千葉大の院試問題より、ブログ掲載上一部表現を改めています。
以下の単語-接辞からなる表現から、母音変化の規則性を述べよ。

彼が話した iv-i、彼が働くvatat-e
短い kikm-kin、暖かい nom-ken
ツンドラで nute-te、海で aska-ta
耳で vilu-te、ナイフでwala-ta
ウサギで milute-nu、キツネで jojola-no

この言語では、イ・ウは舌が盛り上がり口の中が狭まった狭母音、アは口を大きく開けた広母音、エ・オは中間の母音となっている。

正解に飛び付くだけなら容易いが、他の可能性を合理的に棄却出来るか考えると、頭を使う。
だから、院試はそういう問題形式にしろっつってんだよ!!

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解答
主格を表すi/eの選択は、名詞に狭母音が含まれるか否かである。
形容詞語尾kin/kenの選択も同様。

もう一つの仮説として「広母音が含まれるか否か」と考えない理由は二つある。
先ず、その仮説は単語と接辞の両者が、他の例も含め「狭母音同士」or「非狭母音同士」等の一定の条件を共有する音同士を含む組み合わせになる規則性を欠いている。

次に、最初の例に対する「広母音を含む時にe、それ以外でi」という仮説は、「エ・オ音のみが現れた場合にiが来る」と予測する。
すると、主格を表すi/eの交替と、形容詞語尾のkin/kenの交替に共通点が無い事になる。

母音変化の規則性と言うからには、同一母音に同一変化条件を適用する方が題意と見なすべきであろう。

次に、te/taの交替は、広母音を含むか否かである。

流石に、「広母音のみでa、狭と中母音でe、狭母音のみでe」というのは見たまんま過ぎる。
規則性を聞くからには、一定の一般化は前提と考えるべきだろう。

「広母音のみからなるか否か」とも考えられるが、最後のnu/noの選択は狭母音を含むか否かによるので、全体を「~を含むかどうか」という形式で揃えた方がより規則的な形になる。