2006年01月14日

■L⇔R「Land of Riches」

6226b862.jpgさてさて、L⇔Rはまだ続く。
と言うワケで、ポリスター時代最後の作品となった4枚目のアルバム「Land of Riches」。

このアルバムで一番L⇔Rらしいポップソングは、先行シングルになった「君と夏と僕のブルージーン」だろう。
黒沢健一なりにアメリカン・ポップスを昇華させた初期L⇔Rを代表する曲の一つ。
こういう、甘くて切ないポップソングを書く事が出来たのが、この頃の黒沢健一のソングライターとしての魅力の一つだったと思う。

メロディーメーカー黒沢健一、という点で言えば「EQUINOX」と「Red&Blue」と言う2曲のバラードも欠かせない。
「EQUINOX」は、当時レコード会社の移籍の問題などもあり、プロデューサーである牧村氏が手がけた詞が、自分たちのレーベルを離れる事になるL⇔Rと言うバンドに対して送ったメッセージだとも言われている。
ピアノとストリングスの美しい調べに、健一の切ないボーカルが印象的。
「Red&Blue」も、冬の風景を歌う切ないメロディーの1曲。
「EQUINOX」と同じ状況を意識すると、別れを彷彿とさせる歌詞が物悲しい。
そして、「EQUINOX」はビーチボーイズのブルース・ジョンストンが起こしたレーベル名から、「Red&Blue」はデイヴ・クラーク・ファイヴの曲名からタイトルを引用している点も、当時のL⇔Rらしさを感じる。

そういう面がある一方で、このアルバムでは、ハードなサウンドも展開。
アルバムのオープニングナンバー「Land Of Riches 1」は、スペンサー・デイヴィス・グループの「I'm A Man」のようなオルガンのフレーズが曲を引っ張るロックナンバー。
「Can't Sit Down」は、当時のレーベルメイト、スパイラル・ライフと共演を果たしたR&Rインスト。
秀樹、石田、車谷の3人のギタリストによる、三者三様のギターソロが堪能できる。

他にも、後にエレクトロニカに突入する嶺川の萌芽を感じる「Circling Times Square」や、90年代のホットロッドをやろうとしたという「Cruisin 50-90's」、ハーパース・ビザールなどのバーバンク・サウンドをL⇔R流に解釈したような「遊園地」など、様々なタイプの曲が詰め込まれている。

このアルバムを発表したあと、ポリスターと言うレコード会社を離れる彼らだけれど、自分としては60'sへの憧憬を素直に表現していたこの時代の方が、「L⇔Rらしさ」が思い切り出ていた時代ように感じるし、自分でも好きな曲が多い。
自分以外の人がどう思っているか知らないが、このアルバムまでのポリスター時代が、やはりL⇔Rの黄金期と言ってしまってもいいような気がする。

1968年夢の海岸物語または音楽史さんで触れられていたように、L⇔Rのレコード会社移籍と言うのは、後々に色々と影響を及ぼした出来事だったんだな、と思うと、なんだか切なさを感じる面もある……。  

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2006年01月08日

■L⇔R「Lost Rarities」

Lost Raritiesまだまだ続くぜ、L⇔R第3弾。
って、誰が望んでるのか分からんが、書いてる自分が気持ちいいから、まだまだ続く。

この「Lost Rarities」は、4曲入りのデビューミニアルバム「L」に、新曲やリミックスなどを加えた再編集盤。
曲間をラジオジングルのような曲で繋ぎ、一つのラジオショー的に構成していて、「L」+αと言うだけでない雰囲気に仕上がっている。
ジングルで曲感を繋ぐ構成は、The Who の「Sell Out」をヒントに作られたのかな?
ちなみに、L⇔Rは一時期のオールナイトニッポンのジングルを担当していた事もありました(そのジングルが、レアトラックスとかでCD化されないだろうか……無理かな……)。

夏前にリリースされたこともあって、ジャケットの雰囲気も夏っぽさ満載。
「Bye Bye Popsicle」などは「Crusin' Mix」というリミックスまでも入っていてリゾート気分(とか言いながらも「Northtown Christmas」が2バージョン入ってるけど……)。

