町田まごころクリニック 院長日記

  町田市の心療内科・神経科・精神科・メンタルクリニック 町田まごころクリニック院長 鹿島直之のブログです

町田まごころクリニックは小田急線、JR線町田駅より徒歩8分、町田市民ホールの斜め向かいにある心療内科・精神科です。
うつ病、パニック障害、不安障害、統合失調症、認知症などのこころの病気や問題に対する治療と相談を行います。

ご予約・お問合せはお電話で 042-851-7824  http://magokoro-clinic.info/

コンフォートゾーンを抜け出すこと

 

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今回はコンフォートゾーンについて思うところを書かせて頂きます。上はプリンターに座るひろりんです。

 コンフォートゾーン

文字通り「快適で居心地のいい場所」という意味です。その人が「不安にならない行動範囲」のことであり、また「躊躇せず、自然と行える行動範囲」のことです。習慣で行っている日常生活の行動は、コンフォートゾーン内にいるといえます。

 成長するために

 自分が心地いいと感じるコンフォートゾーンを一歩抜け出す必要があるのです。前のブログで書きましたが、私は分院開設と言うリスクのある目標を立て、コンフォートゾーンを抜け出す決意を固めたのでした。分院開設どころではなかったコロナ禍の3年間において、コンフォートゾーンでゆっくり休ませてもらい、齢50も過ぎ、そろそろ残りの人生でやるべきことをやろうと思い定めたからでした。

まごころと町田の精神医療のために乾杯

 私がやるべきと思い定めていることとは、町田市における精神医療のさらなる理想の追求なのでした。昨日当院で久々に町田市内のホテルで慰労会をやりましたが、スタッフ一同を前に、ちょっと気障とも思いましたが、ビールを片手にまごころと町田の精神医療のために乾杯させて頂きました。

物件の選定

2週間前、私は妻と物件の一つを見に行きました。JR町田南口駅の近くで、境川を渡った所にあり、大きな看板も立てることが出来、立地的にはいい面もありましたが、夜は人通りも少ないということで、妻の強い反対に遭いました。また、子供さんも多く来られる当院にはふさわしくないのかなと私も思い直し、仲介業者さんには一端保留のご連絡を入れました。

トイレを作ってくれる

 分院の物件に関しては、トイレの問題で一回は保留していたサウスフロントタワーですが、希望すれば、テナント内にトイレを作ってくれることになり、再度その線で検討を進めているのでした。また、町田エイティービルと言うきれいな5階建てのビルが、駅からこちらに来る途中の交差点にあるコンビニを右折した所にあります。

眺めは良くても

そこの4階が空くことになり、そちらも検討しています。フロアには大きな窓があり、眺めは良さそうのなのですが、4階であること、家賃がやや高いことが考えどころなのです。ゆとりある待合室と少なくとも7つ以上の診察室を作るために、私が探している200㎡以上の物件は中々見つからないのですが、想像力を刺激してくれる物件探しは楽しいものです。

診療圏調査

 税理士が作成してくれた、分院の候補地から20㎞の円で区切った診療圏調査ではとても興味深いことが分かりました。精神科のクリニックが19件もある町田市内では、新たなクリニックの予想患者数は29名と出るのでした。しかし、当院は医師が3名いる場合に受診される患者さんの数は130名を超えています。そればかりか、それでも対応しきれない初診の問い合わせが来続けているのでした。

分院に患者さんが来てくれるのか

 診療圏調査で、町田と言う地域の中で当院がとても選ばれているクリニックであることは分かりました。しかし、分院にも当院と同様に患者さんが来てくれるのか、それは未知数だと税理士さんから突っ込みを入れられ、実はちょっと頭が痛い所なのでした。

ワンストップのクリニックを

 私が考えていることは、当院を受診した患者さんは精神科に関係するニーズをほとんど全て解決できるようにすることです。すなわち、デイケア、カウンセリング、心理検査はいままで通り施行し、さらに、分院ではTMSという脳に電気刺激を与える治療装置を導入しようと思っています。

