The Blog Must Go On

インターネット、そこは最新技術のフロンティア。 これは、コミュニケーションアーキテクトたる“macume”が、新時代のメディアBlogの下に、21世紀において執筆を継続し、未知のネット世界を探索して、新しい情報や人との出会いを求め、永劫進化するネット世界に自由に公開した日誌である。Blogの歴史が、また1ページ……。

Blogger's Meetups

ブログの未来とはー「ブロガーサミット2013」に参加して思う

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私的公開日誌@ウェブ暦:130826.01


私は、様々なソーシャルメディアを利用しているが、それでも依然としてブログこそが自分の中核である。
仮に、数あるソーシャルメディアのうち一つだけしか活用が許されない世界だとしたら、まちがいなくブログを選択する(もっともここのところ滞っているのだが)。

先週の土曜日(24日)、AMN主催による「ブロガーサミット2013」に参加した。
当日、なんと13〜21時まで、最後には登壇者も交え、参加者全員での懇親会も用意された長丁場なイベントだった。


今年は日本で主要なブログサービスがはじまって10年の節目ということで、この間を振り返り将来を展望する総括的なテーマで、下記のように合計6つものセッションは組まれていた。

週末開催ということもあり、この日のために全国の名だたるブロガーが一堂に会する状況で、遠方(中には海外から)よりのブロガーも多くいたようだ。
 

(1)パネルディスカッション1「ブログ〜この10年〜」 
・清田いちる氏  小鳥ピヨピヨ ギズモード・ジャパン初代編集長(現長老)
・岡田有花氏  フリーライター/IT戦士
・Otsune氏  Otsune ネットウォッチャー
・佐々木大輔氏  アルカンタラの熱い夏 LINE株式会社、執行役員

(2)パネルディスカッション2「個人ブログからブログメディアへ」 
・新野淳一氏 Publickey ITジャーナリスト/Publickeyブロガー
・村井智建氏&宮下 泰明氏 AppBank APPBANK株式会社
・伊藤春香氏  「はあちゅう主義。」 美容クーポンサイト「キレナビ」編集長
・堀正岳氏  Lifehacking.jp ブロガー・研究者

(3)パネルディスカッション3「ブログサービスの近未来」
・貝塚健氏 ヤフー株式会社 企画本部 サービスマネージャー
・寺崎宏氏 NTTレゾナント株式会社 メディア事業部 ソーシャルサービス部門 主査
・関信浩氏 シックス・アパート株式会社 代表取締役CEO
・吉田健吾氏 株式会社paperboy&co. 常務取締役/ 株式会社ブクログ 代表取締役社長

(4)パネルディスカッション4「ビデオブロガーの今」 
・ジェット☆ダイスケ氏 ガジェット☆ダイスケドットコム ビデオブロガー
・アリケイタ氏 ビロガー アリのチャンネル ビデオブロガー
・佐々木あさひ氏  YouTube sasakiasahi メイクアップパフォーマー
・タムカイ氏 ブログ「タムカイズム」企画運営 / 「ブロネク!」広報担当(自称)

(5)パネルディスカッション5「ブログライフバランス」 
・メレ山メレ子氏  メレンゲが腐るほど恋したい ブロガー/「メレンゲが腐るほど恋したい」運営
・岡田康宏氏  サポティスタ サポティスタ主宰
・野間恒毅氏 ワンダードライビング 「ワンダードライビング」主宰/ワンダーツー(株)代表取締役
・津田大介氏  津田大介公式サイト ジャーナリスト/メディア・アクティビスト

(6) パネルディスカッション6「ブログを書くということ」 
・コグレマサト氏  [N]ネタフル ブロガー/浦和レッズサポーター。
・いしたにまさき氏 [mi]みたいもん! ブロガー/ライター/アドバイザー/内閣IT広報アドバイザー
・松村太郎氏  tarosite.net ジャーナリスト/キャスタリア株式会社 取締役
・粟飯原 理咲氏 アイランド株式会社 代表取締役社長

(懇親会)ブログ10周年記念パーティー


この日の登壇者は、ブログ業界ではつとに知られた人たちばかりで、津田大介さん、シックス・アパートCEOの関さん、松村太郎さん、ワンダーツー代表の野間さんなどの友人・知人が顔を揃えていた。
そのほかにも、今イベントの登壇者ではなかったが神田敏晶さん、本荘修二さんや久々に会うブロガー仲間など、総勢800名近い参加で会場は熱気に満ちていた。

最初に、ブログの登場、普及、伸展というこの10年を振り返るセッションでイベントはスタートした。
どのセッションも印象に残っているが、6つもセッション内容を個別に語っていると長くなるので、自分にとって感じているいくつかの事柄について述べる。
このイベントについては、これから沢山のブログが書かれるであろうから、そうした記事もできるだけ読むことをすすめる。


■私がブログを継続する理由

人がブログを書き続けている理由は様々で、情報発信して自分をブランド化したい人、アイデンティティを求める人、備忘録代わりに記事にする人、アドセンスやアフィリエイトで小遣い稼ぎをした人などまさに十人十色だろう。
まして、今日ではfacebook、Twitterなどもあり、手間と時間を費やす必要があるブログを継続し続けるにはそれなりの強い動機や意志が必要だと思う。
ブログをやめてしまう人たちで、一番多いのが「更新が面倒になったから」というのが、そうした状況をもっとも象徴していると思う。

私の場合、そもそも書くことが好きだということがあるが、自分視点でなにに気づき、感じたのかを書き残していおきたいという備忘録的な意味合いが強い
そういう視点から考えると、ソーシャルブックマークの登場は、個人的にはブログ普及に大きく貢献したように思う。

ブログの場合、アウトプットのクオリティを考慮した場合、どのソーシャルメディアよりも重要であると思っている。自分の思考、記憶ログとして残せておける点では、もっとも重要で最適なツールだ。
さらに、そうしたものをできるだけ多くの人たちに読んでもらえることが、なにより嬉しいということもある。私のブログを読んでくださり、そこから新しい人との縁を得たり、ビジネスを含めてネットワークが広がるというメリットもある。

私はマーケティングコミュニケーションが専門である。
昨年、ITメディアが「マーケッター通信」というブログメディアをオープンしたが、その折りにお声がけいただいのもブログをずっと継続してきたからこそである。

また、時々なにかのキーワードを検索していて自分が書いたブログ(すっかり忘れいたりする)が検索上位に表示され、それを書いた当時の状況、気持ちなどについて知ることもあり、そうしたことが意味を持つことが何よりブログを継続する糧になっている。


■ブログにおけるテーマについて

ちなみに、私はブログを開設するとき、こういうテーマで書こうと決めていた訳ではない。もちろん、テーマを決めてから開設する人もいるだろう。
しかし、書いているうちに徐々に記事にするテーマや方向性が見えてきたり定まってきたという人の方が多いのでは、とセッションを聞いていてそうした印象を受けた。

また、私も最近は更新が滞っているが、書きたいときあるいは書きたくなったときにブログを更新するのでよいだろうと感じている。義務感などで継続するものではないし、そうした理由や動機では続かないと思う。
また、書けない人が書くというのも無理があると思う。もちろん、文章の訓練のつもりで書くこということでも最初はよいだろうが、そこに書くことの楽しみや喜びを感じるようにならないと、これもやはり続けることは無理だと思う。

気張らずに気軽に継続するのが理想的であると思う。


■ブログの将来に思う

イベントの冒頭、徳力さんの挨拶の中で、今回の参加者で一番若いのは中学生だとのアナウンスがあり、私の近くで見かけた会場に不釣り合いな印象の少年がそうなのだろうと思う。

しかし、会場で20代前半の若い人、そして女性の参加者の少なさは相変わらずである。
若いブロガーが育っていないことは一目瞭然で、セッションでも指摘されていた。

BLOGOS、ハフィントン・ポスト、ITメディアAlternative Blogなどを持ち出すまでもなく、あまたのウェブメディアにおいて、ソーシャルメディア全体が多様になり隆盛の今日においても、やはりブロガーはそうした様々なメディアの核をなす存在だと思う。

例えば、教育現場(小学校や中学校など)での学校新聞などを全てブログメディアで作る、あるいは夏休みの宿題の日記などでもっとブログを書くようにするなどして、若手ブロガーの底上げをすることが理想的だと思う。

書くことで考える習慣を身につけるようになるし、小さなころからデジタルメディア(特にソーシャルメディア)に対するリテラシーも高めることができる

最後に、シックス・アパートの関さんが、12月3日を「ブロガーの日」とするとの発表があり、この日にブロガー向けのイベントを用意しているとの嬉しい話があったことをお伝えしておく。



(関連リンク)
▼ブロガーサミット(主催者サイト)

http://agilemedia.jp/blogger/

▼ブロガーの将来は明るい?/ブロガーサミット2013
http://d.hatena.ne.jp/ta26/20130825

▼作文や感想文・小論文が苦手だった私も毎日更新ブロガーになれました
http://shumaiblog.com/blog-is-not-essay-or-composition/

▼やっぱり楽しかったブロガーサミット2013まとめとレシピブログのブロガー施策のすばらしさ
http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/blogger2013.html

▼ブロガーサミット2013へ行ってきた。ブロガーが一堂に1000人集まるとかなんか純粋に凄いよね。
http://norirow.com/archives/15049

▼ブロガーサミット2013に潜入してきた
http://fm7.hatenablog.com/entry/2013/08/25/100933


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【おすすめブログ】

●誰がためにブログは書く(1)ーーオーガニックブログにこだわる理由
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1653306.html

●誰がためにブログは書く(2)ーー新しくなった解析ツール「ブログチャート」を試す
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1657506.html 

「ソーシャルメディアサミット 2012」に参加して(3)ーーソーシャルメディアのこれから

sms2012

私的公開日誌@ウェブ暦:120316.01

長いセッションの最後の締めくくりは、場内が爆笑の渦だった。

それまで、皆がまじめに集中して3つのセッションを“傾聴”していたので、最後にこのセッションを配したのは、その緊張をほぐしリラックス効果もあり正解だと思った。

■ セッション4「企業がメディア化、ウェブサービス化する未来」
(パネリスト)
猪子寿之氏:チームラボ株式会社 代表取締役社長
中村洋基氏:PARTY/Creative Director, Founder
平野義孝氏:株式会社トヨタマーケティングジャパン プロデュース局 WEBマーケティング室
(モデレータ)
徳力基彦:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 代表取締役社長


冒頭から、パーティー代表の中村氏の「うんこもらした話し」が炸裂

その話をブログに書いたら、TwitterでRTしまくられて8,000人のフォロワーが一挙に増えた。しかし、結婚を控えた奥さんの両親から、中村さんてどういう人と聞かれ、それなりに有名だから検索すれば分かると返答したところ、例の「うんこもらし」話ばかりにが検索上位に表示されてしまったというエピソードを赤裸々に披露し。
「これがソーシャルメディアですよ!」と落ちがついた

また、mixiを使ってホンダCR-Zのキャン ペーンを実施した時には、80万人以上が名前に「CR-Z」がついたニックネームが集まり、コミュニケーションを遊び(ゲーム化)感覚で楽しむ成功例が紹介された。

チームラボ代表の猪子氏は、年末の紅白歌合戦での嵐のCG で作った演出映像が流れ、「トランスが割れたんですよ。凄いことですよ!」と言い出して、そこのすごさを理解してもらえ なかったという話しから始める。繰り返し映像を流してこの映像と演出のすごさを猛アピール

トヨタの平野氏は、自分たちの発想だけではクルマの販売をどうしていいか分からなくなったので、みんな考えてくださいと「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」というものを始めたと説明

今日、従来からのクルマ起点におけるマーケティングコミュニケーションの考え方にこだわっていては、クルマを購入してもらえるチャンスはないと言い切る。

例えば、エヴァンゲリヲンを使ったキャンペーンの場合、ターゲットする層がそうしたものとは関係ないなどと言うことより、これまでのブランドイメージの範囲内だけあるいはその延長上で考えたりイメージしているだけではだめで、そこ枠外へでることが必要だと力説

それにしても、この各々の一応の自己紹介(?)が終わったところで、既に半分の時間が費やされるという状況。これはこのままでは、どう考えても時間内に終わるのかと、私はとても不安になった。

最後に、徳力さんから「ソーシャルメディアの新し企画の理解を得るのはどうしたらいいでしょう」と質問に、「乗り越えられないですね」と猪子、中村の両氏が異口同音に返答する。

平野氏は、事前に説明(根回し)しておくと企画がつぶされるから、タイムリミットぎりぎりの直前に出す。 しかも、個人のスタンドプレーでやるのではなく、チームプレー(団結力?)で動き、そして提示するとのこと。

このお三方の話しは、もっともっと聞いてみたいという人も多かっただろうが、自己紹介でセッションの半分の時間が費やされてしまったので、予定をオーバーしたがそれでもなんとか終了にこぎ着けた。

徳力さんも、このセッションをまとめるのは諦めると“宣言”して、これにて第4部は大団円のお開きとなった。

しかし、このメンツでのセッションに進行役は本当に大変で、それだけでも相当エネルギーの消耗が激しいのではないかと思った。
私も、セッションに猪子氏が登壇するのを知り、これは進行役が大変だろうなとは思っていた。しかし、猪子氏に声を掛けた時点でそれは覚悟していたとは思うが。


■第2部「アルファブロガー・アワード発表」+「AMN5周年記念 パーティー兼懇親会」

さて、今回がアルファブロガーアワード最終回となったが、それは「ブログが役目を終えたからと言うことではなく、ブログを書いている人を「アルファブロガー」として評価する必要がなくなってきたと感じているからです。」とのこと。

「アルファブロガー・アワード」といえば、文壇でいえば芥川賞や直木賞、映画界のアカデミー賞、音楽で言えばグラミー賞のようなものと、かつては考えていたものだった。
しかし、ここ数年は、多様なソーシャルメディアの登場と普及により、急速にそのプレゼンスが褪せていたように感じられる(他の各々の賞も同様だが)。

私も、いつかはこのアワードにノミネートだけでもいいからされてみたいと思っていた。
それが果たせぬうちに最終回を迎えたのは、残念でもあり寂しさは禁じ得ない。

しかし、今日では、当該イベントが他にも、いくつもソーシャルメディア関連のイベントが開催されるほどソーシャルメディアは特殊なものではなく、日常的に使われるサービス(ツール)となるほどにまで発展してきたとも言える。

そうしたことを考えた時、旧来の価値観にこだわっていたずらに継続するるより、新しいアワードを用意するのは当然のことでもある。

懇親会では、「百式」の田口さん「ネタフル」のコグレマサトさんなどをはじめ、著名なアルファーブロガーの方々が参加していた。年に一度ほど顔を合わせる方もいれば、「Polar Bear Blog」の小林さんのようにブロガーミーティングなどちょくちょくお目にかかる方もいる。

さて、私は、本ブログ連載の冒頭に「最近ではそろそろ自分で「ブロガーです」と名乗っても、少しは許されるかもしれないと思えるようになった」と記した。
そのとき想起したのは、江藤淳の小林秀雄論における下記の有名な書き出しである。

「人は詩人や小説家になることができる。だが、いったい、批評家になるということはなにを意味するのであろうか。あるいは、なにを代償として批評家になるのであろうか。」
                               ー江藤 淳『小林秀雄』


仮に、私がこれから真にブロガーになるとしたら、何を意味し、果たして何を代償にブロガーになるのであろうか。ふと、そんなことを考えた。


(了)


▼8年間つづけたアルファブロガーアワードを、今年で終了することにした理由
http://blog.tokuriki.com/2012/02/8.html

▼8年の集大成、117ブログの「アルファブロガー・リスト」を公開しました!
http://agilemedia.jp/blog/2012/03/8117_1.html

▼最後のアルファブロガー・アワード結果発表イベント
http://www.sixapart.jp/pressroom/2012/03/aba_2011.html

▼ソーシャルメディアのコミュニケーションやエンゲージメントの価値を証明しないと、大企業では仕事として認められないのでは?
http://blog.tokuriki.com/2012/03/post_682.html

▼企業にとってのソーシャルメディアの可能性と課題とは
http://d.hatena.ne.jp/ta26/20120311



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●「ソーシャルメディアサミット 2012」に参加して(1)ーーソーシャルメディアバブルの向こう側
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1663165.html

●「ソーシャルメディアサミット 2012」に参加して(2)ーーソーシャルメディアの測り方

「ソーシャルメディアサミット 2012」に参加して(2)ーーソーシャルメディアの測り方

sms2012

私的公開日誌@ウェブ暦:120315.01

セッション2と3は、1とは打って変わり、実際に企業においてソーシャルメディアを活用している、それもうまく活用している「中の人たち」を招いてのトークとなった。

実際にどのように効果測定や指標を設け、それらをどのように活かしているのか、現場で実務に携わっている人たちには参考となるし、そうした人たちに向けたメッセージのように感じられた。