先行シングルになった「恋のタンブリング・ダウン」は、「Lazy Girl」や「Bye Bye Popsicle」といった流れをくむ初期L⇔Rを代表するポップソング。
キャッチーなメロディーに、爽やかなコーラス、大サビの鮮やかな転調など、L⇔Rポップスの魅力がギュッと詰め込まれている。

そしてシングルでは「タンブリング・ダウン」のカップリングだった「君に虹が降りた〜Raindrop Traces」も名曲。
「♪ 机に彫るイニシャル 君の撮ったフォトグラフ 想い出の夏休み」と言うフレーズが、過ぎ去る夏に過ぎ去る青年期を重ね合わせているようで、ジンとくる。
タイトルの「Traces」は、クラシックIVの曲から引用したと言う通り、サウンドの方も、ソフトロックな音作りで、世のソフロ・ファンにも評価してもらいたい曲。

それから、L⇔Rのロックンロールサイドを語る上で欠かせない「I LOVE TO JAM」。
このアルバムでは、1分30秒ほどの短いナンバーではあるけれども、ライヴでは、ギターソロが追加されるなど、かなりカッコイイ、ドライヴ感溢れるロックンロール(ライヴバージョンは「Live Recordings 1994-1997」に収録)。
ライヴで聞いた、デイブ・クラーク・ファイブのカバー「Good Old Rock'n'Roll」とのメドレー攻勢は良かったなぁ。

その他、「Lefty in the RIght」に収録されていた「Bye Bye Popsicle」「Package」「Love Is Real?」のバージョン違いや、切ないクリスマスソング「Northtown Christmas」、ポップなR&R「A GO GO」も収録。
再編集盤ながらも、L⇔Rの魅力を分かりやすく伝えてる1枚かな、と思えるアルバム。
  
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2006年01月07日

■L⇔R「Lefty in the Right〜左利きの真実〜」

lefty in the right「Laugh + Rough」について書いたら、やっぱりL⇔R熱に再び火がついた!
ってことで、L⇔Rの1stアルバム「Lefty in the Right」。
自分がL⇔Rと最初に出会った、想い出のアルバムであります。
当時、彼らがやっていたFM番組「L⇔R MONDAY STEREO MAGIC」で、このアルバム収録の「Lazy Girl」を聞いて、即座にレコ屋に走ったと言う1枚。

そんなL⇔Rの代表曲の一つ「Lazy Girl」。
イントロでは、フォーシーズンスの「Walk Like A Man」のドラムをサンプリングし、バースの部分ではロイ・オービソンの「Pretty Woman」もチラつくなど、オールディーズのファンにも評価が高い1曲。
そして、アウトロでは、The Who の「Sell Out」からのサンプリングがあるなど、60'sポップへのオマージュがたっぷり詰まっている。
だからと言って60'sポップからの引用の嵐、というワケではなく、L⇔Rならではのポップワールドを形成していて、ライヴでは初期から後期にかけて人気のあるナンバーだった。

そんな「Lazy Girl」と双璧をなすポップソングが「Bye Bye Popsicle」。
ポップスターへの皮肉を含んだ歌詞とは裏腹に、L⇔Rのめくるめくポップワールドが体感できる1曲。
間奏で挟み込まれる、ラスカルズの「Rainy Day」が、とても効果的で、この曲の印象を更に華やかなものにしている。
「L⇔Rってどんなバンド?」と聞かれたら、この「Bye Bye Popsicle」と「Lazy Girl」を聞いてもらえれば分かるだろうな、と思えるような、バンドを代表する1曲。

そして、L⇔Rのロックンロールサイド支えるのが「Motion Picture」。
本人たちも指摘していたように、デイブ・クラーク・ファイブのラウドなナンバー「Anyway You Want It」を下敷きにしたような曲で、ポップなロックンロールを展開した1曲。
ライヴだと、更にエネルギッシュな演奏になり、ライヴ映えのする曲だった。

