町田まごころクリニック 院長日記

  町田市の心療内科・神経科・精神科・メンタルクリニック 町田まごころクリニック院長 鹿島直之のブログです

町田まごころクリニックは小田急線、JR線町田駅より徒歩8分、町田市民ホールの斜め向かいにある心療内科・精神科です。
うつ病、パニック障害、不安障害、統合失調症、認知症などのこころの病気や問題に対する治療と相談を行います。

ご予約・お問合せはお電話で 042-851-7824  http://magokoro-clinic.info/

彷徨う心とその対処法

 心のあり方というものと、その適切な扱い方について思うところをお伝えします。

心のあり方とは

 その時々によって変化する思考や感情にあり方に応じ、我々の心は現在を離れて、イメージと思考が紡ぎ出すファンタジーの世界にのめりこんでいってしまいます。それは目の前の現実ではないのですが、我々の心は何らかのきっかけで心に芽生えたファンタジーに一時的に浸り、その後に現実に戻るということを無限に繰り返しているのです。

心はさまよう

 常に現実からファンタジーにさまよいだすことを宿命づけられた我々の心と上手に付き合っていくために、人間は太古の昔から瞑想に取り組んできたのでした。精神科の治療で用いられる有名なマインドフルネス瞑想は、目の前の呼吸に戻ることで、ファンタジーから現実に戻ることが出来ることを教えてくれているのです。

呼吸を意識すると何が起こるのか

 呼吸に意識すると、現在の身体の感覚に戻ることが出来ます。そして、心の中のイメージや思考が作り出している物語から距離を置くことによって、変化し続ける心に影響されている状態から、あらゆる心の動きを見つめる心の観察者の状態に、自己のありようを移行させることが可能になるのでした。真に心の観察者となれば、もはや心から決定的な影響を受けることはありません。観察された心の流れは、自然にまた過ぎ去っていくからです。

一呼吸

 今年も頑張っているプロ野球の阪神タイガースですが、私がファンであるキャッチャーの名選手が二人いるのです。梅野さんと坂本さんです。二人とも素晴らしいリードで阪神の投手陣を支えているのですが、呼吸の置き方もさすがプロなのでした。ピンチの時や打たれた後、マウンド上のピッチャーの所に行き、常に適切なタイミングでピッチャーに一呼吸入れています。

ピッチャーは孤独である。

野球というスポーツの中心的役割を担うピッチャーの心が、打たれるのではないかという幻想から不安や緊張感を強められてしまえばその勝負は見えています。そこで駆け寄り、ごく短時間でも励ましてくれる彼らの存在は、きっとピッチャーの心を現実に、リラックスして目の前のバッターに全力を尽くせる状態に戻すのに役に立っているのでしょう。

森田療法

 私が慈恵医大の研究班に所属している、禅の伝統がその背景にある、不安障害の治療法である森田療法には、あるがまま、恐怖突入、という用語があります。不安障害の不安に対して、不安をあるがままに、やるべきことに集中することで、行動の障害になっている不安は勝手に収まっていくという心のメカニズムを患者さんにわかってもらうことがその治療の要諦なのです。

手を出してみよう

 目の前のことに注意深く、最大限の配慮を払って取り組むこと、これは禅寺の僧に、日々修行として求められることです。現在の精神療法である日本由来の森田療法もそれを重視するのでした。人前の中で話さなければならない時、パニック発作の不安がありながらでも外出しなければならない時など、不安が日常生活を困難にしている局面で、森田療法は行動に踏み込むように促すのです。

 段階的に

 そうはいっても、いかに森田療法でも、不安が強すぎることには手も出せませんから、患者さんの行動のレパートリーの中で、手を出せる第一歩を考えて、それに手を出していくように促します。そしてそういった行動の積み重ねが不安を克服することにつながっていくのでした。

あら不思議

 森田療法で不安なことに手を出していくうちに、患者さんが心の秘密に気付きます。心の秘密とは、心はその集中する対象を定めると、心の焦点は不安の対象から外れ、何らかの対象に心が集中するプロセスに向かうようになるということです。