 TMSを使いたい。

ある程度は有効な治療装置として海外では定評があるTMSを治療で用いているクリニックは町田近辺にはなく、以前から熱心な業者さんに売り込まれていたのでしたが、今のクリニックにはどうしても置きようがなかったのでした。ただ、当院にTMSを置くことができれば、町田市の患者さんは町田市の外に何らかの治療を求めて出向く必要がかなり緩和されると思います。

 人の問題

 私は当院にはこれまで通り週に4回は来るようにし、分院にも週2回は行くようにします。さらに、医師の募集については、言葉を使った診療をモットーにする私が直接応募の文章を作り、ホームページ上に大きく募集を試みます。設備や待合室がいかに優れていようと、院長や勤務する医師がだめならだめなのです。

何よりもやる気のある人を
 医師には私の理想に共鳴し、精神科医として患者さんに様々な治療の選択肢があるクリニックで張り合いのある仕事を望む人を選ばせて頂く所存です。非常勤より常勤の医師の方が来て頂きやすいので、そういう意味でも分院はメリットがあるのでした。

 むすび

 コンフォートゾーンをちょっとだけ抜け出し、私は経営上のリスクに対する不安を持ちながらも、一方ではとてもわくわくしています。それが人生の醍醐味と思えるようなら未熟な私も多少は成長しているのでしょう。

理想のクリニックを作るということ

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今回は理想のクリニックを作ることについて思うところをお伝えさせていただきます。上は私が一昨日宿泊した蓼科にあるホテルのロビーです。

ゴールデンウイークは蓼科に

 私は今回のゴールデンウィーク、長野県蓼科にあるホテルに一泊してきました。そこで涼やかな高原の空気を思い切り吸い込み、ホテルの天井の高いロビーにあるカフェでくつろぎ、人にとって心地いい空間とはどういう場所か、ということについて思いを巡らせてきたのでした。

コロナで人数制限があっても

 町田市内にある中学校10校程度で精神科の校医を担当しており、ご希望あれば、患者さんのご家族も可能な限り診察させて頂くことをモットーとしている私の所には、小学生や中学生の患者さんも少なからずいらっしゃいます。小学生や中学生の患者さんであれば、診察にお母様かお父様、またはご両親が同伴されます。

家族が安心して暮らせない

 この町田市には児童を専門とする精神科がなく、私がお会いした患者さんのご家族の中には、受診に至るまでの心細さを話してくれる方がおられ、さもありなん、と同情を禁じえません。今のところ、当院では成人ばかりでなく、児童を専門領域とする根路銘先生と、私しか小中学生の子供さんの診療を受け付けていませんから、当院は児童の診療を専門としているとはとても言えませんが、少しでも悩むご家族のお力になれればと念願せずにはおれません。

ご家族で安心できる場所

 当院でご家族3人位に来ていただく場合に、今の所心苦しく思っていることの一つが待合室の問題なのです。当院の狭い待合室は満席になってしまうことが多く、デイケアの入り口にある小さな空間を利用したり、隣の薬局に行って頂いたりしていますが、時には待合室で立ってお待ちになる方もおられ、とても申し訳なく思っています。広く、心地よく、誰もが落ち着いて待てる待合室があったら、といつも思ってしまうのでした。

200ヘーベル以上

 そういうわけで、今度開設しようというクリニックは200ヘーベル(㎡)以上を考えています。どうして200㎡なのか、というと現在のクリニックとデイケアを足した面積が200㎡程度だからです。クリニックとデイケアの空間を足せれば、診察室にも待合室にも十分なスペースが得られるでしょう。不動産会社のサイトを毎日目を皿のようにしてチェックするのが最近の習慣なのですが、200㎡を超え、適当な家賃のテナント物件はなかなか見つからないのでした。

物件下見

 2週間ほど前ですが、当院の職員4人と、当クリニックとデイケアの内装を以前にお願いした岡目屋さんという素晴らしい才能ある内装業者さんと一緒に物件の下見に行ってきました。まずは、サウスフロントタワー町田です。町田駅から徒歩3分の商業ビルで、多くの患者さんがとてもお世話になっている町田社会福祉協議会と私が以前講演したことがある町田市民フォーラムのホールも入居しているという、当院とは縁もゆかりもある物件なのでした。