そして、肝の1曲が「Love Is Real?」。
転調に次ぐ転調が、不思議な印象を残すナンバーで、黒沢健一の中期ビーチボーイズ(=ブライアン・ウィルソン)へのリスペクトが現れた曲と言えるかもしれない。
当時、この手の曲を演奏しているグループが日本に無く、デモテープを聞いたプロデューサーが、「作品として残すべきだ!」と思い立ったのがデビューへのきっかけとなったと言う話。
この曲もライヴで聞くと、更に味わい深かった。健一の歌の上手さが光る曲だったし。

個人的な話をすると、自分は、このアルバムに収録の「Lazy Girl」と「Bye Bye Popsicle」に頭を打ち抜かれて(当時19歳)現在に至るって感じで、ある意味で自分の音楽ライフの基礎を作り上げたのがL⇔Rだったと言って過言ではない。
やっぱり「渋谷系」の諸氏とはちょっとズレた「60's指向」が、自分のフィーリングとあっていたんだろうな。
その後、マージービートにハマり、モッズにハマり、オールディーズにハマり、ソフトロックにハマり、とその手の音楽を聴く基礎になったのは、このL⇔Rというバンドがいたからこそだろう。
現在では、当時の4人はそれぞれの活動をしているワケだけれども、あの頃にこの4人が集まって作り上げた「ポップスのマジック」は、未だに自分の中に生き続けているように思う。  
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■L⇔R「Laugh + Rough」

Laugh and Rough年末から1968年夢の海岸物語または音楽史さんで、L⇔Rについて書かれているのを読んでいたら、L⇔R熱が再燃。
やはり、自分の音楽ライフを考える上で、彼らの存在は欠かせない存在だと思うし、極論すれば、彼らと出会っていなかったら、今の自分は無いといってもいい。
自分の中で、L⇔Rと言うバンドは、そう断言できるほど重要な存在であって、今の自分の60's指向が強い側面と言うのは、彼らの音楽性が元になって養われてきたのだと思う。

そんなワケで、自分が一番好きなL⇔Rの2ndアルバム「Laugh + Rough」。
当時のメンバーは、黒沢健一(Vo&G)黒沢秀樹(G&Cho)の黒沢兄弟と、リーダーの木下裕晴(B&Cho)に紅一点の嶺川貴子(Key&Vo)を加えた4人。
プロデュースは、元四人囃子の岡井大二が手がけ、自らスティックも握っている(L⇔Rのライヴツアーに参加した事もある)。

まず、アルバムを通して聞くと、先行シングルでもあった「(I Wanna) Be With You」が、究極のポップ・チューンとして強い印象を残す。
メロディーラインが素晴らしいのはもちろん、コーラスやストリングスのラインなど、ポップスとして非の打ち所がない。
この曲は、ポップグループとしてのL⇔Rの金字塔であるのは間違いない。

ほかにも、黒沢兄弟がエヴァリーブラザーズばりのコーラスを聞かせる「Baby Back」やバーズのアルバムからタイトルを引用した「Younger Than Yesterday」なども、L⇔Rのポップサイドを語る上では欠かせない曲であるし、「Rights And Dues」のように、ギルバート・オサリバン的なメロディーを「Magical Mystery Tour」風に味つけしたような(?)ポップスのエッセンスをギュッと詰め込んだナンバーまである。

そして、嶺川貴子が、ボーカルを初めて披露した「In My Room」は、ビーチボーイズの同名曲というよりも、「Meant For You」や「Wonderful」などの中期ビーチボーイズの雰囲気を伝えてくれる1曲。

そういうポップな曲がある反面、「What "P" Sez?」や 「One Is Magic」では、ワイルドなロックンロールを見せるなど、L⇔Rと言うグループの多様性を十二分に感じさせてくれるアルバムになっている。
ちなみに、このアルバムに収録されている「I Can't Stand It」と「Pumping '92」は、デイヴ・クラーク・ファイヴのカバー。
初のカバー・ソングが、デイヴ・クラーク・ファイヴという点にも、L⇔Rらしさを感じてしまう。

