今、メトロポリタン美術館では写真家アーヴィング・ペンの展覧会やってますの!

IRVING PENN "Centennial"
  at Metropolitan Museum of Art
HP:http://www.metmuseum.org/press/exhibitions/2016/irving-penn 
April 24–July 30, 2017
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これが、元は画家・イラストレーターとしてスタートしたペンがファッション誌ハーパズバザーに採用されたイラストの原稿料でローライフレックスカメラ
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ポートレートも撮るし
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延々と葉巻だけを撮り続けたシリーズもありますが
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巨匠アーヴィング・ペンと言えば、やはりファッション誌Vogueとの仕事。こちらにあるのは、1948年から1951年の表紙。
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このRochasのマーメイドドレスをまとった奥様の写真は、今回の目玉の一つ。なんて美しいのかしら。
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ファッション以外にも、この写真にあるよにクスコ(ペルー)などを旅して撮った写真もVogueに載せて、これがまたVogueの価値を高めた…とも言われています
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アーヴィング・ペンの一般の人を写した仕事の特徴の一つは、ポートレートが非常にシンプルな背景のところで撮られていること。その人の服装にフォーカスしている感じがしますの。
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ところがこれが有名人の写真となると、顔!
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≪ピカソです≫

ね、オードリーなんて、何を着てもオードリー・ヘップバーンだものね。顔が一番よね。
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イヴ・サンローラン
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こうした有名無名人の写真とともに、世界各地を旅して、その当時の風俗民俗を切り取った写真の数々、かなり面白いですのよ。アフリカの写真も色々収めています。
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そして、ISSEY MIYAKEのファッション写真。
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ISSEY MIYAKEさんのオフィシャルサイトにもペンに関する記述がちらりと出てきます。また、2011年に東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催された「アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」の背景が語られた"北村みどりに聞く、展覧会のすべて"を読むと、その二人の密な素晴らしい関係を知ることができます。あの写真の数々は、こんな素晴らしいメンバーで撮られていたのだと画集Irving Penn Regards the Work of Issey Miyakeでも見ることができます≫

母上が思わず見入ってしまったのがこちらのポートレート。
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1993年に撮られた、ルース・ギンズバーグアメリカ合衆国最高裁判所判事。ニューヨークの人は彼女が好きね。象徴的な方です。≪1993年と言えば彼女が最高裁判事を当時のクリントン大統領から任命された年ですから、特に象徴的ね。≫


さて、IRVING PENN展を見て、次に向かったのが、英語のツアー。メトロポリタン美術館のメンバーでなくても参加できるツアーについては以前も記事にしましたが、前回はハイライト・ツアーへ参加。今回は、Great Paintingsを巡るツアーに参加≪日本語ツアーもありましたが、時間の都合で英語の方に…日本語にすればよかった…最後の方、もう、英語量がたっぷりすぎて耳に入ってきてくれず…≫。

Great Paintings Tour
HP:http://www.metmuseum.org/events/programs/met-tours/guided-tours/great-paintings
ツアー自体は無料ですが、Metの入館チケットは必要です。以前の記事に書いた待ち合わせ場所に集合すれば、ガイドを務める館員さんがやってきて、時間通りに出発です。

最初に、エジプト展示の絵のところへ。そう、エジプトと言うと素晴らしい石像等に目を奪われますが、こんかいはPaintingsですから!この時代にこんな写実的な絵があったとは、何だかイメージを裏切られたわ!
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≪A.D.130-180頃のものだそうです≫