いつも苦労をおかけしています

 見ればわかりますが、当院の受付はとても狭い空間に3人で座って頂いています。常時二つの電話を受け、時には待合室が満員となることがある大勢の患者さんの対応をするためなのです。ありがたいことに開業前の想定を超える多くの患者さんに来て頂けたものですから、開業数年経ってから、内装業者さんに頼み、もともと受付二人を前提に作った空間に、受付周りの棚や机を部分的に削るなどして、もう一人の空間を受け付けの奥に無理やり拵えたのです。

耐え抜いてきたスタッフのご意見こそ

 大変おいたわしく、とてもありがたいことですが、その後受付の奥、3番目の席に座ることになったスタッフはとても狭い空間のストレスを耐え、これまでいつも業務にベストを尽くしてくれてきました。申し訳なかったのですが、そういったスタッフのこれまでの大変なストレスとご苦労の体験こそ、このクリニックの大きな財産ですから、その体験を踏まえてご意見してもらうべく、今回の分院建設に当たり、物件の下見から受付のスタッフにもついてきてもらっているのでした。

トイレの問題

 サウスフロントタワーは、その立地といい、クリニックの縁といい、地下駐車場といい、物件がその2階に入居しているタワー自体が周囲から際立ったとても素敵な高層建築である点といい、素晴らしい物件でした。ただ、もともとある排水管の配置の設計上、物件内にトイレが作れないことが難点なのです。

診察中のトイレ

 時には1日の診療時間9時間を超えることがよくある私にとって、いつトイレに立つかは毎日の課題なのでした。ただ、私に限らず、大勢の患者さんと常時向き合ってくれている全てのスタッフがそれを感じており、私は新たなクリニックには、ぜひ男女別トイレを作りたいと思っていました。申し訳ないのですが、トイレに急ぐ私は、時に女性とトイレの入り口ですれ違うことが少なからずあるからです。女性の患者さんに大変恐れ多く、そんなニアミスは願い下げなのです。

駅の向こうは

 今私がもう一軒気になっている物件は、JR町田駅の向こう側、駅前にあるヨドバシカメラの少し先、境川の橋を渡ったところにある、パチスロ店が入居していたテナントなのでした。駅のすぐそばにありながら、物件の面積は何と320㎡を超えます。賃料も今のクリニックとデイケアを足した賃料とさして変わらない安さなのです。

早速!

 とりあえず、先週一人で物件を見に行きましたが、パチスロ店だな、という印象でした。入り口は広いのですが、外から見る限りでは、その四方に大きな窓がないからです。今週内部も見せて頂く予定ですが、窓がないこともクリニックとしてデメリットなのです。私の今の診察室もそうですが、長時間窓がない空間にい続けることも、ちょっとしたストレスになるのでした。

潜水艦じゃあるまいし

朝診察室に入り、それから日が暮れるまでほとんど診察室から出ず、夜診察が終わって外に出るといつも間にか暗くなっている、潜水艦の乗組員さながらの、こういった生活を10年間以上続けてきた私にとって、窓のある診察室で診療することは一つの悲願でもあるのです。

ちょっと悩ましい立地

 駅前であり、家電量販店のヨドバシカメラとファミレスのデニーズがごく近くにあります。患者さんにとって便利かなと思いつつ、その裏には町田のちょっとした色町と言えそうなラブホテル街があり、お子さんやご家族がいらっしゃるときにどのように感じられるだろうか、と悩んでしまっているところもあるのでした。

 12年前、私は孤独でした。

 12年前、私が開業したときには、私は一人でした。今のクリニックがある場所が、まだ内装前の一つのテナントに過ぎなかった時、夜一人で訪れ、その空間に入らせてもらい、冷ややかなコンクリートがむき出しになっている暗がりで、地面をにらみつつ、ここに診察室を作って・・・など、たった一人で思いを巡らせたことがつい少し前のように思い出されます。

 そんな私でしたが

 今ではクリニックの将来を一緒に考えてくれる、苦楽を共にしてきた能力の高い仲間に囲まれ、町田きっての素敵なクリニックを作ってくれた内装業者の岡目屋さんも健在で、今回もその稀有で素晴らしい才能を振るおうとしてくれているのでした。私はしみじみと幸福と感謝を感じております。

