雲が行くまで待とう

音楽(8割がたクラシック音楽)と本を中心にしたブログです。あらすじの紹介はあまりしていません。 なお、以前に別のブログから引っ越して来たり最近ブログのURLを変更したりしたため古い記事内のリンク先URLがエラーになってしまいます。申し訳ありません。

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更新情報

ディケンズの「オリヴァー・ツイスト」を読む。 加賀山卓朗訳(新潮文庫)。人物造形が巧みで、特に悪人たちの姿が真に迫っている。サイクスがナンシーを手にかけそのあと逃げ惑いさまよい歩く一節など一気に読んでしまった。大した力量だと思う。この人の根底にあるのは怒り

「ドン・キホーテ」についてもっと勉強するため、岩波文庫版の訳者牛島信明による「ドン・キホーテへの旅」を読む。作者セルバンテスの生涯を紹介し、小説「ドン・キホーテ」の構造やパロディーとしての意味合いを説き、ドン・キホーテとイエス・キリスト、松尾芭蕉、フーテ

セルバンテスの「ドン・キホーテ」を牛島信明訳の岩波文庫で読む。この本を原典できちんと読んでおきたかった。これは実に面白い小説だ。学識が深くきわめて理知的論理的でありながら、こと話が騎士道物語になった途端に頭のタガが外れて現実と虚構との区別がつかなくなるド

ヒラリー・ハーンが独奏するモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」のディスクは素晴らしい。ハーンの演奏はいつも推進力に満ちている。音楽が決して停滞することがない。また、この人の演奏の精度の高さには驚くほかない。狙ったところに寸分の狂いもなくぴった

ベルトラン・ド・ビリーがバイエルン放送交響楽団を指揮した「ラ・ボエーム」のディスクを聴く。この演奏は冒頭からどの音にも生命感がみなぎっている。目が覚めるような名演だ。アンナ・ネトレプコとローランド・ヴィラゾンと言う大物二人が主役をつとめているが、二人が登

ゲルハルト・ボッセが神戸室内合奏団を指揮したバッハのブランデンブルク協奏曲のディスクを聴く。2011年3月10日、神戸での実況録音盤。驚くべき高水準の演奏だ。ゲストプレーヤーとして参加しているソリストたちの達者なこと。どのソロも説得力があり、おもわず引き込まれる

エーリッヒ・ケストナーの「飛ぶ教室」を丘沢静也の訳で読む(光文社古典新訳文庫)。菅野美智子の本に1930年ごろのドイツのギムナジウムの雰囲気をよく伝える本として「飛ぶ教室」が紹介されていて、さらにケストナーが反ナチスの立場のために執筆禁止処分を受けたり逮捕さ

菅野美智子「雨の歌 ゲルハルト・ボッセ、その肖像のための18のデッサン」を読む。ヴァイオリニストおよび指揮者として活躍したゲルハルト・ボッセの歩み、人となり、芸術を、未亡人である筆者がまとめた本。筆者はあえて年代順に記述していない。年代が前後する文章を読み

スタン・ゲッツのディスク"Stan Getz in Warsaw"を聴く。ワルシャワでの演奏を収録したもの。彼のワルシャワ初訪問の時に当地のミュージシャンたちとホールで収録したものと、その後自分のカルテットと演奏旅行した時のライブ録音と言う2つの音源を一つのディスクにまとめて

「孤島」と言う題名の本をずっと探していた。大学2年生の時にフランス語の授業でテキストに使われた本だった。著者も教えてくださった先生のお名前も覚えていない。記憶にあるのはLes Îlesと言う原題と「孤島」と言う日本語の題名ばかり。これでは一般的すぎてインターネッ

大隈重信の自伝をきっかけに、福翁自伝を再読する。封建制度の中で下級武士の家に生まれ、何百年経っても家老の子は家老足軽の子は足軽、と言うのに嫌気がさして西洋化を通して自らの道を切り開こうとした点は二人に共通しているが、政治の中枢にいた大隈と宮仕えをしようと

"Into the Grey Zone"がとても面白かったので、他の医師による本にも興味がわき、心臓外科医スティーヴン・ウェスタビーの回顧録"fragile lives"を読む。心臓外科医が扱うのは重い心疾患の患者ばかりで、手術はやり直しも後戻りも許されない。そもそも心臓にメスを入れる手術

南米文学を何も読んでいないのはいかんと思い、バルガス=リョサの「緑の家」を読む(木村栄一訳、岩波文庫)。最初はどう読んでよいか皆目見当がつかなかった。訳者あとがきにある通り、この小説は五つのストーリーがお互いに関連して語られ、「その際作者はそれぞれの物語

大隈重信の自叙伝を岩波文庫版で読む。この人の場合、生まれ育った佐賀藩の教育が朱子学一辺倒で、誰かれなく同じ基準に押し込めようとすることへの反発がその後の出発点になっているようだ。さらに、自分の家の身分が高くなかったのでどうがんばっても状況は変わらないと言

ジェラルド・ムーアの「お耳ざわりですか」を再読する(萩原和子、本澤尚道共訳、音楽之友社)。伴奏ピアニストとして世界的な名声を博したこの人の、他の演奏家についての記述は実に面白い。今回はソロモン、キャスリーン・フェリア、ディートリッヒ・フィッシャー=ディー

オットー・クレンペラーが指揮するベートーヴェンの交響曲第1番のディスクを聴く。オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団、1957年の録音。久しぶりにこの演奏を聴いて、クレンペラーにとってオーケストラの弦楽器群の響きが「基準点」になっていることが分かった。クレンペ

辛島デイヴィッドの「Haruki Muakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち」を読む。村上春樹が海外で注目されて行く過程を、翻訳者や編集者へのインタビューを通して明らかにしてゆく。村上作品に魅せられた翻訳者たち(この本では主としてアルフレッド・ターンバウム

デイヴィッド・ロッジの「絶倫の人 小説H・G・ウェルズ」を高儀進先生の訳で読む(白水社)。「宇宙戦争」「透明人間」「タイムマシン」などの作品で知られるH・G・ウェルズの生涯を追った小説で、ロッジの作品としては「作者を出せ!」と同じく、実在の人物の姿を描く作品

雑司が谷のタンゴ・バー「エル・チョクロ」でTangueros Articos(タンゲロス・アルティコス)と言うグループの演奏を聴く。メンバーはヴィッレ・ヒルトゥラ (バンドネオン)、ヤンネ舘野 (バイオリン)、中山育美 (ピアノ)、 長谷川順子 (コントラバス)の皆さん。舘野

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