October 17, 2005

Sufjan Stevens / My Brightest Diamond @ Shepherds Bush Empire, London - Mon 17/10/05

17oct05suf117oct05suf2下の階は通常スタンディングのこのShepherds Bush Empire、今夜はオール・シーティング。 特別に椅子を入れるのだけど、キャパは通常の半分以下(約900人程度?)になってしまうし、最初からシアターでやればよかったのにと疑問。 彼の新作'Illinois'の宣伝にレーベルが今まで以上に力を入れているとは思えないのだが、陰で人気急上昇中だったのか今夜は完売になるのが早くて私は下の階の席を取れず、下手すりゃチケットが入手できなかった可能性も大。 ふぅ、1年でこんなに変わるもんなんだな...

私とSufjan Stevensの出会いは、去年の頭。 当時知り合った人に、"君は彼の音楽を気に入ると思うから観に行くべきだよ。"と薦められた。 何故かとても気になったので、彼の言葉を信じ、あまり好きではないCherry Jam(洒落たバーといった趣)のある西ロンドンへ一人足を運んだのである。 何の前情報も入れず音も知らず、謎だらけの人物。 そんな彼のバンジョー弾き語りに完全にやられてしまった私は、当然全作品を揃え、その後のツアーで何度か彼を観ることになる。 

が......

3度目の公演ではバンドと一緒で、'Seven Swans'や特に'Michigan'のあのオーケストラルな音を生でどこまで再現できるか、或いはバンド用にどうアレンジされているかが、観る前から気になっていた。 彼独特のエンターテイメント性が出た楽しいものではあったが、メンバー間にどこか隙間が感じられる演奏で、彼のソロ・パフォーマンスのように私の心を奪うことはなかった。(会場の選択も良くなかったと思うが。) ということで、今夜のショウに対してもちょっぴり懸念していたのが正直なところ。 'Illinois'を初めて聴いた際は、'Michigan'と同じような仕上がりだなという印象が先にたって、愛聴盤になるまでにちょっと時間がかかったのも本当の話。

が......!

レーベルAsthmatic KittyのHPで見た新作用プロモ写真や先のUSツアーからの写真等で、相変わらずのコミカルな夜になることは想像できていたのだけど、しかしこんな運びになろうとは。 メンバー7人、勢い良く走って登場。 6人とも' I 'とロゴの入った紺のTシャツにオレンジのズボン/スカートを着用。 7人目のSufjanは、紺地に白い星模様のツナギを着てまるでピエロのよう。(+スーパーマン人形を片手に) 無茶苦茶体育会系なノリのまま、彼のHPで聴ける'50州の歌'で幕を開ける。 ぐふふふ、私の心はこの瞬間躍ったのである。 他のライヴじゃ体験できないエンターテイメント。 演奏前に皆で掛け声&踊りで気合を入れる。 "準備はいい?" "おう!" チアリーダーだよ。 人間ピラミッドだよ。 何やそれ?って感じですが、"これから君達をイリノイへと招待します。"と、最初っから'ショウ'としての定義を与えられた1時間20分のパフォーマンス。 去年のステージでも、肩に羽を着けて登場したり、ミシガンの地図を傍らに曲の説明をしたりと、作品を聴いただけじゃちょっと想像つかないユーモアのセンス。 この、遊び心というか軽さというか、そんな余裕みたいなものが彼の魅力なのではないだろうか? 例えば、宗教色濃い'Seven Swans'で聴かれる切なくて時に崇高な楽曲群も、その歌詞は実体験うんぬんと言うより物語を綴った作りになっているわけで、ライティングを勉強した彼らしく、(寄せ集め的な内容の1st以外は)どの作品もパーソナルでありながら一方で自らと切り離したコンセプト・アルバムという作りになっていて、これは稀に見る才能だと思う。

アンコールではユニフォームを着替えて戻ってきたメンバー。 ピアノの前に座ったSufjan、"さっきやらなかった曲なんだけど、とても好きな曲なんだ。"と、'Chicago'の演奏が始まる。 去年既にソロで演奏していたアコースティック曲が、新作でも生でもしっかりバンド曲に仕上がっていた。

とにかく笑わせてもらった今夜。 それは、面白さからくる笑いでもあり、喜びからくる笑いでもあった。

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posted by magneticmagpie at 10:09│comments(0)