むすび

 分院建設については、クリニックはちんまりとずっとやってほしいという患者さんもおられたり、医師の募集が難しいのではという経営上の意見があったりで、もちろん全く一筋縄ではいきません。ただ、どんなご意見でも、クリニックという帆船を前進させる、帆にはらむ風として、利用させて頂くように努める所存です。時に帆船を揺らすような大きな風こそ、クリニックの前進には不可欠なもの、そういう覚悟が経営者たる私には求められているのでしょう。

SMARTの法則と私の目標

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 今回は目標設定に関わる「SMARTの法則」、及び私の目標について思うところをお伝えします。上は私が愛してやまない豚山のラーメンです。

私の油断

 正直に告白すると、私は当院の経営者として少し油断しているところがあったように思います。12年前の当院開設初年度から大変多くの患者さんにご受診頂き、2年目から隣のテナントを借りて始めたデイケアもそれなりに軌道にのる、といったことが、かえって油断をもたらしたのかもしれません。

4年目には法人化

 クリニックが手狭になってきたので、分院を開設するために、4年目には法人化を果たしました。ただ、その後は私以外の複数の医師を含めたクリニック運営の負担や、財政的な理由もあり、なかなか分院の開設には至れずにいたのでした。しかし、本当の理由は別にあるということに最近私は気付きました。

本当の理由とは 

 当院が分院の開設に至れない本当の理由は、最初に述べた、私の油断にあったのでした。私は確かに油断していました。油断とは、クリニックにとって最善な判断を考える経営者として、という意味です。思えば、法人化してから8年間、3年間の新型コロナの流行に伴うデイケア通所患者さんの激減に伴う経営危機もありましたが、分院を開設するチャンスはこれまでにもあったように思います。

言い訳が得意な人は

 反比例して仕事ができないし、人間的にも未熟なもの、と相場が決まっています。どんな失敗でも、言い訳に努めて、自分のできるはずだったこと以外の周囲の状況や他人に責めを帰そうとする人は、成長のチャンスを自らつぶしてしまっているからです。逆にどんなことでも、「自分の責任です」と口に出し、実際に責任を引き受ける人は、成長し続けるのでした。

それでも言い訳してみると

 だから、どんなことでも、普段は極力言い訳をしないように私は努めています。ただ、これまで分院が開設できずにいる私の油断について、その理由を考えてみます。最初にお伝えしましたが、開業して3年くらいで、デイケアとクリニックがある程度、軌道に乗りました。

素晴らしいスタッフの努力がありました。

 開業して1年後に併設したデイケアは資金的な面からも、大いに周囲からは危ぶまれたものでした。しかし、スタッフが頑張ってくれたおかげで、徐々に患者さんが増え、黒字にはならないまでも、何とか運営が続けられるくらいになっていったのでした。

中年からのスマホゲーム体験

 そして、開業して3年目くらいであったかと思います。そのころに中学2年生であった息子が有名なスマホゲームである「パズルアンドドラゴンズ」に夢中になっていました。それまでスマホのアプリによるゲームというものに全く縁がなかった私は、どれどれと何気なくスマホにダウンロードしたものでした。

スマホゲームは恐ろしい

 しかし、子供向けのお遊びだと構え、本当に気楽に、どんなものかと思って手を出しただけでしたが、私自身がどっぷりとはまってしまい、毎日携帯のゲームアプリをチェックすることになってしまうとは、我ながら、ちょっと驚きました。

ゲームに夢中になる理由

どうしてゲームにこれほど誰もが夢中になるのか、そこにはゲームに組み込まれた秘密があるのでした。それは、ゲーム内の目標設定の巧みさなのです。有名な目標設定の原則として、SMARTの法則と言われるものがあります。それは、Specific:具体的に分かりやすく、Measurable:測定可能に数値化する、Achievable:達成可能なRelevant:自分の利益に関連性のある、Time-bound:期限を明確に設ける、という内容です。

パズドラの面白さとは

 テレビCMでも有名なゲームアプリであるパズドラは、目標とされる強大な敵を倒すために、数多くの難関パズルをクリアーし、少しずつ自分をレベルアップし、自分のキャラクターを強くしていくことの繰り返しです。そのゲーム内におけるプレイヤーの目標設定とその達成の繰り返しは、ゲームのシステムを通して、SMARTの法則を完全に生かせるように出来ているのでした。

