謬がないのは究極の理想なのだ、と信じていたし将来そうした人間になりたいと思っていたほどだった。
もちろん、今日ではそのようなことはけっして思ってはいないのだが。

初めて読んだニーチェの本は中公文庫の手塚富雄訳による『ツァラトゥストラ』だった。
なにを言いたいのかよくわからなかったが、とにかく魂を揺さぶられるような文章だった。
ちなみに、社会学者の大澤真幸が初めて読んだのも『ツァラトゥストラ』だということを最近になって知った。私と同じように、なにが書いてあるのか理解できなかったが衝撃を受けたと語っている。

古典文献学者だったニーチェは、偶然にもショーペンハウアーの主著『意志と表象としての世界』を手にしたことで、哲学者としての誕生することになったといっても過言ではないだろう。
もとより、二人は直接的には面識はないが、まさにセレンディピティの典型例である。ちなみに、ショーペンハウアーはゲーテとは親交があり、そのゲーテは彼を絶賛していたそうだ。

それほどのショーペンハウアーではあっても、同時代には絶対的なヘーゲル哲学が君臨していた。今日においても、どちらかというと、栄華を極めたドイツ古典哲学にショーペンハウアーは入れてもらえず
傍流扱いしかされていない。
ニーチェも、現在ではその独自の思想や影響力、哲学史的意義などが評価されているが、当時はショーペンハウアーと同じような不遇を託つ身となるとは歴史の皮肉だ。

ニーチェが存在しなければ、ショーペンハウアーはほとんど一顧だにされることない哲学者のようにも思う。
しかし、彼はまた、仏教やインド哲学に影響を受けた最初の西欧の哲学者である。それ以降では、同じようにインド哲学、特にヨガの世界観に感化されて人智学を創始したルドルフ・シュタイナーが有名だろう。

ショーペンハウアーは、裕福な商家の出自であり、美味い食事を堪能しつつ厭世哲学を語っていたと言われている。
それが事実か否か、私は彼の研究者でないし彼の主著も読んでいないのでわからない。

70年代、『ニーチェ全集』を刊行していた白水社から、『ショーペンハウアー全集』(全14巻+別巻1)が出ていた記憶はあるのだが、代表作『意志と表象としての世界』ですら、今日では中公クラシックスから刊行(全3冊)されているだけだ。その代表作にしても、世に知られているわりには読まれていない書だろう。

実をいえば、私がショーペンハウアーの著書で読んだことがあるのは、恥ずかしながらエッセイして知られている『読書について』だけだ。
これは、多分、彼の著書中で最も読まれている本だろう。岩波文庫をはじめ各出版社からこれまでにも様々な訳者によっていくつも刊行されている。

「どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書より、ほどよい冊数で、きちんと整理されている蔵書のほうが、ずっと役に立つ。同じ事が知識についてもいえる。いかに大量にかき集めても、自分の頭で考えずに鵜呑みした知識より、量はずっと少なくとも、じっくり考え抜いた知識のほうが、はるかに価値がある」ーー『読書について』

大量の知識を獲得することが重要だと思っていた私には、この本はとても気づきの多かった著書だった。
いつか主著である『意志と表象としての世界』も、じっくりと読んでみたいと思っている。

あれ!? ニーチェではなく、なんかずっとショーペンハウアーについて語っている(^_^;)……。
な、なにとぞご容赦のほどを。


【おすすめブログ】
戯作【推薦状】「梅下くんのブログを推奨しますーー川端康成」

●「精神の淫売」としての政治という情況ーーニーチェの箴言に寄せて

http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/977751.html

●このブログを見よーーニーチェ人気に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1182101.html

●特集「人文書入門」ーー『文藝』2014年夏号
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1858840.html

────────────────────────────
〓 ハイ・コミュニケーション私論 〓(ITmediaマーケティング)
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/
────────────────────────────