 心は行動で前向きになる

不安にとらわれていた心は、不安を無視してやるべきことに手をだすことで、その焦点を変化させ、やるべきことに向かう、前向きな心になるのでした。本来、心は一つのことにしか意識的に集中できないからです。不安はこだわることではなく、それを無視してやるべきことをやることで勝手に消えていくのでした。何かに集中する訓練は、不安を克服する訓練でもあるのです。

蜘蛛のように生きる

 「呼吸という癒し」という瞑想についての名著には、蜘蛛のような生き方を勧める瞑想の師が出てきます。蜘蛛は網をはって、常に獲物を待ち構えています。獲物が自分の網にかかると、どのような獲物でも、吐き出す糸でぐるぐる巻きにして自分の食料にしてしまいます。その先生は、そういった蜘蛛のあり方を、目指すべき瞑想者の境地の例えとして推奨しているのでした。

蜘蛛は獲物を差別しない

 人生というあらゆることが起こる体験の中で、自分に関係する全ての体験を自己成長のための獲物と捉え、体験を前向きに受け止め、消化することの重要性をその師は訴えておられるのだと思います。呼吸を意識しても、中々前向きになれないこともあり、時には愚痴を言っている自分を見つめ続けている私には、遥かに及ばぬ境地ですが。

筋トレ

 私は最近日々筋トレに勤しんでいます。年齢が50を超えてくると、成人病予防のために、うつの予防のためにも、何らかの運動の要素を日常生活に導入することは不可欠と思います。ブログで紹介した通り、私はこれまで縄跳びなどに取り組んできましたが、24歳の長男が大学を卒業、自立して一人暮らしを始めたので、それを機に子供部屋を筋トレ部屋として利用させてもらっています。

ブッシュアップバー、トレーニングマット、アームバー

 この一か月位でアマゾンで購入した筋トレ用の用具です。ブッシュアップバーは腕立て伏せがしやすくなるし、アームバーは上腕を楽に鍛えてくれます。トレーニングマットは腹筋運動のために欠かせません。今の時代、自宅で出来るあらゆる筋トレが動画でわかりやすく紹介されています。全くいい世の中になったものです。

 筋トレの効用

 筋トレは、あらゆる心の葛藤やファンタジーを滅却し、今、ここの体の感覚に自分を戻してくれます。日々の筋トレをたゆまず実践することで、気分は爽快になり、成人病の予防をでき、いいことだらけなのでした。もちろん患者さんにもいつもお勧めしております。

 むすび

 常に現在からあらぬ方向に彷徨いだす心というものを、適切に扱うには訓練が重要なのです。彷徨う心によって苦悩する患者さんにも、心の扱いに対する訓練は有意義なのでした。

ゴールデンウイークの箱根

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皆様はこのゴールデンウイークをいかがお過ごしでしょうか。私は51日から2日、箱根に一泊行ってまいりました。その小旅行で感じたことをお伝えさせていただきます。上は雨の蘆ノ湖を疾走する海賊船、下は今日届いたアマゾンの箱に入っていたひろりんです。

妻の希望

 芦ノ湖のほとり、箱根神社の分社である、九頭竜神社に行きたいという妻の希望があり、5月1日は朝の町田からロマンスカーに乗車し、箱根に向かいました。ゴールデンウイーク中ではあっても、平日であり、ロマンスカーはガラガラで、雨天であることを除けば、旅行はご機嫌な出だしでした。

何もしなくていい時間

 普段多忙な中で、こういった時間は私にとってはとてもありがたいものだな、と旅行に行くと改めて感じるのでした。やらなければならないこと、やるべきことから解放され、ひたすら周囲からのサーヴィスを甘受すればいい、人に気を使う必要がほとんどない、こういう感覚に浸れたのは久しぶりでした。

いつもはクリニックに直行

 するはずの平日の時間帯に、仕事に向かう通勤客の皆様には申し訳ないのですが、クリニックがある町田駅で降りず、そこから箱根に行ける幸せをとてもうれしく思いました。どういうわけか、50代も半ば近くの年齢になりながら、多少の熱が出ただけで、母親に大仰に症状を訴え、学校を休ませてもらった小学校の頃を思い出してしまったのでした。