人間には向上心があり、目標をこよなく愛する。

本来、自分に与えられた目標を達成することは、あくなき向上心を持つ人間という生き物にとってはこの上ない喜びなのです。何らかの明確でわかりやすく、達成可能な目標を与えられれば、人間はそれに夢中にならずにはおれないものです。

ゲームをすることの利益とは

ただ、ゲームをすることが自分の利益になるか、という点では、もちろん直接的な利益はありませんし、ゲーム内の課金や携帯の料金など、不利益もあります。しかし、ゲーム内の目的達成によって与えられる興奮や充実感に伴う喜び、といったものがゲーマーにとっては十分に利益になるのでした。

現代だからこそ
 
近年目覚ましい発展を遂げたコンピューターは極上の音楽と華麗なグラフィックにゲーム内にとてもエキサイティングな疑似世界を作り出すことが出来るのでした。さらにそのゲームシステムにSMARTがわかりやすく組み込まれ、大きな目的を達成する体験ができるゲームこそ、現代ならではの優れた娯楽の一つでしょう。ただ、楽しすぎるゲームが余りに手軽に、身近になりすぎたために、ゲーム依存や、さらにはゲーム依存によるひきこもりの助長の問題を引き起こしているのです。

SMARTの法則を一番生かしているのはゲーム会社

 日常生活の目標を設定するうえで、このSMARTの法則はとても重要ですが、これを活用し、日々自分なりの現実的な目標を達成し続けている人は余りいないように思います。現実への応用はかなりの努力を要するからです。ただ、2021年の日本国内ゲーム人口は5535万人とされ、私を含め、ゲームにはまっている人は人口の半数に迫るほど、すごく多くいらっしゃいます。ゲーム会社が巧みにSMARTの法則を、自ら製作するゲームに生かす工夫の数々には全く私も脱帽で、時に現実を離れ、どっぷりとはまらされてしまうのでした。

ゲームの目標からリアルな目標へ

 この年になっても、パズドラ以外にもいくつものゲームに時折はまってきた私ですが、一か月前からゲームを絶っています。それは何故かというと、このブログの最初に述べた分院を建設するという、現実的な目標を明確にしたからです。分院は町田に建設する予定です。

12年間のお付き合いをありがとうございます!

この12年間で1万人を超える患者さんにご受診頂き、町田市の皆さんが精神医療について、困っていること、または望んでいること、それはある程度把握できたので、そのニーズを踏まえ、理想のクリニックを建設するという目標に向かって、邁進しようと決意したのです。

私なりの目標

今のクリニックは手狭で、待合室が大変混雑してしまうことがあります。トイレも男女兼用です。受付スペースも小さいため、スタッフも窮屈な思いを強いられています。そういったこと全ての問題の解答となり、この愛する町田市にとって最善の精神医療の贈り物となるような、皆さんの希望を可能な限り盛り込んだ素晴らしいクリニックを極力短い未来で建設するという目標を掲げたのでした。

むすび

 新たなクリニックでは、子供さんも診察することができ、TMS(磁気刺激療法)も施行できるようになればいいと思っております。私の見果てぬ夢はどこまでも広がり、SMARTを踏まえ、さらにPassionate(燃えるような)目標として、今の私を動かしているのでした。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます!

アメリカかく破れたり WBCについて その2

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今回はWBCについて思うところ、前回からの続きをお伝えします。上は椅子でくつろぐひろりんです。

大谷選手のツーベースヒットから

 大谷選手のツーベースでピッチャーは動揺したのか、頼れる4番の吉田選手は冷静に四球を選び、ノーアウト1,2塁となります。この願ってもない最終回の大チャンスに打席に入ったのは、これまで4打席ノーヒットで3打席3三振とからっきしだった5番の村上選手でした。

3冠王は自信喪失していた。
 あとで語られたことですが、今期のセ・リーグ3冠王だった村上選手はすっかり自信をなくしており、打席に入る前にはいつものフルスイングではなく、バントすることすら頭によぎっていたのでした。