MEMOから始めよ!ーーブロガー的メモしたことを活かす3つのコツ

img_5941

私的公開日誌@160309.01

様々な便利なデジタルツールがありながら、手書きの手帳はそれでも種類も販売部数も年々増え続けて好調だという。
また、手帳の活用術の関する本も人気があり、書店に出向けば毎年新しい本が刊行され何冊も見つけられる。
これほどテクノロジーの発達した今日、書くことは打つことに等しい。それでも、手書きの手帳やノートなどの人気は衰えていないし、そうしたものについてのノウハウや活用方法などを指南する本も人気が高い。

ところで、私はいつでも小さなメモ帳を持ち歩いている。A7サイズのリングタイプでポケットに携帯できる(トップ画像)。このサイズは、最近の海外ドラマの犯罪捜査ものでも刑事がよく手にしているタイプのメモ帳だ。一番有名なのはやはり『刑事コロンボ』だろう。日本だと警察手帳にメモを取るシーンが多いが、海外ではバッジを見せると、このタイプのメモ帳を利用している。
それにコンビニでもどこでも手に入る。
 
そのほか、カバンにはノートも2冊入れてあるこちらはA5サイズ。1冊は打ち合わせに使い、もう1冊はセミナーやフォーラムなどで使用するノートだ。メモ帳・ノートは、罫線ではなくすべて方眼紙か無地を利用している。もらいものノートやメモ帳もあるが最近は方眼紙タイプが多いのが嬉しい。

世間には、メモは一切取らない。すべて覚えるという人がいる。メモを取ると、そのことに注意がいってしまうし、書いたことで安心してしまうからだそうだ。
これは、ごもっともなことだと感じるが、私はメモを取る方だ。会議だけではなく、勉強会、セミナー、フォーラムなどのイベントではメモは必須だ。もちろん、あとでブログを書くからということも理由にはある。

人はメモを取る生きだといっても過言ではないのだが、そもそもなんでメモを取るのか。
その理由や目的は、その人のよって様々だろう。もちろん、議事録、レポートや報告書、メディア用に記事にするなど、人によってメモを取る理由や目的は様々なので一様ではないだろう。
特にセミナーやフォーラムなどで、よくPCでメモしている人たちを見かけるのである。そのうちの何人かは、きっとウェッブを含めたメディア関係者だろうと思う。

私のメモの取り方に関していえば、自分だけがわかればよく、目的もアウトプット(ブログ)用のメモ、あるいはノートということになる。


■メモ帳を携帯している理由

私がメモ帳を常に携帯しているのは、書いておけば忘れても大丈夫だからだ。また、書店散策をしていて気になる本を見つけた場合など、すぐにその場で書き留めておけるからだ。都内の事情しかわからないのだが、どの書店でもスマートフォンで本の表紙でも写真を撮るのことは禁止している。

また、クリエイティブ系の人もメモ帳を持ち歩いている人が多い、いつでもどこでもアイデアを思いついたとき、その場で素早くメモに残しておくためだ。コピーライターやデザイナーなどはそうした人が多いし、ITリテラシーの高い人の中にもメモだけは手書きするという人が何人かはいる。
また、筆記具は、ポケットメモの場合は水性ボールペン、ノートではシャープペンシルで芯にはB2を利用と決めている。


■私流3つのコツ

ここで紹介する3つのコツは、あくまでも私流であるので、だれにでも最適なものか否かは確信があるわけではない。しかし、長年いろいろと試行錯誤してきた方法であることだけは確かだ。
したがって、このコツが何人かの人たちには役立つだろうと判断している。

(コツその1)メモは手書きにする
今日、書くことは打つことである。書くより打つ方が早い人も多いだろう。私もそうだが、ブログやビジネス文章を作成するときはその方が確かに早い。それでも手書きメモは重要だ。
手書きであれば、瞬時に文字、図形、記号などなんでも書き込める。特に図形や図案の場合、早いし手書きの方がやはり早いしそのフリーハンド感覚が好きからだ。

