Tomoです。バンコクDTMHコースでは、19ヶ国から学生が集まっていることから、他文化交流ができます。今年のDTMHも皆とても仲が良く、医療分野に限らず、将来の夢や恋愛など、多くのことを語り合っています。
4~6月の間は、授業と試験、Field trip等の行事で結構バタバタだったのですが、土日に小旅行に行く機会もたくさん持てました。僕の場合は、アユタヤ・ラーン島(2回)・プーケット(2回)・クー島・シンガポールに行きました。合間を縫ってのハードスケジュールだったのですが、今しかできない経験と今しか持てない時間かもしれません。そしてマヒドン大学主催の宴会も、なぜか結構あります(各国対抗の出し物など)。そんな素敵な大学院、他にあるのかな??
ちなみにヨーロッパ人は、クラブで朝まで踊ります。二日酔いがひどい僕にはきつかった~
下記は島での写真と近くのバーで飲んだ時の写真です♪
2012年07月
授業開始から4ヶ月が経ち、来週から選択授業となります。これまで全6分野(2分野x3回)の多肢選択試験と1回の口頭試験がありました。当diplomaコースについてのこれまで流れと、試験について簡単にまとめました☆
他にも熱帯医学diplomaは、下記などの3ヶ月コースが世界中にあります(おそらく9大学?)。
London School of Hygiene and Tropical Medicine(イギリス)
Liverpool School of Tropical Medicine (イギリス)
School of Public Health and Tropical Medicine, Tulane University (アメリカ)
長崎大学熱帯医学研究所 (日本)
その中で、熱帯地方に位置するため症例が豊富なのがマヒドン大学です。かつ6ヵ月コースであるため、講義以外に病棟回診やラボ実習も多く、Field tripも計3回ありました。
Field trip①(蚊と便の採集および検鏡)
Field trip②(カレン族の村と病院の見学)
Field trip③(病棟ラウンドとケースディスカッション)
率直に言って、非常に勉強になりました。寄生虫分野では講義直後に検鏡できましたし、病棟ラウンドも多く、ケースディスカッションも豊富でした。講師陣の知識量も豊富で、どの講義も大満足です(英語の授業ですが、スライドを見ながらついていけます)。
Masterコースの場合は、イギリスもアメリカもタイも、日々莫大な量の課題がでるようです。そのため、皆さん土日も含め勉強に追われています。一方diplomaコースでは、講義は1日中ありますが課題がほとんどないため、試験前の勉強だけでもクリアーはできます。
約1ヶ月ずつの講義後に、その分野の多肢選択試験を受けました。
①蠕虫(線虫,吸虫,条虫)および原虫(アメーバなど)
②感染性下痢症(コレラ,ロタ,赤痢,サルモネラ群)
③マラリア
④その他の熱帯感染症(デング熱,レプトスピラ,リケッチア,バルトネラ,ブルセラ,炭疽病,破傷風,狂犬病,日本脳炎,ウイルス性出血熱,フィラリア,トリパノソーマ,リーシュマニア,外部寄生虫)
⑤エイズ
⑥その他(結核,ハンセン病,ウイルス性肝炎,梅毒等のSTD,メルロイドーシス,サラセミア貧血,ヘビ中毒,溶連菌感染症,栄養失調とビタミン欠乏症)
試験は、莫大な量の講義プリントから主に出題されます。しかし、しっかりとした理解と結構細かいところまで覚えていないと解けません。下記は皆が活用していた主なtextbookです。
①Leccture Notes; Tropical medicine
②CDC; The Yellow Book
③トラベル&トロピカルメディシン・マニュアル
④Oxford Handbook of Tropical Medicine
私の場合は、全試験分野をおおよそカバーしていたことから①ばかり読みました。2回読破したので、理解を得るのに非常に役立ちました。皆それぞれ、各疾患毎にまとめてもいたようです。しっかりText bookを読むことと講義内容のまとめをつくっておくことが、将来の臨床につながるのではと思っています。
(偉そうなことを書きましたが、この勉強は試験10日前からのみです...)