「Laugh So Rough」という曲をイントロとアウトロに使って、トータルアルバムっぽさを作り出しているのも、なかなかイイ演出だし、どの曲をとってもメロディーがいい。
ジャン・フィリップ・デロームの手によるジャケットもシャレているし、42分と言う短い時間ながらも「アルバム」と言う手触りが感じられるのが、何と言っても素晴らしい。

と、このアルバムに関しては、幾らでも語り続けそうなので、今回はこの辺で……。
って、この勢いのまましばらくL⇔Rシリーズ続けるか???  
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2005年11月20日

■The Shamrock「five - 僕がいた夏」

c9c8c2ed.jpg高橋一路と山森正之の二人によるユニット、シャムロック
彼らが、ポニーキャニオンに残した最後のシングル「five-僕がいた夏」。
フルートをフィーチャーしたイントロ、ポップで爽やかなメロディーライン、グルーヴィーにハネるリズム、シャムロックのポップ・サイドの集大成とも言えそうな出来映え。
EPIC ソニー移籍後は、アシッド・ジャズ的なテイストを取り入れたナンバーを連発する彼らだけれど、そう言う雰囲気を漂うわせながらも、city pop 風の軽やかなナンバーに仕上げている点に好感が持てる。

カップリングの「微笑みの瞬間」は、なぜか作詞に吉田美奈子が参加している曲。
ボーカルをとった、ジェフ(山森)らしい、ちょっとノスタルジーを感じさせてくれるポップソング。
後にオレンジズを結成するジェフならではの曲、と言ってもいいかもしれない。
「five」とは対照的な雰囲気ながらも、こっちの曲はこっちの曲で魅力的。

それにしても、「five」がシングルのみのリリースというのは、少々残念。
自分も、中古盤屋を長年探し歩いてようやく手に入れられたものだったし(アルバムは比較的よく見かけるのだけど)。
今後、シャムロックの再評価が高まって、シングルベストのリリース……なんてことはないだろうな……。  
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2005年08月27日

■ザ・コレクターズ「Biff Bang Pow」

c552a5a5.jpgコレクターズによる、新旧モッド・ナンバーの日本語カバー集。
アルバムタイトルは、もちろんクリエイションの代表曲から。
最近、モッズ系の音(特にネオ・モッズ系)は、聞いてなかったけど、久々に棚の奥から色々とCDを出して聞きたくなったアルバム。
1曲目が、シークレット・アフェアーの「Time For Action」ってのも、カッコイイ。
アクションの「I'll Keep Holding On」のイントロが流れてきた時、なぜだかゾクゾクした。
マートン・パーカスの「Give It To Me Now」も、カッコ良かったな。
他にも、スモール・フェイセス、ザ・フーと言った往年のバンドはもちろん、ザ・バイク(コレクターズの前身バンド)やマジェスティック・フォー(コレクターズの変名バンド)までフォローされてるのは、驚いた。
つーか、こういうストレートなロック・アルバムを、コレクターズのオリジナルでも1回やってみてくれよ、ってなことですよ。

そう言えば、コレクターズって、バンド結成20周年?
やっぱ、リスペクトしまくりのバンドですよ、自分にとって。  
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2005年07月15日

■健'z with Friends「健'z with Friends」

4c1d4c84.jpg黒沢健一、萩原健太の弾き語りユニット「健'z」に、曽我泰久(ザ・グッバイ)、高田みち子を迎えて制作された、健'zの2ndアルバム「健'z with Friends」。
with Friends が加わった分、コーラスのハーモニーが加わって、表現に厚みが増した。
1曲目の「Surf's Up」を聞いただけで、with Friends 効果がハッキリと現れてたように思う。
やっぱり、ビーチボーイズのカバーは、ハーモニーあってこそ、って感じがするので、with Friends になってこその選曲かな、と。
やっちんとみち子さんが加わったおかげで、選曲にも広がりが出てきたようだし、今後も色々とカバーを聞かせて欲しいな(CRTのチケットは、いつも取れないけど(泣))。

ところで、横浜のHMVで買ったら、握手会のイベント券もらったんだけど、どうしよう?
30過ぎた男が、健一とやっちんと握手するべき?  
Posted by magical_pop at 01:34Comments(0)TrackBack(0)