75a9bd17.jpg@公開日誌 ウェブ暦:090407.01

 私のMacBookには、5つのブラウザがインストールされている。

 Web制作者でもプログラマーでもない一般人にしては、5つものブラウザを入れているのは多分多い方だろう。

 デフォルトで利用しているのは、もちろん「Firefox」。
 豊富なアドオンで拡張性や利便性を高めるという手法をいち早く実現した必携ブラウザ。
 もちろん、私が長らく「Netscape」愛用者だったことから、同じMozillaを継承する同ブラウザに愛着があるという大きな理由もある。

 余談であるが、実は、90年代はApple純正ブラウザ「Cyberdog」のヘビーユーザーだったのだが、途中で開発が中止となりページが真っ白に表示されるに至り、ついに利用をあきらめた経緯がある。

 次に利用するのが「Safari」。
 ご存じAppleの開発したブラウザ。現在では、Windows版も提供しており、Internet Explorer(以下、IE)に比べ、さすがにApple製だけあって軽いうえに圧倒的な表示の美しさから、Windowsユーザーでもデフォルトで愛用している人たちがいるほど。

 「Opera」は、ノルウェー発の独自ブラウザ。
 PCでは、Windows、Macintosh、Linuxを提供、他にもニンテンドーDS、Wii等のゲーム機器、携帯電話でも使用されているマルチプラットフォームなブラウザ。
 また、タブブラウジングの草分け的存在であり、タブにカーソルを合わせるとそのページをポップアップサムネイル表示したり、「スピードダイヤル」という空白ページによく利用するサイトなどを最大9つのサムネイルで表示し、簡単にアクセスできるなど使い勝手の高い機能も売り。

 他の2つは「OmniWeb」と「Shiira」。両ブラウザとも、Mac専用という奇特なブラウザであるが、それでも年間数回は使っている。

 前者は、実はNetscapeなみに歴史のあるブラウザ。元々UNIX系Nextstep用に開発されていたこともあり、その後Mac OS Xへ移植された。Cocoaで開発されており、鮮明な画像や美しいテキスト表示のためにQuartzを利用するなど、初めて見たときは美しいと感じた。「Safari」より歴史のある分、安定感があり安心だと思った。
 後者は、日本発のブラウザ。Mac OS X上でネイティブ動作するオープンソースブラウザ。何より便利な機能は、Firefox、Safariなどブックマークを読み出し、簡単に切り替えて使えること。
 例えば、「Firefox」=仕事用、「Safari」=個人用として各々まったく異なるブックマークで利用しているような場合、「Shiira」上で、各々の(仕事用・個人用)のブックマークを簡単に切り替えながらブラウジングできる。

 ところで、日本発のブラウザといえばWindowsにも、高機能でIT系エンジニアにも愛用者の多い「Sleipnir」、3つのレンダリングエンジンを搭載した「Lunascape」などもある(Netscapeとは関係ない)。

 さて、現在、Google Chromeの参入もあり、ブラウザ開発は検索エンジン以上に競争が激化している。同ブラウザは、現時点ではWindows版だけのリリースであるが、Mac版とLinux版も開発中である。

 かつては市場の90%以上を握っていたマイクロソフトのIEのシェアは、66%まで落ちている。

 こうした複数のブラウザは、ユーザーの用途、好みや使い勝手などによる選択肢が増えることで、自分に合った好きなブラウザを利用できるので喜ばしいことである。

 現在のブラウザは、レンダリングエンジンで分けると「WebKit」系(Safari、Google Chrome、Shiira、OmniWeb、iCab、Stainless等)と「Gecko」系 (Firefox、Netscape、Camino等)の2大陣営がある。
 IE(Sleipnirも)は「Trident」、Operaは「Presto」という、各々の独自レンダリングエンジンを搭載している。

 また、先の「Lunascape」(くどいがNetscapeとは関係ない)は、1つのブラウザで3つのレンダリングエンジン(WebKit/Gecko/Trident)を搭載し、切り替えながらブラウジングできるようなアプリもある。

