こんにちは。
桜井のりお先生の「みつどもえ」が7月末に大復活してから週に一度、又は間を空けたとしても2週間程で、なんとかその期間内でブログの更新をしていたのですが、またまたサボり癖でしょうか、最近また書き込みの間が空いてしまいました。申し訳ないです。
ああ、コンビニとかでやる気の素とか売ってないでしょうかねぇ…。
え?ひゃくまんおくえんするって!?そんなに高かったら絶対買えないですよね…。
大金持ちの杉ちゃんだって無理、だと思う。
と、どう転んでも自分にしか返ってこない問題のことをぐちぐち言っててもしょうがないので早速ですがみつどもえのレヴューへと参りたいと思います。
(今回は反動でちょっと書きすぎちゃったので2ページとなっております)


桜井のりお『みつどもえ』237卵性「ナイトメアー・ビフォア・アナザー」(別冊少年チャンピオン12号:秋田書店)<2012年11月12日発売>


【注意!】以下の文章には作品のネタバレが含まれております。ご注意下さい。


ではまず表紙をご覧ください。

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この絵を見てつくづく思うことは桜井先生は日に日に絵が上手くなっているということを改めて実感させられるということです。
天才美少女(?)高校生ギャグ漫画家としてデヴューして9年程経ちましたがその成果ということなのでしょうか。
しかしまだまだ成長を続け、今現在も「天才」という冠は大げさでもなんでもなく自然と光り輝いている先生は素晴らしいのひと言に尽きます。

この「天才」という枕詞は以前は「ギャグ」に付いた割合が大きかったのですが、ここ数年は「絵」の方にも付いてしかるべきとそのように僕自身は感じております。
「デッサン的に」とか「萌え」とかそういう面で言うとのりお先生より上手な漫画家さんは幾らでもおられます。が
一度見たら忘れられない独自の「かわいさ」を表現できる作家さんはそんじょそこらにそう居るもんじゃあありません。見てください。このふっちゃんの可愛さを。なんて魅力的なんでしょうか。あのふたばさんがこんなにかわいくなりました!だって連載始まった当初のふたばさんってこんな感じだったんですよ!


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(1巻1卵性「良い子悪い子おそろしい子…!」より)

ま、これはこれで良いのですけど、でも画力がアップしてギャグ成分も更にアップしている(ギャグに関してはファンの間で賛否分かれるようですが)
しかし、これ、同一人物?と思えるほど「女性」として現在のふたばさんは身も心も非常に魅力的に成長されております。
もちろん成長といっても時間軸的には同じ。1巻の時も13巻(予定)も同じ6年生なのです。
変わったのは彼女が生きている世界、というか神といったほうがいいでしょうか。そう。神が変わっているのです。のりお神という神。1巻の時の神と13巻の時の神。

その神が素晴らしい成長を遂げ、その世界の住人達も素晴らしく変身するのです。
ああ。我々は神の御心のままに翻弄されるのか!って宗教とかじゃないですからねっ!!
いやいや、もはや宗教と言ってもいいのではないだろうか!のりお教とかそういうの。


とにかく、桜井先生の描く絵が良いんですよね。僕的には9巻あたりからでしょうか、特に安定感が出てきたなと思うのです。筆捌きがしっかりしているというか手馴れた感じというか。以前はちょっと線が細くてデッサンとかもへにゃっとした素人っぽさが無きにしも非ずでしたが最近はそう感じさせることは皆無といっていいでしょう。絵に自信が漲って堂々としております!むふー!


