今年の9月に英国
Mercury Prizeを受賞する前から人気急上昇中だった、ニューヨークの
Antony and The Johnsons。 今回のUKツアーは、賞にノミネートされてから売れ行きが伸びたのか、グラスゴー公演以外は早くから完売。 Coldplay, Kaiser Chiefs, Bloc Party 等を蹴落として?賞を獲得。 NYC在住の英国人ゲイ、というのがイギリス国民の関心を寄せたのか何なのか、UKレーベル
Rough Tradeがうまくやったのか(USは
Secretly Canadianですからねぇ。 良いレーベルですが、ここまで売れるとは彼らも予期していなかったでしょう。)、まぁ売れることは悪いことではないですが、この意外な旋風に驚く私であります。 1年前は700人くらいのキャパの会場でやっていたのに、今回は2000人規模 x 2公演が即完売。
個人的に非常にショッキングだったニュースは、この春のメルトダウン・フェスティヴァル(キュレーターはPatti Smith)の公演に、急遽The Johnsonsの参加を依頼されたCurrituck Co.ことKevin Barkerが、今回正式ギタリストとしてツアーに参加&前座も任された、ということ。 (NYCコネクションなのか何なのか。 私の友人の友人でブルックリンに住むあるミュージシャンは、Antonyのことを随分昔から口にしていたらしいですが、その活動歴は長く、NYCの音楽家達の間では良く知られた存在だったのかもしれません。) ということで、今夜の私のお目当ては、当然の如くAntonyではなくKevinだったわけですが、チケットが入手できてラッキーでした。 Currituck Co.の6月のツアーでは、ほぼ正式メンバーらしい
Espers (
これ行きたい!) のOttoがドラム担当で、2人でのツアーだったのですが、今夜はKevin一人。 前回は聴けなかったアコースティック・ギターで5曲弾き語ってくれました。 最初は静かだった客も、3曲目にはざわつき始める。 どうにかならんのか、このイギリスの客。 4曲目には、Father's Dayを演奏。 初めて生で聴けて涙ものでした... と、"次の曲はRun Away From The Sunというんだけど、友達のAntonyにも手伝ってもらうよ。"と、Antony登場。 客が一瞬にして静まる。 2人、結構はまってたな。
会場を見回してみると、年齢層が高いことに気付く。 ほんと、高い。 10代っぽい子供は見当たらないし、20代っぽい人達も比較的少ない。 30&40代の人達が多かったか? 私の斜め前に座っていた男性は、Iron Maidenのジャケットを着た50代っぽい人だった。 それも、皆さん熱狂的。 やはり英国ではこういう音楽家は受けるのだろうか? バンド登場とともに熱い喝采が。 バンドのThe Johnsons、現在はヴァイオリンやチェロを含む6人でツアー中。 正直、私の守備範囲の音ではないのですが、楽曲は聴きやすく美しいので、思っていた以上に楽しめた。 しかし、歌詞はキツイっすね。 辛いですね。 これ、アンチ・ゲイな人達は吐き気を催す歌ばかりでしょうな。 私はちゃんと聴いてみたくなりました。
さて、そんな噂も前々からあったでしょうが、やはり出てきました、Boy George。 "友達のBoy Georgeに次の曲を一緒に歌ってもらおう"と彼を招待するAntony。 "彼の歌は凄くハートブレイキングだ。 こんなに素晴らしい声を聴いたのは、本当に本当に久しぶりだ。" と、Georgeさんも大絶賛。 退場の際にAntonyに花束を渡され、"You're my sister!"と一言。 ほぉ。
前述のNYCに住むあるミュージシャンはAntonyの声について、Nina Simoneの声がBoy Georgeの体を通して出てくる感じ、と描写していたらしい。 今夜の体験で、かなり納得がいきました。 しっかし、嬉しくなるほど手振りも見事にゲイで可愛い彼、あの体格(190cmくらいあるんじゃないか?)とのギャップが愛らしさを増していた。 と思うのは私だけ?
ピアノに座って歌うAntonyと、その彼を見つめながら熱唱するBoy Georgeの姿。
posted by magneticmagpie at
08:48
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