2005年06月22日

火星の夕焼けは青い。では金星は?


NASAは、火星探査車スピリットの高解像度カメラが撮影した火星の夕暮れの画像を公表しました。
写真は先月の19日に撮られたもの。

スゴス(・ω・;)夕日その1

火星の夕日って青かったんかー
テラカッコヨサス
その2










さてなんで青いのか、
まず地球の夕焼けが赤くなるメカニズムと比較し考えてみよう。


空が青いのも、夕焼けが赤いのも光の性質によるものです。
そこで光の性質についてちょっと勉強してみた。

そもそも太陽光は赤や青のほかに黄、緑、紫など他の色も全部含んでいるので真っ白に見える(ハズ)。我々にはそれらの光が反射して眼に写ったものが見えている。反射されずに全部の色の光が物体に吸収されると真っ黒に見える。
で、光は赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順に、700〜400nmの波長をもつ。

スペクトル



ここで光の大事な性質である散乱について記述しておきます。
先ほど物体に吸収されずに反射した光が眼に見えると述べましたが、この反射は光の波長よりも大きい物質に当たったときに起こるのであり、光よりも小さい物質に当たるとそのとき散乱が起こります。

例えば700nmより大きい物質に赤の光が当たると反射し、物体の色が赤く見えます。しかしそれよりも小さい物質に当たったならば散乱が起こり、その結果物体の色である赤は見えなくなってしまいます。
これが反射と散乱の違いであるようです。

同じ理由で大腸菌などは光の波長より大きいので光学顕微鏡で見ることができます。しかし、インフルエンザウイルスなどはそれよりも小さいため散乱し見ることができません。インフルエンザウイルスを見るためには電子顕微鏡が必要となります。

↑このメカニズムには割と感動しました。
光学顕微鏡と電顕の違いってそういうコトやったのね(・∀・)b


さてこの散乱が空の青、夕日の赤を生み出しています。
物質が光の波長より小さいときに起こる散乱をレイリー散乱と呼びます。
調べてみたところ昼間空が青いのは、空気中にある酸素分子や窒素分子により青い光のレイリー散乱が起こっているためであると言われていました。
しかしここで疑問に思うのは、青以外の光はどうした?ということです。冒頭で太陽光は全ての波長の光が集まっているので白色であると述べました。
地球に届く光にはもちろん青以外も含まれている。


だったら、青以外もレイリー散乱するんとちゃうんかい!?


理由は分かりませんが、どうも光は波長によって散乱光の強度が違うようです。青色の光は赤の光の10倍散乱されるらしいです。このため最も散乱される青い光が昼間の空の色を作り出しているのだと理解しました。

夕日が赤いのも同様にレイリー散乱によるものなのですが、これは太陽がお昼に真上にあるときにくらべ、西の空に沈むときのほうが遠くなっているために起こる現象です。
というのも、遠くで起こった青色光のレイリー散乱はこちらまで届かないため、結果的に最も散乱の少ない赤色光が我々の目に届くからです。


さて前置きが長くなりましたが、ここからが火星の夕焼けについての考察です。
火星の大気成分はなにがもっとも多いのでしょう?
分からないときはなんでもGoogle、そして[教えて!goo]に聞いてみましょう。

組成














どうやら最も多いのは二酸化炭素(95.2%)であるようです。次に多いのは窒素(2.7%)です。地球のN2 (78 %)、O2 (21 %)とはだいぶ違いますね。
火星の重力は地球の38%しかないため、空気などよりも比重の重い二酸化炭素・窒素などがわずかに留まっている程度です。
最も多い気体がN2である地球にくらべ、CO2が主成分である火星は粒子の粗い大気組成であるのかもしれません。そのためレイリー散乱は赤い波長のほうで最もよく起こるのではないかと考えられます。
これが火星を赤く見せているのではないでしょうか?裏を返せば、夕焼け時には最も散乱されなかった青い光が見えるようになるに違いない。たぶん。

とmagicbusは考えました。が、どうだろう(´・ω・`)?


ここまでくると、地球をはさみ火星とは反対側にある金星の夕日を考えてみたくなってくる。

金星の大気組成は、CO2 (96 %)、N2 (3.5 %) 、SO2 (0.015 %)と火星とほぼ同じ。
しかし、金星は地球よりも太陽に近く,地球の約2倍も強い太陽放射を浴びています。地表の温度は摂氏400度以上もあるらしい。

太陽の光が近づくと、光の波長と同じかもっと大きな粒子があれば、レイリー散乱とは違うミー散乱(Mie Scatterling)が起こります。塵、花粉、煙、水蒸気などです。ミー散乱は、レイリー散乱とは異なり、波長の長い赤い光をよく散乱します。
火山の噴火による火山灰の大きさは、光の波長と同じぐらいの500-800 nmで、ミー散乱で赤く見えます。


そうならば金星の大気中には粉塵が沢山あるんかいな?

現在、太陽系で活火山が確認されているのは地球とイオだけらしいです。
金星はその全面が雲で覆われているため外から地表を見ることが難しく、金星の雲の下に活火山があったとしてもそれを見つけることができなかった。しかしすばる望遠鏡、西はりま天文台の2m望遠鏡などにより高分解能での観察が可能になってきたため、これからどうなるかわからない。

でも、ぶっちゃけ惑星全体雲に覆われていたら夕日なんて見えんわな。
たぶんドラゴンヘッドの世界。

今度西はりま天文台に行って見てこよう。すぐそこやし。


以上夕日の不思議でした_(_ _)_





*追記*
後日むく氏が、火星が赤いのは大気中に存在するダストによりミー散乱が起こっているからだと指摘されていました。
私は火星が赤いのは、大気が地球に比べ粗い粒子を多く含んでいるため長波長である赤を散乱するのでは?と考察しました。粗い粒子と言葉を濁したのは、確かに地球と異なりCO2が主成分である火星大気は、N2などにくらべ分子半径は大きいが、はたしてそれくらいの差で赤い光がレイリー散乱されるだろうか?という疑問があったからです。
このダスト、大気成分には入っていないのですね。それもそのはずダストは塵であり気体ではないですからね。これで疑問が解けました。地球にくらべ脱出速度の小さい火星ではここで言われているダストのような大きい粒子を大気中に舞い上がらせ続けることを可能にしているのでしょう。

〜参考サイト〜

火星の「青い」夕暮れ…NASAが画像公表

キリヤ化学Q&A 「空はどうして青く、夕焼けはどうして赤いのですか?」

大気の組成の謎
- 地球と惑星の比較から -


Atmosphere(大気)

火山活動 ―金星に活火山を探す―

西はりま天文台

magicbus179 at 07:57│Comments(0)TrackBack(0)生物系の考察 

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