さらに、年々PCでメモを取る人が増え続け、あのキーボードの音がうるさいと感じているのだ。講師や登壇者が話しをはじめると、周りで一斉にキーボードが鳴り出す。そうした当の本人たちは自覚はないだろうが、あまりにもキーボードを打つ人が多いとやはり耳障りだ。場合によっては、話している人より打つ音が大きいことすらある。
PCでメモを取る人は、そうしたことには十分に配慮して欲しいものだと感じる。

(コツその2)メモは気づきを書くこと
ブログなので、勉強会やセミナーあるいはフォーラムなどで、登壇者の話した内容を細大漏らさず採録するように見事に内容をまとめている記事に接すると、私には到底まねができないなと感じる。
そうした話した内容をトレースするかような内容は、参加しなくてもあとでそうした記事やブログを読めば話した内容を把握できるでありがたいことではある。
また、最近ではU-NOTEやログミーのようなサービスもあるので、そうしたサービスを利用すれば話した内容はほぼ全部を把握できる。

私がメモを取る場合、話しを聞いていて気づいたことだけを書くようにしている。それはヒントであったり、示唆、疑問点など聞いていて自分でなんとなく「引っ掛かった点」である。そうしたことを残しておくことで、あとでアウトプット(ブログ)するときにとても役立つのだ。

(コツその3)メモは見返すこと
メモを書いたらそれで終わりではない。そもそも何のためにメモを取るのかだ。私はアウトプットのためにメモを残すが、それでもメモした内容すべてブログにするわけでもない。
メモを見返しながら書く内容全体を構成し、思考を整理しながらその途中でメモを見返して書かない場合もある。それはその内容が役立たないということではない、ただ今回のブログには書かないだけで、そのメモは別のところで必ず役立つことがある。

しかも、そうして見返したメモなので、その内容は記憶に残りやすい。記憶に残っていれば、なにかの拍子にパッと思い浮かぶことがあり、それがアイデアや企画、新しいブログのテーマにつながるのだ。

数年前、サイモン・シネック著『WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う』(日本経済新聞出版社)が書店で人気だった。この著書は、米国人によって書かれたものであるが、多くの人たちはWHAT(何をする=成果)やHOW(どうやる=手法)など、どうしても目先のことばかりばかり気にするが、メモを取るという単純なことにおいてもWHY(なぜ=この場合は意義と価値)が重要なことを思い知る次第。


(関連リンク)
▼どうして「パソコンでのメモ」を繰り返していると脳力が落ちるのか?
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258310/090400013/

▼A7メモ帳を常に持ち歩く習慣

http://bit.ly/21ZIfjg

▼考え倒すにはB6メモ術が最強かも!
http://tsukuru.xyz/?p=531

▼ベテラン新聞記者に聞く、「上手なメモの取り方」
https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/13998

▼基本に返ろう:完璧なメモを取る方法
http://www.lifehacker.jp/2013/05/130508back_to_basics.html

▼メモの取り方のコツは、メモを後で取ること。
http://bit.ly/21ez50g

▼聞いた内容を完全に理解できるメモの取り方
http://bit.ly/1LIXucr

▼頭が片づく!人気コピーライターの「メモ術」
http://toyokeizai.net/articles/-/101269

▼QUOVADIS→フランクリン→ほぼ日手帳を辞め、デジタル手帳を6年使った僕がまた「ほぼ日」に戻った理由
http://leemanparadise.com/neta/post-3421/

▼手帳使いの達人が説く 私が手帳を愛する理由
http://xbrand.yahoo.co.jp/category/business_money/17540/1.html


(おすすめブログ)
●デジタルネイティブ社会のPCキーボード「騒音」というイノセンスな問題
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/322.html

●文章作成に必須! これはいい!!ーーMac専用フルスクリーンエディタ「Ommwriter」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1014644.html

●Mac専用なだけではない。国産フリーエディタ「iText/iText Express」が、この上もなく重宝な「5つの理由」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1010223.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 ハイ・コミュニケーション私論 〓(ITmediaマーケティング)
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/

〓 PeraichiLista 〓(個人ポータルサイト)
http://peraichi.com/landingPages/view/macume
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

