「本が好き!プロジェクト」を通じて献本していただいた「父が子に語る近現代史」(小島毅:トランスビュー)。まずは、お礼申し上げます。

 実は、「近現代史」というといやな思い出がある。私たちが大学受験をしたころは、国立大学では、理系でも入学試験で、社会が1科目課せられていた。これを世界史で受験した訳であるが、のんびりとした田舎の高校だったせいかどうかは分からないのだが、最後は時間制約の関係で、授業では近現代のところはかなり端折られてしまった。それなら自分で勉強すればよいようなものだが、これまで入試にはほとんど近現代の部分は出ていなかったためほとんど準備なしに受験に臨んでしまったのだ。予想に反して、近現代の部分が出題され大いに慌ててしまう羽目になった。

 理系の入試では、社会のウエイトが小さいこともあり、幸いに合格はできたのだが、そのころから、どうも近現代史には、特別な感情を持ち続けているのかもしれない。「本が好き!プロジェクト」で献本募集を見ると、迷わず申し込んでしまった。

 内容は、表題のとおり、父が子供に語るような調子で、近現代史を分かりやすく解説していくというものだ。確かに、読んでいくと非常に分かりやすくするすると頭に入ってくる。しかし、気をつけないといけないのは、歴史は、多面的な方向から視る必要があるということだ。多くの歴史的事件は、単純にその原因を辿ることはできないだろう。そして、その評価についても光の部分と陰の部分があることを知っておかなくてはならない。

 一例をあげると、松平定信について、本書では「文武」を奨励して、家柄によらない人材登用制度への糸口を着けた人物として好意的な記述となっている。しかし、その一方、寛政の改革と言う、まったく経済と言うものを理解していないような極端な緊縮政策などにより、人々を苦しめたことには殆ど書かれていない。

 本書は、先に述べたように、簡単にすらすらと頭に入ってくる。しかし歴史と言うものは、覚えるものではなく、自分で考えるものだ。だから、一つの価値判断を与えるよりは、色々な考える材料が欲しいと思う。特に、これからの日本を背負う子供に語る時は、そのような配慮が必要ではないだろうか。

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