マヒドン大学熱帯医学教室2012

このブログは、マヒドン大学熱帯医学教室2012年度に留学中の日本人10名の体験記です。

同級生たち

Travel Medicine 旅行医学

Aviation1空軍パイロット訓練所
よっしーです。

お久しぶりです。2回目の実習旅行(タイ僻地医療の実態見学)、その後詰め込みの授業と直後の試験があり、更に各国を訪れたときに注意すべき病気や食べ物などをクラス全体で紹介するプレゼンテーションと、口頭試問、だめ押しの3回目の研修旅行(片道10時間のバスの旅)、これだけを2週間あまりで詰め込まれ全くの余裕なしでした。おまけに風邪を引いて熱も出し、最低の条件でした。
 今回は旅行医学のお話です。現代のジェット時代で、熱帯の奇妙な病気さえ、人に感染してすぐに日本や各国へ上陸する時代になりました。旅行前から準備が必要で、旅行での訪れる先に流行する病気、予防のワクチンの種類、マラリア予防薬の必要性、すでに病気にかかっている人が持って行くべき薬や、注意事項、屋台(street bender)で食べられる種類の食品や、水、宗教含めた習慣などで気をつけるべき事、これらを総合的に判断して、適当な診断書や時には旅行先での腎透析の予約、病人の航空機での移送などについて学びました。言わば世界中の病気を知らないと出来ない総合診療です。同級生の中でも数名は、この専門医を目指しておられます。

 中でもおもしろかったのは、気圧変化に関する講義で、実際の空軍のパイロットなどを訓練している施設(写真)を訪れ、健康診断や訓練の方法、気圧変化の訓練用チャンバーまで見せてもらいました。
Aviation2高圧酸素治療器の内部、実際はこの中で、酸素マスクをつけて全身への酸素供給を促進します。

  通常のジェット機でも、かなりの高度を取るため、機内の圧力はコントロールされていますが、地上よりも下がります。このとき、肺や血液の病気などが有ると、酸素が足りなくなり、飛行中も100%酸素の投与を受けねばなりません。ダイビングの後は、窒素が細胞内に溶け込んでいるため、気圧が下がる航空機に乗ると窒素の気泡が発生する恐れがあるため24時間は乗れません。戦闘機のパイロットは相当激しい気圧の変化に耐えるため、色んなものを装着し、肉体に負担をかけて居ます。攻撃されて墜落しそうになったときの緊急脱装置の訓練も受けねばならず、脱出の打ち上げに際しては、体をまっすぐに固定し、筋肉を張り詰めなければ、脊椎などの骨折を起こすらしく、模擬様のシートが動くのを見せてもらいましたが、肉眼では見られないくらい速くてびっくり。その後友人との話題は、宇宙飛行士の話になり、一回の宇宙飛行のために6年以上訓練をして、健康で訓練を乗り越えた人だけが宇宙へ出かけていることを知りました。
underw1高圧酸素治療器

 

 翌日は、潜水医学。今度は海軍の施設を訪れ、講義を受けました。ダイビングの経験がある私にとって、加圧の影響はよく知っていましたが、基礎疾患があるときにそれがどうなるか、興味深い講義でした。大きな問題になるのは、肺の疾患。心臓や血圧関連は、普段の運動に支障が無ければ大きな問題にはなりません。ここでもやはり妊娠と胎児に対する影響はまだ分かっておらず、講義には出てきませんでした。潜水病(窒素がたまりすぎた状態)の治療には、再度高圧の元において、高濃度酸素の投与をする、高圧チャンバー治療が効果的です。ダイビングのメッカと呼ばれるプーケット、サムイにもチャンバー治療施設がありますが、バンコックの海軍基地にもチャンバー治療器が有りました。ここでの治療対象は、糖尿病合併した皮膚の壊死(潰瘍)や癌治療における皮膚潰瘍の患者さんが主で、ダイバーはめったに来ないそうです。普通の環境では、糖尿病の血流が悪い皮膚の潰瘍はほとんど治らないで、切断まで余儀なくされる場合も有ります。高圧酸素下では、この潰瘍も少しずつ治ってくれるようで、患者さんは毎日一ヶ月くらいかよって治療を受けていました。
 ようやく休んで、いまサムイ島の船着き場で船を待っています。これからタオ島に行きます。 