こうして、ミイラの棺の上にも描かれていますの。
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さて、その後サクサクと進んだ先は、ジャパニーズアートの区画。最初に取り上げられたのは、NY在住でいらっしゃるという千住博さんの「水神宮」。この日のツアーの参加者は白人が9割、果たしてどう受け止めるのかしらと思えば、ガイドさんが上手かった!伝統的な画材を使った、しかし、現代的な手法と、そして普遍的な時の流れと…って説明されたらこのシンプルな美しさにうっとりのみんなが、さらになるほどと思うわね…!
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次に触れられたのが、江戸琳派の祖、酒井抱一の「桜図屏風」。ガイドさんがこの小さな屏風は日本のオープンスペースな家屋で茶席を開くときなどに一部区切ったりするのにもつかわれ…って説明して、みな納得。
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≪ちゃんと季節ごとに展示が入れ替えられているのは知っていましたが、まさに今盛りの完璧な展示、見に来た人がみな立ち止まってて、素敵でした。≫

その後向かったのは、アメリカンウイング。
みんな大好き、ジョージがデラウエア川を渡る大きな絵…
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Emanuel Leutze "Washington clossing the Delawere" 1851

ではなく、その横にかかっている美しい風景画でした。言われなければこっちは止まって見ないわね…あんな目立つ絵が横にあったら…。と思えば、ガイドさんが、いかにこの絵が素晴らしいか、という話を。その当時、アメリカの風景画をよりよくしていったグループに彼は所属していて、彼のテクニックのすべてがここに見て取れるんです、ですって!手前は驚くほどクリアに、そして遠くは少しぼかして、でも写真のようで・・
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Frederic Edwin Church "Heart of the Andes"1851

そして対照的な絵の一つとして見せてもらったのがこちら。荒々しく、絵具が盛り上がっていて波の砕ける音も聞こえてきそうなぐらい。≪本来はここに二人人を描いたものの、結局、画家が消して海だけにしたのよ、なんて話をガイドさんがしていました。≫
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Winslow Hormer "Cannon Rock" 1895

それから、Great Paintingsのルートの中にあるこの絵、ちょっとだけ立ち止まるわね、と言ってガイドさんが指示したのがこちら。とても美しい女性の絵なのですが…最初は、向かって左の肩のストラップが下に外れた絵で描かれていたせいで、大スキャンダルになったのだとか!肖像画の肩のストラップが外れてるぐらいでスキャンダル!何てクラシックな時代なの!
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John Singer Sergent "Portrait of Madame X (Virginie Amélie Avegno Gautreau)" 1883-1884 ≪その後、サージェント氏は肩のストラップをこのとおり通常の位置に描き直したのだそうです≫

更にグイグイ歩いて行って見た絵はこちら。このころに発達して行った絵の技法、登場人物にどのように光を当てるか…なんて話を聞いて
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Jacques Louis David "The death of Socrates" 1787

そして家族のポートレート。
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Charles Le Brun "Everhard Jabach and his family" 1660

≪すみませんこの辺でもう耳が英語をあんまり受け取れなくなってきちゃって、美術館の説明書きの写真を貼っておきます…≫
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≪画像はどれもクリックで別窓に拡大します≫

そしてモネ。印象派の技巧について色々ガイドさんがおっしゃってますがもう母上はこの絵が描かれたのは多分午後ね、風はこっちからこっちに流れてるわね、足元の色はパレットで混ぜられた絵具が塗られているのではなくて、カンバスに絵具を直接のせていくことで総合的に色を演出しているのね、線を引いたような絵ではなく積み重ねて形作るのね、なんて話を聞くところで精いっぱいなのでした…
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Claude Monet "Graden at the Sante Andresse" 1867

そして最後に紹介されたのが、色!色!色のゴッホ!
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Vincent van Gogh "La Berceuse (Woman rocking a cradle)" 1889

ここまでで、1時間!1時間でこれだけの絵についてガンガン説明しながら連れて歩いてくださったガイドさん、すごかったわ。≪ガイドというより、先生!って感じの風格のある方でした。展示室内で携帯電話でしゃべっていた観光客に「̪̪̪̪シッ!」って眼光鋭く注意したり…しかし内容面白かったです≫

ほんの数時間しかなくても、やっぱりメトロポリタン美術館には行けるときに行っとくべきね!!