よっしーです。相変わらず、みんなが記事を書いてくれないので、一人で寂しく書いています。今日は、午前中お休みで、ようやく休息がとれました。 タイは貧しかった歴史があるため、風俗業への寛容が今も続いており、HIVの患者さんが多い国の一つです。 午後の病院見学はHIV(人後天性免疫不全ウイルス)の専門病院でしたので期待していましたが、集合時間が分からず遅れてしまい、先ほど帰ってきた友人から様子を聞きました。病院は、古い建物だったそうですが、清潔な施設と聞きました。若い入院患者さんについての詳しい検査などの話があったそうです。
先週から、HIVの講義がひっきりなしに行われてきましたが、小児科領域で、母親から胎児新生児の時に感染した症例の話を聞きました。このとき、患者さんの状況を知って貰うための冊子ももらい、これを読みました。エイズという病気が、ライ病と同じように、人から人へ簡単に感染すると勘違いされ、偏見で避けられてきたのです。(ライも簡単には移りません)。今でも、HIVの知識は多くの方が持っておらず、患者さんは迫害を受けています。コンドームを使わないセックスや、血液を採取した注射針(麻薬の注射を含め)、母胎から子供への感染以外ではほとんど感染しません。 他の性病よりも感染率は低いくらいです。一端感染すると、非常に増えるのが早いため、そのたびに突然変異を起こす可能性が有り、薬を決まった時間に正確に飲まなければ、ウイルスが増えてしまいます。また、完全に治った人は、ごく少数と考えられており、特に貧しい国では死亡率が高いです。
セックスで感染する死亡する病気と言えば、最近ワクチンが実用化された子宮頸がん(人パピローマウイルス)も同じです。こちらは幸い、母児感染が無いので、悲惨な子供患者は見られませんが、ワクチンさえ受ければ安心というわけには行かないので、今後も子宮癌検診は続けて受ける必要が有ります。
HIVのワクチンも盛んに研究されていますが、突然変異が多すぎて、治療薬さえ間に合わないのが現状で、聖書に書かれている様に、不倫は大きな罪なのです。男女の関係でセックスは重要なものと思いますが、一番好きな人とだけしましょう。一番好きな人を探している間は、これです。
母児感染で感染した子供たちの多くは、親もHIVの病気のために死亡する事が多く、迫害などもあるため、多難な生涯を送ります(自分が選んだ道では無いし、自分の失敗でも無いのに)。日本など、最新医療を持つ国でもHIVのウイルスの発育を抑える治療はなかなか難しく、エイズが発症した後には最新治療でも救命は困難です。ましてや、貧しい国(全地球人口の60%以上は貧しい国にいます)では、値段の安い薬を使うしか無く、一端その薬を止めると、数日で耐性が出来てしまい、次に使う薬は高額になります。これを、一生、時間を決めて飲まなければなりません。「個人のお金が無くなれば、その個人の生命が終わりだ」という常識は、世界では当たり前なのです。
マラリア、デング熱;いずれもタイでは多い病気で、子供に対する教育用の冊子と小児HIVの手記(日本語訳)
HIVの病気の世界的蔓延を防ぐには、画期的な薬の開発を期待するよりも、貧しい国での耐性菌の発生を抑えることが非常に重要です。すなわち、診断もできずに性行為を続けている人が居る世界では、薬の効かないウイルスや菌がどんどん増えて行きます。今の国際流通時代では、この耐性菌はすぐに世界中に性行為を通じて広がるからです。自分たちの目を、自分の周囲だけに向けずに、世界規模で経済や病気を見ていくことがこれからは本当に重要です。隣で困っている見にくい人を、愛する勇気はなかなか持てないでしょうが、今それが求められている時では無いでしょうか。神様は、ノアの箱舟物語を再度行うことは絶対しないと約束して下さって居ます。しかし、愛する子供たちの未来のために、神の教えに忠実になる時間も必要では無いでしょうか。これは熱帯医学の最前線の課題の一つです。