■セッション2「ソーシャルメディアにおける広告的効果測定のあるべき姿」
(パネリスト)
津毛一仁氏:アディダスジャパン株式会社 デジタルマーケティング シニアマネージャー
室元隆志氏:サントリー酒類株式会社 デジタルマーケティング開発部長
長谷川秀樹氏:東急ハンズ 執行役員 ITコマース部長
(モデレータ)
上田怜史:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 取締役


(1)サントリー
サントリーは、社内の様々な部門でソーシャルメディアを運用しているようだが、特にブロガーに情報発信してもらえるように活動している(かく言う私は、「武蔵野ビール工場ブロガーイベント」申し込んでいる)
最近ではハイボールのヒットで知られているが、ブロガーを活用する事に力点を置いているようだ。

しかも、飲食などグルメ情報の記事を書いているブロガーを招待し、適宜ブロガーイベントを全国各地で開催しているとのこと。
ハイボールの事例から、ブログ記事を通したほうが効果が上がると理解していたし、ソーシャルメディアはマスメディアに比べて二桁くらい予算が違うということだ。

具体的に、ネット上でどのように拡散して認知度が上がっていったか資料をスライドで見せながら説明が行われた。

その他にも、新製品「オールフリー」で は、山登りが好きなブロガーを集め、山頂で乾杯イベントを開催し、うまくいった事例について話しをした。


(2)アディダス
アディダスは、世界的なスポーツブランドである。
同社では、最近のマラソン(ジョギング)人気を背景に、新しいマラソン(ジョギング)シューズのプロモーションとして「クツカス」という新製品の無料レンタルキャンペーンを実施
これは、数日間、無料でシューズをレンタルすることで、店頭で足を通しただけでは分からない履き心地、実際に走ってみた時のフィット感を体験してもらい、また具体的なコンバージョンを創出することに主眼が置かれた。

送料として1,400円の実費負担だったが、その分は全国の量販店や直営店の店頭で使える同額のクーポン券を給付した。
キャンペーン自体が話題となり、多くのメディア(約100媒体)でも取り上げられて事もあり、予想以上のアクセスがあった。

さらに、クー ポンを店頭に持参してシューズを購入する人が、予想以上だったことも収穫だった。また、大震災を挟んだことで、レンタルシューズを長らく返却できない人からは礼状とともにお詫びと感謝の手紙も頂戴したとのこと(スライドでそうした手紙を紹介)。


(3)東急ハンズ
東急ハンズの担当者は、EC部門と情報システム部門の責任者で、ソーシャルメディア(Twitter)は広報部門が別に展開していたが、その担当者が開設後には本来の広報部門よりアクセスを集めて認知度も高まってしまったために、その広報部門の所有していたアカウントを譲り受けることになったとのこと。

ソーシャルメディアは、リアル店舗の接客と同じと考えている。また、初めにガイドラインありきではダメだと発言。
そもそも、ネットの売り上げ自体、リアル店舗の1%未満なので、この1%未満の段階で、ROIとかKPIなんていうこと自体がおこがましいし意味を持たないと。

これで、売り上げが2〜3%に達した時、はじめて効果測定してこれからの戦略的な運用を考えたりすると語った。


上記の話しは、まさに三者三様である。もちろん、各々業種が違う事もある。

話しを聞いていると、明確な戦略的な目的意識や運用予測や計画があったというより、設定した目標はあったが、手探りで体験し学びながら上手に運営しているという話しぶりがとても印象的だっ た。


▼サントリー
http://www.suntory.co.jp/

▼アディダス
http://www.adidas.com/jp/homepage.asp

▼ ハンズネット(東急ハンズ通販サイト)
http://hands.net/?gclid=CJbi38jT5a4CFYokpAodC1q_vQ




■セッショ ン3「コミュニケーションやエンゲージメント価値の測り方」
(パネリスト)
板橋万里子氏:花王 Web作 成部 Web企画グループ
高柳直明氏:ANA 営業推進本部 WEB販売部
千歳敬雄氏:デル株式会社 コンシューマ&SMS事業部 オンラインマーケティングマネージャー
(モデレータ)
高柳慶太郎:アジャイルメディ ア・ネットワーク株式会社 マーケティング部マネージャー

花王の板橋氏から、デジタルコミュニケーションセンターという新部門に移った、デルの高柳氏は事業部の名称の間違いを指摘され、その場でプロ フィールスライドを直すハプニングがあり。会場の笑いを誘う和やかな出だし。


(1)花王
花王では、04年に「ピカママ」という製品のために「GO GO pika★pika MAMAコミュニティ」(いわゆる掲示板)をオープンして運営してきた。
これは、ソーシャルメディアはもとより、CGM/UGMという言葉がメディアで喧伝される前からなので、他に比べればソーシャルメディアへの取り組みが早く運用についてのノウハウの蓄積もある。

当初、自社製品を紹介をすることが目的のサイトのようだったらしいが、途中で幼児を育てているママたちの交流コミュニティへと方針転換した(この変に事情はメモを取り損ねた)。
生後の子供を年齢ごとに細かくサークルを用意し、それに応じて各サークルに加入してもらう仕組み。

そうして寄せられたコミュニティ内のママたちの生の声をデータ(テキスト)マイニングすることで、多くの様 々なことが分かるようになってきた(ここでそのデータのスライドが表示され、会場一同から「ほ〜」の声が上がる)。

そうしたデータの詳細な分析を通じて、他の一般的なコミュニティでは20%前後の人が発言するだけだが、花王のコミュニティでは60%以上の人たちが何らかの発言をしていることが判明。
非常に活発なコミュニティだということが分かった。

また「ヘルシア」でのダイエットキャンペーンでは、誰かから応援されたりコ ミュニケーションをしている人の方が、単独でダイエットをしている人より継続率が高いということもデータを使って語られていた。

そうした各種のデータを駆使した分析を通し、やはりコミュニケーションによる何らかの「絆」の力を実感したとのこと。
またデータ分析においては、定量よりも定性的な調査に重点を置いているという。


(2)ANA
全日空(以下ANA)では、Facebook ページの登録者が50万人を越えている
顧客との関係構築を目的として円滑なコミュ ニケーションを行い、ソーシャルメディアそのもを楽しく利用してもらえるようにしているそうだ。

ただし、コメントや発言内容は逐次チェックしているそうだ。
そうした顧客とのコミュニケーション活動を通じ、そこで得られた情報(クレームも含む)は他部門はもとより、マネジメ ント層とも情報共有している。

最近、自社サイト「ソーシャルスカイパーク」をリニューアルし、自社メディアとソーシャルメディアを融合しようというような試みに取り組んでいる(Facebook、Twitterのアカウントでログイン可能)。

これなど、先日紹介したGigya Inc.のCEOパトリック・サルヤーのインタビューにもあった、「オウンドメディア(自社サイト)のソーシャル化」にも通じる動きのような気がする。
今後、この自社メディアのソーシャル化は新たな企業サイトの将来の方向性を示してるようで、今後の動向が注目される。


(3)デル
デルは、元々が顧客とダイレクトに繋がることが企業理念の直販ということ、米国本社が早くからソーシャルメディアを導入しているので、日本でも活用すること自体には理解があった。

現在、アフィリエイター2万人もいるそうだ。そうした中でNPS(ネットプロモータースコア)と呼ばれるロイヤルティを表す指標がある。
これは「●●社の製品をあなたは友人に勧めるか」などを数値化したもので、製品、サービス、ブランドに対する顧客ロイヤルティを測る指標

ただし、それらから得られるデータを十分に有用な活用し切れてはいないとも発言。

ANA、デルともに、花王のデータ活用には感嘆した様子で、参考になるので見習いたいというような発言があった。


このセッションの3社は、総じて最初は傾聴(リスニング)という位置づけから出発し、そこで集めたデータからソーシャルメディアを上手に活用していることが共通しているように感じた。
今後の課題では、コミュニケーションの可視化(定性データ含め)ユー ザー間の交流促進文脈などの可視化などを通じて、「つながり全体の可視化」というようなことに取り組みたいと、花王の板橋氏の言葉がエンゲージメントを測る上での代表的な意見であるように感じた。


▼「GO GO pika★pika MAMAコミュニティ」(花王)
http://www.c-player.com/pikamama

▼「ソーシャルスカイパーク」(ANA)
http://ana1st.com/

▼デル
http://www1.jp.dell.com/jp/ja/gen/df.aspx?refid=df&s=gen

▼平均PV数で2.79倍/購入率で5倍の差が生まれる“オウンドメディアのソーシャル化”
http://markezine.jp/article/detail/15241

▼企業にとってのソーシャルメディアの可能性と課題とは
http://d.hatena.ne.jp/ta26/20120311


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「ソーシャルメディアサミット 2012」に参加して(1)ーーソーシャルメディアバブルの向こう側

sms2012

私的公開日誌@ウェブ暦:120314.01

13時から21時までという長い一日が始まった。

3月9日、アジャイルメディア・ネットワーク(以下AMN)主催による「ソーシャルメディアサミット2012」が開催され参加してきた。
当日はあいにくと雨模様だったが、今年のサミットも盛会となり、チケットは完売で当日は立ち見が出るほどの参加者が集まった。

私は、今年はありがたくもブロガー枠でのご招待に与った
地道にブログを書き続けていることが、こうしたお招きの恩恵を受けることになったのだろうと、素直に嬉しかった。
私は、様々なソーシャルメディアを活用しているので、名刺にはSocialmeddiactivist(ダン・ギルモアのmediactivistからヒントを得た)とは刷ってあるが、これまで「ブロガー」とは書いていないし名乗ってもいない
しかし、ようやく、最近ではそろそろ自分で「ブロガーです」と名乗っても、少しは許されるかもしれないと思えるようになった


今日、もはや日常用語となったソーシャルメディアという言葉がもてはやされている一方、猫も杓子もその言葉に翻弄され、ソーシャルメディアに対する“過度”に期待値が高まりすぎ、実際に成果を出している企業は少ないのが実態だ。

そうなると、これは一種のソーシャルメディアバブルではないのかという意識のもと、それでも、これからのソーシャルメディアの可能性、課題について本質的な議論を展開するという趣旨だった。

当日、第1部のパネルディスカッションでは、以下のような4つのセッションが組まれていた。
第2部では、今年が最後となった「アルファブロガー・アワード」発表とAMNの5周年記念パーティーを兼ねた懇親会が催された

・第1部
<セッション1>ソーシャルメディアの弱点 徹底討論
<セッション2>ソーシャルメディアにおける広告的効果測定のあるべき姿
<セッション3>コミュニケーションやエンゲージメント価値の測り方
<セッション4>企業がメディア化、 ウェブサービス化する未来

・第2部「アルファブロガー・アワード発表」+「AMN5周年記念パーティー」

さて、実際のセッション前に先立ち、ソーシャルメディアを積極的に活用している国内企業を「第3回ソーシャルメディア活用企業トップ50」として発表された。
今調査から、新たにライブ中継サービスであるUstreamとニコニコ生放送を加え、9つのソーシャルメディアを調査対象としたとのこと。

さらに、この1月にブログの影響力を解析する「ブログチャート」のリニューアルが発表されたが、それとは別にソーシャルメディアを横断して影響力が測定できる新たなツール「ユーザーチャート」が公開されることも発表された(3月末にローンチ予定。私は早速登録した)。

本ブログでは、各セッションを検討しながら、3回ほどの連載を予定している。


■誤解と混乱の向こう側ーーセッション1「ソー シャルメディアの弱点 徹底討論」
(パネリスト)
高広伯彦氏:株式会社スケダチ代表取締役/コミュニケーションプランナー
中尾孝年氏:株式会社電通関西支社 クリエーティブ局
森永真弓氏:株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 上席研究員
(モデレータ)
徳力基彦:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 代表取締役社長

このセッションでは、敢えてソーシャルメディアの弱点をあぶり出すような試みが行われた
それというのも、ソーシャルメディアに対する高すぎる期待値と混乱が見られ、それを先ず認識すること、万能メディアのように使える、あるいは使おうとしている現状を鑑みて、むしろ弱い点を抽出する作業のようだった。

先ず、高広氏が、「ソーシャルグラフ、すなわち人と人のつながりが語られることが多いが、最近はコンテンツとコンテンツ、サービスとサービスが結びつくことがソーシャルメディアだと考えている」と 口火を切った。

また、ソーシャルメディアの弱点というのは、物事を対立軸で語ったり、枝葉的な手法に拘泥したり、従来のメディアに全てを置き換えたり、手法ありきに陥りやすという、いかにもムラ化しやすい業界で、正確にはソーシャルメディア「業界」の弱点というべきで、自分できちんと考えていない証拠だと相変わらず辛辣だ。

例えば、TVというメディアの弱点を補うのがソーシャルメディアであり、その逆も同様である。また、かつてはPR→広告→PRという展開もあった。

さらに言えば、ソーシャルメディアは炎上が怖いというが、その原因はソーシャルメディア自体にあるのではなく、元々その外にあったの がソーシャルメディアで露わになっただけのこと。

森永氏は、そもそもPRで行うべきことを、広告部門が担当しすぐにROIばかりを追う傾向があり、活用の仕方や目的に対する理解不足があり、柔軟に組織編成や運営体制を構築できないことが要因だろうと語っていた。
そして、今日でも、ネットやソーシャルメディアが胡散臭いと思われているのは、2ちゃんねるの影響がどうしても強いからだろうという言葉が象徴的だ。

AKB江口愛実の仕掛け人である中尾氏は、TVCMなどを制作するクリエイティブの立場から、今回はソーシャルメディアとテレビがうまいサイクルだった事例として紹介し、レビ側の視点からすると、 ソーシャルメディアが無ければあそこまで盛り上がらなかったと話した。テレビとソーシャルメディアは円滑で良好な関係として活用すべきと提言した。

最後に、高広氏が、マーケティングコミュニケーションというと、いまだに「囲い込み」と判で押したように口にし、ソーシャルメディアでも同じ事をやろうとしている人がいる。消費者に企業やブランドにエンゲージメントしてくれと要求するような事もある。

しかし、それは考え方が逆で、実は企業や製品が消費者に囲い込まれ、企業や製品側が消費者にエンゲージメントしていくようにならなければならないと発言したが、私も同様な経験は多い。

マーケティングコミュニケーションについて話しをしていると、すぐに「囲い込みは?」と聞き返される事はしょっちゅうである。
消費者は、基本的 に囲い込まれたいと望んでいないので、どうやってそうした消費者との関係を築くのかを明確にしておくことが、ソーシャルメディア運用には重要なのですということから始める。

むしろ、ソーシャルメディアに対する視点・発想が、従前のマーケティングコミュニケーションと同じ意識ままソーシャルを使おうとするから、誤解が生まれるのだと私も感じている。

結局、これまでの染みついた発想や手法から脱却できな い人たちと現状こそが、ソーシャルメディアの弱点という“以前に、実はソーシャルメディア活用において最大の弱点なのだろうとの印象を私は持った。


▼ソーシャルメディアサミット2012
http://agilemedia.jp/sms/

▼「2012年 ソーシャルメディア活用企業トップ50」
http://agilemedia.jp/socialmediaranking/

▼ソーシャルメディアを横断して影響力が測定できるツール「ユーザーチャート」のティザーサイト公開
http://userchart.jp/

▼ソーシャルメディアのコミュニケーションやエンゲージメントの価値を証明しないと、大企業では仕事として認められないのでは?
http://blog.tokuriki.com/2012/03/post_682.html

▼企業にとってのソーシャルメディアの可能性と課題とは
http://d.hatena.ne.jp/ta26/20120311

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「NTT R&Dフォーラム 2012 ブロガーミーティング」に参加して

r&dforum12

私的公開日誌@ウェブ暦:120223.01

JR中央線の三鷹駅に降りたのは数十年ぶりだった。ジュンク堂のある吉祥寺とは違い、隣にあってもなかなか訪れる機会がない。
NTT武蔵野研究開発センターに行くためだったが、同センターに足を踏み入れたのは今回が初めてだった。

17 日、NTTレゾナント主催「gooラボ ネットの未来プロジェクト NTT R&Dフォーラム2012 ブロガーミーティング」に運良く招待に与った。
朝から夕方まで丸一日の長いブロガーミーティングも、今回はじめて経験した。

私がこの展示会に参加するのは、3年前(09年)、何故か渋谷のタワーレコードの地下で開催された、第1回「gooラボ ネットの未来プロジェクト」のブロガーミーティング以来2度目となる。

「NTT R&Dフォーラム」イベントは毎年開催されている。
本年のイベントは、2月16日、17日の両日、上記のセンターで、NTTグループの世界最先端の技術が集い、日本全国、 海外からも来場者5〜6,000人が詰めかけるカンファレンスだ。
イベントへの参加は、一般には開放しておらず、企業向けに招待制のみによる来場者だけである。
基調講演のほか、パネルディスカッション、ワークショップ、各分野ごと合計100以上のブースが用意され、デモを見たり新しい技術などを体験できる。

