2007年03月
2007年03月25日
大田観光協会主催（大田区教育委員会 後援）
「白秋の小径・ウォーキンク＆お茶席」
郷土博物館 午後1:00〜馬込第三小学校3:30 ３班（１班約15名） ￥800
文学散歩のガイドを６名で担当した。
担当の皆さん本当にご苦労様でした。天候は曇り空にて小康状態であり、多少パラついたが支障はなかったのは全くの幸運であった。
特筆すべきは、新コースの確立に当たっての功労者はＨさんに負う所が多い。「きょろろ鶯・緑ヶ丘風景」に着目した事。当時の農家の大半がＨ一族であり、古老の話の取材はガイドに充分活用出来た事、等は寳玉の価値がある。
感謝！感謝！
観光協会で募集しただけあって、参加者は散策に馴れて居られる方々とお見受けした。
コースは郷土博物館⇒万福寺境内⇒室生犀星⇒山本周五郎⇒添田さつき・北原白秋（前半担当者）
いよいよ白秋の小径は本邦初であり緊張した出発となる。先日のＨ氏のレクチュアの通り、散文集8巻掲載の「きょろろ鶯―緑ヶ丘風景」から記載文に従って順を追って説明した。
文化住宅が迫る⇒大仏⇒蛇窪⇒切通し（品鶴線）⇒仮橋⇒富士が見える⇒椿の大木⇒農家⇒竹藪がある⇒苗床⇒棕櫚⇒赤い家がある（あかがね御殿）⇒野菜の洗い場⇒牧場がある（搾乳所）⇒街道が見える。
（ここで白秋の小径ガイドは終了）
続きを読む
(14:56)
2007年03月19日
Ｈ１９年３月１８日（日）１３；３０〜 於；大田文化の森４Ｆ
「森の文学館―おとなりの朔太郎＆文士のこぼれ話あれこれ」と題して
内田正雄氏の講演が、馬込文士村継承会の催しであった。
一部；まずＩ会長から萩原朔太郎の経歴の紹介
ＣＰとプロジエクターで貴重な写真の投影と、そして詳細な経歴資料（Ａ版５枚）の配布は多く圧巻である。残念ながら、研究成果は膨大でも説明の時間は１５分では土台無理と言うもの。催しの通例の事ながら、此れもかれも割愛すると言いながら発表するのは登壇者にとって誠にお気の毒である。
二部；漂泊の詩人・萩原朔太郎の詩の朗読 （地場演劇俳優 深沢靖子さん）
萩原朔太郎作 「夜汽車」「帰郷」 （和服にて登壇・プロの朗読なり）
「わが故郷に帰れる日、 列車は烈風の中を突き行けり・・・・
まだ上州の山は見えずや」
休憩；プチケーキ＆お茶の休憩時間。
朗読は地場演劇俳優 深沢靖子さん 熱心な聴講生
続きを読む
(22:36)
2007年03月05日
3月4日13;00◆大田観光協会・大田教育委員会後援の「洗足史跡めぐり」に参加した。
講師 郷土博物館学芸員２名
参加５０名(２班)￥５００
当日は好天に恵まれ，気分も爽快、格好の散策日和であった。
まず、洗足池の概要・中原街道と東海道の徳川幕府としての位置付け・道標と庚申塚と庚申信仰・池月橋・千束八幡神社・池月像(上部写真）と磨墨像&宇治川の合戦・清水窪湧水と洗足池Eco・弁天池と野鳥の観察・水生植物園とホタル・西郷隆盛留魂詞碑(下部写真）・蘇峰の讃歌碑（下部写真）・勝海舟夫妻墓所・鳳凰閣・妙福寺(御松庵・護松庵)と袈裟掛けの松・馬頭観音のガイド等々で洗足池一周の豪華版散策であった。
Y学芸員の説明は微に入り細に亘って盛り沢山であった。参加者が近隣の方であろうか、随所に詳しい質問があったが、ひるまずに回答してガイド知識の奥深さが偲ばれた。
ガイドの会としては、勝海舟と西郷南州の会談で、江戸の戦禍が免れた歴史の英断を讃歌碑が山王草堂内の写真にもあった由、この碑文の読破を心掛けよう。
日蓮上人の袈裟掛けの松の物語は、この地を大切に残すのは洗足郷が池上宗仲家の領地だったのであろうか。 NHKの大河ドラマ「新撰組」の中で勝海舟の一言が鮮明に残って居る。近藤勇が捕らえられて土方歳三が近藤の助命を勝海舟に嘆願する場面で、拒絶されて憤然と立ち去る時、勝海舟は「近藤勇を助けちゃ駄目だぞ」「近藤に新撰組の責任を全部背負って死んで貰うんだ。」「近藤もこれを自覚している」「これが日本の歴史に役立つんだ」
趣意。
これはもちろんフェクションであり、ドラマであるが、判官贔屓の聴衆者・近藤勇側からすれば何と冷淡な人・勝海舟であろうと思った。しかし、勝海舟の人柄と先見性を表現するこの場面はどうしても耳朶から離れない。このことを海舟墓所で思い出した。帰ったら勝海舟の子母沢寛小説を読破しょうと爽やかな決意にて帰途に着いた。
Ｋ記
西郷隆盛留魂詞碑 と 徳富蘇峰の讃歌碑
(19:53)
2007年03月03日
2/24「まち歩き」ガイドの際、「質問してくださった３班のご夫婦の方へ」質問受けました案内板に書かれていた略年表で空想部落時代/文士村時代を分けた理由を解答します。
木村久邇典著「山本周五郎・馬込時代」福武書店1983年発行の「第二章・馬込移転」に『尾崎秀樹が書いている。
<一般には�犇�想部落�瓩僚賛佑箸い┐弌⊂赦汰梓�にそこ(馬込）に住んだ文士たちを一括して称する傾きがあるが、昭和二、三年頃の第一期グループと、昭和五、六年頃の第二期グループでは、構成メンバーがかなりことなっている。
第一期グループには尾崎夫妻(士郎と千代）のほかに、萩原朔太郎、北原白秋、衣巻省三、保高徳蔵、榊山潤、室生犀星、吉田甲子太郎、広津和郎、国木田虎雄、川端康成、間宮茂輔、秋田忠義などがいた。山本周五郎が�犇�想部落�瓩僚賛佑砲覆襪里和萋鶸�であり、 前期と後期の双方にまたがっているのは、尾崎士郎、室生犀星、吉田甲子太郎くらいなものだった。(略）
前期グループの雰囲気にはややデスペレートなものがあり、退廃の色がつよかった。しかし尾崎士郎が宇野千代との間を清算し、放浪生活に入ってからは�犇�想部落�瓩盪�実上解散同様で、それがふたたび復活するのは、尾崎が(清子夫人と）大森源蔵ｹ原に居を構えてからだ。そのため前期を「馬込文士村時代」、後期を「空想部落時代」とよんで区別する人もいる。馬込文士時代にはマージャンや花札が流行し、ダンスに熱中する者もあり、彼らをとりまく女性群も断髪が多かった。しかし空想部落時代になると、その傾向は急速にうすれ、浪花節的雰囲気がくわわってくる。モガ・モボ・ナンセンス時代の退廃が影を潜め、いわゆる満州事変前後の国策的緊張が別種の文士気質を助長したのだ>』（引用しました）
以上です。質問を出してくださったご夫婦の方、勉強させていただきありがとうございました。調べたガイドの会Ｓ会員にも乾杯！
Ｓ・Ｙ記
(21:31)
