ここ最近は仕事も落ち着き、時間が取れるようになってきた。
時間が取れるといっても終電で帰る日もあれば休日出勤をする日もある。
けれど、概ね仕事は落ち着いているし、仕事のペース自体は、おおよそコントロールが効く。

特に、休みの日はだいたい休むことが出来る。
一時の忙しさ(1ヶ月で休みが1日あるかないか)に比べれば、格段と自分の時間を持てるようになった。

忙しいのが嫌いというわけじゃないけど、自由な時間が増えたのは、とても良いことだと思う。 
 

時間のあるときは本を読むようにしている。
思えばここ数年、まともに本を読むことがなかった気がする。
新刊もあまり買わないし、買っても本棚にしまいっぱなし。
埃をかぶらせ、忘れてしまう。ブックカバーなんてつけてしまえば、その本のタイトルだって忘れてしまう。

そんな時間を取り戻すように、ここ最近は貪欲に本を読んでいる。
ただし、ミステリ小説はさっぱり。どうしてか、あまり読む気がしない。

昔読んだ本を読み返すことが多い。
例えば『川の深さは』を最近読み返した。当然のごとく面白かった。
記憶は薄れていたけれど、私にとってこの本は、非常に思い入れのある本だったというのもある。

そして『ねじまき鳥クロニクル』も読んだ。
これは、村上春樹氏の新刊が出るというので、リハビリ的に読んだ。やはり面白かった。
落ちは忘れていたけれど、概ね覚えていた。何しろたぶん、これで3度目か4度目に読む本だから当然といえば当然のことだ。

そして先日、ようやく新刊が発売された。
まだ読んでいる途中だけど、大変面白い。おそらく今日明日には読み終えてしまうだろう。

さて、それはそれとして、最近は音楽もよく聞くようになった。
聞くのは主にクラシック。別段詳しいわけでもないので、知っている有名曲のCDを買ったり、オムニバス形式のCDを買ったりする。

ヘッドフォンアンプを通し、そこそこ値の張るヘッドフォンを使い、クラシックを聞く。
違いなんてわからない。でも多分、良い音なのだろう。そうでなくては困る。
けれど違いは、やっぱり私にはよくわからない。別に聴き比べたこともない。

クラシックを聞きながら、本を読む。安らかな休日の昼下がり。
窓からは少し寒い風が入ってくるから、コーヒーを淹れる。少し冷ましてから、やけどに気をつけて飲む。

そうしていると、知らぬ間に時間が過ぎていく。このタイミングでカップ麺を作っていたら、確実に失敗するだろう。
まさに時間は相対的だ、などともっともらしい事を考えながら、もう冷たくなったコーヒーを流しこみ、タバコに火をつける。

これを繰り返していると、やっぱりいつの間にか日が暮れ、夜が訪れる。おなかが減ることで、だいたいそれに気がつく。
食事は外で済ませたり、何かを買ってきて適当に済ませる。こだわったものは作らない。茹でたり焼いたりするだけだ。

夜もやはり、クラシックを聞きながら本を読む。窓は開けっ放しで、随分と冷え込んでくる。
熱いコーヒーを飲み、ジャージを重ね着し、暖を取る。時々、タバコに火をつける。


優雅だ。あまりに優雅な休日だ。


少なくともそれは、私にとっては優雅に思える休日だった。
これでいいのだろうか?
私のような、人間の底辺に位置している存在が、果たしてこのように優雅な休日を過ごしていて許されるのだろうか。

だいたいにおいて、クラシックを聞きながら本を読むなんていう行為が鼻につくのだ。今風に言えば激おこぷんぷん丸だ。
だんだんと、私のような人間が、そういうことをしていてはいけないような気がしてきた。

だから、ちょっとした挑戦心といたずら心で、アダルトビデオを見ながら本を読むことにしてみた。
ちょうどいい事に、私の部屋にはその手のDVDがいくつかある。いやもっとある。たくさんある。いやそんなことはない。普通だと思う。

喘ぎ声を聞きながら本を読む。小説の中では主人公が完全な勃起を経験していたけれど、特に性欲は生まれない。
女優は綺麗だったし、男優もこれといって邪魔をしない映像だった。
それは本を読むにはうってつけのアダルトビデオだったかもしれない。

激しくなる嬌声を、ヘッドフォンアンプを通し、それなりに値の張るヘッドフォンで聴き続ける。
荒い吐息を、ヘッドフォンアンプを通し、それなりに値の張るヘッドフォンで聴き続ける。ただし違いはわからない。

男優が女優に精液をかける。私は本のページを手繰る。キリが良い所で栞を挟み、映像を一時停止し、トイレにいく。
戻るついでにコーヒーを入れなおし、栞を外し、映像を再開し、揺れる二人分の体を目の端にいれながら文字を追う。

たっぷり1時間も過ぎた頃、飽きたのでアダルトビデオを見るのをやめた。
いくらうってつけと言っても、本を読む友として、アダルトビデオは、おおよそにおいてクラシックより適切ではなかった。
だってうるさいから。



でもこうして、アダルトビデオは、私に文章を書かせる決意をさせてくれた。
そして、なんというか、こんな大人になっちゃいけないと思わせてくれてた。
具体的に言うと、休日にAV見ながら本読んで、それをネタにブログを1年半ぶりに更新してしまうような大人には。



私が生きている限り、このブログが更新されることはもうないだろう。
けれど記念に、残しておくとしよう。
どうせ更新することはないと言いながら、暇ができたらまた更新するし。

それでは、またの日を。