当日、顔なじみの友人のブロガーと久しぶりに再会。
プレスパス、ブロガーミーティングと書かれた腕章をもらい撮影も許可された。

この日午前中は、な んといってもMITメディアラボの副所長である石井裕教授を招聘しての特別講演ということで、 この日に申し込んでおいた。招待状を受け取った時には、とにかく嬉しかった(この日、私はきちんとMITキャップを被って参加)。

石井教授といえば、MITメディアラボの副所長で、日本人として初の終身在職を約束され、07年には、NHK『プロフェッショナル〜仕事の流儀』にも取り上げられ、人が直接触れるものにするという概念「タンジブルビット」インターフェイスの先端研究に取り組んでいる 人としてつとに有名である。
私のような工学系ではない人間でも、XEROXのPARC(パロアルト研究所)MITメディアラボについては知っているし、もちろん関心も非常に高い。

両研究所については、関連図書もあり、中でも『未来をつくった人々—ゼロックス・パロアルト研究所とコンピュータエイジの黎明』(毎日コミュニケーションズ)、『ビーイング・デジタル — ビットの時代』(アスキー)はよく知られている。
両著書とも、今日では絶版になっているようで残念である。

また、昨年11月に発売された『クーリエ・ジャポン』1月号では、直前に伊藤譲一がMITメディアラボ所長になったこともあり、MITメディアラボ協力の取材により特集号が発売された。

さて、当日、午前中に「重力の抗して:ビジョン駆動型研究とMITの独創・協創・競創」と題し、石井教授による60分の講演が行われた(下記の動画参照)。
この講演は、2年前、横浜パシフィコで行われたCEDEC 2010(CESA Developers Conference 2010)の基調講演で「重力に抗 して:タンジブルビット」 と題して行われた講演の2012年版である。

また、上記『クーリエ・ジャポン』1月号での教授にインタビューでもある程度は語られていた内容でもある。しかし、間近に教授の話を聞けるという僥倖に恵まれる機会はめったにあるものではない。

講演後は、すぐにブロガー用に用意された部屋に移動し、スマートフォン向け情報ナビゲーション技術「発見探地図エリアダス」についての説明とデモを体験するワークショップに参加
この技術は、例えば、特に目的もなく偶然ある場所のいるような時、周辺のグルメ情報、観光スポット、話題になっている情報などを、スマートフォン(Android)の位置情報から把握してその周辺の様々な情報を提供するものだ。

初めて訪れた場所や周辺情報に不案内な時、あるいは偶然に空き時間ができて、その周辺で何か面白い情報はないかという時には便利だし、また案外知らない地元情報を検索した時に意外な情報を拾うこともあるかも知れない。
既に、昨年12月から一般にも提供されている。

それが終わると食事をする間もなく、そのまま午後の「日本の発展・成長を担うイノベーションとは〜ICTによる産業創出と国際競争力強化」というパネルディスカッションに参加した。
登壇者は、以下の通り。

<パ ネリスト>
・株式会社村上憲郎事務所 代表取締役 村上憲郎 (元グーグル日本社長)
・日産自動車株式会社 執行役員 星野朝子
・日本電信電話株式会社 代表取締役副社長 宇治則孝
<コーディネーター>
・株式会社日本経済新聞社 論説委員兼産業部編集委員 関口和一

それが終わり、ようやく展示ブースを見ようと思ったが100個近くもあるうえに、とにかくどのブースも人だかりが凄く、また説明を受けるとなると5分やそこらでは済まない。しかも、16時半までにはブロガー用の部屋に戻りアン ケートにも答えて17時にまでにはそそくさと会場を後にしなくてはならい。

私は、先のブロガーワークショップで体験したのと近い技術をい見ることに決め「パーソナル情報スタイル」を見ることにした。
こちらでは、タブレットを使ってのデモを体験した。

こちらもユーザーの置情報を基に、その周辺の様々な情報を提 示してくれる仕組み
その中から関心のないものを削除して、その残った情報に近い情報がその人に関心があることとして、今度は他 の類似した情報をレコメンデーションする仕組みだ。

例えば、ショッピング、飲食、史跡などの情報 があり、それらのうち、ショッピングと史跡を削除すると、残った飲食店情報のフレンチ、中華、和食などがレコメンドされ、フレンチを残し削除すると、今度 はイタリアンなどの情報がレコメンドされる。

個人的には、こちらの方がユーザーフレンドリーはUIで、レコメンデーションも気が利いていると感じられた。

話しによれば、年々来場者が増えているので、今後は開催会場の変更も検討もしなければというような話しであった。
私は、今回初めて「NTT R&Dフォーラム2012」事態に参加したのであるが、会場で久しぶりに会った過去にも三度か参加している友人から、各ブースも見て回るのもかな り時間を要することを聞いていたのだが、思いの外かかることが判明した。

1日で、講演、ワークショップ、パネルディスカッションのスケジュールだと、展示を見たりデモを体験する時間が取れないことが分かった。

今後、このフォーラムに参加する方は、そうしたことを勘案して、スケジュールを組むことをお薦めす る。

今回、私の書きたいことなどは、既に下記に参考となるブログなどがあるので、そちらをご参照願えればと思う。


▼「NTT R&Dフォーラム2012」
http://event.ecl.ntt.co.jp/forum2012/info/index.html

▼通信の未来を変える技術を紹介するNTT R&Dフォーラム
http://wirelesswire.jp/Inside_Out/201202211430.html

▼goo ラボ ネットの未来プロジェクト NTT R&Dフォーラム2012 ブロガーミーティング
http://blog.goo.ne.jp/labstaff/e/e6db1ba8f9093be8ac8a0c5cbfdfd5d8


▼『重力に抗して:ビジョン駆動型研究とMITの独創・協創・競創の風土』
講演(1) http://youtu.be/P0F24OTLztU
講演(2) http://youtu.be/FE25LPt7SYo
講演(3) http://youtu.be/cZXveqHwVWU

▼特別講演、パネルディスカッションは刺激的で面白かったです
http://www.dohzen.net/?page_id=9843

▼「NTT R&Dフォーラム2012 ブロガーミーティング」に参加
http://blog.livedoor.jp/mapz/archives/51805850.html

▼NTT R&Dフォーラムと面白かった展示3つ 通訳電話、流れる模様で文字すらすら、音場を伝送するリアルタイム波面合成技術
http://www.ringolab.com/note/daiya/2012/02/ntt-rd.html

▼NTT R&Dフォーラム2012を見に行きました(その1)
http://blog.imadokipc.com/archives/2012/02/ntt_rd2012.html

▼NTT R&Dフォーラム2012を見に行きました(その2):端末操作自動化ツール
http://blog.imadokipc.com/archives/2012/02/ntt_rd2012_1.html

▼NTT R&Dフォーラム2012を見に行きました(その3):Twitter連携サービス
http://blog.imadokipc.com/archives/2012/02/ntt_rd2012twitt.html

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【おすすめブログ】
●第1回「gooラボ ネットの未来プロジェクト」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/713833.html

●Pad 製品を中心としたライフスタイルの“近未来像を考える"ーー私流理想的なデジタル環境ライフスタイルの時代
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1099848.html

●続・近未来像を見る
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/752148.html

LinkedIn日本版開始のブロガーミーティングに参加してーーなぜ国産はダメなのか?

linkedin_logo

私的公開日誌@ウェブ暦:111026.01

前回も書いたように、LinkedIn はかれこれ3〜4年前から前から日本上陸の噂が絶えなっかたが、仮にそのころに上陸してきたとしても、他の国産ビジネス SNSと同様、ユーザーの獲得には苦労したと思う。
ましてや、日本ではネットは匿名で米国などに比べても人材の流動性の低い国という実態がある。

しかし、Facebook、Google+の進展で、ネットでは匿名というこれまでの日本人的“常識”が徐々に溶解しつつある
そうした追い風の中で、満を持しての日本版提供開始となった。

ミッションは、世界のビジネスプロフェッショナル(推計で約6億人)をつなぐことにある。また、急がず長期的に日本市場にコミットしていくために、日本オフィスを開設しローカルチームまで用意した。

実は、私も今回のブロガーミーティングに参加するまで、転職希望する人やヘッドハンターされたい人が、そうした人材斡旋や紹介する企業の代わりに活用するサ イトというようなイメージであったが、それは誤解だった

LinkedInを通じて新たなビジネスのスタートアップの事例が紹介されたが、一言でいえばそうしたビジネスプロフェッショナル同士の触媒となるようなサービスなのだ。
また、アウトソーシングや新しいプロジェクト、新規事業に必要なスキルを持っている人などは、これまでは人づてか人材紹介企業に依頼することが多かったが、LinkedInを利用すればこれまで以上に選択肢が広がる

必要とあれば、海外それもどこの国の人であろうが、最も適した人材あるいは企業をパートナーとして獲得できる。

実際、前回ブログで紹介したTechCrunchiの記事「LinkedInメンバー、 2009年以来の転職・就職は740万件、470万人がスモールビジネスに就職」にもあるように、LinkedInを活用している人はビジネスにおいてもアクティブであり、産業界における経済成長を示すインフォグラフィックを作成し、オバマ大統領と雇用創出と経済について、LinkedInのメンバーと話し合うほどとなっている。

つまり、大袈裟にいえばビジネス創出や協業のための苗床のような機能を担っているのである。

また、Facebookだと、ビジネスに関する情報だけではなく、親や兄弟、趣味のつながりなど余計な情報も一緒に飛び交う。そうした時、LinkedInでは、その人が関係するビジネス情報や本人スキルに資するよ うな意見だけに特化した交流が可能である。

さて、LinkedIn日本版については、下記のITmediaのAlternative blogで著名な方々や他の参加者ブログ上で既に十分に語り尽くされている。今更、私如きが特に付け加えることもない。

興味のある方は、下記の【参加者のブログ記事URLリスト】を参照されることを是非お薦めする


■今後もソーシャルサービスは米国に支配されるのか?

ところで、06〜09年頃、国内にもビジネス系SNSサービスはいくつか存在し、その中には最強YahooがLinkedInを参考にしたビジネスSNSもあったことは、前回のブログでも紹介した。

TwitterやFacebook以前にも、国産で似たような同様のサービスは存在していた。
例えば、 Twitter以前にもマイクロブログでは、livedoorが提供していたnowa、その他にもWassr、Haru.fmなどをいくつか存在していたが、国内では認知度も低く、ユーザーを獲得して普及するには至らず、後から上陸してきたTwitterが成功を収めてしまった

ソーシャルメディアに関していえば、何故こうも米国産に市場を取られてしまうのか?
しかも、日本版はUIがわかりにくい、使いにくいし実名は日本人には馴染まない等々、否定的な意見が多いにもかかわらず、どうして米国産の後塵を拝する結果が生じてしまうのか

かつて、世界的なオークションサイトのeBayが上陸してきたが、当時最強のYahoo!オークションには勝てずに撤退したことがある(02年撤退、07年再上陸)。
詳しく調べた訳ではないが、他の外資系Webサービスで日本上陸を果たし撤退していった企業もあるだろう。

もちろん、これらの中には、再上陸を果たしてから続々と素晴らしいサービスをリリースして成功した検索エンジンNAVERのような大成功例もあるが、総じて98〜05年頃までに上陸してきた外資系サービスはみな撤退やサービス終了している。

しかし、それに比べ、ソーシャルメディア系のサービスはFacebook、Twitter、YouTube、Flickrはもちろん、それに加えてクラウド系サービスDropbox、Evernoteなど、国内でも支持や多数のユーザーを獲得して日本でも成功している。

かつては、日本市場は特殊なので、海外の成功モデルを日本語化しただけでは受容されないということが半ば常識になっていた。しかし、ここ2〜3年に上陸してきた米国のサービスは、逆にそれまでが嘘のようにユーザーを獲得している。

その理由は、サービス自体はもとより、マーケティング、 事業戦略、企業戦略的な視点からも興味深く、そのあたりは追求してみる価値はありそうに感じる


そんなことを感じながら帰路についた私である。今後は、一刻も早くLinkedIn Today日本版を待ち望みたい。

おみやげに、LinkedInロゴ入りナイロン製トートバッグ、ロゴ入り折りたたみ傘、ロゴ入りノートをもらったのであった。


(了)


【参加者のブログ記事URLリスト】
▼リンクトインが変える“日本のワークスタイル”について
http://blogs.itmedia.co.jp/socialrecruiting/2011/10/post-779d.html

▼日本のビジネスパーソンが慣れないキャリア明文化は、LinkedInを日頃からアップデートするようにすると、いいかも
http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2011/10/linkedin-2a75.html

▼LinkedIn はいきなりコンタクト申請ではなく、紹介機能を活用しよう
http://blogs.itmedia.co.jp/sns/2011/10/linkedin-ed11.html

▼リンクトインが提示する新しい働き方の姿
http://techwave.jp/archives/51707943.html

▼LinkedIn日本上陸ブロガーイベント/刮目してみるべき理由
http://d.hatena.ne.jp/ta26/

▼LinkedIn 日本参入!ブロガーミーティングに行って解けた誤解
http://bit.ly/shCfga

▼ 仕事用SNS「LinkedIn(リンクトイン)活用法〜基本設定編
http://wada.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/snslinkedin-dd5.html

▼Linkedin(リンクトイン)がつくるプロフェッショナルネットワークに未来があるか?
http://blogs.itmedia.co.jp/kudou/2011/10/linkedin-e719.html

▼LinkedIn ブロガーミーティングレポート
http://komugi.net/archives/2011/10/22153439

▼「LinkedIn主催ブロガーミーティング」に行ってきました
http://tetsukun0105.com/2011/10/22/linkedin/

▼【Report】 LinkedIn(リンクトイン)ブロガーミーティングに参加してきましたよ。
http://takapprs.net/tech/archives/2011/10/linkedin_blogger-mtg/


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【おすすめブログ】
・LinkedIn日本版開始のブロガーミーティングに参加してーープロローグ
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1570649.html

・SNSとパーティー文化に見る「相似性」

http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/779313.html

・「Facebookは実名利用だから日本人に普及しない」をいまだにオウム返しの愚(1)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1392373.html

・「Facebookは実名利用だから日本人に普及しない」をいまだにオウム返しの愚(2)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1396317.html

・今頃なのだが「ソーシャルメディア」の論争に思うーー私的感想
http://livedoor.blogcms.jp/blog/macumeld/article/edit?id=1298840

・やはり日本的なビジネスSNSのあり方か?ーー相次ぐ名刺情報ビジネス参入に思う
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/900965.html

LinkedIn日本版開始のブロガーミーティングに参加してーープロローグ

linkedin_logo

私的公開日誌@ウェブ暦:111025.01

もう、数年前から日本版の提供開始の噂が絶えなかったビジネスソーシャルメディア LinkedIn のブロガーミーティングに参加してきた。
イベント当日(10/20)は、19時30分開始だったが、その前の昼間はいきなり日本版提供開始の記者発表がされているのをネットで知って驚いた。

私もLinkedInには登録だけはしてあるのだが、英語版だったので全然活用できていなかったが、完全日本語化で今後は積極的に活用することになるだろう。
同じ英語版でも、Tumblr の場合はガンガン使っていたのだが。

今回のブロガーミーティングは、今後の日本での展開や戦略について直接話を聞ける好機である。
場所は、先日の OpenInnovationNetwork「Connect!」と同じく六本木六本木アカデミーヒルズ49階。
二週前の招待メールには、極秘招待となるのでブログ、Twitterなどのメディアへの事前情報の転記などはご遠慮下さいとのお達しが書かれていたのは、その前に記者発表があったからだろう。

今年5月、LinkedIn はIPO(上場)し、その直後にデジタルガレージが日本展開を支援し、年内に日本版をスタートすると正式に発表があった。
翌6月には早速ブロガーミーティングが開催されたが、その時はお呼びがかからず非常に誠に残念だった。

今回は招待に与ることが叶い嬉しい。集まったのは約30名。
私は、特に著名なアルファブロガーというわけではないが、良質なブロガーたらんと地道にブログを続けている。こうしたご招待を頂けるのは本当にブロガー冥利につきるというものだ。


さて、欧米、特に米国では転職はキャリアアップに必要という考え方がなので、エグゼクティブやプロフェッショナルなビジネスマンの間では、LinkedInに登録して活 用するのは半ば常識となっている。
最も、最近では中国やベトナムなど成長の著しいアジアの新興諸国においても同様の考え方なので、昨今の日本の景況では、最初にできるだけ大手企業に入り、できればそこに一生しがみつこうという安全指向な人(必ずしも若者に限らない)が、それでも比較的多いのはむしろ我が国だけかもしれない。