久々に新ブラウザが登場ーーVivaldiとBraveを早速試す

browser2016

私的公開日誌@160205.01

今回、久々に新しいブラウザがリリースされたニュースが飛び込んできた。
しかも、昨年後半から今年にかけて相次いで2つもリリースされた。
それが、VivaldiBraveである。

私はブラウザが大好きだ。これまでにも新しいブラウザがリリースされるたびに、インストールしてブログも何度か書いてきた。
思えばブラウザとの付き合いは実に長い。私にとって、インターネットの歴史とは即ちブラウザの利用の変遷でもあるかもしれないと思う。

最近はスマートフォンが主流なので、各々のネイティブアプリが全盛で、ブラウザの利用者は少ないし、10代の若年層であればeメール同様、ひょっとしたらブラウザを使ったことがない人たちすらいる昨今だろう。
私は、スマートフォンでもほとんどがブラウザ利用するほど大好きなのだ。

■はじまりはNetscape
今日では、このブラウザを知っている人はむしろ少ないだろう。95年〜98年の3年間、ブラウザといえばそれはNetscapeのことだった。
当時は、ブラウザを立ち上げることは、同時にメールも確認できるようないわゆる“スイートアプリ”だった。

そうした爆発的なインターネット人気に慌てたMicrosoft(MS)は、巻き返しを図べく同社初のブラウザであるInternet Explorer(IE)を投入
Windows 95にIEをバンドルし、同OSを利用するベンダーのPCすべてにてにインストールするよう強要した(?)こともあり、99年、NetscapeはMSの戦略(陥穽)に完全に打ちのめされてブラウザ市場から駆逐されることになる。
わずか3年ほどの天下だった。

その後、Netscape Navigatorとリニューアルして細々とリリースを続け、08年Netscapeはついに終焉を迎えた。

同じく90年代末、アップル純正ブラウザCyberDogがリリースされた。
ブラウザ、メール、ニュースリーダー、アドレスブックなどの機能も備え、Macユーザーならこのアプリには思い入れの多い人もいるだろう。
データ読み込みのステータスバーでは、犬が走るカワイイアプリで、さすがにアップル社らしいUI・UXだった。
だから、OS Xでアップル純正ブラウザSafariをリリースしたとき、あまりにも普通のUI・UXだったので嬉しさ半分のがっかり半分だった。

■Firefox、そしてGoogle Chromeが登場
04年、Netscape(Mozilla)の系統を引き継ぐブラウザFirefoxの登場は、とにかく嬉しかった\(^O^)/。
このブラウザは、今日のブラウザの標準であるブブラウジング、機能拡張(アドオン、プラグイン)の礎を築いた革新的なブラウザだ。しかもマルチOS対応でもある。
このブラウザは、一時はかなりのシェアだったし、私はいまでもずっとバージョンアップしながら利用し続けている。

06年、同じようにNetscape(Mozilla)の流れを汲んだSeaMonkeyが後を追うようにして登場した。
このブラウザは、メールクライアント、ニュースグループなども揃えており、よりNetscapeの正統なる後継者のようなインターフェイスだった。
現在では、こちらは開発を終了しているようだ。
もっとも、続けても利用者がほとんどいない状況では、それも仕方がないだろう。

2000年代前半、Netscapeを駆逐してブラウザ市場の95%を独占していたあのIEですら、2016年の今日ではシェアは一桁代目前でほんのわずかである。
しかし、これはIEにかぎらず、Firefox、Safari、Operaなど、軒並みシェアを減らし続けている。
そうした中で、Windows 10では新ブラウザのMS Edgeを標準搭載したが、それでもChromeには遠く及ばないし、新ブラウザ投入もかつてのIEのような栄華を望むのは無理というものだろう。

