結論として、余裕。ブルーカラーは基本的に頭を使わなくてもすむ。


小学校や中学校に頭の弱いヤツっていたでしょう。障碍者っていうほどじゃないんだけど、やっぱりちょっとおかしいみたいな。高校や大学に行ったらそんなヤツはいなくなるんだけど、そういえばあのとろいヤツらどうしてるんだろうって思ったことないですか? 
元気にしてますよ、底辺会社で。

何年か前にフォークリフトの免許を取りに行ったのです。フォークリフトの免許って簡単に取れます。3日ほど講習を受けて4日目に筆記と実技の試験です。こんなものに落ちる奴はいないのです。会社だってお金を払って社員に免許を取ってきてもらうのだから確実にとって来てもらいたいし、その辺は免許を発行する側も分かっています。

この筆記試験に2回落ちたヤツがいました。
筆記試験は朝一で受けて、そのあと実技の試験を受けながら筆記に落ちたヤツは実技の試験中にお呼びがかかり再試験という流れです。
これね、再試験も初めの試験と同じ問題が出るんですよ。だから普通は再試験で受かるでしょう。この再試験に落ちたヤツが同じクラスの中にいました。

そいつは、しょんぼり実技会場に戻ってきたので、私は、
「どうしたの? 体調でも悪いの?」
と聞いたら、そいつは、
「また落ちた」
というのです。

みんなバラバラのところからフォークリフトの免許を取りに来ているのですが、3日もたてば互いに喋るぐらいにはなります。

「実は俺さー漢字が読めないんだよね。中学しか出てないから、漢字が読めないんだよね」
「え??」

その会話をを聞いていた同じ実技グループのヤツが立ち上がって、
「みんな集合ー」
と言いました。10人ぐらいかな、みんな集まってきたら、そいつは、
「彼さー、筆記を2回も落ちたんだって。同じ問題が出るらしいから、みんなで問題と答えを思い出してあげようよ」
と言ったのです。
フォークリフト免許の筆記試験というのは4択の選択問題です。これをみんなで思い出して、答えだけ紙に書いて、とにかくこれを覚えろ、みたいな感じで手渡しました。

助け合いというわけでもないですが、底辺といえども無意味な足の引っ張り合いというのはないですよ。見たことないですね。
小学校や中学校で、こんなにトロくて大丈夫かなんて思われていたヤツも、たぶんきっと日本のどこかで何とかやっていっていると思います。

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