LinkedInは、今年3月に会員数が1億人を突破し、週当たり100万人のペースで会員数が拡大し、現在では1億2千万人とのこと。国内でも、既に40万人以上が登録している。
「あなたの LinkedIn ネットワーク」という登録者数の表示があるのだが、本日(10/25)現在で既に46万人を越えている。先週の日本版提供開始から数日で5万人以上増えている

以前(といっても3年ほど前)、Facebookが日本語提供開始した直後、アカウント設定にネットワーク数を表示する機能があったのだが、その時の日本人登録者は十数万人ほどだった。それに比べても、 LinkedIn日本版は既に40万人以上の日本人登録者を確保しているのは、少し予想外だった。


■日本にもビジネスSNS存在するのだが……

実は、国内にもビジネスSNSは存在する
09年3月9日、知人の役員を務めていた会社が運営していたビジネスSNSであるCareer Connection(通称:キャリコネ)が終了した情報に接した時、「あるSNSの終了に寄せて」というブログ書いた。
Career Connectionは、我が国おいてはwizliと並び同カテゴリでは先駆けであっただけに、その時は非常に残念に感じていた。
そのブログを書いた時点では、少なくとも下記のような国産ビジネスSNSサイトが存在していた。

・wizli(レイス運営)
・Bizzo(アドウェイズ運営)
・EXECUTIVE LINK(リベラ運営)
・C.E.O. Link(リッキービジネスソリューション運営)
・Linkwith(セイクリッドバブーン運営)
・SBI Business
・CU(ヤフー運営)


このうち、私が実際に登録したのはwizli(今でも登録を残してある)、 Career Connection、SBI Businessの3つである。
国内においては最強のヤフーですらソーシャルサービスでは苦戦し(Yahoo! Daysは今月上旬に終了している)、LinkedInを参考にしたビジネスSNSのCUとても既に終了(09年10月)しており、現在でも運営しているのは、wizli、C.E.O. Link、Linkwith、SBI Businessの3つだけである。

日本では、mixiに代表されるようにニックネームがネット上では“当たり前”という意識がネックとなり、実名サービスはどこも思うように会員数が伸びなかった。中には、私の知り合いのように国内の匿名制に嫌気がさしてwizliに完全に切り替えた人もいるが、そうした人は希だった。

最も、mixiにしても Twitterにしても初期利用者はほとんどが実名登録だったのだ。それがいつの間にかブームや流行となり、ネット上では“匿名が当たり前”な人たちが増加するにともない、意味不明なニックネームだらけになってしまったのだが。

しかし、今日では、我が国でも実名登録を徹底しているFacebook伸張が著しい、さらにはWaveやBuzzなどのようにこれまでの幾多のソーシャルサービスの失敗を糧にして投入したGoogle+ もユーザーを獲得している。

特にFacebookは、実名利用者のビジネスマン&ウーマンを中心に、むしろこれまでの匿名世界に馴染めない人たちに受容され、日本ではビジネス的なつながりが顕著である。

そこに敢えて、LinkedInは日本上陸を果たしてきたのである。

Facebook、LinkedIn、Google+のように世界的な実名ソーシャルサービスが勢力を拡大している。そうしたサイトが隆盛を誇っている現在、国産の既存ビジネスSNSサービスの独自性のあり方や存在意義も改めて浮き彫りにされる。

あ〜、またもや本論を述べる前に前書きが長くなってしまい、連載となるが何卒ご容赦をのほどを。


(続く)


▼「プロフェッショナルの世界を変える」──LinkedIn、日本上陸
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1110/20/news124.html

▼ビジネスプロフェッショナルに特化したSNS 「LinkedIn」、日本語サイト開設
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/10/20/100/

▼LinkedInは既に欧州では採用活動の重要ツールとなっている
http://www.advertimes.com/20110805/article25527/

▼ヤフーCUが失敗した理由、LinkedInが成功する根拠--伊藤 穰一氏に聞いた
http://japan.cnet.com/interview/35004837/

▼ソーシャルリクルーティング普及のハードルは、日米の人事部門の違いと目標管理の難しさ
http://techwave.jp/tag/LINKEDIN

▼LinkedInメンバー、 2009年以来の転職・就職は740万件、470万人がスモールビジネスに就職
http://bit.ly/u7uOtW

▼LinkedIn はキャリアを自分で管理し、学び続けるための仕事効率化ツール
http://www.tarosite.net/sociallearning/linkedin---joi-ito.html

▼facebookの素晴らしき7の理由。それはリクルートとブランディングに利用出来る。
http://www.rss-ais.com/2011/10/10/facebook-linedin/

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【おすすめブログ】
・あるSNSの終了に寄せて

・ 【緊急投稿】So-net SNSのサービス終了ーー国内SNSは淘汰の時代か?
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1098285.html

・Social Graphは、「ガラパゴス日本」に根付くのか?
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/884996.html

『あなたがメディア!』ーーダン・ギルモア来日記念ブロガーイベントに参加して

mediactive

私的公開日誌@ウェブ暦:111018.01

ダン・ギルモアが『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』(原題:Mediactive)の日本での刊行を記念し来日し、幸運にも同氏を交えてのブロガーミーティングに参加できた。

前著『ブログ 世界を変える個人メディア』(05 年)に次ぐ2冊目での著書なる。この前著は、ブロガーのバイブル的な書として知られている。両著とも朝日新聞社から刊行されており、今回は朝日新聞社の招きで来日した。

本書は、単なる原著の邦訳ではなく、3.11以降の世界の出来事を、日本語版のためにあらた に書き起こした「第0章 大震災、ウィキリークス、ビンラディンの死が示したメディアの未来」として設けられている。

イベント当日は、二部構成で、第一部は、ギルモアの基調講演、第二部はパネルディスカッションだっ た。

ここでは、ギルモアの講演内容を中心に備忘録としてブログにしていおく。


■メディアシフト、それはメディアの独裁体制の崩壊

今日、それまでマスメディアと呼ばれる新聞・雑誌・ラジオ・TVなど、媒体を持てるもののメディア独裁体制社会から、ネット社会、それもソーシャルメディアが普及したことで、メディアの民主化というメディアシフトが起きている社会である。

それまで、大手メディアが情報を受け手に対してレクチャーしていた時代から、受け手とのカンバセーション時代になっている。

そこには複数(多様な意見)があり、ニッチな情報などこれまで得難かった情報も入手できる。しかも、スマートフォンの普及で、いつでもどこでも常に情報が手に入るようになった。

今日の企業活動において、顧客との対話がなくても成立するビジネスはない。メディアも例外ではない

また、メディアの民主化され ることで、情報の独裁体制が不可能になり、様々な情報を隠そうとすることは困難になっている。

好むと好まざるに関わらず、情報は漏れてどこかで書かれてしまう。 従って、情報を最初から開示することが求められている。噂に戸は立てられないのだ。

例えば、取材することになったいきさつ、誰に取材したのか、誰の発言なのか、根拠はどこからもたらせたのかなどである。

また、情報の明示性や透明性と同様、取材源に秘匿性をどうしても要する場合、その情報源の匿名性も確保されるようでなければいけないと語った。

また、災害時の情報提供の時のように、そうした情報のアグリゲーション(まとめサイト)、地図と情報をマッシュアップ(組み合わせ)したようなサイトなど、ソーシャルの優れた面が発揮されつつある。


■リスク管理について

メディアが民主化され、複眼的視点で情報に接することができる一方、民主化されたことのリスクもある。

流言飛語・根拠のない風聞、意図的な情報の流布などは、すぐにメディア(ソーシャルメディア)で伝播してしまい、様々なソーシャルストリームでシェアされてあっという間に世界中に広がってしまう

そこには情報検証や情報精度に対する確認などがスルーされるので、そうした情報の精度や確度以前に落とし穴によるリスクも伴うことになる

逆に、そうした不確実で誤った情報に対して訂正するような情報がすぐにリアルタイムストリームに上がって自浄作用が働くにも、ソーシャルメディアならではである。

何事も陰と陽、清濁併せ呑むことになるのは仕方がないことだ。


■メディアリテラシーの問題

ソーシャルストリームにおいて、情報の真贋を見抜くことが重要である。

かつてはメディアのせいにできたが、自分がメディアでありコミットする社会では、自己責任が伴う覚悟も必要である。

かつてネットとリアルな世界は判然としていたが、今日ではそうした境界線は融和しつつある。ソー シャルメディア上での発言に対しては責任を持つべきことが当然要求される。

また、 ソーシャルメディアにメリット感じない人、使わないような人は、とにかく体験してもらうしかないが、読むだけあるいは聞くだけでもよく、無理に発言しようとしないことだ

ネットメディア社会は、発信者側も受け手側もとにかくコストを掛けずにトライ&エラー(試行錯誤や実験)を繰り返す中で、面白いものが出現する可能性がある。
そして重要なことは、もっとクオリティの高い情報を出すように、常に発信者に対して高い要求を突きつけることである。

玉石混淆のネットメディアにおいて、玉を取り出すことがメディアリテラシーを高めるためには重要で、これは今後の教育現場に求められることだろう。


▼ 『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』
http://amzn.to/q2MMZz

▼『ブログ 世界を変える個人メディア』
http://amzn.to/pMSgGc


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(1)WE LOVE「CBSドキュメント」!〜「CBSドキュメント」存続希望トークライブーー参加して感じる復活への遠い道のり
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1153384.html

(2)今頃なのだが「ソーシャルメディア」の論争に思うーー私的感想
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1298840.html

(3)日本の「国民皆英語」教育がもたらすものーー絶滅が待ち受ける「官許メディア」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1418985.html

(4)Google のいわゆる「PayPerPost事件」について
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/728260.html

(5)【緊急追記】Googleのいわゆる「PayPerPost事件」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/729509.html

マーケティング、イノベーション、ビジョン、ベンチャーについて考えたこと(4)

appleinnovate


私的公開日誌@ウェブ暦:110727.01

前回のブログでは、市場におけるの競合環境、消費者のオケージョンやライフスタイル、テクノロジーの進展などを勘案すれば、「スマートデバイス・ファースト」(スマートフォン、Pad類)であるべきではなかったのか、ということを書いた。

今回は、当連載ブログ、特に(1)に対する私なりの見解をまとめとしたい。

私自身は、紙の名刺にこだわりがあり好きなのであるが、それが消えゆくもの(特にコンシューマーニーズ)だろうことを見ている。


■“3つの何故”への解答を見いだしえなかった


第1に、「名刺BOX」は名刺整理・管理のみのコンシューマーサービスという点。

年賀状や時候の挨拶にも対応したサービスではないのは何故かということである。


特に地方では、名刺などより年賀、寒中見舞い、暑中・残暑見舞いをはじめとして、今でも季節・時候の挨拶状の管理をしている人たちは多く、ニーズが高いように思う。


実際、私の母などは父の取引先、自分の知り合いなどを含め、全ての人たちの情報や消息などは名刺ではなく年賀状で毎年管理していた。


ましてや、PCを使ってスキャンする方式であれば、それは対応はできるはずだ。あるいは、それをオプションサービスとしてもよいかも知れない。


今日では、若い世代はメールや携帯電話での新年の挨拶をするませることが多く、mixiで年賀状を送るような人たちもいる。昨今では仕事上においてもメール年始挨拶で済ませる機会が増えている。


私なども最近ではFacebook上で年始の挨拶をしたり受け取ることが多い


特に大都市圏以外の人たちが、各々に情報を一元的に管理するニーズへの対応サービスではなく、名刺だけに特化している。


ソーシャルグラフを支援するのであれば、名刺に限定せずに時候の挨拶に対応すべきだと、私個人は思うのであるが。皆さんはどう思われるだろうか。


第2に、個人向けサービスだが、SOHO、フリーランスなどをターゲットにしないのだろうかということである。これも都市にニーズが多い。


こうしたユーザー層は、個人ではあるがビジネスで実に多くの人たちと名刺交換をする。むしろ大きな組織の内勤者よりも、名刺交換している回数や枚数は多い。


仕事上、私的な趣味のサークル、様々なセミナーやフォーラム、勉強会などへ参加するアクティブな人は、頻繁に交わす名刺の整理や管理に煩わしさが伴う。そうした人たちのニーズが高いことは、私の周りのもフリーランスや小規模事業者(SOHO)の友人たちが大勢いるからだ。


大企業であれば、 企業としてシステム導入することができるが、個人でのそうした負担は可能な限り少ない方が助かる。

 

第3に、これはマーケティングというより私が最も関心の高いSurface Computing社会をパースペクティブにしていないのだろうかということである。


もちろん、それには未だ近未来的なイメージを持っているのかもしれない。事業としてそこまでの“ビジョン”を語る必要性がないということもあるだろう。


Surface Computingは、最近では人気の「CSI」シリーズ、特に『CSI:マイアミ』のラボで活用されているのをTVでは毎回見かける。

最初に発表したのは確かマイクロソフトで、07か08年のことだったように記憶している(下記のSurface Computing紹介動画を参照)。


さらに、今日では、企業人であれば、セキュリティなども含めてICチップのIDカードをネックストラップ付きで所有している。近い将来、そうしたIDカード1枚で、名刺交換が不要となる日もおとづれるだろう。


最近は、私などもソーシャルmeetupに参加した際など、名刺を忘れたり切れてしまう人もいるが、後でFacebook上で繋がったりすれば名刺は確かに不要だと実感している



■紙の名刺がなくなった後のイメージとは


私が描いているSurface Computing社会のイメージは、以下のようなものである。


例えば、あるビジネスマンが企業を訪問する、受付のカードリーダーに Suica、PASMOなどのようにIDカードかざすと、来訪者の氏名(人数)、アポの有無、ミーティンの部屋番号の案内が確認できる。

企業側の担当者へも、その情報が端末に届いて相手が来社ことのメッセージが送信される。


今日では、大学でも生徒の授業の出欠管理はIDカードで既に行なわれている。代返などというのは遠い昔話しである。


ミーティングは、同じように参加者のIDを読むことで出席者の確認、部屋の中のテーブル(Surface Computing)には参加者情報(氏名、所属部署など)が表示される。その他、打ち合わせのに必要な資料(例:議題サマリー、企画書、調査資料など)も同“テーブル上”に表示される。


従来のように、人数分の資料をコピーして用意するPCの資料(データ)をプロジェクターに接続して投影する、あるいは個々がPCを用意して会議やミーティングに臨むということもなくなる。

せいぜい、個々で手元にスマートデバイスを所持しているくらいが当然の環境となっている。


こうした打ち合わは“テーブル上”の資料やデータを見ながら行われる。場合によっては、そこにSkype などで参加する人たちもいるかもしれない。


ミーティング後、スケジュールなどもその“テーブル”から参加者各自のデバイスに送信され、例えばガントチャートなども生成されてプロジェクト進捗管理に利用される。


そうしたことにより、議事録、会議後のスケジュールなど資料作成に時間を割くことからも解放され、本来の業務や職務に集中できるし、マネジメント上の効率化にも資するような時代となる。


これは未来の話などではなく、私たちが想像するよりずっと早く訪れるだろう。

特に、紙の名刺が日本ほど社会的に必要だったり、定着している訳ではない欧米では、日本以上にニーズがずっと高いだろう。


日本においては、名刺交換は社会人の最初の儀式なので、名刺の受け渡しについての作法(マナー)は、大手企業の新人研修では必ず教えられる。

また、新社会人の営業職では、新規開拓(飛び込み営業など)と称して顧客の名刺(証拠)集めをするのが新人営業マンのとっての一つ“指標”として現存している。

 

1990年代のはじめ、私は「新スタートレック」(TNG)に登場するようなPADD(Personal Access Dsiplay Device)やLCARS(マルチタッチセンサー)のようなUIは、まだまだ先の未来のデバイスやテクノロジーだろうと思っていたが、 24世紀まで待たずに普及するだろうことはもはや明白だ。


さらにもっと言えば、あのMIT Media Labの石井裕教授のタンジブル・ユーザー・インターフェース」(Tangible user interface)、そしてこれまた「新スタートレック」と同様にボイスコマンドで検索するのがそう遠からず当たりになるだろう。


閑話休題。


「名刺BOX」では、このクラウドサービスを起点とし、将来的にはソーシャルグラフの支援という“ビジョン”(どちらかというとミッションだと思う)を説明してくれた。

しかし、率直にいえば、今回のサービスについて説明を受けた段階で、私たちの生活にどれほどの価値や変化がもたらされるかについて、少なくとも私は理解ができなかった。


現在でも、 個人情報の整理や管理は、既にソーシャルメディア、特に各種SNSが担って(移って)いることであり、PC+スキャンによるデジタル化を手間や暇をかけて行うことがソーシャルグラフ支援といわれても私には理解がしにくいことである。


もちろん、それは「おまえの頭の程度の問題だろう」と言われれば、その通りだと返す言葉もないし否定はしない。


もちろん、ビジョンと呼ばれるものは、他者からみると構想の段階で夢のような話にしか聞こえないこともある


しかし、今回の話はそれとは別のように思う。


私の体験してきたり、友人たちのベンチャービジネスとは随分と違う印象を受けた。

アイデや技術以外には何もないスタートアップ企業とは異なり、これはそもそも大手企業の新規事業だと考えるべきなのだろう。



■ビジョンをともなったイノベーション

 