 現在は、画像や動画などRIAコンテンツが増えていることから、これらのデータをいかに早く表示(JavaScriptの高速化)できるかが各社の競争の主戦場となっている。

 ところで、先日友人のWeb開発者と話をしていた時、IEがなければ開発コストが3分の1になるという話を聞いた。

 そうなのだ、ユーザーとしてみれば、いろいろなブラウザを利用できるは嬉しいのだが、Web制作者側からみれば、ブラウザの種類が多いほど様々なテストしたりする作業時間が増えて、それにつれて負担も増すだけなのだ。

 その開発者によれば、「WebKit」系、「Gecko」系だけであればいいが、「Trident」(IE)は市場シェアを考えた場合、外すわけにはいかないし一番やっかいなのだそうだ。

 90年代半ば、Netscapeをたたきつぶすために開発されたようなIEは、マイクロソフト(MS)が手掛ける必然性はなかった。歴史に「れば・たら」はないが、NetscapeがMSの買収提案に乗っていたら状況は随分と違っただろう。

 ただ、インターネット時代の入り口(ブラウザ)を他社が制するのが許せなかった同社は、2年ほどで市場から実質的にNetscapeを葬りさった。

 IEは、アプリとしても決して利便性が高く良いブラウザという評判は聞かない。私は、Windowsで少し使ったことがあるが、タブブラウジングができないことに驚いたが(今はできる)、それ以外のユーザビリティはよく知らないのだ。MSが、Web技術者や制作者などから批判されるIEをリリースし続ける理由が「Netscape対策」以外に見あたらなかった。

 実を言うと、電子書籍企業と3D仮想世界企業在籍時、両社ともWindowsのみ、しかもIEにしか対応していないサービス(技術)であったが、会社支給のWindowsPCでもほとんど必要以外はずっと「Firefox」を愛用していた。

 しかし、今日、Googleが独自ブラウザ「Chrome」の登場で、MSの状況も変わった。矢継ぎ早にIE7、IE8と開発スピードを速めている。
 もちろん、かつてIEで市場を制し、開発を怠っていた間に「Firefox」にシェアを大きく奪われたことへの反省もある。


 しかも、これからのクラウド・コンピューティング時代、このネットの入り口であるブラウザが、ある意味プラットフォームの覇権を握る役割を担うことになるので、ますます重要になってきたからである。

 IEでしか利用できないサービス、利用方法などをMSがクラウドで提供する可能性は否定できない。そうなれば、Firefoxしか利用しない人でも、IEを利用せざるえ得ないような状況となる。

 実際、金融機関のオンラインバンキングなど、WindowsかつIEにしか対応していないようなサイトやサービスも結構ある。そんな時、MacユーザーはBootCampなどで一時的にWindows環境に切り替えて使えばいいだけではあるのだが。

 MSが、検索エンジンへの執着に加え、ブラウザにも熱を入れ始めるとなるとやっかいである。

 今の時代、1つのOS、1つのブラウザ、1つのデバイスでしか使えないような閉じた技術やサービスは、マーケティング戦略というと未だに「顧客の囲い込み」を呪文のように唱えているのと同様に硬直した思考である。

▼ ブラウザの使い分け、もうウンザリ
http://builder.japan.zdnet.com/news/story/0,3800079086,20369681,00.htm?ref=rss

▼ IEの市場シェアが過去最低を記録――3月末時点で66.8%
http://www.computerworld.jp/topics/browser/140409.html

▼ 大幅に改善されたIE 8――しかしライバルたちは既に一歩先へ
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0903/23/news075.html

▼ IE 8の登場でブラウザ戦争は新たな局面に
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0903/27/news063.html

【おすすめブログ】
▼ WebKit系の新ブラウザ「Stainless 0.5」がついにリリース!!

http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/754088.html

▼ 【速報】大進化!新しいブラウザUX『Safari 4』
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/742006.html

▼ 未来系ブラウザ『SpaceTime 3D』が登場
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/729671.html

▼ ソーシャルブラウザ「Flock 2.0」ついにリリース
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/518978.html