よっしーです。
お久しぶりです。2回目の実習旅行(タイ僻地医療の実態見学)、その後詰め込みの授業と直後の試験があり、更に各国を訪れたときに注意すべき病気や食べ物などをクラス全体で紹介するプレゼンテーションと、口頭試問、だめ押しの3回目の研修旅行(片道10時間のバスの旅)、これだけを2週間あまりで詰め込まれ全くの余裕なしでした。おまけに風邪を引いて熱も出し、最低の条件でした。
今回は旅行医学のお話です。現代のジェット時代で、熱帯の奇妙な病気さえ、人に感染してすぐに日本や各国へ上陸する時代になりました。旅行前から準備が必要で、旅行での訪れる先に流行する病気、予防のワクチンの種類、マラリア予防薬の必要性、すでに病気にかかっている人が持って行くべき薬や、注意事項、屋台(street bender)で食べられる種類の食品や、水、宗教含めた習慣などで気をつけるべき事、これらを総合的に判断して、適当な診断書や時には旅行先での腎透析の予約、病人の航空機での移送などについて学びました。言わば世界中の病気を知らないと出来ない総合診療です。同級生の中でも数名は、この専門医を目指しておられます。
中でもおもしろかったのは、気圧変化に関する講義で、実際の空軍のパイロットなどを訓練している施設(写真)を訪れ、健康診断や訓練の方法、気圧変化の訓練用チャンバーまで見せてもらいました。
高圧酸素治療器の内部、実際はこの中で、酸素マスクをつけて全身への酸素供給を促進します。
通常のジェット機でも、かなりの高度を取るため、機内の圧力はコントロールされていますが、地上よりも下がります。このとき、肺や血液の病気などが有ると、酸素が足りなくなり、飛行中も100%酸素の投与を受けねばなりません。ダイビングの後は、窒素が細胞内に溶け込んでいるため、気圧が下がる航空機に乗ると窒素の気泡が発生する恐れがあるため24時間は乗れません。戦闘機のパイロットは相当激しい気圧の変化に耐えるため、色んなものを装着し、肉体に負担をかけて居ます。攻撃されて墜落しそうになったときの緊急脱装置の訓練も受けねばならず、脱出の打ち上げに際しては、体をまっすぐに固定し、筋肉を張り詰めなければ、脊椎などの骨折を起こすらしく、模擬様のシートが動くのを見せてもらいましたが、肉眼では見られないくらい速くてびっくり。その後友人との話題は、宇宙飛行士の話になり、一回の宇宙飛行のために6年以上訓練をして、健康で訓練を乗り越えた人だけが宇宙へ出かけていることを知りました。
高圧酸素治療器
翌日は、潜水医学。今度は海軍の施設を訪れ、講義を受けました。ダイビングの経験がある私にとって、加圧の影響はよく知っていましたが、基礎疾患があるときにそれがどうなるか、興味深い講義でした。大きな問題になるのは、肺の疾患。心臓や血圧関連は、普段の運動に支障が無ければ大きな問題にはなりません。ここでもやはり妊娠と胎児に対する影響はまだ分かっておらず、講義には出てきませんでした。潜水病(窒素がたまりすぎた状態)の治療には、再度高圧の元において、高濃度酸素の投与をする、高圧チャンバー治療が効果的です。ダイビングのメッカと呼ばれるプーケット、サムイにもチャンバー治療施設がありますが、バンコックの海軍基地にもチャンバー治療器が有りました。ここでの治療対象は、糖尿病合併した皮膚の壊死(潰瘍)や癌治療における皮膚潰瘍の患者さんが主で、ダイバーはめったに来ないそうです。普通の環境では、糖尿病の血流が悪い皮膚の潰瘍はほとんど治らないで、切断まで余儀なくされる場合も有ります。高圧酸素下では、この潰瘍も少しずつ治ってくれるようで、患者さんは毎日一ヶ月くらいかよって治療を受けていました。
ようやく休んで、いまサムイ島の船着き場で船を待っています。これからタオ島に行きます。
日本では毎年新規の患者さんは、1人以下しか見つかりませんが、タイではまだ300人も見つかるそうです。早期発見と早期治療が、家族への感染を予防するためにも大切と、流行地では、住民の教育、啓蒙活動を盛んに行っています。今回、我々はその専門病院を訪れることが出来、しかも患者さんたちが自ら我々に病巣を見せていただけ、感謝いたします。
感染しているアルマジロと培養のため、足にleprosy菌をうたれて培養されているヌードマウス
