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古今東西、様々な勉強・学習方法が編み出されてきて、そして今も新たなテクニックが毎日のように生み出されている。そんな数多の勉強方法の効果は実際のところどうなのだろうか。米オハイオ州にあるケント州立大学の研究チームがこの疑問に答える。(原文はこちら


Education
Highlighting Is a Waste of Time: The Best and Worst Learning Techniques
By Annie Murphy Paul
Jan. 09, 2013

ハイライトは時間の無駄:ベストとワーストの学習テクニック

変化が早く情報が溢れる今日の我々の世界では、子供から大学生、社会人まで全員がよりよい学習方法を知っておく必要がある。しかし、私たちの殆どが、科学に裏打ちされた最も効果的な学習テクニックを使っていないという証拠がある。それどころか研究によると、私たちが普段行っている再読やハイライティングのような学習戦略は最も効果が見込めない方法だ。

これらのテクニックを評価した研究文献は数十年の期間に渡り、数千の論文にのぼる。普通の家庭や教師、経営者にとってこれらの文献を吟味することは、余りにも高くつくし複雑だ。幸運なことに、5人の優秀な心理学者がその仕事を行ってくれた。1月9日にケント州立大学のジョン・ダンロスキー教授が主査を勤める研究グループは、Association for Psychological Scienceに発表した包括的な報告書において、集められた実証結果に基づいて10の学習方法を詳細に検証し、それぞれに効用度の順位を付けた。報告の結論を簡単に紹介する。

最悪

非効果的な学習方法のトップに並ぶのがハイライトとアンダーラインだ。両者とも幅広く行われているが、研究によるとただ単にテキストを読む以上の効果は見込めないことが分かった。ハイライトが学習の邪魔になるという研究さえある。ハイライトすることにより、個々の箇所に注意を惹きつけてしまい、関連性を見出し推論を行うのを妨げる可能性があるからだ。同程度に効果が低いのが再読、これも普及している方法だが、より効果が見込める方法は他にいくつもある。最後に、まとめ、または文章中の要点を書き出すやり方は、方法を熟知した人にとっては効果的だが、勉強時間を費やすに値するもっとよい方法がある。著者によれば、ハイライト、アンダーライン、再読、まとめを全て「低効用」と評価している。

最高

おなじみのハイライトや再読などの方法にくらべて、最多の実証結果に裏付けられた学習方法は心理学の研究室の外ではあまり知られていない。分散学習(distributed practice)を例にとってみよう。この方法は、勉強のセッションを一回のマラソンで行うのではなく、複数回に分散させるやり方だ。開始直前に情報を詰め込めば、テストや会議をやり過ごせるかもしれないが、あっという間に覚えたことは記憶から消えて無くなる。それよりも、間隔を置いて教材に触れるほうがはるかに効果的だ。そして、より長い期間―二週間でも二年でも―に渡って情報を記憶したいのならば、、間隔はより長く空けた方が良い。

次に著者が強く薦める学習方法は模擬試験だ。そう、試験を増やすのだが、目的は成績をつけるためではない。研究によれば情報を思い出そうとする単純な行為は、知識を強化し将来に思い出す際に効果を発揮する。模擬試験は―堅牢な実証結果よる裏付けがあるにも関わらず―それほど一般的な戦略ではないが、この利益を享受できる親しみ深いアプローチがある。それはフラッシュカードだ。そして現在では、デジタルのフラッシュカードが、QuizletやStudyBlue、FlashCardMachineなどのアプリで利用できる。非連続学習(または分散学習)や模擬試験の両方に対して、著者は「高効用」の評価を与えている。

その他

ダンロスキーと彼の同僚によって評価された残りのテクニックは、中くらい―無益ではないが特に効果的でもない―に位置する。これらに含まれるのは以下の方法だ。精神的イメージ、すなわち文章の記憶を助ける絵の利用(これは時間がかかり、文章そのものがイメージにつながりやすい場合にしか機能しない)、精緻な質問、すなわち読みながら自分に「なぜ」を問いかける(これは、あなたの袖にまとわりついてひっぱってくる4歳児のようにうとましい)、自己解説、すなわち受動的に通読するのではなく、自分で自分に対して文章を詳細に説明する(効果は説明の完成度と正確性による)、交互学習、すなわち違う種類の問題を混ぜ合わせる(これが役に立つという実証結果は、運動訓練の習得の他にあまりない)、そして最後に語彙想起、すなわち通常は外国語の新しい語彙を似たような音韻の英語と関連付ける―例えばフランス語の鍵「la clef」を覚える際に、a key on top of a cliff(崖の上の鍵)を思い浮かべる(一つの単語を覚えるにしては大仕事だ)。

これら全てのテクニックが「中」から「低」効用であるとダンロスキーらによって評価されている理由は、薦められるに値する十分な実証結果が存在しないか、あまり有効な時間の使い方ではないからだ。学習の間隔を置いてハイライト用のマーカーを捨ててフラッシュカードにとりかかる方がはるかに良い、と著者は言う。