フランスの国際ニュース週刊誌「クーリエ・アンテルナショナル」と提携して、世界中のメディアの中から記事を厳選して翻訳・編集している 「COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)」の3月号。

クーリエ・ジャポン3月号

 今月号の特集は、「『貧困大国』の真実」。病めるアメリカの現状を鋭く描きだしたものだ。かっては、アメリカと言えば、自由の国、アメリカンドリームの実現できる国としてあこがれる者も多かった。しかし今のアメリカは、色々なところで、病巣が噴き出している。この号で描かれているのは次のような現実。

○増え続けるフードスタンプの需給者
 アメリカでは、貧困のため、食費にも事欠く人のためフードスタンプ(食糧配給券)を支給しているが、この受給者層が過去最高に達し、更に1日2万人ものペースで増え続けている。なんと半数の米国民が、20歳になるまでに、少なくとも1度はフードスタンプを受けているという。

○医療保険制度の不整備
 アメリカでは、医療費が対GDP比の7分の1にも達しているが、民間企業が医療保険制度を独占しており、保険料も高騰している。貧しい人ほど、保険に入れず医療費が高くなったり、ジャンク保険に加入して、支払いを拒否されている。

○授業料の高騰による大学教育の崩壊
 アメリカでは、大学の授業料が高騰する一方、金融機関が学生への融資に慎重になっており、貧しい学生は進学を断念せざるを得なくなっている。名門大学も金持ちを優遇するような試験を実施している。

○民営化で加速する刑務所ビジネス
 アメリカでは、民営の刑務所が拡大してきており、受刑者たちが、市場価格よりはるかに高い部屋代や食費などを取られたり、「職業訓練」という名目で最低賃金以下の報酬で働かされている。


 我が国と比較すると、にわかには信じがたいような現実である。経済学の泰斗である宇沢 弘文氏は「社会的共通資本」と言う概念を提唱している。これは、医療,教育など、人間が豊かで文化的な生活を送れるような社会を維持するための「社会的装置」のことを指している。現在のアメリカは、これらの「社会的共通資本」の欠如が深刻で、過度の市場主義に毒されているように思える。そんなゆがんだアメリカの姿を、記事はよく描き出している。




 なお、この号は、レビュープラスを通じて献本いたいたものです。お礼申し上げます。

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