今回、このワークショップに参加して、マーケティング、イノベーション、ビジョン、ベンチャーについて、ここまで4回にわたって書いてきた。

 

ビジョン、それは世界を根本的に変革するほどの気宇壮大で革新的なサービスでなくとも、私たちの生活に何をもたらしてくれるのかを“見させてくれる”ことが重要だということを改めて感じた次第。


ところで、日本人の管理職や経営層は、実にドラッカー先生が大好きである。論語と並んでこれほど日本で営々と読まれ続けている経営やマネジメントに関する書ないと行っても過言ではない。


そのドラッカーは、「イノベーションこそ、マネジメントの中核に位置付けなければならない。」と言ったそうである。

これほど日本で読まれているのに、何故いつまでたってもイノベーションできない人や組織、企業が依然として多いのか実に不思議である。


現在の日本社会の停滞は、旧泰然とした発想や視点のおじさんたちばかりが、依然として社会や組織の意思決定権や指揮権を握っていることが大きな要因だ。

年金問題とのからみで定年延長の話も出ているが、それではますます次代を担うべき日本の若い人たちの仕事へのモチベーションを削ぐだけではなく、いつまでたってもイノベーションできずに停滞した社会状況が続くだけだろう。


年齢的なことだけで言ってしまえば、私も他人をとやかく言える身分ではない。


しかし、私も含めて年齢的なことだけが全てではないことも良く理解している
身近な話をすれば、先日、 久々にお目にかかったコンセプターの坂井直樹さん、あるいはMetaMoji(7notes)の浮川さんのように、還暦を過ぎてもなお新しい発想や視点で旺盛に勇往邁進し、チャレンジングなイノベーションしている人もいる。


『カンブリア宮殿』などを見ていると、中小企業などでも若者などより柔軟に発想や経営で、組織を牽引している企業や経営者もいることはご存じの通りだ。


ここのところ、イノベーション、マーケティング、デザインなどのブロガーミーティングやワークショップに参加して、改めて本題に掲げたようなテーマについて考える良い機会を得たと感じている。


しかし、今回のようなテーマで考えた時、やはりApple社のスティーブ・ジョブズはまさに卓越した存在だと改めて感じる次第だ。ほとんど皆が、ジョブズのビジョンから生み出される数々の製品やサービスに熱狂させられられてしまう。


Apple社やジョブズについては、既に今回の連載(1)の【おすすめブログにも紹介した「『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』ブロガーミーティングに参加して」として、3回にわたりブログを書いたのでそちらも合わせてご笑覧を願えれば幸いである。



最終回もまた長くなってしまったが、ここまでご笑覧を頂けたなら幸いである。



▼Microsoft "Surface" - The Possibilities(動画紹介)
http://www.youtube.com/watch?v=6VfpVYYQzHs

▼『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』著者が語る アップルの秘密は「組み合わせの妙」にある
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110715/221511/?rt=nocnt


(了)


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【おすすめブログ】

(1)iPadへの大いなる誤解ーー完成品ではなく、Padの“未完成品のはじまり”
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1094949.html


(2)Appleのモノ作りの独創性、革新性の秘密についてーーフィル・シラーが語ったこと
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1005152.html


(3)Apple&ジョブス「必読この5冊」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/712780.html


(4)「ビジョナリー」について私なりに考えてみたーー3つの必要な資質
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1260783.html

(5)時代や状況にかかわらず、いずれの組織も同じかーーハンス・V・ゼークトの言葉に寄せて
http://livedoor.blogcms.jp/blog/macumeld/article/edit?id=1257143

マーケティング、イノベーション、ビジョン、ベンチャーについて考えたこと(3)

chalkboard_innovation1

私的公開日誌@ウェブ暦:110722.01 


全2回は、前書きが長くなってしまったが、今回からようやくクラウドサービス「名刺BOX」について書いていく


今回「名刺BOX」を開始したインフォコム株式会社は、元々は日商岩井インフォコム株式会社と株式会社帝人システムテクノロジーが合併し、2001年4月に現在の新生インフォコムとして誕生した、ある意味で大手企業である。


本来が、B to B、研究機関/官公庁/文教向け、医科向けなど、手堅いソリューションビジネスを手がけている一方で、携帯電話向け電子書籍配、ゲーム、美容・健康情報、Eコマースなどの消費者向けビジネスも展開している。

 

■「名刺BOX」について


「名刺BOX」は、その消費者を対象として今年4月にサービスが開始されたばかりで、インフォコムの新事業である。


インフォコムとして、もちろん新規参入であるが、 このサービス事業の分野は先行企業が既にあり競合が多い。


最も知られているのは、「Tech Venture 2009」審査員特別賞および準グランプリを受賞し、その後はエンタープライズ分野では着々と実績を積み上げ、名刺SaaS“Link Knowledge”(リンクナレッジ)の名称で知られる株式会社三三がその代表格であろう。


その他では、名刺管理サービス「メイシー」、ソーシャル名刺管理サービス「Shakehands(シェイクハンズ)」、スマートフォンで名刺管理の「名刺バンク」などがある。

 

紙の名刺のデジタル管理市場は、現在は成長市場だろう。主に、企業分野を対象にしたサービスが主流である。

「名刺BOX」も新規参入した。成長市場への参入は、その波に乗る企業が必ずしも成功を約束されているわけではない
これは歴史の必然、というと大袈裟だが市場の必然くらいではある。
成長の余地があると判断される新市場は、あっという間に新規参入が相次いで競合環境は激化し、すぐに消耗戦や淘汰の嵐に巻き込まれる

さて、「名刺BOX」の説明を聞いているうちに、これは個人向けサービスとして提供開始されたことはすぐに了解できた。だからこそ、エンタープライズ向けフォーラムやセミナーなどではなく、個人ブロガーを招いてのワークショップの開催となった。

しかし、タッチ&トライの時はじめて知ったのであるが、一般消費者を対象としていながら、「名刺BOX」はMac OSに未対応なのは疑問だ。

しかも、WindowsもXPからVistaまでで、発売後既に2年経っているにもかかわらずWindows7に未対応というのには少し驚いた。

2005年頃までであれば、Windows版だけでもよいだろう。

しかし、iPod/iPodtouch、iPhone、iPadと立て続けに革新的なヒット商品の連打で、今やコンシューマー市場でのApple人気とMacユーザ数は劇的に増えている

そうした市場や消費者の動向を勘案すれば、Mac OSにスタート時から未対応なのは、私自身がMacネイティブユーザーだから言うわけではなく、マーケティング的には「どうよ?」と思ってしまう。

逆に、最初はMacOSにのみ対応であれば、むしろいい意味での話題性も喚起でき、ある程度のコンシューマーを集めることもできただろう。ただし、この場合、 iOS(iPhone、iPad)に対応しているのはもちろんのことである。

これからのビジネス展望を考えれば、コンシューマ向けサービスで、PC+スキャンという従前の方法や発想に立脚したサービスではなく、スマートフォンやiPadなどの「スマートデバイス・ファースト」で臨むべきだろうと感じてしまうのは、はたして私だけなのだろうか?

何故なら、今日、私たちがPCと呼んでいるものは、近い将来には特殊な人が持つようなものとなり、ほとんど人はスマートデバイス(iPhone、iPad、Androidなど)で済ませることが可能な世界が到来するからである。


現在、私たちが利用しているいわゆるPCは、そう遠からず消えることも「PCがなくなる日ーーコンシューマー向けPCはなくなる」という、2年ほど前の記事にも書いている。
もし、ご興味のある方はご笑覧願えればと思う。


そうした紙の名刺、PCが消える時代は、私たちが想像するより早く訪れるような気がする。


私が感じるに、れまでの名刺をデジタル化するサービスだと考えればわかりやすい。ちょうど、既に所有している書籍を電子書籍化するのと同じ発想によるサービスである。


どのみち、数年でソーシャルサイト(Facebook、LinledInなど)、スマートフォンやPad類、あるいはオンラインProfleなどで情報を取得したり管理するようになるのだ。


特にコンシューマーの場合は、急速で顕著だろう。


従って、それまでの“つなぎ”として利用することも選択肢としてはあるだろう。ちょうど、PCが普及するまでのワープロ専用機のようなものだろうか。そう考えても、いずれはその使命を終えることに変わりはないのであるが。


今回のブロガーミーティングに参加して、せっかくの新事業、サービスに対して私のような視点や意見を述べるのは無粋かもしれない。


ここで述べていることは、あくまでも私個人の考え方や見解であって、参加者の大多数を代弁するなどとは思っていない。


なお、本題の「名刺BOX」のサービスやタッチ&トライの感想、実際の使い方、使い心地などの感想や体験談について知りたい方は、私のブログなどより具体的で詳しい内容の記事は既に沢山あるので、下記の参加ブロガー記事一覧をご参照いただいた方が良いと思う。


また、WindowsのXPまたはVistaのユーザーに限定されるが、8月31日(水)までは同サイトでキャンペーンを実施している。


ご興味のある方は、良いチャンスでもあるので、下記のサイトにてご確認をいただければと思う。


 ▼インフォコムグループサイト
http://www.infocom.co.jp/index.html


▼名刺BOXサイト
http://promo.meishibox.jp/index.html


▼「ブロガーが使ってみた名刺BOX」記事一覧
http://promo.meishibox.jp/voice2/index.html

 


(続く)


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【おすすめブログ】
(1)PCがなくなる日ーーコ ンシューマー向けPCはなくなる

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(2)「Pad時代の到来」は何もAppleだけのものではない(1)ーー今後のデジタルデバイ スの方向性
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(3)「Pad時代の到来」は何もAppleだけのものではない(2)ーー今後のデジタルデバイ スの方向性
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マーケティング、イノベーション、ビジョン、ベンチャーについて考えたこと(2)

innovation

私的公開日誌@ウェブ暦:110721.01

名刺が通過儀礼であり、最初に提示する身分証明書代わりである我が国では、名刺の管理方法は実に多彩である。


昔から、名刺整理や管理といえば、ファイル形式のもの、BOX型ケース、欧米のTVや映画でよく見かけるローロデックスなどがある。
私が若い頃は、自分のデスク上にローロデックスを置くのが憧れだったものだ。

今日、テクノロジーの進展にともない、名刺情報をDB化して活用することが望まれている。

企業向けサービスとなると、ニーズは高いがある程度サービスの方向性が決まっている。
単に、従来ではエクセルあるいはファイルメーカーのようなソフトが活用されてきたが、最近では「やさしく名刺ファイリング」のような専用ソフトで管理するだけではなく、そのDBに誰でもアクセスして情報共有することができ、CRM的に活用されることが前提となってくる。

一方、一般消費者向けの名刺管理は、これはもう百花繚乱のごとしである。
今日でも、個人で名刺を管理する方法は、名刺ホルダーが多く利用されているだろう。

2年ほど前、ネットマーケティングのアイシェアが発表した「名刺に関するアンケート調査」を発表し、名刺を実際にどのように管理しているかの回答結果は以下のようになっていた。

<実際の管理方法>
1位「名刺ファイル・名刺ホルダー」 65.6%
2位「名刺整理箱」           33.5%
3位「名刺管理ソフト」         3.8%

これとは別に、“最も理想的だと思う名刺管理方法”について聞いたところ、以下のようだった。

<理想の管理方法>
1 位「名刺ファイル・名刺ホルダー」 43.3%
2 位「名刺管理ソフト」         32.5%
3 位「名刺整理箱」               10.8%

ここでも1位はそれでも「名刺ファイル・名刺ホルダー(43.4%)」だった。
2位に入ったのは、実際の管理方法では3.8%しかいなかった「名刺管理ソフト(32.5%)」。
ちなみに、「オンラインサービス」は、4位で6.6%だった。

名刺管理は、スケジュール管理などと比べると、その管理方法は、依然としてアナログ方式で利用されている。

上記のようなアンケート結果に接すると、名刺管理ソフトやオ ンラインサービスの需要は一見高いように思える。

だからこそ、名刺管理をデジタルでアシストしたり活用するサービスへ相次いで参入する企業がある。

そこで、一般消費者に限って利用できる名刺デジタル管理について市場環境の概略をみてみよう。

 

■最近の名刺整理・管理における“3つの方法”

第1は、主にPCとスキャナ、ソフトがセットになっているもの。
消費者が、自分でPCとスキャナや専用デバイスソフトを利用し、名刺のデジタル管理できる。

最もよく知られているのが、紙をスキャンするのにも多様されている富士通のScanSnapだろう。
また、「やさしく名刺ファイリング PRO」の ようにソフトにスキャンが付いているような製品もある。

また、携帯できコンパクトな名刺スキャナー「S80」のような製品のほかにも、キングジムのデジタル名刺ホルダー「ピットレック」のような専用の単体デバイスもある。


第2は、各種On Line(Web)名刺サービスである。名刺というよりはProfileサイトである。
有名なところでは、about.me、card.ly、 This meなどのWeb名刺サービスがあるが、いずれも海外サービスである(ちなみに、私はThis meに登録してある)。

名刺社会中心の日本では、上記の1が多いのが特長で、名刺がコモディティ化していない欧米では、やはりWebサービスが主流である。

しかも、パーソナルサービスであって、日本のように企業内で名刺管理して情報共有するようなものとは異なる。あくまでも、個としての自分をアピールするサービスである。


第3は、スマートフォン向けサービスである。
最近では、なんといってもスマートフォン向けが名刺管理方法が一番多く、期待もされている。

iPhoneで、スキャナいらずの名刺管理「WorldCard Mobile−名刺認識管理」Android上で名刺を撮影して整理・検索「名刺入れLite」iPhone&Android連携機能を備えた名刺管理ソフト「速攻!名刺管理3」、そしてあの「Evernote」と連携した名刺管理アプリ「超名刺 Business Card Manager」等々、ますます勢いが続きそうなサービスである。


さて、 今回、そうした進展と競争の著しい一般消費者市場に、「名刺BOX」は参してきた。

ところで、個人を対象とした名刺管理サービスをマーケティング視点で考えた場合、極めて都市資源型の典型的なニッチビジネスである。

そう考えているのには、2つの理由がある

1つは、都市圏生活者は、自宅(第一)、会社(第二)以外の場(第三の生活空間)が豊富に散らばっている。従って、仕事以外でも様々な人が集う場や環境も揃っている。

それは、セミナーやフォーラムなどから有志による勉強会、趣味のサークル、友人や知人のパーティー、最近増えているソーシャルメディアを通じて知り合った人たちの集いであったりと、人と会う機会や場が多く、当然沢山の人たちと名刺交換する機会も多いことになる。

一方、地方ではそうした機会や場は都市圏生活者ほどあるわけではない。もちろん、昔に比べれば地方の人たちもアクティブに活動する今日では、多様な人たちとの集いがあり、名刺交換することはあるだろう。

しかし、年間に数百人単位で名刺交換する個人が果たしてどれくらいるか考えれてみれば、それほど需要が大きい市場ではないと想定される

2つめは、Facebookのように実名で、しかも本人により常に情報更新されているようなサービスがコモディティ化すれば、自分で名刺の更新情報などを管理する手間や煩雑さから解放される

また、スマートフォンなどのアドレス帳機能で管理するようすれば済むことであり、わざわざ煩雑で手間のかかる方法で名刺を管理したり整理するだろうかということだ

実際、個人では、今でも連絡先などのアドレス管理は携帯電話だけで済ましている人たちが多い。しかも、その場で写真を撮って添えておくこともできる。特に若い世代ほどその傾向は顕著である。

つまり、実名ソーシャルメディアが浸透し(ソーシャルグラフがいつでもどこでも確認できる)、スマートフォンやPad(Personal Access Device)で個人情報を整理・管理するようになれば、わざわざスキャンしたりする手間暇をかけてまで、一般消費者が名刺(個人情報)管理をするだろうか。

それが、私が現状でも個人利用での名刺デジタル化サービスは都市資源型の典型的なニッチビジネスと位置づける所以である。


▼名刺をもらった相手、後から思い出せるのは何割?——アイシェア調べ
http://japan.internet.com/wmnews/20090514/3.html

▼2011 年はWeb名刺が流行る!?
http://itlifehack.jp/archives/3942475.html

▼この春から名刺はスキャンして管理しよう
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100419/1031542/?rt=nocnt

▼This me(梅下のプロフィールサイト)
http://thisme.jp/q/edit/macume

 


(続く)


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【おすすめブログ】

(1)今年に入って三三が大躍進ーーついに「Google Apps」と連携することに
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/889943.html

(2)「匿名の名刺」を渡す“不思議な人たち”に思うこと
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1439504.html

(3)古くて新しい情報管理ーー名刺に関するサービスに寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/819345.html



マーケティング、イノベーション、ビジョン、ベンチャーについて考えたこと(1)