いつも通りやってこい。

 負ければそれで終わりという試合の、極めて大事な場面で、監督の意向を伝えるべく、城石コーチが打席に向かう村上選手の所に行きます。インタビューを引用します。「最初、バントか、代打か、みたいな顔をされたんですけど、監督の言葉を伝えて、思い切って行ってこいと言った時のあのムネ(村上)のスイッチの入った表情は一生忘れないと思う」と話しています。

信頼は贈り物になる

 期待に応えられず、何度も繰り返し失敗し、自信を失っている人にそれでも信頼していると伝えることは、コミュニケーションのとても重要な要素です。村上選手はもう自分には打てないかもしれないと思いながら、監督からの指示を伝えに来たコーチを見て、バントか代打だろうと悲観的に受け止めていたのでした。

時に、人は言葉一つで生き返る。

 しかし、そのコーチから思ってもみなかった言葉を聞き、「打つしかないなと開き直っていた」と村上選手は試合後に語っています。その一言で心機一転し、いつもの集中力を取り戻したのでしょう。

名将はあらゆる準備をしている

 実は不調を極めていた村上選手の代打として、バント目的で小技が上手な牧原選手に栗山監督は直前まで準備させていました。しかし、ぎりぎりのところで栗山監督はそのまま村上選手に打たせることにしたのでした。

名将は見逃さない
 栗山監督は帰国後のインタビューで「ピッチャーの球が上ずっていたので。高めにくれば外野フライが打てる。」とその判断の理由を話してくれました。外野フライでも2塁ランナーが3塁まで進める可能性があるからでした。

さまざまな点から考慮する。

実はバントの名手だった源田選手がこの試合での前の打席でバントに至るまで何度もファウルになっており、バントは難しいのかもしれないとも思ったそうです。不調にあえぎ、準決勝終盤の凄まじいプレッシャーに圧倒されかかっていた村上選手にはコーチから信頼していると改めてメッセージを伝えさせ、もともとの高い能力を再度引き出させるようにした手腕もすごいのですが、その背景にある指導者としての冷静なご判断にも脱帽なのでした。

初球からフルスイング

ファウルにはなりましたが、村上はいつもの積極性を発揮し、初球からフルスイングしました。そしたカウント11からの3球目、151キロの直球をセンター方向へはじき返し、外野フライどころか、打球はフェンスを直撃し、日本中の誰もが感動した逆転サヨナラの決勝打となったのでした。

名将は試合後のインタビューでもダメ押し

栗山監督はその試合後の会見で「あんなバッターじゃない。世界がびっくりするようなバッターなので。WBCで証明したいと思ってきた」と強い口調で延べ、さらに村上選手への信頼を強調するのでした。

普通に話しているように見せかける
 普通に自分の意見を言っているように振る舞いながら、その実は相手を元気づける、私も日常的に使う精神療法のテクニックですが、栗山監督は試合後の会見でも翌日の試合を踏まえ、チームの一体感を高める努力を怠っておられないようでした。

ありえない打線

決勝戦の相手のアメリカは、メジャーリーグのビッグネームをそろえ、「ドリームチーム」と呼ばれ、優勝候補の筆頭に挙げられていました。320日に行われたキューバとの準決勝では、その自慢の打線が爆発し、4本塁打を含む14安打を放ち、142で大勝していました。

大勝が落とし穴となる

ただ、世界最高リーグのMVP(最優秀選手)や本塁打王、打点王と、ただでさえ自らの力をもともと恃む強打者ばかりを揃えたチームであるだけに、日本戦の前の大勝によって、チームプレイというより、日本戦を前に、「自分が打てば勝てる」という気持ちがさらに強まってしまっていたのではないでしょうか。

9安打を放ちながら

 やはりというべきか、日本の7投手の継投の前に、アメリカ打線は9安打を放ちながら二つのダブルプレイと8三振によってことごとくチャンスを逸し、32で日本の前に屈したのでした。

勝利には個人の力よりチームプレイが重要

 もちろん日本もすごい打線なのですが、各打者の実力はアメリカが上回っていたかもしれません。当たり前のことですが、ある集団がことに取り組むにあたっては、集団全体が一体感を持ち、それぞれがチームプレイに徹することが重要であることを改めて教えられた気がしました。

