戦前の昭和なんていうものは、誰も興味がないでしょうか? でも簡単に判断してはダメ。

昭和10年と昭和30年とは、経済的には同じレベルだと思います。しかし、昭和30年は今の日本と直接つながっている感じがするのですが、昭和10年は今の日本とは少しずれているような。

それは同じ日本のはずなのに少し違う。ある種のパラレルワールドです。
戦前にも映画はありました。今と同じ割引制度みたいなものもあって、でもちょっと違うのは、

「子供、軍人半額」

という標識が、映画館の前にかかっていたそうです。
たまらん、軍人半額とか、たまらん。

昭和5年、山本七平が小学生の時、同級生に男爵の息子というのがいたそうです。爵位を持つというのは、当時かなりの上層階級です。しかしその同級生、自分の父親が男爵であることを必死に隠していたのですが、ついにクラスメートにばれて、その結果ついたあだ名が
「男爵いも」

たまらん、あだ名が男爵いもとか、たまらん。

第二次世界大戦で世界の枠組みが変わってしまったのでしょう。その結果、日本も変わってしまった、微妙に。あの終戦を境に断絶した日本があるのです。想像はしにくいのですが、世界が断絶するということはありえるのです。二つの人生を生きるということがありえるのです。

この二つの世界を生きる感覚というのは、うらやましい気がします。