ドラッカーの『マネジメント』を高校野球部に応用したらという意外性が受けたためか、90万部を超える(2010.7現在)大ヒットを更新中の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海:ダイヤモンド社 )。




 主人公の川島みなみは、都立高校に通う女子高生だ。ある事情で、野球部のマネージャーをやることになったが、マネージャーの意味すら分からない。マネージャーとは何かを勉強するために買ったのが、なんと、経営書として有名なドラッカーの「マネジメント」。もちろん、ドラッカーと言えば、経営学の神様のような存在であり、普通のビジネスマンなら知らない人は少ないだろう。しかし、普通の女子高生であるみなみは、「マネジメント」が経営学の本だということは知らない。ただ、マネージャーという言葉だけで、ほとんど勘違いで選んだようなものだ。

 しかし、マネジメントとは組織を扱うもの。みなみは、「マネジメント」を読んでいくうちに、それが、野球部の活動にも応用できることに気がつく。ほとんど部活としての態を擁していなかった野球部だが、「マネジメント」の考え方で、みなみは次々に改革を行い、甲子園の道を走っていく。

 ドラッカーの「マネジメント」をモチーフにしていても、この作品は、やはりビジネス書というよりは小説だろう。 実は、私は高校野球には全く興味がない。特にあの丸刈りや精神主義が生理的に受け付けられないのだ。送りバントなどのパターン化された攻撃なども旧態依然としたものを感じる。しかし、そんな世界に、ドラッカーの精神を持ちこみ、イノベーションを引き起こしていくと言うのは、なかなか痛快ではある。おそらく、本当に野球部にドラッカーを応用してみてもこれほどうまくはいかないだろうが、ifの世界を楽しむものとしてはよくできているのではないだろうか。

 イラストのゆきうさぎ氏の「萌え絵」が作品にとてもよく合っているが、数が少ないのがちょっと残念だ。おそらくこのイラストがだいぶ売れ行きに影響しているのではないかと思う。しかし、気になるのは、いったいどんな読者層がこの本を買っているのかというところだ。さすがに、ある程度年齢以上のビジネスマンの守備範囲からは外れているだろうし、若者がドラッカーといっても、多くの者は、「それ誰?」という感じだろう。やはり、萌え絵つきの小説として、多くの者は、ライトノベル感覚で読んでいるのだろうか?

 ところで、ドラッカー、高校野球だけでなく、不祥事続きの相撲界にも適用してみたら面白いのではないかと思う。タイトルは、「もし相撲部屋の女将さんがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」だ。誰かに書いて欲しいものである。「どすこい!」


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(本記事は、「時空の流離人」と共通掲載です。)


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