Innovation_M

私的公開日誌@ウェブ暦:110720.01


今月1日、既に「クラウドサービス「名刺BOX」ブロガーミーティングで感じたことーー紙の名刺が消滅する日」を書いた。


本ブログの元となったのは、もともと私が参加 しているブログメディア「Com × us」(カンバス)に、4回に渡り連載する予定だったものである。

その後、「『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』」のブロガーミーティングに参加したこともあり、さらにその前には「Evernote Japan Meetupに参加してーーPhil Libinが語ったネットビジネス5つの変化」にも参加したことなどともあわせ、改めてマーケティング、イノベーション、ビジョン、ベンチャーについて、あれこれまとまって感じたり考えたりする良い機会が続いた。

そこで、今回、名刺クラウドサービス「名刺BOX」を題材に、上記テーマについて再び書いてみたくなった。
今回から、予定では4回ほどの連載になると思うのでお付き合い願えれば幸いである。

余談だが、私の名刺にCSI(Creative Social Innovation)と記してあるのは、私が『CSI』シリーズ(特にマイアミ)が好きだと言うこともあるのだが、ちゃんと意味があるのだ。


私は、デザイン、コミュニケーション論や文化的視点から名刺についてはこだわりがあり、自分のブログに幾度となく記事にしてきたのは、それが我が国ではコミュニケーションにおける“通過儀礼”で、日本社会に根付いている文化とみなしているからだ。

私事であるが、先日、コンセプターの坂井直樹さんと、約20年ぶりにお目にかかった。私の顔も名前も遠い記憶の彼方であったが、名刺のロゴマーク(NETWORKSTATION)だけは覚えていてくださったのだ。

その時、このたった55mmx 91mmの紙片におけるデザイン、特にロゴマークの訴求力についてその重要性を再認した次第である。人と名刺交換すると、私は先ずロゴ、全体のレイアウト、色づかいなどについ目がいく。

しかし、それほど名刺にはこだわりを持っている私であるが、そう遠からず“紙の名刺は消滅する”と考えている

ここ数年、エンタープライズ分野のLink Knowledge(株式会社三三)をはじめとして、各種名刺のデジタル管理・運用、CRM・BI活用などのサービス事業参入が相次いでおり、「名刺BOX」のミーティングは、マーケティングやベンチャービジネス的な観点からも、特に興味を引かれるテーマである。

そもそも、名刺をCRMやBIとして活用しようなんて、名刺文化が基盤の我が国ならでは発想だと思うし、ビジネス視点として悪くないと思っている。
ただし、それをどこまでビジネスとしての有用性を担わせるか、それを起点にどこまでビジネスを拡張するかは、また別の話であるのだが。

09年ごろ、日本では“ソーシャル名刺”とか“デジタル名刺”のPokenというガジェットが一部の間で流行った。Pokenなどは“紙の名刺交換という儀式”を媒介としない、欧米ならではのでデジタルツールであると思うが、そのプロダクトライフサイクルは「たまごっち」なみに短く、市場から消えていった。

今度は紙の名刺が消える番だ。

率直に告白しよう。私には「名刺BOX」のサービス内容はある程度は察しがついていた

それでもあえて参加したのは、サービス内容自体より、その事業ビジョンやミッション、マーケティング戦略など、他のサービスと比べてどの程度のイノベーションされているのかなど、ベンチャー企業として今後の“行き方”にむしろ興味があったからなのだ。


■紙の名刺が消滅する3つの理由

私は、名刺が好きなのであるが、紙の名刺はそう遠からず消滅すると考えている理由は以下の3点である。

(1)スマートフォンの普及

(2)クラウドサービスの導入

(3)Surface Computingの進展


ビジネスの場合、(2)と(3)が大きな要因である。

コンシューマーの場合、(1)と(2)が大きな理由であるが、特に(1)が重要な要因となる。

将来は、Bump Technologiesのようなアプリで名刺交換が当たり前になり、仕事、趣味のサークル、勉強会など各々アクティビティ内容ごとにレイヤーで名刺を分け、状況や集まっ ている人たちに応じてそれら名刺交換するような時代になる。
その時、各々の名刺情報はもちろんクラウド上にある
そうしたスマートフォン上で名刺交換するのが当たり前の時代が、間もなくやって来るだろう。

そうしたことを考えた時、今回のサービス提供者がそうした不可避的に訪れる近い将来をどの ように考えているか、どのようなビジネスのパースペクティブを示してくれるのか、そちらこそ私には非常に興味深いものである。


今回、「名刺BOX」のブロガーワークショップに参加し、サービスの説明を受けている段階で、上記のことを勘案した場合、単に1サービスのマーケティング戦略だけにとどまらい、実に様々な課題を提起してくれる貴重なケーススタディである。

ベンチャービジネスとは何か、事業におけるイノベーションはどのようなものか、経営戦略におけるビジョンあるいはミッションどうあるべきかなど、実に多様な視座から考えることができる内容だった。

そうしたことを考え合わせると、こうした多様な切り口から何回か記事でお伝えできることは、ブロガーにとってはありがたいミーティングといえる。

昨年、私の友人が主催している「BRIDGE2010」の9 月の会、unconference形式で開催したソーシャルイベントがあり、その内包するテーマや内容から7回も連載できるほどの深い示唆に満ちた集いがあった。

今回は、このブロガーワークショップの内容も、そうしたことについて何回かで書いてみることにする。

奇しくも、そうした折に『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』刊行記念 著者来日ブロガーイベントに参加も叶った。

それについては、下記の【おすすめブログ】をご笑覧いただければ幸いである。


▼名刺を廃絶しよう運動でY CombinatorがBumpにシード資金を提供、すでにユーザ数94万
http://jp.techcrunch.com/archives/20090708y-combinator-endorses-bump-technologies-in-the-quest-to-destroy-the-business-card/

▼名刺とはきっぱり手を切る必要がある
http://jp.techcrunch.com/archives/20080827we-need-to-kill-the-business-card-once-and-for-all/


(続く)

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【おすすめブログ】
・『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』ブロガーミーティングに参加して(1)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1501858.html

・『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』ブロガーミーティングに参加して
(2)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1502510.html

・『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』ブロガーミーティングに参加して
(3)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1503155.html

Evernote Japan Meetupに参加してーーPhil Libinが語ったネットビジネス5つの変化
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1440318.html

「iPhone/iPod touch」が“Poken”になる日がやって来る?
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/896325.html


『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』ブロガーミーティングに参加して(3)

stevejobs_books
私的公開日誌@ウェブ暦:110715.01

前回(2)では、イノベーションの中核をなす2つ、情熱とビジョンについて述べた。

ここでは、ガロ氏が事例として語ったビジョンを象徴する2つのエピソードについて、ビジョンとイノベーションの関係についてもう少し述べてみよう

その代表例は、米国1960年代のアポロ計画(月面着陸)である。

アポロ計画は、1961年、当時の米大統領ジョン・F・ケネディが、60年代末までに人間を月に到達させるとの声明を発表したことによる。
これは、これまでにも何度となくビジョン実現の代表事例として取り上げられている。

発表当時は、それが本当に可能か否か、実のところわかっている人はいなかったと言われている。

これは、笑い話なのだが、確か70年代後半か80年代半ば(日本経済が我が世の春の時代)、日本でも 月面へ人を送ることができるかという話があった。しかし、仮に技術的かつ資金的にできたとしても我が国では無理だという話なのだ。

何故ならば、先ずは計画を聞いた段階で、それは無理だという意見が先に立ち、もし可能だとしても失敗した(人を月に送れなかった)場合、誰がどう責任を取るのだ、という話などから先に始めるのが日本の社会や組織のあり方だということだからだ。
一事が万事である。

月面に人間を送れなかった場合という前提から出発するのと、送ることを可能にするためには先ず何をすべきかという発想や出発点では、結果は随分と違ってくる

もう1つは、スターバックスのCEOのTVのインタビュー番組に出演した時の映像が流れた。
そこで、彼は自分のビジョンを語り出した。

成長の状況、売り上げ、今後のチェーン展開の方針などではなく、自分が人々に豊かな第三の生活空間を提供することの使命やその意義、それがどれほど人々の生活に潤いを与えるようになるかなどについて語り出した

ところが、それを聞いているインタビュアーは少し戸惑っているのだ。
ビジョンとはそれほど理解されにくいということなのだ。

私の友人には、ITベンチャー企業の経営者も多い。
そうした彼らから声を掛けられて集まりに参加すると、大学生や20代の若手起業家に会う機会が増えている。

最近では、やはりiPhoneやiPad、Androidなどのスマートフォンアプリの開発で起業する若者がほとんどだ。
しかし、彼らの口からビジョンと思しき話を聞くことはほとんどない。あってもせいぜいミッションやロードマップである。

そして判で押したように「上場を目指してます」に口にする。それも何故、上場を目指すのかを問うと、ほとんどは返答に窮するのである。
私などは、それよりビジョンを聞きたいと思ってしまう。

もちろん、シリコンバレーとて状況は似たようなものだろう。
起業する人のすべてが人々の生活に変革をもたらすほどのビジョンを持っている訳ではない

ところで、外村氏から第二部のトークセッションで、最近はシリコンバレーに来る日本人が多いという話があった。

日本の就職氷河期状況、そして東日本大震災により、意識に変化が起こっているらしい。
既に、日本人向けのスタートアップのセッションが6つほどもあるという活況だとのこと。

ピンチはチャンスという。日本の社会や組織を内から変えるのは大変な労力がいる(徒労に終わることもある)。
それよりはむしろ、日本より厳しいがチャンスの大きなシリコンバレーに飛び込むことで、逆に日本社会を変える力になってくれればと私は心より願う。

私は、昨今の厳しい就活において、採用する側・される側の意識の共に変わらなさを指摘したことがあるが、企業側が変わってくれるだろうことを待ちの姿勢でいるようでは、イノベーションなどは起こしようもないと肝に銘ずべきだろう。

私は、本当に優秀な人は最初からそうした企業など相手にしないことが、日本企業(社会)を変える原動力となり嚆矢になると信じている。


ところで、昔から「最近の若者は……」とは大人を自負する人たち口癖なのだが、これから「最近のおじさんたちは……」 と皆でそろそろ言い囃そうではないか。
それくらいを口癖とするような社会にならなくては、今の日本ではイノベーションはできない。

実は、Apple、ジョブズについて、あるいはイノベーションやビジョナリー、そして昨今の企業文化(例;ザッポスなど)についてなどの話も書きたいのであるが、それを含めるとさらに2〜3回くらいは連載しないといけないので、それまでは下記の【おすすめブログ】を参照していただくとして、また別の機会に譲ることにする。

懇親会の折、シリコンバレーで起業する日本人を支援する「Silicon Valley Japanese Entrepreneur Network(SVJEN)」の外村氏と、是非ともそうした最近の事情を伺ってみたかったのだが、機会を逸してしまったのが残念で大変に悔やまれる。


今回も大変に有意義なブロガーミーティングであった。
こういうミーティング(一方的な講演ではなく、参加者とのコミュニケーションが軸)に参加できることが、ブロガーの本懐というものだ。

様々なソーシャルメディア全盛の最近では、ブログは古いメディアという口さがない人もいる。
確かに、他のソーシャルメディアに比して登場したのは古いし、TwitterやTumblrなどもあり、今日のソーシャルメディアの進展や方向性を考えた場合、アフィリエイト収入を考えている人などを除けば、ブログを開設する人は今後は減っていくだろう。

それでも、アウトプットの質を考慮した場合、ブログは最上のメディアであることを実感するし、それこそが意義と価値である。
私は、ブログメディアが古いと形容されようとブロガーであることを誇りにすら感じる

今回もこうしたチャンスを提供してくれたアジャイルメディア・ネットワークの関係者、そして日経BP社の方々には、心より御礼を申し上げる。


最後に、本書の解説に書かれている外村氏の言葉を噛みしめよう。

<解説:外村仁>
「日本の社会で働いていると、いまだに60年代、70年代に産業や経済が大きく躍進した頃の成功のスキームへの精神的呪縛がまだまだ強く残っているのでは、ということだ。これまで積み重ねてやってきたことの上に、同じフォーマットに沿って新しい要素を付け加え、それをきめ細かく改善すれば、顧客はきっとそのよさをわかってくれるはずーー将来の成功は過去の延長線上にあり、新しい技術や要素を多く加えることが一番の付加価値である、そういう気持ちからどうしても離れられない。とりわけ過去に自身の成功体験がある方はそういう積み上げ改良努力型の考え方に強く縛られているのではないかと思った。
人間は習慣を変えるのはなかなか難しいし、特に自分がその方法でうまくいった経験があるとなおさらそうだろう。」


▼米国インキュベーター 500  Startupsに行ってきた(本荘氏ブログ)
http://blogs.itmedia.co.jp/honjo/2011/07/500-startups-c753.html

Silicon Valley Japanese Entrepreneur Network(SVJEN)

(了)

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【おすすめブログ】
・「ビジョナリー」について私なりに考えてみたーー3つの必要な資質
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1260783.html


・就職する側と採用する側ともに“不変”とは…ーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(4)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1254091.html

・重層的で多岐にわたる問題提起ーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(5)
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1254478.html

・エピローグーーBRIDGE2010 Septemberに参加して
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1256723.html

『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』ブロガーミーティングに参加して(2)

stevejobs_books

私的公開日誌@ウェブ暦:110714.01

昨今は、イノベーションに関するセミナーやフォーラムが多いように感じる。

そうした中、昨年参加したイノベーションに関する下記の2つのソーシャルイベントは今でも印象に残っている

1つは、朋友本荘氏と勝屋氏が主催する「BRIDGE 2010 Septemberでは、サイボウズ創業者の高須賀宣氏を迎えてアンカンファレンス形式で行われたイベント
2つめは、年末に行われた世界的なインダストリアル デザイナー奥山清行氏を迎えて開催されたブロガーイベント

上記2つのイベントは、イノベーションについて考える非常に有意義な集いだった。


さて、今日ほど日本にイノベーションが求められている時期はない

高度成長からバブルに至る日本は、日本を世界の経済大国へと押し上げ工業製品分野においては世界のトップブランドの地位を築いた。

1979年、エズラ・ヴォーゲルが、そうした戦後の“20世紀の奇跡”とまで持て囃された日本の高度経済成長の要因を分析し、日本的経営手法を高く評価し『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という書を著し、ベストセラーとなったことは今では遙か彼方の記憶である。

その後、日本はバブル経済へと邁進し、我が世の春を謳歌していた。
しかし、そのバブル経済が崩壊し、この20年もの間、何もイノベーションできなかった故に、今では世界において最も停滞した国に成り下がり、進展著しい他 のアジア諸国にすら後塵を拝するほどに落ちぶれてしまった。

一方、1982年、トム・ピーターズに『エクセレント・カンパニー』で取り上げられていた当時の欧米の超優良企業は、その後10年ほどのうちに、破綻あるいは買収されるなど、深刻な経営危機に陥った事実は既に誰でもがの知る事実となっている。

かつての強みがアキレス腱(弱みに)に転化する現象なのは、市場という生き物を相手にしている経営戦略では当たり前だが、国の舵取りも間違えれば企業同様に弱体化す る。


■イノベーションの2つの中核、それは「情熱」と「ビジョン」

今回の講演の中で、ガロ氏は「ジョブズならどうするだろうか?」という視点から、イノベーションの7つの法則のうち、その中核をなす2つの原則について熱っぽく語った。

1つは「情熱」である。それもほとばしる情熱。

我が国でも、昔から「好きこそものの上手なれ」という諺がある。
それは、好きであることが物事が上達するために大きな牽引力になるということを教えている。

嫌々だったり、義務感でこなしているようなことは、決して大成しない。これは仕事に限ったことではなく何でもそうだろう。
業務命令でしている新規プロジェクト(事業)が、革新的な製品やサービスはおろか、何の成果も生み出しはしないことは、過去を振り返れば容易にわかることだ。

それとは対称的に、20%ルールを設け、好きなことをする社風のGoogleの今日の成功は理にかなっている

日本の企業の多くがイノベーションできないのは、イノベーションしなければという熱病に駆られる(情熱)を持っている人が少ないからだろう。
根源的なことから言えば、日本社会における家庭での躾け、学校におけるの教育、企業での研修という、とてつもなく大きな問題が横たわっている。

ガロ氏によれば、最近では米国でも事情は似たようになりつつあるとのらしいが、それでも我が国よりは個性が尊重されている。
何故ならば、その個人主義こそ民主主義の根本原理だからである。
決して表層的な多数決ではない。

しかし、忘れてはいけないのは、情熱だけでもダメである。情熱だけはあっても失敗している事例は、これまた枚挙にいとまがないことも、私たちは肝に銘じておくこを忘れないようにしよう。