またしても村上選手が

 村上選手は決勝戦の最初の打席で初球のストレートをホームランし、勝利に貢献します。村上選手はもともと初球、ないし2球目を振ってくる積極的なバッターであり、1球目を打った時の打率は4割を超えるのでした。前日に日本を勝利に導いたツーベースヒットの次の打席でもあり、調子がいい感覚の余韻を持ったまま、打席に入れていたのでしょう。
 
全然調べていないのでは
 前日のサヨナラツーベースの打席でも初球から振り回していましたが、村上選手のことを知っていれば、あるいは前日の日本の試合のことを少しでも覚えていたなら、アメリカの首脳陣やバッテリーは初球の入り方を警戒していてもよかったように思います。前回WBC王者たるアメリカには、ここにも油断があったのでしょうか。

むすび

 見どころがとても多い今回のWBCでしたが、大谷選手はこと野球の勝負に関しては鬼のように苛烈である一方、日常のインタビューで見せる顔は極めて紳士的で、時に天使のような優しい思いやりを示すといったように、そのメリハリがすごく魅力的なのでした。普段、大リーグの試合までは観られない私は大谷選手のことを「大リーグで二刀流をやっているすごい人」という通り一遍の認識しかありませんでした。しかし、WBCを通し、皆さんと同じように、その人間性を含めた大ファンになってしまいました。

 

野球っていいですね。WBCについて その1

今回は321日に日本が見事優勝した野球の世界大会と言えるWBCについて思うところをお伝えします。まずはメキシコ戦の途中まで。

予選は見ていませんでした。

 正直な話、普段はそれほど熱心ではない阪神ファンである私は、WBCについて、予選の段階では余り興味はなく、テレビ観戦もほとんどしていませんでした。ただ、WBCの宿敵である韓国の撃破を含め、日本が順調に勝利を重ね、国内のファンがとても盛り上がっているのを感じ、慌てて私もメキシコ戦の準決勝から参戦、ではなく観戦したのでした。

160㎞を連発する佐々木選手

 最近は余りプロ野球を見ず、見るとしても阪神戦に限っている私は日本先発だったピッチャーである佐々木選手のピッチングを初めてじっくりと見させていただきました。確かに評判通りのピッチャーで、150㎞ではなく、常時160㎞位の球を投げ続けるのでした。去年の4月に若くして完全試合を達成した凄いピッチャーと聞いていましたが、こんな剛速球を投げ続けられる人が日本にいるんだと、今更ながらにびっくりしました。

しかし、勝負は甘くない

 順調にメキシコ打線を抑えてきた佐々木選手でしたが、4回に詰まったあたりのヒットが2回続きます。打たれている印象はほとんどなかったのですが、次の打者に余り落ちなかったという甘いフォークを痛打され、スリーランとなります。それまで点を取れていなかった日本との差は3点と開き、この時は私もがっくりきてしまいました。

ついに7回まで

 佐々木選手の後を任された山本選手はナイスピッチングでしたが、3点リードされたまま、72死になってしまうのでした。ここまま来ると、諦めの早い私はちょっと悲観的になっていました。しかし、2アウトとはいえ、バッターは4番の吉田選手、ランナーは二人置いていました。この試合ですでに2本のヒットを放っている吉田選手の後はこの試合で2三振している村上選手でしたから、どうしても吉田選手に私の期待は高まっていました。

あれ?

 吉田選手はツーストライクを取られますが、片手打ちのような妙な打ち方で、低めに落ちてくる変化球を打ち返します。とても難しい球を打ち返しており、カメラからでは打球は良く見えず、私はファウルと思っていました。しかし、ちょうどファウルゾーンの境目に立つポールの前で打球の行方を追う外野手が走りながら上を見上げており、その後がっくりと下を向き、肩を落として落胆しているように見えたのでした。

何とホームラン!

