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私的公開日誌@ウェブ暦:110721.01

名刺が通過儀礼であり、最初に提示する身分証明書代わりである我が国では、名刺の管理方法は実に多彩である。


昔から、名刺整理や管理といえば、ファイル形式のもの、BOX型ケース、欧米のTVや映画でよく見かけるローロデックスなどがある。
私が若い頃は、自分のデスク上にローロデックスを置くのが憧れだったものだ。

今日、テクノロジーの進展にともない、名刺情報をDB化して活用することが望まれている。

企業向けサービスとなると、ニーズは高いがある程度サービスの方向性が決まっている。
単に、従来ではエクセルあるいはファイルメーカーのようなソフトが活用されてきたが、最近では「やさしく名刺ファイリング」のような専用ソフトで管理するだけではなく、そのDBに誰でもアクセスして情報共有することができ、CRM的に活用されることが前提となってくる。

一方、一般消費者向けの名刺管理は、これはもう百花繚乱のごとしである。
今日でも、個人で名刺を管理する方法は、名刺ホルダーが多く利用されているだろう。

2年ほど前、ネットマーケティングのアイシェアが発表した「名刺に関するアンケート調査」を発表し、名刺を実際にどのように管理しているかの回答結果は以下のようになっていた。

<実際の管理方法>
1位「名刺ファイル・名刺ホルダー」 65.6%
2位「名刺整理箱」           33.5%
3位「名刺管理ソフト」         3.8%

これとは別に、“最も理想的だと思う名刺管理方法”について聞いたところ、以下のようだった。

<理想の管理方法>
1 位「名刺ファイル・名刺ホルダー」 43.3%
2 位「名刺管理ソフト」         32.5%
3 位「名刺整理箱」               10.8%

ここでも1位はそれでも「名刺ファイル・名刺ホルダー(43.4%)」だった。
2位に入ったのは、実際の管理方法では3.8%しかいなかった「名刺管理ソフト(32.5%)」。
ちなみに、「オンラインサービス」は、4位で6.6%だった。

名刺管理は、スケジュール管理などと比べると、その管理方法は、依然としてアナログ方式で利用されている。

上記のようなアンケート結果に接すると、名刺管理ソフトやオ ンラインサービスの需要は一見高いように思える。

だからこそ、名刺管理をデジタルでアシストしたり活用するサービスへ相次いで参入する企業がある。

そこで、一般消費者に限って利用できる名刺デジタル管理について市場環境の概略をみてみよう。

 

■最近の名刺整理・管理における“3つの方法”

第1は、主にPCとスキャナ、ソフトがセットになっているもの。
消費者が、自分でPCとスキャナや専用デバイスソフトを利用し、名刺のデジタル管理できる。

最もよく知られているのが、紙をスキャンするのにも多様されている富士通のScanSnapだろう。
また、「やさしく名刺ファイリング PRO」の ようにソフトにスキャンが付いているような製品もある。

また、携帯できコンパクトな名刺スキャナー「S80」のような製品のほかにも、キングジムのデジタル名刺ホルダー「ピットレック」のような専用の単体デバイスもある。


第2は、各種On Line(Web)名刺サービスである。名刺というよりはProfileサイトである。
有名なところでは、about.me、card.ly、 This meなどのWeb名刺サービスがあるが、いずれも海外サービスである(ちなみに、私はThis meに登録してある)。

名刺社会中心の日本では、上記の1が多いのが特長で、名刺がコモディティ化していない欧米では、やはりWebサービスが主流である。

しかも、パーソナルサービスであって、日本のように企業内で名刺管理して情報共有するようなものとは異なる。あくまでも、個としての自分をアピールするサービスである。


第3は、スマートフォン向けサービスである。
最近では、なんといってもスマートフォン向けが名刺管理方法が一番多く、期待もされている。

iPhoneで、スキャナいらずの名刺管理「WorldCard Mobile−名刺認識管理」Android上で名刺を撮影して整理・検索「名刺入れLite」iPhone&Android連携機能を備えた名刺管理ソフト「速攻!名刺管理3」、そしてあの「Evernote」と連携した名刺管理アプリ「超名刺 Business Card Manager」等々、ますます勢いが続きそうなサービスである。


さて、 今回、そうした進展と競争の著しい一般消費者市場に、「名刺BOX」は参してきた。

ところで、個人を対象とした名刺管理サービスをマーケティング視点で考えた場合、極めて都市資源型の典型的なニッチビジネスである。

そう考えているのには、2つの理由がある

1つは、都市圏生活者は、自宅(第一)、会社(第二)以外の場(第三の生活空間)が豊富に散らばっている。従って、仕事以外でも様々な人が集う場や環境も揃っている。

それは、セミナーやフォーラムなどから有志による勉強会、趣味のサークル、友人や知人のパーティー、最近増えているソーシャルメディアを通じて知り合った人たちの集いであったりと、人と会う機会や場が多く、当然沢山の人たちと名刺交換する機会も多いことになる。

一方、地方ではそうした機会や場は都市圏生活者ほどあるわけではない。もちろん、昔に比べれば地方の人たちもアクティブに活動する今日では、多様な人たちとの集いがあり、名刺交換することはあるだろう。

しかし、年間に数百人単位で名刺交換する個人が果たしてどれくらいるか考えれてみれば、それほど需要が大きい市場ではないと想定される

2つめは、Facebookのように実名で、しかも本人により常に情報更新されているようなサービスがコモディティ化すれば、自分で名刺の更新情報などを管理する手間や煩雑さから解放される

また、スマートフォンなどのアドレス帳機能で管理するようすれば済むことであり、わざわざ煩雑で手間のかかる方法で名刺を管理したり整理するだろうかということだ

実際、個人では、今でも連絡先などのアドレス管理は携帯電話だけで済ましている人たちが多い。しかも、その場で写真を撮って添えておくこともできる。特に若い世代ほどその傾向は顕著である。

つまり、実名ソーシャルメディアが浸透し(ソーシャルグラフがいつでもどこでも確認できる)、スマートフォンやPad(Personal Access Device)で個人情報を整理・管理するようになれば、わざわざスキャンしたりする手間暇をかけてまで、一般消費者が名刺(個人情報)管理をするだろうか。

それが、私が現状でも個人利用での名刺デジタル化サービスは都市資源型の典型的なニッチビジネスと位置づける所以である。


▼名刺をもらった相手、後から思い出せるのは何割?——アイシェア調べ
http://japan.internet.com/wmnews/20090514/3.html

▼2011 年はWeb名刺が流行る!?
http://itlifehack.jp/archives/3942475.html

▼この春から名刺はスキャンして管理しよう
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100419/1031542/?rt=nocnt

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(続く)


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