鬼才荒木飛呂彦による、ジョジョシリーズ第8部に当たる、「ジョジョリオン」(集英社)の3巻目。主人公は、東方定助。地震によって、杜王町に出現した「壁の目」と呼ばれる隆起物付近に、記憶を失って埋もれているところを発見された。この名前も、引きとられた家で付けられたもので、本当の名ではない。彼は、自分が誰かを知りたがっているが、引きとられた東方家の主、東方憲助は、何か目的があるようだ。

 このシリーズでは、スタンドと呼ばれる特殊能力の持ち主が多く登場する。定助も、「ソフト&ウェット」といる、シャボン玉によって何かを一時的に奪うというスタンド能力を持っている。そして、定助が面倒を見るように言われた東方家の次女大弥もまた、人の記憶を奪う「カリフォルニア・キング・ベッド」というスタンド能力を持っていた。

 この巻は、前巻からの続きで、定助が、大弥のスタンド能力と闘っている場面から始まっている。どんどん記憶を奪われていき、完全な負け戦だと思われたが、定助は驚くような奇策を用意していた。争いが終わって、大弥は完全に定助に懐いてしまったようだが、これは少しまずいかも。定助には、広瀬康穂という協力者がいる。彼女も定助を気にしているようだ。もしかして、将来大弥との間で火花を散らす場面が出てくるのか(笑)。

 ところで、この巻では、東方家と吉良家の家系が明らかになる。これを見ると、やっぱり、第6部まではとは大分設定が変わっている。やはり、7部以降は、新たに設定し直した、パラレルワールドの物語だと思うと、少し寂しさがある。それにしても、定助が謎の敵に襲われたり、鍵を握っていそうな新たな登場人物が出てきたりで、ますますこれからの展開が楽しみになる。

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