構成学というのは、聞きなれない言葉だが、造形に関する要素(形、色彩、材料など)を洗いだし、それらを造形の文法に従って組み立てていくということ、すなわち美の原理を追求する学問である。すべての造形活動における活動原理であり、すべての芸術、デザインの基礎となるものだ。

 構成学の理念は、1919年に、ドイツのワイマールに開学した造形学校バウハウスで、体系化された。バウハウスの教育理念は、誰でも造形能力を持っており、訓練により、それを伸ばすことができるというものである。バウハウスでは、建築教育が最終目標だったが、造形のあらゆる分野で、工業化を前提にしたデザイン教育が行われたという。つまり、バウハウスで行われたのは、機能を徹底的に追求した製品開発なのだ。そこでは、装飾は否定され、形態はシンプルで幾何学的となる。

 本書は、5章から構成されている。まず第1章ではバウハウスで行われた構成教育の概要が、続く第2、3章では造形の要素と数理的秩序による美の原理が、第4章では暮らしに活かす構成学の具体例が語られる。そして最後に第5章で構成学の課題と将来展望を描いて終わる。

 構成学は、デザインを学ぶ人だけでなく、私たちが暮らしを彩るためにも役立つということが良く分かる。美のセンスは生まれつきのものではなく、学びとトレーニングを通じて身に付けることができるというのが、本書の教えるところだ。本書に書かれていることは、心の豊かな生活を送るためにも、知っておいて損はないだろう。


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