2016年3月3日のひな祭りの日に東京の馬貴派八卦掌の練習会に参加してきました。

本当は、2月の李老師の学んでいる老師の講習会に参加したかったのですが、旧暦の春節と重なり、爆買いツアーで旅費がはね上がり、あえなく断念(=_=)

予定を変更してこの日の講習会に参加。そして磨身八法との邂逅となりました。

いつものように講習の30分前に会場に到着。以前はよく忍者軍団と顔を合わせていましたが、最近は見かけないなぁ。 と思っていたら大御所のNさんが来られたので、さっそく大先生の講習会の模様を聞かせて頂きました。見た目は普通の小柄なおじいさん、でも八卦掌をやると雰囲気が変わる。また単換掌も、これまで我々が学んだものとは、ずいぶん雰囲気が違っていたとの事。う~ん、やはり見てみたかったですね。特に走圏が見てみたかった。

と談笑していると李老師がご到着。今回も連絡なしで参加したのでびっくりしたご様子。

時間通りに講習がスタート!

まずはウォームアップを兼ねて龍形走圏。そして、単換掌。

前半の講義で覚えているのは、忙しくて疲れていたとしても、ダラダラと練習するのは良くなく、たとえ5分間でも真剣に練習するようにとの事。

もう一つは、八卦掌全体のムーブで一番難しいのは、やはり単換掌。そしてその次は○○との事。

その後、久しぶりに双換掌を学びました(といっても私だけが久しぶりというだけで、他の会員さんは、磨身八法の講習でほぼ毎回練習していたそうですが…)

何か違うなぁと思っていたら、走馬活携が抜けている。理由は、以前教えていたやり方は、腰の動きを身に付けるためのもので、最終的には走馬活携なしでも、腰の動きを使えるようにしなさいとの事。

個人的には指天挿地からの転身の際の手の位置を修正されました。これも前回の講習で練習していたそうです。(帰ってから中正をちゃんと意識してやってみよう)

もう一つは、蓋掌。最後までしっかり伸ばして、動きを止めずに撞掌へと繋ぐ。

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双換掌


休憩を挟んで、いよいよ磨身八法の講習。今日は6を行うとの事。

以下、備忘録。

順勢掌の歩法から低ーく劈掌(この動作は太極拳の海底針と同様の意があるそうです)、そして転身して変形の撩掌(この動作が、私だけ反対側に転身してしまい、感覚的には一番難しかった)、低ーく翻身して圧掌、そこから閉門して、もう一度海底針。下勢から磨身肘(穿掌を隠すバージョン)、腎臓に手を付けての斜身勢→蓋掌、ここから下勢からの撞掌。そして走馬活携から龍形転身。

基本的に私の場合は、講習会参加の第一の目的は覚えて帰る事で、練習は帰ってから自分自身で行うと考えているのですが、これはきついわ('A`|||)

李老師が講習前に「これを練習したら数日間はまともに歩けないよ」と脅し文句で言っていたが、現実に

何とか覚えてほっと一安心と思っていたら、休憩を挟んで更に発展形へ(((( ;゚д゚)))

上記の磨身肘のところを指天挿地して斜身勢の連続でくるくるくる~、後半の構成は同じだが、終了点がほぼ真逆になるので、頭も回る。(そういえば、揺身掌でも葵花宝典とかあったよなぁ)

そして、講習の最後は熊形での走圏。

この時、李老師が近くに来て、やたらと熊の姿勢を見せるので、久しぶりに老師の体に触らせてもらった。外見だけ見ると少し痩せたのかなと思っていたが、実際に触れてみると、以前に増して肩から肩甲骨、背中が逞しくなっており、打とうが掴もうがどうにもならない。というか掴むことさえできない。一体この人を倒すにはどうすればよいのだろうかと思っていたら、講習の最後に「虎背熊腰猿翼」と黒板に書かれていた。確かにもう人間ではないのかも…。

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熊形走圏


「揺・磨・廻・転」の意味

後半の講義で印象に残っているのは一つだけ、「揺・磨・廻・転」(翻)の意味について、馬貴派を学び始めた当初から、前半四掌は歩法を学び、後半四掌は身法を学ぶと聞いており、「古今東西のあらゆる武道や格闘技の動きもこれに当て嵌まらないものはない。」との説明を受けたが、意味がよく分からなかったし、それほど深く考える事もなかった。

そして、この日の説明でも正直を言えばよく分からなかったのであるが(確か転の四声のアクセントによる意味の違いを説明されていた。転身も単なる転身と転身掌では意味が異なる云々)、休憩時間に重鎮のNさんと「全部、転身してるし、どう違うのでしょうね?」と話していたら、「以前来られた時に、劈掌、切掌、削掌とか全部切るという意味だけれども、中国語では微妙にニュアンスが違っていて、色々な切り方があり、また各々に当て嵌まる漢字があるという話を老師がされたでしょう。それと同じような意味じゃないですかね。」とご解答を頂いた。この時に感じるものがあり、以下は私なりの解釈。

後半四掌には、それぞれに基本技法や連絡技法だけではなく特徴的な技法が含まれている。ここでは、転身動作に絞って比較してみよう。

揺身掌では、揺身一変。磨身掌では磨身肘。この二つの技法を見比べてみると、ほぼ同一の技法でありながら、揺身一変では扣歩で生じた力をそのまま平円運動として円の技法として用いる(応用例としては、反背捶や左右に開いての肘打ちなど)。それに対して磨身肘では、同じように扣歩で生じた平円運動を前後に切り開き、結果として直線運動の後方への点撃としている。この際必然的に中心軸(垂直軸)は前後に磨かれる事となる。

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揺身一変

次いで翻身と回身であるが、翻身掌では翻身の名の通り(下→上→下の軌跡での)立円動作を生じ、回身掌での劈掌から踢脚(撩陰掌)の動作では、同じ翻る動作でありながら(上→下→上)と翻身掌とは真逆の立円動作となる。

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撩陰掌

そして転身掌での転身探掌では、翻身掌と同じく立円動作でありながら、結果的には探掌という点撃の技法になっている。また磨身肘では前後に開く動作で点撃とするが、転身探掌では逆に前後に合わす合の動作で点撃としている。

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転身探掌

このように、陰陽で分類して考えると、揺身と磨身は平円で回身と転身は立円という捉え方もできるし、揺身と回身は円動作をそのまま円撃として用い、磨身と転身は円動作からの点撃と分類する事もできる。また円から点への切り替えも開で行うのか、合で行うのかといった分類もできるし、その点撃を前方に用いるのか後方に用いるのかでも分類できる。

これらの陰陽を組み合わせて四象や六合とすれば、理論上はいくらでも技が作れるが、結果的には「揺・磨・廻・転」のいずれか の要素を含んだ技となる。あくまでも私の自己解釈なので一意見として。(一年後には全く違う事を言っているかも…)

ちなみに掖掌は、平円動作から開の点撃となるので、やはり磨身掌に含まれる技法だと思うし、転身掌に含まれる反撩陰(単撞掌)は、ある意味回身掌(撩陰掌)的な立円動作からの点撃となるが、点撃でもあるから転身掌に入れたのかな。この技法は1と2で発力の方向が異なるし微妙な立ち位置。中国武術は繊細でありながら大雑把だったりするのが良いところ。

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反撩陰

「揺・磨・廻・転」(翻)の意味については、今後も研究課題として探求していきたいと思います。今回は身法として捉えてみたが、やはり言葉の意味自体のニュアンスも重要な気もする。特に回転や翻身とは異なり、なぜ「揺」の字が使われているのかが気になる。


2016年3月5日 記す



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