東京近郊の住民にとっては

 私は狛江市在住ですが、なじみの宿もあり、手頃な箱根の観光は毎年行っています。ただ、ものぐさになってきているのか、近年は芦ノ湖まで足を延ばすことはなく、およそ20年以上久しぶりの芦ノ湖観光となりました。以前に来たのは私が慈恵医大の大学病院勤務の時で、同僚の医師家族3組と一緒ににぎやかな旅をしたものでした。

ちょっと驚き

 ロマンスカーで箱根湯本に着き、箱根登山電車を経て、強羅からのケーブルカーからロープウェイに乗り、大涌谷から芦ノ湖ほとりにあるロープウェイ終点の桃源台に向かっていた時のことです。今は私が物心ついて以来の空前の円安ということもあり、周囲の方々は中国人や欧米の方々ばかりなのでした。特にロープウェイに乗った時は、私と妻以外の乗客は全て海外の方らしく、話し声が全て英語や中国語のようで、気分はもう海外でした。

郷に入っては郷に従え

 海外のような雰囲気を感じさせてくれる、箱根観光の時代に伴う移り変わりは別にいいのですが、強羅からホテルがある宮ノ下に向かう帰りの登山電車の乗降口の先頭に妻と並んでいた時のことでした。後ろのおそらくは中国人家族の少年が公共の場で列に並ぶという習慣がなかったようで、到着した電車のドアが開いた途端、先に並ぶ我々を追い越して、脇から電車に乗ろうとするのでした。

たいがいにしとけ

 あとで妻から聞いたことですが、その少年は割り込みを家族の母親からたしなめられていたそうです。さらに、我々が電車に乗った後、電車は誰でも座れるくらいに空いており、別に後ろから誰も我々を押す必要はなかったと思いますが、誰かに私の背中を押されるのを感じました。

異国の少年
 それでもあえて後ろを振り向きはしませんでしたが、おそらくは我々の後ろにいた少年なのでしょう。この日本旅行が、その異国の少年にとって列に並ぶエチケットというものについて多少とも学ぶきっかけになることを祈ってやみません。

雨の芦ノ湖

 さて、旅の続きです。芦ノ湖畔にあるロープウェイ終点の桃源台から、かの有名な芦ノ湖の海賊船に乗りました。あいにくの天候でしたが、それなりに混んでおり、これもまた我々以外のほとんどの乗客は海外の方ばかりなのでした。畏れ多いことですが、我々以外の日本人の皆様はこのゴールデンウィークの中日を、勤労に捧げておられるのでしょう。

長年の憧れ

私が通勤で使っている小田急町田駅の改札口あたりには、長い間に渡り、この海賊船の宣伝写真が大きく飾られているので、やっと乗れてうれしく思いました。その画像上の、芦ノ湖に映える海賊船は、大げさかも知れませんが、町田駅を日々利用している私の、長年の憧れだったのでした。

 寒い!

桃源台からの海賊船で芦ノ湖を横断、箱根元町に到着、そこから湖畔を箱根神社まで歩くことになりました。しかし、午前中からの雨は降り続いていました。久々の旅行ということもあり、開放的な気分になっていた私は、半袖と半ズボンといった出で立ちでしたが、その軽装では、この時期の雨の湖畔を歩くことはちょっと厳しいものがありました。寒がりの妻の着替えを入れたスーツケースを引きずり、片腕では傘をさしながら、やっとの思いで箱根神社に着いたものでした。

 寒いでしょう

 気遣いのつもりなのかもしれませんが、歩きながら何度も妻からそう言われ、寒いに決まってんだろ!と感情的になって言い返してしまい、ちょっとした口論になってしまいました。あげくの果てには「風邪ひくんじゃないの」と来たものでした。

仰る通りです

さすがに「そうだね。おっしゃる通りだよ」という意味のことを冷静に言い返しました。もう少し、夫の役に立つように言葉を使って頂ければと願ってやみませんが、こういった口論を長年繰り返している私も、相手の立場を踏まえた思いやりが必要なのでしょう。

九頭竜神社

 が本来の目的地だったのですが、悪天候で、時間的にも夕方に差し掛かっており、断念しました。箱根神社での参拝を済ませると、再び芦ノ湖畔から海賊船に乗船し、もと来たルートを往復するようにして、箱根登山鉄道の宮ノ下駅付近に予約してあったホテルに向かいました。