ハンセン氏病と結核病棟

leprosyLeprosy ハンセン氏病の病院
 よっしーです。ハンセン氏病という名前をご存じでしょうか。旧訳聖書(紀元前2000年)の時代からその存在を知られ、見かけの悪さにより、患者さんは伝染病として人権を無視されて、隔離をされてきた歴史があり、現在の日本の聖書にはツァーラアトと言う名前で翻訳されています。現代では、投薬治療により感染性はすぐに無くなり、また長年にわたる濃厚な接触と、感染を受ける人の免疫力の低下が無ければ感染しないことが分かっています。しかし日本では、法律の改正が大幅に遅れ、 1996年に法律が廃止されるまで、法的に隔離され続けて来たので、人権侵害の例として、社会はその責任を認めなければなりません。
 日本では毎年新規の患者さんは、1人以下しか見つかりませんが、タイではまだ300人も見つかるそうです。早期発見と早期治療が、家族への感染を予防するためにも大切と、流行地では、住民の教育、啓蒙活動を盛んに行っています。今回、我々はその専門病院を訪れることが出来、しかも患者さんたちが自ら我々に病巣を見せていただけ、感謝いたします。
almajiro感染しているアルマジロと培養のため、足にleprosy菌をうたれて培養されているヌードマウス
 人間以外にも、アルマジロという動物に感染し、甲羅の部分が腫れて、縞模様が帯状にしかなくなっている写真です。
 leprosy菌は結核菌と非常に似ています。 しかし、未だに試験管内では培養できず、そのため感受性試験などが出来ません。かろうじて、ヌードマウスという、免疫抑制をされた実験用のネズミで四肢の皮下に植えると繁殖しますが、6ヶ月もかかります。どういう免疫力の低下が感染しやすいかも分かっておらず、AIDSの患者さんでも特に感染しやすいとは言われていません。耐性菌が出来ないように、3種類の薬を飲みますが、軽傷では6ヶ月、重傷型(病巣から菌が顕微鏡で見つかるもの)では2年間も飲まなければなりません。


次の週に別の病院へ行きました。 
Tbroom結核の人や、呼吸器感染症の専門病院; 空気の流れが一方通行になるよう工夫されている、明るく清潔な病棟。多くの公立病院では、エアコンは無く扇風機が主流でした。
  次の週には、呼吸器感染症の病院に見学に行き、特にHIVウイルス感染者で、免疫力が弱ってきた人に一番多く見られる日和見感染症が結核です。日本でも、HIV感染者の増加により結核の発症も増加傾向に有りますが、熱帯地方ではさらに多くの患者さんが居ます。未だに戦闘をしているアフリカの地域や栄養失調の国では、人口の30%が結核感染していると言います。実際の病状から判断すると、それほど数は多く有りませんが、実際に感染していてAIDSなどが発症すると、病状がはっきりして見つかります。結核も、実際に咳をしていて、その中に排菌のある人からしか感染しませんが、受け取る方も免疫力の低下した人が多い事が分かっています。 実際は、2週間ほどの薬を飲み終えた段階で患者さんからの感染力はほとんど無くなり、その後は治癒のために6っかげつほど薬を飲みます。現在世界中で危惧されていることは、途上国の貧しい国で、結核患者が多いこと、その人たちはお金が無いので薬をきちんと飲めないこと。治療途中で薬が切れてしまうと、耐性菌といって、薬の効かない結核菌が発生してきて、多いな死亡原因になり、またこれが世界中に広がる危険が高いこと。実際にその流行は、HIVと平行して広がっています。
 「そんな事は今の日本の自分たちの事と関係ないわ」と考えていると、いつの間にか日本でも耐性結核が幅をきかせてしまいます。すでに、ヨーロッパ各国ではアフリカからの難民による持ち込みが多く、すでに日本にも入っていると思われます。感染症の世界中への広がりは、菌の持つ性質だけでは無く、法律を含めた人間社会での人々の習慣と、貧困から生じる免疫力の低下、早期診断、早期治療の遅れが非常に重大な要因となっています。

豪華高層マンション

Photo0078ヨッシーです。
 はや2ヶ月が過ぎようとしています。昨日、寄生虫のテストが有り、みんな真剣に勉強したので、難しい問題でしたが、すっかり忘れて打ち上げ会をしました。写真は、一番豪華のお部屋に住まわれているG先生のお部屋から撮った写真。バンコックは高層マンションも多く、賃貸で29階のお部屋を借りてられます。すっごくきれいで、お鍋もおいしく、福島から持ってきて貰った日本酒もおいしくいただきました。ありがとうございました。
 打ち上げP
おつまみにこんなものも買ってきた人がいます。
Photo0079
 よく見ると、柿の種の横に見慣れぬものが。あまりに勉強しすぎたので、仕返しに、虫を食べてしまいました。こいつは寄生しない種類ですし、熱をくわえれば寄生虫はみんな死にます。高温で死なないものは古細菌だけでしょうが、今のところ古細菌で人間に病気を起こすものはないようです。
 バンコックで愛用している、自転車をのせておきます。お気に入りの喫茶店に駐めてみました。
Photo0014
苦労して探し求めた、ヘルメットをかぶり、ブレーキを取り替えてのっています。今日は久しぶりにヨガをして、初めて焼き肉をたべて来ましたが、日本のお米が有り、やっぱりおいしいですね。
 Tower
この写真は学校の寮(13階建て)の最上階から撮った写真で、奥の方に見えるタワーは87階建ての最高高層ホテル。83階のレストランに行ってきましたが、夜景はすごいでした。なんと屋上では屋外に出られるそうです。ヨガスタジオもこんな高層ビルの23階にあります。窓を一つ開けて、風を通しながら、エアコンなしで汗をかいてやります。
Photo0036
Yoga2
ヨガスタジオの中からの風景、足下までガラス張りで、窓に近づくと、それはもう怖いのです。yosshyよっしーでした。

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