ましてや、スマートデバイス(ほとんどはスマートフォン)が中心の社会になり、ネイティブアプリが当たり前になってい状況では、デスクトップPCでのブラウザのシェアを競うこと自体、ほとんどが無意味である。
しかも、この新ブラウザのレンダリングエンジンには、当初はWebKit系を採用することも検討したようだが、そうしたオープンソースのレンダリングエンジンを採用しなかった理由として、IEのTridentのように独自なエンジンEdgeHTMLを持つことで、困ったことだがそれでもなんとか優位性を確保したいという思惑があるようだ。 

■Vivaldi(画像左)
この新ブラウザVivaldiは、なんとあの元Operaの共同設立者Jon von Tetzchneが立ち上げ、Chrome(28以降)、Opera(15以上)でも採用され、WebKitから分岐したレンダリングエンジンBlinkがベースになっている。
従って、Chromeで利用できる機能拡張の多くがVivaldiでも利用できるし、Chromeユーザーであれば違和感なく移行できるだろう。

このブラウザにはいくつかの特長があるのだが、私のようにたくさんのタブを大量に開いているユーザーには、なんといっても「タブスタッキング機能」が便利だろう。
最初はちょっと戸惑うが、慣れれば類似するタブをまとめてくれるので重宝するだろう。

ほかにも、画面が分割されてタイルのように並んで表示できる「タイリング機能」、URLやテキストメモを記録できる「メモ機能」など、独自の機能を備えている。

各機能のナビゲーションも日本語で利用できるので、興味のある人とくにChromeユーザーは試してみるとよいだろう。

■Brave(画像右)
プログラミング言語JavaScriptを作り、Mozillaの前のCEOだったBrendan Eichが新たに開発したブラウザがBraveである。
当初は、サインアップしたユーザにのみ初期バージョンを提供していたが、現在ではサインアップなしでもダウンロードして利用できる。

現在、私のiMacのDockにはOmniWeb、Safari、Opera、Brave(新)、Vivaldi(新)、Firefox、Google Chromeと7つのアイコンが並んでいる。
どれも、最新バージョンで利用しているが、このBraveはとにかく、ほかのどれよりも起動も表示スピードも圧倒的に速い

こちらは、各機能のナビゲーションは全て英語で、Macユーザーは、OS10.9以上でしか利用できないので、その点だけは注意が必要である。

とにかく新しいブラウザの登場は、ブラウザ大好きな人間にとってはこよなく嬉しい状況だ。
今後も21世紀にふさわしいブラウザのさらなる登場に大いに期待したい。


(関連リンク)
▼これまで200万回以上ダウンロードされたVivaldiブラウザがいよいよ公開ベータへ
http://jp.techcrunch.com/2015/11/03/20151102vivaldi-in-beta/

▼ヘビーユーザーのためのブラウザー「Vivaldiベータ版」を試した

▼Operaの人が作ったブラウザ、Vivaldiを試してみた

▼前Mozilla CEOら、新ブラウザ「Brave」公開

▼JavaScriptの父、オープンソースの高速Webブラウザ「Brave」をβリリース

▼新ブラウザ「Brave」(β)を使ってみた Chromeより速くてウザい広告は少ない

▼「Netscape」誕生から20年--ウェブ普及の立役者を振り返る

▼ついに日本でもIEが過半数割れに、世界はすでにChromeが寡占

▼ChromeがMicrosoft Edgeの増加上回る - 10月ブラウザシェア

▼こんなに違う! 世界と日本のブラウザシェア


(おすすめブログ)
●続・激化する「ブラウザ戦争」は誰のため、そして何のため?ーーソーシャルブラウザ“RockMelt”

●「Browserオタク」と呼ばれる私ーー今はFlock、SeaMonkey、Firefoxが、私の“ブラウザ御三家”
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1143682.html

●激化する「ブラウザ戦争」は誰のため、そして何のため?
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/795206.html

●Appleの「インターネット・スイート」ーー今こそ復活して欲しい「Cyberdog」

───────────────────────

〓 ハイ・コミュニケーション私論 〓(ITmedia)
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/
───────────────────────
 