 その後、ガッツポーズでダイアモンドを回る吉田選手を見て、やっと私もホームランであることを理解しました。私はテレビの前で立ち上がって喜びましたが、ボールゾーンとも見える低さに落ちてくる難しい変化球を、片手でホームランにしてしまう吉田選手の技術に唖然としました。ともあれ、吉田選手の神業のような一撃で、日本は同点に追いつき、終盤に息を吹き返したかのように見えたのでした。

頼みの山本選手が

 しかし、疲れたのか、同点になってさらに緊張しまったからかわかりませんが、3点ビハインドで登場し、素晴らしいピッチングで日本の希望をその回まで辛うじてつないでいた山本投手が8回表1アウトから連続で2塁打を打たれ、一点を失うのでした。ここでさらにヒットを打たれ一三塁となり、ピッチャー交代となりました。

愛する阪神のセットアッパー

 ここで出てきたのは今年大活躍した我が阪神のセットアッパー、湯浅選手でした。颯爽と登場した湯浅投手は昨季大リーグで35本のホームランを放っている4番バッターをフォークで三振に切って取ります。いつも阪神で頑張ってくれている湯浅選手だけに、私はとても感動しましたが、その次のバッターにタイムリーを打たれ、2塁まで進んでいた走者までがホームに全力疾走してきたのでした。

またしても吉田選手が

 全く何という男でしょう。ここでも吉田選手がメキシコの前に立ちはだかるのでした。タイムリーの打球が飛んできたレフトを守る吉田選手はホームで待つキャッチャーに極めて的確で素早い返球をワンバウンドで返し、捕殺してしまいます。打ってよし、守ってよし、吉田選手はとにかく素晴らしく頼りになるのです。しかし、終盤の8回、メキシコに再度のリードを許し、また私はちょっと悲観的になっていました。

そして最終回

 日本は8回裏に1点を返しますが、最終回の9回を1点リードされて迎えることになります。メキシコはこの回を何としても0点に抑えきるべく、メキシコの勝ちパターンで最後の抑えピッチャーとして登場する、大リーガーのクローザーを投入するのでした。そして9回最初の打席に向かったのは、日本が誇る大リーグのMVP選手、大谷選手でした。

初球でした

 「ちょっと甘い球がきたので」と後で答えていた初球を振り抜くと、驚いたことに、打球はライトの頭上を超えていくのでした。イニングの最初で、多少集中力を欠いていた私でしたが、大谷選手が全力疾走で2塁を陥れ、ベース上で両拳を振り上げて何事か叫び続ける様子を目撃することになります。スピード感溢れるあっという間の出来事で、私はすぐには現実を理解しきれませんでした。

猛ダッシュの後は絶叫

 
現実への私の理解がどうであろうと、大谷選手は初球をフルスイングし、猛ダッシュの直後に2塁で仁王立ちとなり、「カモーン!(こっちにこいよ!)」と総立ちの日本ベンチに向かって勝利へのあくなき執念に燃え、仲間もその執念の炎に巻き込むべく、何度も絶叫していたのでした。

リーダーシップというもの

 他の人と同様、私はテレビで見られるプロスポーツというものに何度も感動させてもらってきましたが、今回程特別な感慨を抱いたことはなかったように思います。勝利への凄まじい執念に裏打ちされた集中力、先頭に立つ自らが全力でやるべきことを完璧にやり遂げて見せる姿、仲間をこれ以上なく勇気づけ、鼓舞するメッセージの発信、リーダーシップというものの望ましい要素がそこに全て存在していたからでした。

こっちにこいよ!

 私は今後、人生にいくらもある悩んだ時や辛い時、この大谷の叫びを思い出すようにしたほうがいいのでしょう。どんな試練にあっても、自らの可能性を信じ、決して目的をあきらめず、最後まで全力を尽くすこと、そうすれば道は開ける、それを促すように私の心の中の大谷選手は「こっちにこいよ!」と叫び続けてくれることでしょう。

むすび

残念なことに、私は2試合しかまともに見ていませんが、それでもWBCは多くの感動をくれました。次回はこの続きをお伝えします。

当院のご案内
町田まごころクリニック 町田駅徒歩8分 心療内科医 神経科 精神科 メンタルクリニック
町田まごころクリニック
〒194-0022
東京都町田市森野2-8-15
AWA渋谷ビル1F
駐車場12台完備
ご予約・お問合せはお電話で
042-851-7824
小田急線町田駅
JR線町田駅 徒歩8分
バス停「町田市民ホール」
「妙延寺」
「第四小前」徒歩4分

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