
村井嘉浩知事らによると、両陛下は被害の大きさに驚いた様子で、ヘリの中から身を乗り出すようにされていた。陛下は漁業や農業を心配し、漁港を見ると「元に戻るのにどのくらいかかるんですか」などと質問されたという。
仙台市の避難所の体育館では、佐藤美紀子さん(64)が、津波を浴びても花を咲かせたという自宅跡地のスイセンを花束にし、「このスイセンのように頑張りますから」と言って皇后さまに手渡した。
皇后さまは平成7年の阪神・淡路大震災のお見舞いで、皇居で摘んだスイセンを焼け跡に手向けられたことがある。東松島市から自衛隊機で帰京する際には、自ら花束を持たれていた。
2011.04.27 22:06 元記事・産経ニュース


両陛下は、南三陸町伊里前地区の住民や被災した教職員ら約200人が避難生活を送る町立歌津中学校を訪問。床に両膝を突き、被災者の話に耳を傾けた。
伊里前小学校教諭の菊田新一さん(51)は自宅と、気仙沼・大島の実家が津波で全壊し、両親を亡くした。同校は29日が卒業式、来月10日が始業式。親を亡くした児童もいるといい、天皇陛下は「随分大きな痛みを負っているでしょうね」と案じると、「子どもたちのケアに全力を尽くしたい」と菊田さん。陛下は「子どもたちのために頑張ってください」と励ました。
千葉みよ子さん(64)は行方不明となっている孫の女の子のゆうちゃん(3)の赤ちゃんの頃の写真を陛下に見せ、「がれきの中を必死に捜しています。見つけてやりたい」と説明すると、陛下は「早く見つかるといいですね」と優しく声を掛けた。
2011.04.27 21:14 元記事・時事ドットコム