フランスの国際ニュース週刊誌「クーリエ・アンテルナショナル」と提携して、世界中のメディアの中から記事を厳選して翻訳・編集している、講談社の発行する「COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)」の2月号。

 今月号の特集は、「次のITライフ」だ。最近のIT技術の発展とそれに伴う新しいサービスの増加は目を見張るほどである。街を歩いていると、若者たちが、ケータイを使って、何かを夢中になってやっているのを目にする。最近のケータイは、カメラやテレビだけでなく、財布代わりにもなっているようだ。ケータイに限らず、通常のネット上でも、様々なサービスが出現している。しかも、その多くが「Free(ただ)」というから驚きだ。ITは、これまでのビジネスモデルをすっかり変えてしまい、私たちも、従来なら考えられなかったような多くのことができるようになった。しかし、余りにも変化の度合いが激しく、よほどこの方面に関心を持ってフォローしていないと、あっという間に浦島太郎になってしまうだろう。

 しかし、これだけ雑多なIT技術やサービスをフォローするのは、現実にはなかなか大変だ。だから、今回のような特集記事はありがたい。今月号で紹介されているのは、AR(拡張現実)技術、動画サイトの「Hulu」、音楽との出合い系サイト「Pandora」、ゲームのストリーミング「OnLive」、電子書籍の「Kindle」、ウイルスのように広がる「バイラル・ループ」といったようなITを活用した様々なビジネスモデルだ。聞いたことのあるものもあるが、私のように、この方面の住人ではない者にとっては、こんなサービスが出て来たのかと感心するものも多い。

 ただ、ITに限らず、ビジネスモデルというものは、栄枯盛衰、弱肉強食といったところがある。一時は話題になっても、いつの間にか消えていたり、前評判はよくても、商用サービスに入るとさっぱりだったという例はいくらでもあるだろう。こういったサービスが、今後どのようになっていくのかは極めて興味深い。

 もう一つ興味を引いたのは、「未来を変える世界の科学者10人」という記事。実は、この科学者たちの研究よりは、どのような基準でこの10人が選ばれたかの方に興味がある。確かに、「洪水に耐えるコメ」とか「切断された手足の再生」といった、誰が読んでも有用だと思えるものもあるが、「くっつきにくいチューインガム」などは、受け狙いのネタかなとも思ってしまう。「なんでもコピーする高速3D複製機」の記事には、欠点として「店に行かなくなり運動不足になってしまう」と書いてあるし、「炭素の排出量を正確に測定」の記事には、欠点が「測定用トラックは2台しかないため、ロビンは手いっぱい」と書いてあり、どこまでが本気で、どこからがユーモアなのかを考えるのもなかなか面白い。しかし、一見冗談のような研究から、非常に有益なものが生まれたりすることもあるため、今後、これらの研究がどのように発展していくかが楽しみだ。可能なら、ぜひ、続編を望みたい。

 なお、この号は、レビュープラスを通じて献本いたいたものです。お礼申し上げます。

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