研究者たちに会ってきた!ーー「大学共同利用機関シンポジウム2015」に思うこと

main

私的公開日誌@151203.01

「このイベント会場できっと出会いそう」と、友人から教えられたのが「大学共同利用機関シンポジウム2015」だった。しかし、その肝心の友人は、当日は仕事で参加できなかったという残念なことに。

私は、毎月SCHOLARに参加していながら、実はこのシンポジウムについては恥ずかしながらまったく知らなかった(^_^;)。
今回、「研究者に会いに行こう!」というキャッチフレーズに誘われ初めて参加した。
ホンネをいえば、自宅にいると11・12月の日曜日に一挙放送している『銀河英雄伝説 外伝』を見て過ごしてしまい、気がつくと夕方という事態は避けたかったという恥ずかしい個人的な事実はあるのだが(;^O^;)。


■大学共同利用機関について

大学共同利用機関とは、全国の研究者の一種のコミュニティーで、国内だけではなく海外の研究者とも連携して学術研究を推進するハブ的な役割を担っている。

各大学だけでは困難な大規模な施設や設備、膨大な学術資料やデータなどの知的基盤、ネットワーク型共同研究や新分野開拓のための場の提供と利用促進を図り、効果的な共同研究をを通じた学術研究の発展に貢献することが目的とのこと。

2004年、下記の4つの大学共同利用機関法人が設立され、各研究分野には様々な研究機関が参加している。

(1)人間文化研究機構(国立歴史民俗博物館/国文学研究資料館/国立国語研究所/国際日本文化研究センター/総合地球環境学研究所/国立民族学博物館)
(2)自然科学研究機構(国立天文台/核融合科学研究所/基礎生物学研究所/生理学研究所/分子科学研究所)
(3)高エネルギー加速器研究機構(素粒子原子核研究所/物質構造科学研究所/加速器研究施設/共通基盤研究施設)
(4)情報・システム研究機構(国立極地研究所/国立情報学研究所/統計数理研究所/国立遺伝学研究所)

年1回、これら各々の研究機関が一堂に会し、各所属の研究者たちの最新の研究成果を発表したり、研究者を目指す人たちとの交流することを目的に、2010年より開催されているのがこのシンポジウム(正式名称は「大学共同利用機関博覧会」)である。


■イベントに参加しての印象

このイベントは今回で6回目を数え、年1回、都内で開催している。
これまでベルサール秋葉原、有楽町の東京国際フォーラムなどで開催してきたが、今回はじめて秋葉原UDX(2階のUDX GALLERY)での開催となった。また、この機関が正式に勧誘したわけではないようだが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)もこのシンポジウムには毎年参加しているようだ。

今年はサイトは昨年までとは違い、ポップなイメージの告知サイトとなった(添付画像)。
当日、各研究機関のブースが出展し、また各研究機関から研究たちが成果を発表するプレゼンテーション(各15分)もあり、会場はほぼ満席だった。
事務局の人に話をうかがったところ、これまでは上記の4つの機構から一人づつの講演形式だったが、今年は初めて各研究機関すべてのプレゼンテーション時間を設けたようにしたとのこと。
これは実に良いことだと思う。

研究者や開発職に限らず、日本人はプレゼンテーションが下手だと言われている。こうした、場でわかりやすく時間内で一般の人々にわかりやすく伝え、自分たちの研究内容や成果を知ってもらうのは非常に貴重でありがたいことだと感じる。

この日、宇宙大好きの私の一番のお目当ては、やはり国立天文台である。
同研究機関の「研究者」バッジをつけた人とブースで気軽に直接話しができるなんてとにかく嬉しい(^_^)。

ハッブル宇宙望遠鏡のおかげで、宇宙に関して様々な新しさと驚きに満ちた発見が数多くあったし、後継機で18年にも打ち上げが予定されているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のようにさらに高性能な宇宙望遠鏡も用意できる今日、地球の大気層に阻まれるている地上望遠鏡はそれでも役に立ったりすることがあるのでしょうかとか。
宇宙全体の96%を占める暗黒物質(ダークマター)や暗黒エネルギー(ダークエネルギー)はいつきちんと観測できるのでしょうか、などというまことに素人のアホ丸出しのような質問にも親切丁寧に教えて(答えて)くれたのだ。

