はじめに

教室をやっていたり、ステージで演奏をさせて頂くにあたって、
「どのようにピッキングをしていますか」

という質問をよく頂きますので、今回は質問の多いピッキングについて私なりに書いてみたいと思います。

 弦に対して垂直に


mandolinpicking2

ピックの面の先端が、弦に対して垂直に当たるようにします。あるいはそうなるように目指します。

特にアクセントをつけるでもなく、普通の状態でフラットに弾いている時に、アップ、ダウンのピッキングそれぞれが同じ音量になることがポイントです。このバランスを大事にしてください。

あくまで真っ直ぐ当てる、真っ直ぐ返す、という軌道、ピックの向きを基本に考えます。



 腕、手首の振りについて


ピッキングついて意識しているのは

・うちわを振るように

動くイメージです。

つまり、手首と腕のバランスでソロやカットをしています。コードカットの時などは特に顕著なのですが、同じテンポの曲でも、腕を振り下ろすスピードでも印象を変えることができます。

ゆっくり振れば「ボッ、ボッ」とした雰囲気の4分音符で、テヌート気味なサウンドにもなれますし、速く振れば「カッカッ」としたスタッカートな印象の音になります。(文章で書くと、マンドリンやってない方には意味不明すぎですね。難しい・・・。)

もちろん、曲やバンドの雰囲気によって腕の振り方を使い分けたりします。

 ピックがずれるのはなぜ?5つのチェックポイント


下記の楽譜をできるだけ速く、連続して音を弾いてみてください。
ここでは例として、2弦の開放弦(A・ラの音)をひたすら弾いてみましょう。

mandolinpicking4


まずはダウン・ピッキングだけ。

次はアップだけ。

多くの人はダウン・ピッキングより、アップ・ピッキング時にピックが動く感じがしたり、引っ掛かりを感じたりするのではないでしょうか。

 チェックポイント


.▲奪廛瀬Ε鵑硫士未飽磴いあるかどうか

今度は、先ほどの楽譜をオルタネイト(アップダウン)の動きで弾いてみます。この動きを続けている時に音量が一定でしょうか?トレモロではどうでしょう?

アップの方が音量が明らかに小さい場合は、ピックが動きやすい傾向があるかもしれません。トレモロ時などに引っ掛かりを感じる場合も、ピックが弦に当たる時の角度が、斜めに入っていることが考えられます。

▲團奪が弦に当たる角度

ピッキングが斜めの場合、ダウンの弦に対するピック角は当たる面積が広く、アップの時はピック角が狭いことに加えて、引力に対して逆のモーションになるため、必然的に振り上げる力に抵抗も生じてきます。使用されているピックによっては、しなりの影響も受けます。

mandolinpicking3
NGの例。ピックの先端が斜めに当たらないようにしましょう。アップ・ピッキングのときに上の弦に対して食い込みやすく、音が上手く鳴らないかもしれない角度になっています。

※ダウン・ピッキングで出す音を強調するために、下側に付いている弦をストッパーにするようにして、意図的に斜めにピッキングする奏法はあります。ここではあくまで通常時の基本ピッキングについて、平行に当てていく方向性で書いています。
5案
弦に対し、真っ直ぐ下ろして、真っ直ぐ上げる。

鏡を見ながら、この基本動作を意識して練習してください。

1弦側と4弦側のFホールの先端、同じ地点を行き来するイメージで練習してみましょう。

mandolinpicking1
また、ヘッドを水平位置より上げてみたりするなど、楽器の側に角度をつけてみて下さい。

た爾当たりすぎていないかどうか
真上から見たときに、ピックが弦に対して内側に深く入りすぎていませんでしょうか。

前章でも触れたように、弦の先端が真っ直ぐ垂直方向に当たっているかどうかも、注意してみてください。

ゥ團奪ングをした時に弦のテンションに対して負けている
力が抜けすぎている可能性もあります。
また、,砲盒δ未垢襪海箸任垢、ピックの持ち方、グリップの仕方、弦がピックに当たる角度など、再度チェックしてみてください。

 よくある質問

よく教室で質問されることをQ&A形式で。

Q:ホントにピックはグルグル回ったりしないんですか?

A:回りません。回る予感がする時もありますが、弾きながら微調整できるようになりました。とはいえ、初心者の頃はよく回っていました。上記の5つを意識して練習しているうちに、いつの間にか回ることもなくなりました。

Q:各指の関節あたりに弦が当たりませんか?

A:当たりません。真っ直ぐ降ろして、真っ直ぐ返すという基本のピッキングができていれば当たらないです。

毎日のようにライブをし、各指の関節を血みどろにしながら弾いている名手と言われる人たちを、少なくとも私は見たことがないです。

中指や薬指の関節あたりがが弦に当たるという相談を受けることがありますが、ピッキングが斜めに入っている場合や、軌道が真っ直ぐでない場合に起こっているケースが考えられます。

指を血みどろにしながら練習をしていたり、各指の第一関節の皮に弦が当たって、皮がささくれている場合は、今一度ピッキングの角度を探ってみてください。

Q:○○さんのピッキング・フォームは明らかに変則的ですよね?

A:スポーツ選手を見ても、独特なフォームはへ存在します。一見変則的な投げ方や打ち方など、こうしたフォームも、基礎を理解した上での、試行錯誤の結果と思います。

音楽の世界でも当然、変わった弾き方をされる名手も少なからず存在します。試行錯誤の結果、「理想の音」がしっかり出せていれば大丈夫ではないでしょうか。

Q:楽器のセットアップも関係がありますか?

大いにあると思います。弦のテンションは緩めに、弦高は低めに、とセットアップできれば、速弾きしやすい代わりに、音量に関しては我慢せざるを得ないなど、ある程度のコンディションの変化は予想されます。

この逆になればなるほど、音量は出ても、弾きにくなることが想定されます。どこで折り合いをつけるか、ということがポイントとなりそうです。

さらに、体格、男女、手や指の大きさ、年齢、使っているピック、使用ゲージ(弦)、楽器の個体差などなど、それぞれコンディションも細かく異なります。

ご自身の演奏スタイルとセットアップのバランスに関しては、ルシアーさんとしっかりとコンタクトを取りながらこだわりを持つのも楽器弾きとして、ひとつの醍醐味かもしれません。

 まとめ


上級者の皆さんからすれば、

「まぁ、そうだよね。」

というくらい、普通の内容だったかと思います。
ともかく、凡人で小市民の私はあくまで基本に忠実ピッキングです(笑)

一番大切なのはその人にとって「理想の音」をしっかり出すことです。

偉そうに先生の立場から書いてみましたが、私もまだまだ道の途中です。
ともに頑張りましょう!



You Can Play Bluegrass Mandolin 1 & 2 [DVD] [Import]
You Can Play Bluegrass Mandolin
Hal Leonard
2004-04-06

英語の教則DVDですが、基礎から学べます。