・プロの学び力
・清水久三子
・東洋経済新報社

 本の整理をしていると、奥のほうから出てきた本書。長らく積読状態にあったが、もったいないので、ざっと目を通してみた。

 まず引っかかったのがタイトル。「『プロ』ってなんのプロ?」読んでみると、著者はコンサルタントを仕事にしているということで、これはコンサルタントの勉強法のことらしい。しかし、コンサルタントがプロだといわれると「う〜ん」と思ってしまう。

 要するに、コンサルタントは、クライアントのニーズに応えるために必要な知識を仕入れることを、「常人の3〜6倍の速さ、場合によっては、1週間から10日ですることを求められる」(p3)ので、そのための勉強法ということらしい。

 このコンサルタントの学び方を説明するために、本書では冒頭で、「チャイルド・エデュケーション」と「アダルト・ラーニング」という概念を導入している。このあたり、やたらと新しい言葉を使いたがるコンサルタントらしいと思うのだが、前者は学生のお勉強、後者は社会人の学びということで、コンサルタントに必要なのは、もちろん後者の方だということだ。

 確かに読んでみると、学ぶためのロードマップを作ったり、会アウトプットが重要だといったりと、初心者には役立ちそうなことが書いてある。しかしそれで本当に「稼げる」かは疑問だ。

 しかし、そもそも、10日程度では、徹夜で勉強したところで、ごく表面的な知識しかインプットできないだろう。ある程度の実務経験がないと、どうしても浅薄なことしか言えないのではないか。本当に大切なのは、何かに精通したうえで、これをベースにして周りを関連知識で固めていくことだろう。

 コンサルタントが必要な理由は二つだろう。まず、サラリーマンという人種は、意外ときちんと勉強している人間は少ない。前例踏襲で、業務をこなしている例が案外と多いのだ。だから、表面的とはいえ、一応関連分野を勉強しているコンサルタントが役に立つこともある。

 もうひとつは、経営者側の問題である。外の人間から言われないと動こうとしない経営者って結構いるのではないか。本当はそんなことは社員のほうはとっくに知っているのに、言っても聞いてもらえないということはないだろうか。

 私自身は、直接コンサルタントと仕事をしたことはないが、他部門が雇ったコンサルタントの相手をしたことは何度かある。残念ながら、これまで、「この人はすばらしい!」という思いを抱いたことはなかった。なんでこんなの金払って雇ったんだというのが正直なところ。


 話が少し脱線してしまったが、本当にその道の「プロ」になろうと思ったら、長い時間が必要だというのは言うまでもない。そのような覚悟で、勉強法のテクニックのひとつであると思って読めばよいかもしれない。


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