食と酒

2017年12月31日

地方の旅の味

この時期にネット上をはじめささやかな話題になるのが、雑煮の地方性のことである。

この話題が出始めると、最近は年末になったなと思うようになった。

大まかに分けて餅の形は西日本では丸餅、東日本では角餅と分けられるが、こと味付けや具になってくるとそれこそ都道府県によって様々で、さらに地区によっても異なるものだと。
広島県では名産の牡蠣が具に入るのが一般的だが、福山市辺りでは鰤を入れるのだと、先日あるローカル番組で言っているのを見た。

雑煮は現在でも各家庭での手作りが基本なので、地方性・地域性が残ったままなのだろう。

今やコンビニや複合型商業施設に象徴される全国画一化された店舗網のなかで、食の地方性などなくなっているようにも一見感じられるが、実際はまだまだそうではない。

例えば麺類の店も、私などは東京などで蕎麦屋の多さに驚くように、東日本ではそばが中心であるのに対し、西日本ではうどんが優勢で、店のうたい文句も西日本では「うどん・そば」とうどんが先に立つ。出雲そばなどが名産の山陰地方や九州などは違っているのかもしれないが、少なくとも近畿から山陽、四国については間違いないところだろう。

またカップめん等にしても東西に出荷するものでは若干味付けを変えているものもあると聞く。

そのような地域ごとの小さな特徴は、意識しなかったら全く気付かないものなのかもしれないが、少なくとも旅をする際には地方性を感じる重要な要素となる。

地方の旅の味も、大きな収穫になりまた土産ともなる。
今一度意識してみたい。

mago_emon at 19:11|PermalinkComments(0)

2017年10月03日

ウン十年ぶりに口にした「あけび」

今日昼休みにたまたま寄った店で「あけび」が売られているのを眼にし、思わず求めた。

その店は町中にありながら地元産の農漁業産物を手軽な値段で販売していて、気が向いたら時々寄るようにしている。町中版道の駅といった雰囲気の店である。

買おうと思ったのは、先日山陰地方の山間部に仕事で赴いたときこのあけびの実を眼にし、その光景から小学生のとき、クラスメイトの一人が持ってきたあけびを口にした記憶が甦ったからだ。

果実の中には種が水分の多いゼラチン状のものに覆われていて、その部分が甘く味わえる。
他の木々の陰のようなところに自生しているのだから目立たないし、実際あけびといってもどのようなものか、想像できない人も少なくないかもしれない。

パッケージには手作りの食べ方マニュアルのようなものが添えられていて、色々紹介されている。
種子を囲むわずかな部分よりも、周りの果実?皮?の調理法も色々あるのを知った。恐らく山間部の人は、この紫色に熟す果実に貴重なものを感じ、色々と工夫して食に取り入れていたのだろう。

とにかく小学生時代以来、実にウン十年ぶりとなるあけびである。

淡い記憶と同様に、多くが種で占められながらも、その間に充填された果実は、ほのかな甘さとゼリー状の食感を持っていた。

当時のかすかな記憶そのままだった。

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mago_emon at 23:24|PermalinkComments(0)

2017年04月15日

晩酌にメスを入れる

余り言いたくないことだが、私は普通の人の平均より体重が多めだ。

そのこともあってか、健康診断でしばしば指摘を受ける。

一部は治療も受けているのだが、さすがにこの歳で本格的な成人病にはなりたくないので、私なりに気にしている。この1年、それなりに意識してきた。

具体的には、

・職場からJRの駅までバスなどを使わず早足で30分かけて歩く。少なくとも週3回。
・それに加えて、休日は時間が取れる限り近場を最低60分歩く。
・夕食時は、米の飯を食べない。そのかわり水溶性食物繊維を摂取する。

この3項目はこの1年間、ほぼ守ることができた。
しかし、体重は多少の増減はあっても、平均的にはほぼ水平移動。

まあこれは意識していなかったら、どんどんメタボ、中年太りが進行していたのかもしれないと慰めることにする。

やはり、禁断の一手に手を加える必要が出てきたようだ。
それはずばり、「晩酌」にメスを入れるということだ。

わたしは典型的な「辛党」だ。

辛党という言葉の意味は、単に甘党の反対で辛い食べ物が好きというのではなく、酒好きという意味合いの方が強いようだ。
辛いもの好きという意味に誤解していたのだが、私は実際どちらの意味でも当てはまるので、そういう意味でも典型的と思っているわけだ。
私は個人的には、いや最近は飲み会などの機会があっても大量の飲酒はしないし、二日酔などとも長らく無縁な身ではあるのだけど、ほぼ連日酒を欠かしたことがない。
実際今も酒を帯びた状態で書いているので、少々乱筆かもしれない。

昨日は、意識してアルコール類を1滴を飲まなかった。そしてPCにも向わなかった。
どうも一旦酒を飲んでしまうと、TV画面、PC画面を眺めながら漫然と過してしまいがちで、その時間は確かにもったいない。もっと有効なことに使えないかなと。最初は週1回でよいが、できれば3回くらいまでに増やせないかな、と。

そうなると、恐らく体重も落着いて、体の動きも良くなって、健康診断で指摘される事も少なくなるかな、と。

ここに書くことによって、自戒の機会としたい。


mago_emon at 21:45|PermalinkComments(0)