2つめは「ビジョン」である。
最近「ビジョナリーカンパニー」という書がベストセラーになった。それほど皆がビジョンを必要としているのだと実感する。

日本では、ビジネスにおけるミッションとビジョンは混同されている。その違いを理解している人は希である。
それは、過日に参加したクラウド名刺サービス「名刺BOX」のブロガーワークショップでも感じたことだった。

ミッションはStatementなので、皆が理解できるし容易に共有できる。企業でいえば社是などもミッションの一つである。

しかし、ビジョンは異なる
ビジョンとは、同じ感性や洞察、視点、発想などを持つもの同士でしか共有できない
誰にでも見えるように可視化されていることと、自分の感性や直感を信じて感じとることは違うのだ。

それは、他人から見れば夢物語だったり、漠然として内容だったりにしか思えないようなものだったりする。
しかし、ビジョンを共有できる人には、その“青写真”がお互いに見えるのである。

Googleが、世界中のあらゆる情報をインデックス化し検索できるようにするという壮大な構想を聞いた時、クレージーだと感じる人たちもいるだろう。
Facebookのザッカーバーグは、世界中の人たちが透明性ある情報共有し、お互いがコミュニケーションしたり学ぶことで、社会がよりよい方向に導かれ、人と人とがお互いによく理解し合うことを助けることができる、というようなことを一点の曇りなく信じている。

彼らは、儲けることや金を追求するより、自らのビジョンを信じて徹底的に固着する。
時には、それは狂気にも似た恐ろしくとんでもないことだったりする。

これら2つは、一言に別言すれば「夢中かつ大胆かつ一貫性」ということもできるだろう。

ところで、数十年前、大企業のそれも成功している新規事業の担当者と話をする機会があった。

大企業で数億や数十億単位の事業を扱っている部署から見れば、初年度から仮に数百万円の黒字を出したとしても、数百万程度の事業という会社の評価や冷たい視線があって、針のむしろのような心境だと語ってくれたことがある。

昨年3月、「パソコンの元祖TK-80 実演とシンポジウム」において語られた「NECのTK-80」の開発秘話などに接すると、日本企業における社内起業の蹉跌のことを思わずにはいられない。

もっとも、最近では少しは事情が違っているかもしれないが。違っていなければ救いがないではないか。

さて、2回で書き終える予定であったが、もう1回だけお付き合いを願えれば幸いである。

▼34年前に1台の8bitマイコンキットがもたらしたもの
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/gyokai/20100329_357649.html


(続く)

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【おすすめブログ】
・切り口とアイデアは“セット”の意味とはーー BRIDGE2010 Septemberに参加して(1)

・見ることと見えることの大きな差異ーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(2)

・同質化から飛躍的なアイデアは生まれないーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(3)

・デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(1)ーー奥山清行氏の話に寄せて

・デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(2)ーー奥山清行氏の話に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1294186.html

『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』ブロガーミーティングに参加して(1)

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私的公開日誌@ウェブ暦:110713.01

先日、『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』(AMN主催)のブロガーミーティングに参加してきた。
刊行記念著者来日イベントということで、カーマイン・ガロ氏本人に加え、Evernote日本法人の会長も務める外村仁氏も交えたブロガーミーティング。

当日は、「POLAR BEAR BLOG」で知られる小林啓倫さんなどアルファブロガーの方々も数人散見され、インフォテリアの平野氏など豪華な顔ぶれが揃っていた。
また、「Evernote Japan Meetupに参加してーーPhil Libinが語ったネットビジネス5つの変化」(4月)でも顔馴染みのブロガーも数人参加していた。


さて、昔からAppleの“イノベーションの源泉”がスティーブ・ジョブズであることは、誰でもが知るところである。

ジョブズは、米「FORTUNE 2010」で、過去10年で“最高のCEO”にも選出されている。もちろん、この10年でのイノベーティブな数々の製品とそのリーダシップにおいてである。

私は、マーケティングコミュニケーションが専門ではあるが、イノベーションについて実は最も興味を持っている生涯のテーマである。

それは、私自身が、この10年ほどベンチャー企業を渡り歩いてきたというだけではなく、マーケティングが戦略構築することが“核”だという考え方を持っていることによる

それは、マーケティングを学ぶにおいて、マイケル・ポーターの競争戦略に最も影響を受けたことに起因しているだろうし、20年以上も前に「ストラテジック・ジレンマ」(現在であれば「イノベーションジレンマ」だろう)という言葉に接し、経営戦略やマーケティング戦略の妙味を知ったことが大きく影響しているだろう。

今回は、プレゼンではなくその“イノベーション”と聞いては、CSI(Creative Strategic Innovation)の私としては参加しないわけにはいかない。

当日は二部構成で、第一部でガロ氏の講演、第二部では外村氏を交えてのトークセッションだった。

このテーマだと、当然のごとく連載になることは避けられないのだが、2回の予定なので懲りずにお付き合いを願えれば幸いである。


■ベストセラーだった前著『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』

ガロ氏の言葉を借りれば、「聴衆を魅了することにかけては世界一のコミュニケーター」というジョブズのキーノートスピーチは、「2時間は聴衆を引きつけて放さない」とまで言われ、そのスピーチはカリスマ的とまで表されるほど聞く人を魅了する。
ビル・ゲイツ、ラリー・エリソン(オラクル CEO)をして、ジョブのようになりたいとまで言わしめる

シリコンバレーだけではなく、世界を代表する彼ら二人ですら十分にカリスマ経営者なのだが、その彼らをしてジョブになりたいと言わしめるほどだ。

さて、そのジョブズのプレゼンの秘密やエッセンスを、18の法則(シーン1〜18)にまとめた前著『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(日経BP社刊)は、20万部のベストセラーとなったことが最初に報告された。

同書は、聴衆を引きつけるそのプレゼンテーション能力で知られるジョブズに焦点を当てた書であるが、プレゼンノウハウに限らず、ITマネジャーやCIOのリーダシップ、あるいは発想や経営手法などの 知恵やヒントが詰まっているという意見が多かったそうだ。


■ジョブズ流イノベーションにおける「7つ法則」

そこで、今回はプレゼンテーション能力ではなく、ジョブズのイノベーション手法や発想にフォーカスし、以下の7つの秘密(法則1〜7)を取り上げている


法則1:大好きなことをする
法則2:宇宙に衝撃を与える
法則3:頭に活を入れる
法則4:製品を売るな。夢を売れ。
法則5:1000ものことにノーという
法則6:めちゃくちゃすごい体験をつくる
法則7:メッセージの名人になる


ガロ氏は、当日の講演では、時間的な制約もあり、上記の7つの中でも中核をなす2つ法則”について語った。

そのコアとなる2つの重要な法則については、次回のブログで述べることにする。


▼「大切なのは情熱とビジョン」---『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』著者が来日
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110708/362211/

▼ スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション(カーマイン・ガロ) は、ジョブズやアップルがあまり好きじゃないという方こそ読むべき本だと思います。
http://blog.tokuriki.com/2011/06/post_635.html

▼『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』刊行記念 著者来日イベント:ブログ記事一覧
http://review.fansfans.jp/campaigns/review/441/review_567_0.html


(続く)

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(1)Evernote Japan Meetupに参加してーーPhil Libinが語ったネットビジネス5つの変化
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(2)Appleのモノ作りの独創性、革新性の秘密についてーーフィル・シラーが語ったこと
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1005152.html

(3)Appleについての独り言
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/683165.html

(4)Apple&ジョブス「必読この5冊」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/712780.html

クラウドサービス「名刺BOX」ブロガーミーティングで感じたことーー紙の名刺が消滅する日

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私的公開日誌:ウェブ歴@110701.01


先日、名刺クラウドサービス「名刺BOX」ブロガーワークショップに参加してきた。

これまでにも名刺について、私は幾度となく記事にしている。

欧米が最後に必要な時だけ名刺を渡すの対し、最初に名刺交換という“通過儀礼”でコミュニケーションがはじまるのが、日本独自の文化である。

さらに、ここ数年、エンタープライズ分野のLink Knowledge(株式会社三三)をはじめとして、各種名刺のデジタル管理、CRM・BIなどへの活用・応用などのサービス事業への参入が相次いでおり、その点からも興味があった。

しかし、最大の理由は、紙の名刺は近い将来に消滅すると私は考えていることだ。

ところで、2年ほど前、“ソーシャル名刺”とか“デジタル名刺”としてPokenというガジェットがにわかに流行った。当時は、ソーシャルな集まりに出かけると、あちらこちらでPokenを差し出しながら名刺交換している光景に出くわしたが、今となっては見ることがない。

Pokenが人気な頃、私は <「iPhone/iPod touch」が“Poken”になる日がやって来る?>というブログを書いた。


■私がブロガーミーティングに参加した「3つ」の理由

今回のミーティングに参加したのは、以下の3つの理由による。

(1)スマートフォンの普及

(2)クラウドサービスの導入

(3)Surface Computingの進展



上記の3点から、個人名刺が先に必要とされなくなるだろうが、いずれ企業での名刺も不要になると考えている

特に、名刺が日本ほどコモディティ化しておらず、Facebook、NetlogのようなSNSが日常的に浸透し、パーソナルプロフィールサイト(about.me、card.ly、This meなど)も発達している欧米では、こうしたアナログ名刺をわざわざデジタル変換までしてサービスを利用しようなんて発想はありえない。

しかも、紙の名刺の廃絶さえ企てているBump Technologiesのような企業もある今日、あえて紙の名刺を情報資産と考えていることから、今回のサービス提供者がそうした近い将来をどのように見据えているのか、ビジョンやビジネスロードマップをどう描いているのか、マーケティング戦略はどのようなものかなど、正直サービス内容自体よりもむしろそうしたことが興味をそそったのだ。

私はソーシャル名刺を持っていて、様々なmeetupではそれを利用するのだが、Facebookなどでつながりのある人の場合、名刺は必要はないと感じている


さて、「名刺BOX」を利用するには、PC+スキャンという、特に目新しい手法ではない。

今日では、iPhoneなどスマートフォンのカメラで名刺を撮影してDB化するようなテクノロジーがある。コンシューマー向けサービスというのであれば、スマートフォンやPadなどの「携帯デバイス・ファースト」での利用で優先されるべきだろうと思う。

PCは、近い将来には一部の人が持つ特殊なデバイスとなり、ほとんど人はスマートフォン、Pad(iPad、Android)で済ませることが可能な世界が、もうそこまでやってきているからだ。

しかも、コンシューマー向けサービスなのにWindowsのXPとVistaにのみ対応というのも合点がいかなかった。
考え方として、手元にある書籍をスキャンして電子書籍化し、クラウドに預けるのと同じ発想だと思えば良い。

私は、この10年ほど様々なベンチャービジネスを見てきた。

そうした経験から、今回のワークショップに参加してある事業やサービス(ビジネスモデル)において、単にマーケティング戦略だけではなく、何をしてベンチャービジネスたらしめるか、経営戦略におけるビジョンやミッションがもつ意義や価値は何かなどについて思いを巡らせるまたとない貴重な経験となった

もちろん、集まったその他大多数のブロガーは、タッチ&トライをしながら説明に熱心で、操作方法について詳しく質問している人がいたことだけは伝えてきたい。

念のため申し添えておけば、今回の内容は、あくまでも私個人の関心と意見であって、その場に参加した他の多くの人たちの見解を代表しているわけではないことも、また自明の事実である。


▼名刺BOXサイト
http://promo.meishibox.jp/index.html

▼Microsoft "Surface" - The Possibilities(動画紹介)
http://www.youtube.com/watch?v=6VfpVYYQzHs

▼The Microsoft Surface 2.0 Experience(動画紹介)
http://www.youtube.com/watch?v=IbCORzYW6lQ&feature=related

▼Microsoft「Surface Computing」Official Web
http://www.microsoft.com/surface/en/us/default.aspx

▼名刺を廃絶しよう運動でY CombinatorがBumpにシード資金を提供, すでにユーザ数94万
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▼2011年はWeb名刺が流行る!?
http://itlifehack.jp/archives/3942475.html

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【おすすめブログ】
(1)古くて新しい情報管理ーー名刺に関するサービスに寄せて

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(2)「iPhone/iPod touch」が“Poken”になる日がやって来る?
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(3)PCがなくなる日ーーコンシューマー向けPCはなくなる
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/971571.html

Evernote Japan Meetupに参加してーーPhil Libinが語ったネットビジネス5つの変化

Geek Meritocracy

私的公開日誌@ウェブ暦:110422.01

一昨日、Evernote Japan Meetupに参加した。集まったのはブロガー100名ほど。今回もCEOのPhil Libin氏は参加している。

私はEvernoteのヘビーユーザーで、ほぼ毎日利用している。利用方法は、ブログの記事になりそうなテーマやそれに関連するサイト情報を常に同サービスにアップしている。
書きかけのままの記事が何本もたまっている。

最近、Twitter並にUIを刷新(リビルド)したが、こちらは断然使いやすくなっている。先ず、表示オプションとして並び順を自由に変更できるようになった。私の場合は書きかけが多いので、更新順で新しい順に上から並べられるようにしている

ちょうど1年前の3月、Evernote日本語解説書の2冊同時出版記念イベントとして同じくブロガーミーティングがあり、その時以来ちょうど1年ぶりである。その折も参加していたブロガーも数人が再び参加しているようだ(最も私もなのだが)。

今回の来日は、EvernoteのUIの刷新、Web版でのノート共有、Google Chromeの機能拡張などのサービスや機能の強化、「Evernote for Android」新版をリリース、NTTコミュニケーションズとの提携、その他の国内企業との提携や連携したサービスの発表のために来日した。

今回、Phil氏は3つのことについて講演した。

第1に、Phil氏はこの度の日本の大震災への見舞いの言葉を述べるともに同社の震災への取り組みついて語った。
同サービスのすべての無料ユーザーを対象に、有料であるプレミアムユーザー機能を1カ月間無料で提供、また3月の国内プレミアムユーザーからの売上12万ドル弱をカリフォルニア日本文化コミュニティセンター経由で被災地に寄付したことなどについて話をした。

第2に、この1年でのEvernote のユーザー動向について語った。
現在、Evernoteユーザーは全世界で870万人で、新規ユーザーは毎日2万人ずつ増加している。そのうち91%はブログやTwitterでEvernoteを知り、直接Evernoteのアプリをダウンロードしている。
残り9%のうち8.4%は各種デバイスにバンドルされたものからの利用、広告やプロモーション経由はわずか0.6%と1%にも満たないとのこと。

また、日本ユーザー数は150万人で、これは全ユーザーの17%だが、アクティブユーザー数で言えば、28%という割合で全体の38%のトップ米国に次ぐアクティブな利用率なのが日本人だ。

日本での人気ぶりを示すように、米国では1冊しか出ていないEvernoteガイドブック(解説本・活用 本)だが、日本では23冊も刊行されているとPhil氏は驚いていた。


■起業の最適な社会環境

3番目にネットビジネスにおいての変化について語った。
この10年でネットは大きく飛躍を遂げ、今日では人々に無くてはならない生活インフラ化となっている。特にこの5年の大きな変化を下記の5つの要素としてPhil氏は上げた。


<ビジネスの環境を変えた5つ変化>
(1)販売方法やロジスティクスを意識 せずにソフトを販売できる「AppStore」の存在
(2)起業のためにサーバやインフラを整える必要性をなくした「クラウドサービス」
(3)サービスの基礎部分を無料で入手できる「オープンソースインフラストラクチャー」
(4)すばらしい製品であればそれを伝えてくれる「ソーシャルメディア」
(5)ベンチャーと大手での価格競争の心配を解消した「フリーミアム」


これらを「Geek Meritocracy」(ギークメリトクラシー)と読んでいる。これは、Geekな人たちが日本、世界を牽引していくことを現しているそうだ。
そして、今ほど起業に適した時代はないと語った。

Evernoteは、Phil氏にとっては3つめの起業である。前の2つに比べ、3つめのEvernoteを起業して「Geek Meritocracy」により成果を収めつつあるシリアル・アントレプレナーならではの体験として語られた。


■なんでもEvernote化している坂井直樹氏

Phil氏の講演後、特別ゲストとしてコンセプターとして著名な坂井直樹氏を迎えてのゲストークとなっ た。

坂井氏は、Evernoteのヘビーユーザーで、クリエイターの立場からEvernoteを活用した仕事術についての話をした。

坂井氏といえば、かつて日産「Be1」や「Pao」、オリンパス「o-product」を手がけたことで知られ、その後には携帯電話など200以上のデザインプロジェクトに関わってきたそうであるが、iPhone登場以降は携帯電話は止めたそうである。

同氏は、2日自宅、2日事務所、2日を学校(慶応大学)で過ごし、1日中ほとんど情報収集に費やしている。その集めた情報は全てEvernoteにアップしている。
さらには、同氏の集めた情報は、事務所の人でも、学生でも自由にアクセスして閲覧することがでるように情報共有化をしているとのこと。