核融合科学研究所のプレゼンでは、実用化や商業利用についての話しがなかったので、早速展示ブースに赴いて質問した。
すると、まず施設を作るのに10年、実験には20年ほど要するとの話しだった。核という言葉を聞くと、我々日本人は先験的に拒絶反応を示してしまう。
いまの日本の原発政策、核分裂による大量の放射性廃棄物がでる原発には私も反対だが、それでもなお核についての研究は是非とも必要であると認識している。

それというのも、宇宙について研究するにしてもより詳しく核について知ることは不可欠だし、人類の存亡にかかわるエネルギー源の確保という避けては通れない問題を解決するためにも、どうしても核については継続して研究することが必要なのだ。
融合というのは、原子力(核分裂)に比べて生成可能なエネルギー量が大きく、また、放射性廃棄物や二次的に出る放射線の量も極めて少なく、その意味では現時点で「理想の核融合燃料」というのは紛れもない事実なのだ。
そもそも、太陽の輝きはこの核融合反応から発している膨大なエネルギーなのだ。


■戦略的な広報活動の必要性

さて、私は、マーケティングコミュニケーションの専門家なので、どうしてもそうした視点でこのイベントを見てしまう。そこでいくつか気がついたことがあるので記しておきたい。

とにかく、PR不足を感じてしまった。
初回(10年)から今年の第6回目まで含め、メディアでの記事やブロガーによる記事などほぼゼロである。広報ワーキンググループ事務局というのはあるのだが、これが前述した4つの各機構により毎年持ち回り制なのだ。

今年は「高エネルギー加速機構」が担当なので、同機構のサーバー内(kek.jp)にシンポジウムページをアップしてあるが、昨年だと自然科学研究所の「基礎生物学」が担当なので、同機構内の(nibb.ac.jp)のアドレスにシンポジウムのサイトがあるという具合だ。
したがって、毎年シンポジウム開催のアドレスがまちまちで開催年により異なるのだ。

大学共同利用機関としてのサイトもアドレス(4kikou.org)があるにもかかわらず、持ち回り制だという理由からのようだが、なんともったいないことをしているのだと感じる。その肝心の機関のサイトも、20世紀の会社案内のようでなんとも味気なくて誰がアクセするのだという印象。

Twitterアカウントも開設してあるが、イベントの案内だけをただツイート(流している)だけである。昨年は、ニコニコ生放送(ライブ中継)を通じた配信と質問を受け付けたそうだが、それも今年は行っていないとのこと。

要するに、持ち回り性だということもあるので、統一しかつ継続的なコミュニケーション戦略がないのである。
例えば、4つの機構の共同ブログでもあれば、日頃から研究者の日常や研究生活など、情報発信できるとは思うのだが、そうしたことも個々人任せで実施されていない。

また、メディア関係者(大手新聞社)も取材に来てくれないそうだ(過去の記事を検索してもないわけだ)。
ロイターやAFP通信など海外メディアに比べ、日本の新聞社は科学については冷淡で記事になることが非常に少ない。
日本人がノーベル賞を受賞したりすればそれなりに取り上げられるが、その科学的な業績などを報道するよりも人物像などに焦点がおかれ、それも芸能レポーターと同様に一時的に騒ぐのが常である(STAP細胞事件が象徴的)。

私であれば、大手メディアなどはどうでもよく、各種の専門雑誌(例:『天文ガイド』など)、サイエンスライター(フリーランス含む)、また科学についてブログを書いている一般の科学好きな市井の人たちを探し出し、そうした人たちにアプローチ(招待)する。
どうせ、一般メディアなど、あとでネットで記事などを発見して慌てて取材に行くような人種なので、ネットでシェアされることの方が今日ではずっと重要なのだ。