2016年05月16日

南予の鯛めし

最近、ふと数年前に愛媛県で味わった鯛めしの味を思い出した。
鯛めしというと、一般的には鯛の身が入った炊き込み御飯風のものを思い浮かべるだろう。
しかしこの鯛めしは、鯛の刺身を米飯の上に載せ、そこに醤油ベースの出汁をかけ、卵黄と絡めていただくものであった。店で出てくるものを見たときは、一見刺身定食かと思わせる。
愛媛県でも南部の方、通称南予地方での食べ方であるため、南予風鯛めしいう名でネット検索しても多くヒットする。何でもこれは南予地方の漁師飯が発祥なのだという。私はある本を読んでいて、この地域では鯛めしとは言いながらイメージとは異なるものが食されているという知識はあったが、実際出てきたものを目にして、わが地元にはない食べ方に興味深さが増した。
新鮮な鯛の刺身をわざわざ海鮮丼のようにして食べるのはもったいないと私も少し思った。確かに夜に刺身をネタに酒をというのならそうだろうが、この鯛めしに関してはここが絶妙だった。秘伝の出汁と卵黄もお互いが絶妙な調和を持って鯛の刺身の美味さを引き立てる。

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南予風の鯛めし(店舗で出される一例)

ご当地で食してみたい郷土食。筆頭は秋田のきりたんぽ鍋だが、この鯛めしもそれに匹敵する。
秋田はそう簡単には行けないが、愛媛であればその気になればこの鯛めしの為に日帰りしても良い。
ネットを見ると、色々事細かいレシピが紹介されている。問題は出汁の調合だろう。酒や味醂を使うものは、僅かな比率の違いでも大きな味の違いが出る。我が家で再現するのはまず不可能だろう。やはりこうした郷土料理は、現地に赴き食すに限る。

鯛めしを食べた日の晩、宿泊した旅館でも「ひゅうが飯」という名のぶっ掛け飯もいただくことになるのだが、こちらは更に漁師飯的なイメージを抱いた。
鯛めしの原点ともいわれ、鯛以外の具材を用いたものを指すともいわれる。
一説には日向(現在の宮崎県)から伝わったものともいわれる。

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ひゅうが飯。これを米飯にかけていただく。

少し有名になると、すぐに大都市を始め各地で味わえるようになるが、それはどうかと思う。郷土料理の価値は、その土地で味わってこそ価値のあるものではと。

mago_emon at 22:34|PermalinkComments(0)

2015年05月23日

秋田の味

秋田県には数多くの郷土料理がある。その代表が「きりたんぽ鍋」ではないかと思う。
私の祖父方の郷里は秋田県だ。それでいつだったか、年賀はがきのお年玉で「ふるさと小包」が当選した際、迷わずきりたんぽ鍋セットを希望したのだが、それが実に美味だった。

学生時代鉄道旅行を趣味にしていた私は、もちろん東北地方にも足を向け、秋田から寝台特急で帰路につくという行程を組んだ。それは夜行列車待ちの時間を利用して、本場のきりたんぽ鍋を食してみたいという思いが込められていた。
繁華街に行けば郷土料理店があるだろうと付近をうろつくのだが、学生の私はどの店が良いのか、なかなか見当がつかない。今ならネットで幾らでも検索でき初心者でも困ることはないのだろうが、そんな自由の利かない時代である。やっとのことでこざっぱりした入りやすそうな店を見つけた。普通の地元の居酒屋に毛が生えたような店だったろうが、当時の私にはとんでもない高級料亭に入るような気分だった。

そこで注文したきりたんぽ鍋の味は今でも鮮明に覚えている。特に比内地鶏の出汁、そしてセリが絶妙の風味を出すこと。この脇役が全てといってよい。そして女将との会話。東北を鉄道で一周してきた、祖父がこちらの人間だと切り出すと話が弾んだ。ちょうど紅葉の時期でもあったので、県内の紅葉の名所なども随分教えてくれた。
その店のことがふと最近気になってネット検索したのだが、5年ほど前に閉店したとのこと。機会があれば、また入ってみたい店とずっと思っていたが残念である。

「いぶりがっこ」も地味ながら実に味わいのある食材だ。簡単に言うと沢庵の燻製で、香ばしい風味が独特で病み付きになる。きりたんぽ鍋から数年後、角館の小さな旅館で、高校の同級生との二人旅だった。書き留めた文章を読み返すとそのときもきりたんぽ鍋が出たのだが、秋田市の郷土料理店で食した折の印象が余りにも強く、このときのものは覚えていない。

その他、畑のキャビアといわれるほうき草の実である「とんぶり」、稲庭うどん、本荘うどんなど個性的な食材が多数ある。きりたんぽ鍋に継ぐ郷土料理ともいえるしょっつる(塩魚汁)鍋はまだその機会はないが、これも一度は絶対に食してみたい。

今や、楽天やアマゾンなどで幾らでも通販しているから、手軽に取り寄せる事もできる。
ただ、やはり郷土料理はその地で頂いてこそと思う私は、どうも躊躇してしまう。こちらでも秋田の郷土料理の店があって、一度行った事があるが、どうもしっくりこないものを感じる。

しかし、秋田に行く機会というか、行く理由があるかどうか。幸い、県の北部はまだ探訪予定地が残っていて、青森県、岩手県北部を含めたコースが組めそうだ。

mago_emon at 21:56|PermalinkComments(0)