空軍パイロット訓練所よっしーです。
お久しぶりです。2回目の実習旅行(タイ僻地医療の実態見学)、その後詰め込みの授業と直後の試験があり、更に各国を訪れたときに注意すべき病気や食べ物などをクラス全体で紹介するプレゼンテーションと、口頭試問、だめ押しの3回目の研修旅行(片道10時間のバスの旅)、これだけを2週間あまりで詰め込まれ全くの余裕なしでした。おまけに風邪を引いて熱も出し、最低の条件でした。
今回は旅行医学のお話です。現代のジェット時代で、熱帯の奇妙な病気さえ、人に感染してすぐに日本や各国へ上陸する時代になりました。旅行前から準備が必要で、旅行での訪れる先に流行する病気、予防のワクチンの種類、マラリア予防薬の必要性、すでに病気にかかっている人が持って行くべき薬や、注意事項、屋台(street bender)で食べられる種類の食品や、水、宗教含めた習慣などで気をつけるべき事、これらを総合的に判断して、適当な診断書や時には旅行先での腎透析の予約、病人の航空機での移送などについて学びました。言わば世界中の病気を知らないと出来ない総合診療です。同級生の中でも数名は、この専門医を目指しておられます。
中でもおもしろかったのは、気圧変化に関する講義で、実際の空軍のパイロットなどを訓練している施設(写真)を訪れ、健康診断や訓練の方法、気圧変化の訓練用チャンバーまで見せてもらいました。
高圧酸素治療器の内部、実際はこの中で、酸素マスクをつけて全身への酸素供給を促進します。
通常のジェット機でも、かなりの高度を取るため、機内の圧力はコントロールされていますが、地上よりも下がります。このとき、肺や血液の病気などが有ると、酸素が足りなくなり、飛行中も100%酸素の投与を受けねばなりません。ダイビングの後は、窒素が細胞内に溶け込んでいるため、気圧が下がる航空機に乗ると窒素の気泡が発生する恐れがあるため24時間は乗れません。戦闘機のパイロットは相当激しい気圧の変化に耐えるため、色んなものを装着し、肉体に負担をかけて居ます。攻撃されて墜落しそうになったときの緊急脱装置の訓練も受けねばならず、脱出の打ち上げに際しては、体をまっすぐに固定し、筋肉を張り詰めなければ、脊椎などの骨折を起こすらしく、模擬様のシートが動くのを見せてもらいましたが、肉眼では見られないくらい速くてびっくり。その後友人との話題は、宇宙飛行士の話になり、一回の宇宙飛行のために6年以上訓練をして、健康で訓練を乗り越えた人だけが宇宙へ出かけていることを知りました。
高圧酸素治療器
翌日は、潜水医学。今度は海軍の施設を訪れ、講義を受けました。ダイビングの経験がある私にとって、加圧の影響はよく知っていましたが、基礎疾患があるときにそれがどうなるか、興味深い講義でした。大きな問題になるのは、肺の疾患。心臓や血圧関連は、普段の運動に支障が無ければ大きな問題にはなりません。ここでもやはり妊娠と胎児に対する影響はまだ分かっておらず、講義には出てきませんでした。潜水病(窒素がたまりすぎた状態)の治療には、再度高圧の元において、高濃度酸素の投与をする、高圧チャンバー治療が効果的です。ダイビングのメッカと呼ばれるプーケット、サムイにもチャンバー治療施設がありますが、バンコックの海軍基地にもチャンバー治療器が有りました。ここでの治療対象は、糖尿病合併した皮膚の壊死(潰瘍)や癌治療における皮膚潰瘍の患者さんが主で、ダイバーはめったに来ないそうです。普通の環境では、糖尿病の血流が悪い皮膚の潰瘍はほとんど治らないで、切断まで余儀なくされる場合も有ります。高圧酸素下では、この潰瘍も少しずつ治ってくれるようで、患者さんは毎日一ヶ月くらいかよって治療を受けていました。
ようやく休んで、いまサムイ島の船着き場で船を待っています。これからタオ島に行きます。