何でも楽しそう

強羅からの蘆ノ湖畔の桃源台までロープウェイで往復したのにも関わらず、その間中雨がしっかりと降っていたので、霧でほとんど周辺の視界が閉ざされて見えなかったのでした。それでも周囲の海外からの方々はそれなりに楽しそうにしておられ、何の縁もない私でしたが、ちょっと嬉しい気分になりました。

翌日の午後は授業だった

 翌日木曜日は晴れ渡っていました。そこでもう一日箱根を満喫したいという妻と別行動となり、私は毎週木曜日午後1時からの、成城大学で精神医学を教えている3限の授業に箱根からロマンスカーで駆け付けました。箱根湯本から成城大学がある成城学園前駅まで小田急線一本で行けるのでした。その日出席していた50名位の学生たちには箱根旅行帰りで、ロマンスカーで来たんだと自慢にもならないことを自慢したものでした。

午後5時からの診療はとても混んでいました。

 4限のカウンセリングの講座を含め、成城大学での二コマ3時間の授業を終え、それから町田のクリニックに向かって午後5時からは診療でした。連休の中日ということもあり、診療は夕方からでしたが、とても大勢の患者さんが見えられて、やっと診療が終わったのは、8時頃でした。

ちょっときつかったです

箱根から成城学園に行き、そこで3時間講義をし、さらに町田に戻ってきて夜まで診療するという強行軍はちょっときつかったですが、充実感がありました。一方の妻は、雨が上がって晴れた日よりの中、芦ノ湖を再訪、九頭竜神社を一人で参拝し、芦ノ湖の自然を満喫して自宅に帰ってきていました。旅行とはいえ、当初の目的を果たそうという妻の粘り強さには感動しました。

 むすび

 長い休みになると、私はついゲームにはまりがちになることがあるのですが、今回はゲーム断ちし、読書と瞑想と運動に励んでおります。そのおかげでこのブログを書くことが出来ました。望ましい言語表現のためには、とにかく読むこと、これに勝ることはありません。

人は成長する。

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今回は私なりに考える、人間の成長の可能性についてお伝えします。これまで私がお付き合いさせて頂いた患者さんの何名かに登場して頂きます。上は人生にゃんとかなるといつも教えてくれるひろりんです。

 不潔恐怖

 不潔と考えたものを極端に嫌がり、不潔だと感じる物に触れないよう避けるようにしたり、洗浄強迫行為を合併し、必要ない手洗いを繰り返し長時間かけて行ったりする不安障害です。若い女性に多いのですが、そういった方々はえてして、子育てや結婚を無理だと思っておられるものです。他人との共同生活や、不潔に対する不安を持たない子供を育てていくことを想像するだけで不安になるからです。

不安は克服できる

 しかし、そういった方々、時には1時間も手洗いをし、不潔なものを避けて生活をしていた方々が、数年間の治療を経て、不安を克服し、結婚や子育てにも取り組めるようになることがあるのでした。数回の出産を経て、全く普通の夫婦生活を送るそのご様子からは、あの不安は何だったのかと私が不思議に感じるほどなのです。

子供が変えてくれる

 子育ては母親を変えてくれるものです。自分の不安より幼い状態の子供のことを考えて行動することを優先しなければならない生活が、不安の克服にはとてもいい治療の機会を与えてくれるのでした。今では最低限の睡眠薬しか必要とせず、たまに受診されるその患者さんの様子を見るたびに、私はその患者さんが普通の生活が出来るまでに至った途方もない努力の積み重ねを振り返り、そっと内心で合掌するのです。

かつては暴れていました

 引きこもる方にありがちなのですが、長期間自宅で引きこもって、うつ状態が目立ち、時に同居するお母さまに興奮して暴言を吐いたり、暴力行為に至ったり、大量服薬を繰り返したりしている状態が続いていた方がいました。しかし、数年前にSNSでとてもいいパートナーを見つけ、自宅を出て、そのパートナーと同棲したことをきっかけに、精神状態は安定し、普通の生活に近い状態まで至ったのでした。