「大量のインプットなくしてクリエイティブなアウトプットはできない」ということを同氏は力説した。

現在は、デジタルステッキ(杖)やデジタル車いすなどを最先端デジタルテクノロジーを使った製品開発にコミットしているとのこと。同氏のような発想や視点を持つ経営者がいれば、日本企業はもっとイノベーションできるだろうにと暫し感じ入った。


■そして懇親会ーー20年ぶりの邂逅

BRIDGEなどのソーシャルイベントでは当たり前だが、今回のイベントも講演したその会場の熱気や雰囲気のままで懇親会へと移っていった。イスは自分たちでかたづけるのが鉄則。
懇親会には、Phil氏とゲストスピーカーの坂井氏のお二方も参加した。

そこで参加している友人と久しぶりに話をした後、一緒に坂井氏と名刺交換をした。

実は、私は坂井氏とお話をするのは20年(90年前後)ぶりである。
その当時、仕事で一度ご一緒したことがある。当時は日産の仕事を終えた直後であり、企画やマーケティング業界で同氏の名を知らぬものなどいないほどの著名人であった。
企画業を生業にしていた私もその仕事ぶりはつとに知っていた。

記憶は定かではないのだが、何かのきっかけで坂井氏の事務所を訪れることとなった。その当時、坂井氏の子会社(だったように記憶している)の方と、商業施設開発の企画に関わったことがあったのだ。

また、その後、ちょうど私がロサンゼルスに行くことがあると話をしたところ、同じころ坂井氏がLAに滞在中なので、よろしければLAの自宅まで遊びに来ませんかとお誘いをいただき、私も米国に行った折に電話をしてプール付きの坂井氏の豪邸にずうずうしくも遊びにいったことを今でも覚えている

その時以来、実に20年ぶりの邂逅となったのだった。


▼Evernote,ユーザ増に対応すべくバックボーンを強化,Android版のアップデートも発表
http://gihyo.jp/news/nr/2011/04/2001

▼Evernote、日本での利用動向や企業との取り組みを語る
http://japan.cnet.com/digital/pc/35001963/

▼Evernoteが成功する5つの理由、不可欠だった“ギーク主義社会”
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1104/20/news123.html

▼コンセプター坂井直樹の"デザインの深読み"
http://sakainaoki.blogspot.com/
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【おすすめブログ】
(1)デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(1)ーー奥山清行氏の話に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1293548.html

(2)デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(2)ーー 奥山清行氏の話に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1294186.html

(3)Appleのモノ作りの独創性、革新性の秘密についてーーフィル・シラーが語ったこと
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1005152.html

(4)本当? 「Apple」のロゴを見るだけで創造性が上昇
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/539024.html

デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(2)ーー奥山清行氏の話に寄せて

記念写真
私的公開日誌@ウェブ暦:101209.01

(1)からの続き。

前回、奥山氏が日本に帰国したのは、ご自身が世界で経験したデザインビジネスを日本のモノづくりに貢献したいという“志”と同時に、世界の経済市場におけるモノ作りへの危機意識からだと書いた。


■奥山流仕事術「3つの条件」

奥山氏が仕事を引き受ける時には3つの条件があるとのこと。

同氏のように著名なデザイナーであれば、仕事は引きも切らぬことだろうとは思う。
しかし、同氏ご自身が課している下記の3つの条件が重要であって、金額の多寡ではないと語っておられた。


(1)自分が好きであること。
(2)そこから何か学べること。
(3)求められていること。


また、奥山氏は、仕事を引き受ける際には、必ず製造現場と販売現場を見学するという。上記の3つの条件が満たせるか否はこの現場を見てから判断するとのこと。


■なぜイスのデザインなのか

イスは、ル・コルビュジェやイームスのような著名な建築家も手掛けている。だが、決してそれに倣ったわけではない。

奥山氏自身、過去にもイスを手掛けたことがあり、今回が初めてではない
ご自身の地元である山形に「山形工房」を設立し、地元の天童木工とコラボした「ORIZURU」、さらには医療器メーカーと組んでソファ型マッサージチェアなども手掛けている。

しかし、自分の名を冠した事務用イスをデザインしたのは今回が初めてだということだ。

稲葉製作所は、実は物置より事務用机やイスの製造の方が歴史は古く、1965年には鋼製事務用机でグッドデザイン賞受賞、 1986年には事務机Trygonでグッドデザイン大賞受賞しているほどの実績を有している(ちなみに「100人のっても大丈夫」のイナバ物置の生産は1975年開始)。

その稲葉製作所の製造現場に出かけ、イスのキャスターの製造過程を見ている時、その作業している職人の動きがまるでダンスのように美しかったことが、稲葉製作所の仕事引き受ける大きな要因となったとのことだ。

また、質実剛健な企業文化(社風)も、 奥山氏が同社の仕事を手掛ける理由ともなったそうである。

今回、奥山氏がデザインしこの日に披露されたイスは、1脚18万円以上する。
決して安いイスではない。

しかし、リビングのソファやベッドはもっと高い。 しかも、デスクワークする人間にとってベッドで寝るのと同じくらい時間を費やすはずのイスとなると、どうして安いもので済ませてしまうのかとも仰っていた。

思わず「御意!」。知的生産に従事する人間にとっては、1日何時間も過ごすイスは、実はとても大切なものだと思う。

さて、現在高級事務用イスといえば、ご存じハーマンミラー社の「アーロンチェア」が有名である。

奥山氏のイスは、それと比べても正直高い。イスのブランド名は「Xair(エクシア)」

私はインダストリアルデザイナーではいなので、技術的なことや機能的なこと(Xの形状と理由など)は、下記の公式サイトや当日参加された方のブログに譲るとして、そのデザインに込めた思いを書くことにする。

イスのコンセプトを考えるにあたり、以下のような点に留意したとのこと。

第一に、世界初の技術では違和感が出るので、従前の稲葉製作所の技術で完成度高めたモノをデザインする。例えば、ウレタンクッションやフレームはむしろ保守的であること。

第二に、曲線をいかすこと。見えないところにも、工夫や気配りに行き届いたデザインで、素材はアルミを磨き質感を大事にして見せたい。

第三に、使い込むほどに発見があるようなでイスにしたい。使っているうちに飽きがでてくるようなものではない機能やデザインを盛り込む。

正確ではないかもしれないが、大凡は上記なような話だったと思う。


イスについて具体的に語る口調から、奥山氏のデザイン哲学が込められたイスだと理解した。余裕があれば買いたいものだ。

同氏の話は45分ほどで終了し、隣の部屋に懇親会の場が設けられており、シャンパン、ワイン、チーズや生ハムなども用意されていた。

食事は、イタリアのトリノに本店を構える「EATALY」という店(代官山店)から特別に運ばれたもので、美味しくいただいた。


食事後には、奥山氏と記念撮影(ちょっと恥ずかしい)のほか、記念品として奥山氏の新著『人生を決めた15分 創造の1/10000』にサインを入れてくださり、卓上カレンダー、KEN OKUYAMA styleというスケッチブック、「Xair(エクシア)」のQUOカード(500円分)までも頂戴し、大変に満足度の高いもてなしを受けた

これほど上手にもてなしされたブロガーミーティングは初めてだった。


それにしても、記念撮影時、一人一人順番に呼ばれているニックネームを聞いていて恥ずかしかったが(名前を呼ぶ人も苦労していた)、私の実名登録がされていなくて、私の番なったとき「macume」を「マキューメさん、え〜、マッキュームさん?」と呼ばれた時には本当に恥ずかしく、思わず「梅下です」と返答したほどだった。
私にはやはりネットでも実名制であることが、性に合っているのだと実感した次第。

最後に、銀塩カメラは持っているが、デジタルカメラは持っていない私。今まで多くのブロガーミーティングに参加しているが、この夜はやはりブロガーにはデジタルカメラが必携だと心より感じ入ったのだった。

(了)


▼KEN OKUYAMA DESIGN(奥山清行氏サイト)
http://www.kenokuyamadesign.com/

▼「Xair(エクシア)」公式サイト(環境音楽が流れます)
http://www.xair-inaba.jp/

<奥山清行氏の哲学に触れる>(amazon)
▼『人生を決めた15分 創造の1/10000』
bit.ly/h9HPDY

▼『ムーンショット デザイン幸福論』
http://amzn.to/fvIPTc

▼『フェラーリと鉄瓶 (PHP文庫)』
http://amzn.to/dJiWD0

▼『伝統の逆襲—日本の技が世界ブランドになる日』

http://amzn.to/dZhjFU


<イベント参加者のブログ>
▼奥山清行氏デザインのオフィスチェア、Xair(エクシア)を見てきました。
http://www.mamirou.net/review/xair.html

▼奥山清行さんのXairトークイベントに参加してきました。
http://www.kinoshitashigeo.com/blog/archives/5108

▼その他:EATALY オンラインショップ

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(1)デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(1)ーー奥山清行氏の話に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1293548.html

(2)デザインはイノベーションするかーーインダストリアルデザインに魅せられて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1292038.html

(3)Appleのモノ作りの独創性、革新性の秘密についてーーフィル・シラーが語ったこと
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1005152.html

デザインとマーケティングが“イノベーション”を牽引する(1)ーー奥山清行氏の話に寄せて

ken_okuyama
私的公開日誌@ウェブ暦:101208.01

師走となって、これほど有意義な会に参加できたことを幸せに思った

過日、インダストリアルデザイナーとして世界的に知られている奥山清行氏の話を聞ける機会があるというメールが、AMNブロガーイベントの案内として届いた。
しかし、限定20名ということだった。

申し込んではみたものの、なかなか返事がこなかったのでやはりだめかと諦めていたが、果たして参加が叶った

私はマーケティングコミュニケーションが専門で、自分でデザインしたりすることはできない。
昨今「イノベーション」という言葉を聞く度に思うのだ、マーケティングとデザインがそれを牽引すべき役割を担っているのだと。

2つは車の両輪である。マーケティングの人間はデザインについて学ぶべきだし、デザインの人間はマーケティングについて知るべきで、相互にもっと理解を深めていくべきだというのが私の持論である。

私がTumblrで「pen」や「Real Design」のような雑誌をいつも紹介するのは、そうした意識があるからである。

そうした時、世界を知っている奥山氏の話が聞ける貴重な機会を得ることは、めったにあることではない。


12月7日(火)、その奥山氏の話を聞きに出かけた場所は、クリエイティブボックスという日産のコンセプトカーのでデザインをしている会社で行われた。

奥山氏は、1982年から25年ほど世界の第一線でインダストリアルデザイナーとして活躍してきた。
この間、ゼネラルモーターズ(米)、ポルシェ(独)などのチーフディレクターを経てピニンファリーナ(伊)のデザインディレクターに就任するという、聞くだに華々しい経歴を誇っている。

日本での就職経験はなく、3年ほど前に帰国をして日本に事務所を開設したとのこと。

今回のブログは、その奥山氏の貴重な話を2回に分けて書くことにする。


■「なまず効果」=異質であることの大切さ

海外にいるとき、いつも奥山氏は「なまず効果」(Catfish Effect)な人間だと感じていたそうだ。

イワシは活きたままのほうがはるかに高値で売れるが、それにはどうしたら良いかを考えた末、水槽にナマズを1匹入れることにした。
ナマズを見たイワシは、異質な魚がいることで驚いて泳ぎ回るので身も締まって活きのよい魚となる

これは、同質な従業員の中に異質な社員がいることで、組織も活性化するということについての、もちろん例え話しである。
奥山氏は、どこでもそういう役回りだったと言うのだ。

80年代、ゼネラルモーターズで仕事をしていた時、従業員は自社の自動車について知り尽くしている故に、なかなか長所や美点に目がいかず、
むしろ外の人間だからこそ本質が見えたりできたのだと語った。

これは、私が「BRIDGE September」に参加して連載したブログ記事『同質化から飛躍的なアイデアは生まれないーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(3)』と、まったく同じことを語っている。


■海外生産やアウトソーシングへの違和感

今日、日本に限らず、工業製品は人件費の安い中国での生産が当たり前になっている。人件費高騰の著しい沿海部から内陸部へ、中国からベトナムなどへの製造工場を移転したりもしている。

一方、ヨーロッパに目を向ければ同じであるとのこと。賃金の安い東欧へシフトしている。

しかし、賃金が高騰すれば、安直に賃金の安いところを求めて製造業が次々に移転するのは「焼き畑農法」と同じで、数年か数十年で焼くべき農地がなくなると、本当に良いモノを製造することができなくなってしまうのではないかと危惧してるとのこと。

何のためにモノをつくるのか? 価格以上に価値のある製品を製造することこそ、モノづくりの本質であるという言葉が心に残る


奥山氏は、そうした熱い思いを胸に秘め、世界で活躍してきた経験を日本でのモノづくりで活かしたいと思い、3年ほど前に帰国して国内にオフィスを開設したようだ。

しかし、その奥山氏がなぜ稲葉製作所という、率爾ながら地味な会社でイスをデザインする事になったのか。その“志”については次回のブログで紹介する。


▼KEN OKUYAMA DESIGN(奥山清行氏サイト)
http://www.kenokuyamadesign.com/


(続く)

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(1)デザインはイノベーションするかーーインダストリアルデザインに魅せられて
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(2)『同質化から飛躍的なアイデアは生まれないーーBRIDGE2010 Septemberに参加して(3)』
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1250824.html

(3)時代や状況にかかわらず、いずれの組織も同じかーーハンス・V・ゼークトの言葉に寄せて
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/1257143.html

デザインはイノベーションするかーーインダストリアルデザインに魅せられて

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私的公開日誌@ウェブ暦:101207.01

今夜、本当に久方ぶりにAMNのブロガーミーティングに参加する。

インダストリアルデザイナーの奥山清行氏による話を聞けるからだ。

私はマーケティングコミュニケーションが専門で、デザインについては素人である。デザイン全般には関心はあるが、特にインダストリアルデザインに興味を持っている。

私がAppleユーザーなのも、そうした影響もあるのかもしれない。

1990年代初め、何度か喜多俊之氏にお目にかかる機会があった。
喜多氏といえば、当時の私でも知っているほどの世界的に著名なインダストリアルデザイナーだった。

かつて、日本人でもファッション分野において、世界的に活躍するデザイナーを輩出したが、昨今ではそうした人が極端に減っているような気がする。

今回、話を伺える奥山氏は、GM社チーフデザイナーから、ピニンファリーナ社デザインディレクターと歴任した人

エンツォ・フェラーリ、マセラティ・クアトロポルテなどの自動車やオートバイから、電車、航空機、船舶、家具、ロボット、テーマパーク等数多くの多彩にデザインを手がけてきたデザイナーである。

最近は、デザイン特集を組んでいる雑誌を多く見受ける。今年、WBSでも3回にわたりデザインビジネスの特集を見た(下記動画アーカイブ参照)。

84年から90年にかけてAppleの“Snow White design language”導入に貢献し、Machintosh関連での仕事の数々で世界的なリエイティブ企業として脚光を浴びたのがフロッグデザイン(frog design)である。

その後、NeXTcubeをデザインするなどしてフロッグデザインの創立者の一人であるハルトムット・エスリンガーの著書が翻訳され、今年刊行された。

今日では、ジョブス復帰後のAppleのデザイン戦略を支える重鎮としてのジョナサン・アイブやデザイン集団としてのIDEOの方が、もちろん注目度も知名度が高いだろうとは思う。

今夜は、奥山氏のデザイン哲学やビジネスについての話が聞ける貴重な機会である。

実は、今回のイベントに先立つ情報で、私もまったく意外だったのだが、稲葉製作所といえば物置として知られているが、オフィス家具製造の歴史の方が古いということを初めて知った。

その同社と奥山氏コラボして誕生したのが次世代オフィスチェア「Xair」(エクセア)だそうだ。

その発売1周年記念イベントの招待に運良く与った。その話の内容は、後日記事にする予定。


▼喜多俊之
http://www.toshiyukikita.com/

▼KEN OKUYAMA DESIGN
http://www.kenokuyamadesign.com/

▼「Xair」サイト
http://www.xair-inaba.jp/

▼ 『デザインイノベーション〜デザイン戦略の次の一手』(ハルトムット・エスリンガー著)
goo.gl/QP2di

▼“安もの”と言わせない 韓国デザイン戦略(2/11WBS動画)
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/highlight/img20100211_o1.html

▼海外デザインを取り込め(11/4WBS動画)
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/highlight/img20101104_wb_o1.html

▼日本デザインを海外へ売り込め(12/3WBS動画)
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/highlight/img20101203_wb_o1.html

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【お すすめブログ】
(1)「ユーザビリティ視点」に基づくWebサイト制作のヒント
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/761316.html

(2)Apple&ジョブス「必読この5冊」
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/712780.html

(3)クラシカルな美しさ『Bianchi Dolomiti Veloce』2009モデル
http://blog.livedoor.jp/macumeld/archives/882317.html
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