特に、サイエンスライターやブロガーたちとの関係は、一朝一夕にできるわけではなく、日頃から地道にネットワーク作りをして継続的なコミュニケーションをしておく必要がある。
そうして、こうしたイベントの時にこそ招待し、できるだけ多くのブロガーたちに記事を書いてもいらうように“おもてなし”するのだ。


■大学共同利用機関への大いなる期待

各研究機関の展示ブースで、かなり年配の人たち数人が専門的な質問をしている姿を見かけた。おそらく、かつては大学での研究者や企業の研究開発職だった人たちかもしれない。後輩たちの研究成果を見るために訪れたという風情ではないだろうか。

最近では子どもや親子向けのサイエンスイベントが盛んだ。
有名なところでは、小学生を対象にした三菱電機の「こどもサイエンス教室」、ディスカバリーチャンネルと宇宙航空研究開発機構(JAXA)共催で、親子で楽しめる「ディスカバリーキッズ科学実験館コズミックカレッジ」などで、小さな頃から科学者や研究者とじかに触れる機会が提供されている。

中学生や高校生も、将来の研究者の予備軍だろう。
そうした人たち向けに夏休みを利用してこうしたシンポジウムを開催することも、少し長い目でみれば日本の研究や開発に大きく貢献できるだろう。
さらに、一般の人たちにとって、研究機関というのは気軽に訪れることができるものではない。民間でも、オープンイノベーションに積極的に取りくむことで成果を上げつつある企業がいくつもある。
ここのところ大学発ベンチャー企業の増加、産学連携の活発な動きも増えているという追い風もある。

ところで、SCHOLARでは、この8月に九州大学理事・副学長でマス・フォア・インダストリ研究所教授の若山正人さんをお迎えして「21世紀を変える数学の可能性」という講義を開催したが、福岡市は大学だけではなく市全体でイノベーションや産学連携に様々な施策で取り組んでいる地域として、ここのところ様々な活動がメディアにも取り上げられ大きな話題となっている。

もちろん、福岡市は、国家戦略特区に指定されており、特にグローバル創業・雇用創出特区(創業特区)に選定されているということもある。
最近では広島県がそうだろう。

後、そうした積極的で活発な活動なども巻き込んだり活用し、さらなる研鑽による研究成果が社会に大きく貢献することを願いたい。
また、このシンポジウムは継続して、さらなる発展も期待することを願いながら帰路についた。


(関連リンク)
▼「大学共同利用機関シンポジウム2015」(ウェブサイト)

▼Twitter

▼大学共同利用機関法人
http://www.4kikou.org/

▼福岡の“まちなかの力”がベンチャーを生み出す
http://bizzine.jp/article/detail/958

▼地方が日本のインキュベート施設になる–福岡市長が語る、地域活性化への取り組み
http://logmi.jp/80644

▼大学発のイノベーションを創出するファンドが誕生!ともに成長するスタートアップメンバーを募集!
http://fukuoka-ijyu.jp/2015/08/04/kyujin18/

▼福岡市の起業・創業応援サイト - 創業するなら福岡市!
http://sougyou.city.fukuoka.lg.jp/

▼Innovation Studio Fukuoka(福岡)
http://www.innovation-studio.jp/

▼Innovators 100 Hiroshima(広島)
http://www.innovators100.org/


(おすすめブログ)
●"コロンブス指数"で「30年後の普通や常識を考える」ーーSCHOLAR.professorに参加して
http://blog.marketing.itmedia.co.jp/macume/entry/730.html

●テーマ「なぜ微生物学者が地球外生命体を探すのか」に限らない学びと気づきが続々の白熱講義ーーSCHOLAR.professorに参加して
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1900864.html

●人と機械(テクノロジー)の「付き合い方」、そしてシンギュラリティ(技術的特異点)とーーSCHOLAR.professorに参加して
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1893085.html
記事検索
ネットサービス
広告・マーケティング
銀河英雄伝説コンプリート
マーケティング書籍
NHK時計
※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
Twitter Widget
livedoor プロフィール
TagCloud
  • ライブドアブログ