対人関係の力

 引きこもりの方にとって、家族は必要不可欠な援助をしてくれるのですが、それ以上に本人に好意をもってくれる第3者が、本人にとって大きな気づきと変化の機会を与えてくれることがあります。そのパートナーの方は、本人の話をいつも十分に受け止めてくれ、いつも一緒に受診されています。とてもいい方で、診察でお二人を見る限りでは、荒んでいたかつての生活を彷彿させるものは全くなく、仲のいい幸せなカップル、という印象なのでした。

些細に見えることで

 死にたいと泣き喚いたり、お母さまを罵倒していたあの頃のことを思い出すと、私は人間の変わる力とその可能性に改めて驚かされてしまうのです。パートナーに尊重され、自分も相手のことを思いやる生活、すなわち、お互いの愛情と尊敬に裏打ちされた生活によって、絶望していたかつての引きこもりの方は、満足のいく生活と自分なりの幸せを手に入れたのでした。

デイケア!

 私が13年間デイケアを運営して気付いたことなのですが、デイケアは、人と社会とのつながりを取り戻させる力があります。デイケアの雰囲気が合わないと話される人もいらっしゃいますが、共同作業やディスカッション、カウンセリングの要素を含む様々なプログラムに参加したり、他の患者さんと自由にコミュニケーションをとることで、人は社会とつながる意欲や能力を取り戻す機会を得られることが多いのでした。

経営的には

 厳しい部分もあります。なにせ、患者さんが自由に参加するしかないデイケアは、雨や寒さ、暑さと言った気候条件で収支が左右されてしまうのですから。ですので、スタッフには、誰にでも開かれ、誰もが来てよかったと思え、参加のハードルが可能な限り低く感じられるデイケアの運営を心掛けてほしいと常にお願いしております。

希望の光

 デイケアは、良質な精神科医の精神療法や、カウンセリングと同じように、患者さんにとっては、社会につながる希望の光になりえるのでした。精神医療に携わる人間は、目の前の患者さんの希望はどこにあるのか、希望の灯を絶やさない努力ができているか、いつも自問せねばなりません。

大学の講義でよくある質問

 私が通年で精神医学の講義をしている成城大学でよく言われる質問で、「先生の仕事は何が楽しいのですか?」というものがあります。こんな質問を聞くと、悩む人の話を聞き続けて、辛くないのか、よく耐えられるね、といった想像がその質問の背後に見え隠れするものです。

舐めんじゃないよ 

 プロをなめてはいけません。感情労働ですから、私はとてもたくさんの患者さんの話を聞き、疲労感を覚えたり、無力感や自責感にさいなまれることも時にはあります。しかし、人生の希望を取り戻せた患者さん、びっくりするほど変われた患者さんの治療に立ち会うことの途方もない喜び、日々患者さんの治療にベストを尽くすことで、精神科医としての自分なりの成長と変化を感じられることの張り合いが、仕事のつらさを遥かに上回っているのです。

むすび

 時には患者さんの人生を左右するような、重大な責任を負わされることもある精神科医ですが、私は仕事をするうえで、喜びとリラックスをいつも心掛けています。以前もお伝えしましたが、フロー状態にあることが、仕事で最高の能力を発揮する秘訣ですから。

最近の受付について

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今回は当院の受付事務についてお伝えしたいと思います。上はお気に入りの場所でくつろぐひろりんです。

戻ってきた主任

 お気づきの患者さんも少なからずおられると思います。3年ほど前に家庭の事情で当院の受付主任をおやめになっていたIさんという、とても優秀かつ心優しい素敵な受付の女性が、去年の12月から再度当院に受付に戻ってきてくれているのでした。しかも主任としてなのです。

懐かしいあの声は

 先生、ひょっとして、Iさんですか?当院に長年通って頂いている何人もの患者さんが期待にお顔を綻ばせて聞いてくれたものです。そうですよ!私も喜んで応じたものでした。優しくて頭がよく、気遣いに富む彼女は、数年間当院を離れていた間も、多くの患者さんに慕われ続けてきたのでした。

カムバックの声に応えて

 Iさんは、当院をおやめになった後も、残された当院スタッフからも慕われ、惜しまれ続けていたのでした。そして、去年末に、家庭の事情もひと段落し、ついにその呼び声に応え、戻ってきてくれたのです。粘り強く彼女に声をかけ、数年間かけて呼び戻してくれた当院スタッフの大手柄なのでした。

エクセレント!