人間以外にも、アルマジロという動物に感染し、甲羅の部分が腫れて、縞模様が帯状にしかなくなっている写真です。
leprosy菌は結核菌と非常に似ています。 しかし、未だに試験管内では培養できず、そのため感受性試験などが出来ません。かろうじて、ヌードマウスという、免疫抑制をされた実験用のネズミで四肢の皮下に植えると繁殖しますが、6ヶ月もかかります。どういう免疫力の低下が感染しやすいかも分かっておらず、AIDSの患者さんでも特に感染しやすいとは言われていません。耐性菌が出来ないように、3種類の薬を飲みますが、軽傷では6ヶ月、重傷型(病巣から菌が顕微鏡で見つかるもの)では2年間も飲まなければなりません。
次の週に別の病院へ行きました。
次の週には、呼吸器感染症の病院に見学に行き、特にHIVウイルス感染者で、免疫力が弱ってきた人に一番多く見られる日和見感染症が結核です。日本でも、HIV感染者の増加により結核の発症も増加傾向に有りますが、熱帯地方ではさらに多くの患者さんが居ます。未だに戦闘をしているアフリカの地域や栄養失調の国では、人口の30%が結核感染していると言います。実際の病状から判断すると、それほど数は多く有りませんが、実際に感染していてAIDSなどが発症すると、病状がはっきりして見つかります。結核も、実際に咳をしていて、その中に排菌のある人からしか感染しませんが、受け取る方も免疫力の低下した人が多い事が分かっています。 実際は、2週間ほどの薬を飲み終えた段階で患者さんからの感染力はほとんど無くなり、その後は治癒のために6っかげつほど薬を飲みます。現在世界中で危惧されていることは、途上国の貧しい国で、結核患者が多いこと、その人たちはお金が無いので薬をきちんと飲めないこと。治療途中で薬が切れてしまうと、耐性菌といって、薬の効かない結核菌が発生してきて、多いな死亡原因になり、またこれが世界中に広がる危険が高いこと。実際にその流行は、HIVと平行して広がっています。
「そんな事は今の日本の自分たちの事と関係ないわ」と考えていると、いつの間にか日本でも耐性結核が幅をきかせてしまいます。すでに、ヨーロッパ各国ではアフリカからの難民による持ち込みが多く、すでに日本にも入っていると思われます。感染症の世界中への広がりは、菌の持つ性質だけでは無く、法律を含めた人間社会での人々の習慣と、貧困から生じる免疫力の低下、早期診断、早期治療の遅れが非常に重大な要因となっています。
この方は、薬を作っておられますが、たいへん危険です。
よっしーです。きょう試験が終わり、打ち上げパーティーを待つばかり。HIVや小児科の問題は、授業で習ってないことが多すぎて、どうしようも無い状況ですが、再試の日程も発表になり、後は結果を待つばかり。
先日、授業の一環で、へび園(バンコック赤十字社)へ行ってきました。最近あまり怖いものが無いと思っていたのですが、その後数日眠れないほど、怖い思いをしました。正直、聖書の影響もあって、私は蛇を怖がってます。写真は、同級生のジュリアの後ろ姿ですが、 なんかクビに乗っていますね。
熱帯の国では、毒蛇もまだ沢山居るようで、年間沢山の方が蛇に咬まれ、毒のために呼吸が止まったり、血が止まらなくなったり、溶血したり、筋肉が壊れたりします。 そこで必要になる薬が、抗毒素といいますが、蛇の毒を採取して、それを動物(ここでは馬)に注射をし、抗体という免疫の成分が出来たところで、馬から血清をとり、これを出来るだけ人間に害の無いように作り直して薬にしています。薬をうつとそのアレルギーも起こるので、安易には使えない薬です。この薬を作るためには、危険ですが、毒蛇を飼っておく必要があるので、ここに赤十字社の蛇園が必要になるわけです。職員の慣れた方は、コブラをさっとその首根っこをつかんで押さえましたが、命がけの仕事です。
同級生のチャロ:スペイン人
さんざん、毒蛇を見せられた後、「誰か蛇を触ってみたい人居ませんか?」と言ったときに手を上げたのが、チャロ。あり得ない一コマでした。彼女はこの蛇を見せられる前に、前に出て行かされ、隠されたこの蛇を、急に肩に乗せられたのです。あり得ない。その後、友達は、次々と肩に乗せて貰っていましたが、私は気持ち悪くて、後ろへ逃げ出してしまいました。ジュリアもすごい。
これを書いてしまったので、今夜も眠れないかも。