2006年04月03日

■カーナビーツ「ファースト・アルバム&モア」 - アイ高野氏を偲んで

カーナビーツ・ファースト・アルバムカーナビーツのドラム&ボーカルであり、カーナビーツ解散後は、ゴールデンカップスやクリエーションにも在籍したアイ高野さんが、心不全のために亡くなった(公式サイト)。
55歳と言う若さと、2週間ほど前にNHK-BSで唄っている姿を見てただけに、その急な死に驚いている。
そんな高野氏への哀悼の意味を込めて、カーナビーツの1stにボーナストラックを満載した「カーナビーツ・ファースト・アルバム&モア」を紹介したい。

やはり、このアルバムの中で耳をひくのは「好きさ 好きさ 好きさ」。
ゾンビーズの「I LOVE YOU」の日本語カバーなのだが、漣健児による絶妙な訳詞に、アイ高野がドラムスティックで前方を指差しながら「♪お前のすべてぇー!」と唄うアクションも含めて、カーナビーツの代表作と言える1曲。
ゾンビーズのオリジナルとアレンジや音像を比べてみると、個人的にはカーナビーツの方が好きだな。

そして、特筆すべき楽曲は、海外のガレージコンピにも収録されていると言う、「裏」代表作「すてきなサンデイ」。
ポップなメロディーに、ファズ・ギター全開のリフが絡み合う、ガレージ・モードのカーナビーツの決定版。
自分は、この曲を聞いて、グッとカーナビーツに引きつけられたのは、間違いない。

その他にも、このアルバムには、同時代のビートバンド〜ガレージバンドの雰囲気に満ち満ちている、魅力的な曲が多く収録されている。
すぎやまこういちが作曲した、「チュッ!チュッ!チュッ!」は、ビートルズの「Paperback Writer」的な激しいリフとビートが印象的なガレージ・ナンバー。
カナダのマイナーバンド、グレイト・スコッツのカバー「お前に夢中さ」なども、イントロからゴキゲンで、張りのある臼井のボーカルがキマっている。
彼らの2ndシングルだった「恋をしようよジェニー」も、「好きさ 好きさ 好きさ」を継承するようなマイナー調のロック・サウンドが心地良い。
ゲイリー・ウォーカーの「トゥインキー・リー」も、ファズ・ギター全開のギターソロなど、ガレージ度高めでカッコイイ1曲。

ガレージ・サウンド的な側面以外でも、デイヴ・ディー・グループのカバー「オーケイ!」などは、親しみやすいメロディーとモッチン(=アイ高野)の可愛らしいボーカルが(当時16歳!)なかなか楽しい。
その他、「アナベラ」、「夕陽が沈む町」、「吹きすさぶ風」と言ったのマイナー調の曲も、あくまでも「ロックバンド然」としている部分がカーナビーツのカッコ良さか。
ゾンビーズの「She's Not There」を、ノン・キーボードでカッコよくカバーしていたり、ボビー・ヘブの「Sunny」も、リズム隊が全面に出たロック風なアレンジにしていたり、さりげない所でカーナビーツらしさを感じさせてくれる。
その他ビートルズの「Sgt. Pepper's〜」と「Get Back」のカバーも収録(このアルバムに入ってないが、彼らには「O-b-la-di O-b-la-da」の日本語カバーもある)。

改めて、ドラムを意識してカーナビーツを聞き直してみたが、キース・ムーンに影響を受けたと言う、パワフルなドラミングと、絶妙なオカズがかなりカッコ良く、アイ高野というドラマーが、カーナビーツ解散後も様々なバンドを渡り歩けたのも、基本的な部分がしっかりしていたからなのだろう。
ボーカルの面を見てみても、モッチンの線が細いながらも味のあるボーカルと、臼井の張りのあるボーカルとが、上手い具合に使い分けられていて、そこら辺もカーナビーツの魅力の一つだったんだろうなぁ、と再認識。
しかし、アイ高野氏の死に触れて、再びカーナビーツの魅力を認識するなんて、皮肉なもんだ。
ご冥福をお祈りします。  

Posted by magical_pop at 23:37Comments(0)TrackBack(0)