 私は人の名前を中々思い出せないほうなのですが、Iさんときたら、私が思い出せない患者さんの名前を、「誰だったかな」と振ると、ほとんどの場合、その名前を思い出してくれるのです。その気の利いたことと、頭脳の冴えと言ったら、私はちょっとIさん以上の人を思いつけない位です。

そんなIさんと

 私が最近、よく相談させてもらっているのが、いかに優秀な受付事務の方に長く勤めてもらうか、ということについてなのでした。最近、少しクリニックの仕事になれてきたかな、という時期の受付の方が続けておやめになることがあり、私も頭を痛めていたのでした。

若い力も

 この人手不足の折、最近当院に勤めてもらった一人は、学生さんです。勉学に勤しみながらも、その一方で当院の受付にパートとして勤めてくれることになった彼女は、とても初々しく、礼儀正しく、素直な雰囲気で、来てくれてよかったと思っております。皆様にも気持ちよく接してくれることでしょう。

コミュニケーション不足

 妻から言われるのですが、私は「黙っていても、スタッフが自然と働いてくれる」と思ってしまうところがあるそうです。確かに最近の私は、診療を終えると、すぐにその日の阪神タイガースの戦いぶりをスマホアプリのDASNでチェックし、その日に書き上げる必要がある書類を仕上げ、そそくさとクリニックから退散してしまっていました。スタッフ定着の困難に直面し、スタッフとコミュニケーション不足だったなと反省しているのでした。

長年勤めてくれている

 とてもありがたい、経験豊富で優秀なスタッフの方々も当院には少なからずおられます。そういった方々の意見も尊重しながら、誰もがリラックスして能力を最大限発揮できる職場をいかに作り出すかということについて、再度自分なりに取り組んでいく所存なのでした。

面談や飲み会

 かといって診療のある日には、日中ほとんど時間が取れない私がいかに職員とのコミュニケーションを増やすか、ということはちょっと悩み所なのです。職員の都合や要望も聞きながら、私も楽しませてもらいつつ、少しでも距離を縮めていきたいと考えています。

全ては一つ

 患者さんとのコミュニケーションも、家族とのコミュニケーションも、職員とのコミュニケーションも、友人とのコミュニケーションも、全ては一つなのです。どのどれかをいい加減にすることなく、全てのコミュニケーションにベストを尽くすことが、そのどれをも全うする道だと信じ、今日も愛猫のひろりんと遊んでやっております。

むすび

 普段は選手とほとんど話さないという阪神の岡田監督は、皆さんご存じのごとく、途方もない名監督なのでした。ああは出来ない私のような人間が組織を束ねるためには、地道に良好なコミュニケーションを一人一人と積み重ねていく他はないのでしょう。

 

町田市の名物

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少し時間が空いてしまいましたが、今回は町田市の名物について考えるところをお伝えさせていただきます。上は遊んでもらおうとちょっと身構えるひるりんです。

ラーメン

 これは市の観光案内とは全く次元が違う、私個人の勝手な判断として受け止めて頂ければと思います。町田市の名物として思い浮かぶものは、ラーメン屋さんです。駅の向こうにあるもやし超大盛のラーメン店豚山を筆頭に、私がお勧めできる店は何件もあるのですが、まこと、町田は名店が多くあります。

クリニックのそばにある

 去年の4月にオープンしたばかりの、町田駅からクリニックまでの道のりの半ばくらいにあるラーメン屋さんなのですが、今年の1月に正月休みに入ると、その後は全く店を開く気配がないのでした。私は月に1、2回は外でラーメンを食べないと落ち着かない、そこそこのラーメン好きですが、そこのお店にも一回だけ行ったことがありました。

まあまあ

 一回しか行っていないだけで、断定したことはもちろん申せませんが、はっきりいって、可もなく不可もない、「普通のお味」でございました。別のラーメンも食べてみようか、と思いながらも、多忙な日常の中で、再訪する機会がないまま、その店は今の所閉ざされてしまったのでした。

ラーメン激戦区

 皆さんもご存じの通り、ことラーメン屋に関しては、町田は激戦区のように感じます。私は仕事の都合上、普段は昼ご飯をとらず、成人病の危険もあるので、好きなのですが、あまり頻繁にはラーメンを食べないようにしています。最近は豚山以外のラーメン屋には行かなくなってしまいしたが、実は他にもおすすめの店は何件もあり、行こうと思って行けていない評判のお店も何件もあります。

普通のお味は通用しない

 要するに、町田では、ラーメンについては、それらしいものを出しておけばいいという発想で作られた、「普通のお味」は通用しない、そういった状況なのではないでしょうか。お客さんを惹きつける何らかのコンセプトや発想がラーメンに込められていなければ、お客さんから選ばれない、町田とはそのような土地柄といえるのではないかと思います。

町田のもう一つの名物

 さて、私が勝手にもう一つの町田市の名物を上げるとすれば、当院のようなメンタルクリニックも名物と言っていいように思います。当院が13年前に開業する以前から、駅付近に10院以上あり、今年も新たに一院町田駅付近に開業され、もう一院は5月に開業予定です。町田では私が開業した後に新たに開業するクリニックはなかったのですが、今年になり2院開業となったのでした。

深謝しております

 当院はこの町田ではとてもありがたいことに、いろいろなご意見はあれど、大いに支持を頂いていると思っています。当院にいらっしゃればわかりますが、狭い院内で恐れ入りますが、待合室は混んでいることが多く、私を含め初診の予約枠は常に埋まっています。

成功の秘訣

 は何かと聞かれれば、もちろんそれは、ラーメン屋と同じく、このクリニックで何を提供したいのか、そのコンセプトを明快にすることです。すなわち、行列が引きもきらないラーメン屋のように、メンタルクリニックはこんなものだという、それらしいものではなく、お客さんの身になって考え上げられた魅力的なコンセプトを忠実に打ち出したものを提供すること、これに尽きます。

当院のコンセプト

 振り返れば、私は40歳で、このテナントで開業をするように知人から誘われた時に、それまで抱いていた精神医療についての私なりの不満を解消すべく、コンセプトを思い切り込めたものでした。そのコンセプトとは何か、それは、月並みかもしれませんが、薬に頼り過ぎない、全人的な精神医療なのです。

全人的な精神医療

 その原則ですが、薬は効果はないことはあれど、副作用は必ず出ることをわきまえ、最低限とする、診察では言葉の力を最大限利用する、患者さんがさまざまな対人関係の力を治療に生かせるように、カウンセリングやデイケアを利用可能にする、職員は出来る限り親切に気持ちよく患者さんに接するようにしてもらう、といったことです。

精神医療の現実

 実は開業から13年たちましたが、私が実現しようとしてきた全人的な精神医療とは、町田市に限らず、日本全国でみてもまだまだ実現されていません。もちろん当院も道半ばです。口で言うのは簡単ですが、実現には大変な努力を必要とする、それは、私がこの13年間、初めて経営者となり、身に染みてわかったことなのでした。

なんちゃって精神科医

 驚くべきことですが、大手のメンタルクリニックの中には、まともに精神科医を集めず、他科から医師を引っ張ってきて、その「お人柄」だけで診療をさせているところがあるようです。もちろん患者さんの中には、薬だけで落ち着いており、診察では優しく接してくれればいい、という方もいるかもしれませんし、どの科でもよければ、医師は集まりますから、分院も出しやすいでしょう。

普通に優しく出来ない精神科医

もちろん、他科の先生が提供する「精神医療」とは、最低限必要な知識と経験を欠いていますから、スタンダードとはかけ離れた、無責任で消極的なものになりかねません。ただ、こういったメンタルクリニックが流行っている背景には、これも悲しいことですが、目の前の患者さんに普通に優しく接することも出来ない、そういう精神科医が多いという現実があるからなのかもしれません。患者さんこそお気の毒なのです。

当院の精神科医

 優れた人間性と知識と経験を兼ね備えた先生にお願いしており、実際ある程度はそうであると自負しておりますが、さまざまな患者さんのご意見もあり、私を含め、もちろん理想とは程遠いのでしょう。誰もが不完全な人間である以上、せめて謙虚でオープンであってほしい、私が当院に勤務する医師に求める最低限の資質の一つとは謙虚さなのでした。

本当に役に立つカウンセリングを

 当院でカウンセリングを始めた時に、私の念頭にあったことは、本当に患者さんの役に立つカウンセリングを行うことでした。私は開業する前、大学病院や国立病院など、さまざまな公的な医療機関でカウンセリングが行われるのを長年にわたりつぶさに見てきました。カウンセリングは患者さんの自費負担となるため、保険料が支払われないクリニックにも人件費がかかり、経営上の難しさから、民間のクリニックで行っているところは余りなかったのでした。

なんちゃってカウンセラー

 私が公的な医療機関で見てきた、カウンセリングの現実とは、その全てではありませんが、カウンセリングの質が問われないカウンセリングなのでした。カウンセリングの質とは、患者さんの役に立っているかとどうかという、その度合いです。

公的機関の「カウンセリング」

私から見れば、公的機関にあっては、単に臨床心理士という資格を持っている人に、一定の時間、定期的に患者さんに会ってもらい、それを「カウンセリング」と呼んでいるだけ、といった印象を受ける場合もありました。私が一緒に患者さんを治療しているカウンセラーに意見を聞いても、患者さんが本当に良くなっているか、満足されているかという視点はなく、独りよがりの理屈ばかリが返ってくることが少なくなかったのでした。

世の中にとっては災い

競争や経営効率性が求められない公的機関のあり方と、そもそも目に見えない心というものを相手にするばかりか、高学歴であるため、理屈っぽく独りよがりになりがちな心理士という仕事のあり方がぴったりフィットしてしまっていたのでした。皮肉なことですが、非効率なことで最善の組み合わせのように私には感じられることがありました。

当院のカウンセラー

 私は実は「ここからネット」というカウンセリングNPOの会長でもあります。「ここからネット」を主宰する池亀カウンセラーは当院カウンセラーの主任でもあり、町田市のひきこもり対策責任者の一人でもあるのでした。理屈っぽさは全くなく、少しでも世の中に貢献しようという彼女の情熱にいつも助けられております。皆様、「ここからネット」のご利用も引き続きお願いいたします。

デイケア

 当院で精神科のデイケアを立ち上げられたことは、僥倖としかいいようがありません。開業後、当院の隣のテナントがたまたま空いていたこと、開業以来、当院に多くの患者さんがおいでになり、経営的に多少の余裕があったこと、いいスタッフと指導者に来てもらい、デイケアに来る患者さんにも喜んでもらえたことなど、タイミングよくさまざまな要因がいい方向に働いたのでした。

 

デイケアの困難

 デイケアは治療上とても役に立つものですが、国の施策では、経営的に厳しい性質のものであることが、私にはしみじみわかりました。日本には1000施設程度のデイケアがあるのですが、町田市にはクリニックに併設されているデイケアは当院しかありません。それはそうです。経営上、立ち上げるのがとても困難で、持続することも大変なのです。特に外出が禁じられていたコロナ禍では経営上厳しい負担になっていました。

優れたスタッフに感謝

 今では骨身を惜しまない、聡明で優しいスタッフに恵まれ、デイケアは順調に運営出来ているように思います。今後誰がこのクリニックを引き継いでくれるかはわかりませんが、どんな困難があろうと、デイケアは続けていく所存です。

町田市への恩返し

 誰でも人生は限られていますが、私からの町田市への贈り物、私に掛け替えのない機会を与えてくれた町田市からの計り知れない恩への感謝の証として今後も貴重な治療施設であるデイケアを全うして行きたいのです。

 むすび

 開業して13年が経過しましたが、初心を思い出し、当院の目指すところ、コンセプトを改めて見直していこうと思っているこの頃なのでした。とても難しいことですが、町田市の名物メンタルクリニックとして皆さんの心の中に思い出されるようでありたいのです。町田には「まごころ」がある、と。

当院のご案内
町田まごころクリニック 町田駅徒歩8分 心療内科医 神経科 精神科 メンタルクリニック
町田まごころクリニック
〒194-0022
東京都町田市森野2-8-15
AWA渋谷ビル1F
駐車場12台完備
ご予約・お問合せはお電話で
042-851-7824
小田急線町田駅
JR線町田駅 徒歩8分
バス停「町田市民ホール」
「妙延寺」
「第四小前」徒歩4分

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