表紙に戻りましょう。
みっちゃんもかわいいですね。ひとはのこのデフォルメも手馴れているからこその味が出ていていい感じです。でも、やっぱりこの表紙で目が行っちゃうのはふたばですね。何度も言うけど本当これは素晴らしい。


表紙のことばかり書いてても先に進みませんので次へと行きたいと思います。

2ぺーじ目。
2ページ目は「みつどもえ完璧相関図」というものが挿入されております。というかページまるまる「図」です。


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29組の相関図。こうやって図にすると何故みつどもえがこんなに面白いのか理解できる一つのきっかけがつかめるような気がします。
一人ひとり個性豊かなそして愛らしいキャラばかり。パンツだって例外じゃありません。
おがちんがパンツをライバルにしてくれたおかげでどんなに妄想を膨らましておがちんのジャンスカを見つめ(ry



相関図に戻ります。
でも本当にこれ完璧?…と良くみたら「ほぼ完璧」と「ほぼ」が書き加えておりました。

ではとりあえず、検証なぞをしてみましょうか。
ざっと見て、おや?と思った矢印を発見しました。みっちゃんから「超好き」という矢印が伸びているではないですか!みっちゃんが超好きなのって何?お菓子?食べ物?それとも杉崎さん?
辿って行くと……。


な、なんと!

さ、佐藤君ではないですか!そんなバカな!
い、いやみっちゃんも佐藤君とは幼馴染でなんだかんだ千葉とか田渕とかとは同列視していないのは確かだと思うしそれに始めて裸体をさらしたことのある唯一の男子だし。といっても4、5才の頃だけど。
でも「超好き」ってそんないくらなんでもそんな……!!

と、よく見たらこの矢印、「変態パンツ佐藤扱い」とも書いてあります。え?どっち??
と、更によくみたらこの「超好き」の文字は、ひとはのガチレンジャーに対してのものでした。
丁度ふたつの矢印の交差しているとこに書いてあったんで間違ってしまいました。
みっちゃんファンの皆様お騒がせいたしましてすみません。

さてさて他はどうでしょうか。

……大体こんなものではないでしょうか。
詳しく書くと矢印にもっといろんなことを書き込みたくなると思うのですがやっぱりこういうのはひと言で収めるのが腕の見せ所です。
でもちょっと欲を言うと、猫の「チブサ」に草次郎の「飼い猫」というベクトルしか無いのはちょっと寂しいです。
三つ子みんなに愛されてますからね。
それと栗山っちと田渕君はお顔を載せてあげたかったです。
海江田先生への6年1組も小さくでいいですからあってもよかったかもと。

でもこれだけ登場人物の多い「みつどもえ」の相関図を良くぞ載せてくれました。
別冊から読み始めた方にはそれぞれのキャラクターの関係がよく解って参考する手助けになると思います。
あと、ベクトルに色分けをして関係性をわかりやすくしたのは良いアイデアだと思いました。
なかなか良い相関図が出来たと思います。
ということで「編集部GJ!」と言わせていただきます。お疲れ様です!


さてさてお待たせいたしました。本編のレヴューと参りましょうか。

まずこのような導入で始まります。

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「吉報!?凶報!?」と編集コメントが付いておりますが…
吉報でしょう。吉報しかありえません。松岡さんが帰ってくるのです。あの可愛い松岡さんがですよ!
吉報というほか何報と言えば言いのでしょうか。僕には他に適当な言葉が見当たりません。


でもチーム杉崎はみんな知らないご様子。
ってまだ入院してたかどうかをみんな知らなかったなんて。杉ちゃんはチームリーダーとしてもう少ししっかりして欲しいものです。

しかしそうは言ってもみんなが彼女の退院を知らなかったのは松岡さんにも原因があるのです。
本当はもっと早く退院できるはずでしたがそれが遅れた理由は、病院内徘徊という彼女の趣味がアドレナリン分泌しまくって痛覚を鈍くさせ、興奮の為血圧上昇、過度な運動による傷口が開く等となかなか完治しなかったのがその原因。何時退院するか全く見当が付かなかったのです。
でも治療&入院費馬鹿にならなかったでしょうね。松岡さん親不孝者です。

そうであっても入院してたことさえ知らなかったみっちゃんはあまりにも酷すぎ!
みっちゃんは松岡さんとみつどもえメンバーで唯一「普通の女子的繋がり」を持ったことのある稀有な経験をしたことがあります。
「ブラジャー」のフィッティング&購入というみっちゃんの念願のイベントをそれらに詳しい松岡さんに手伝ってもらったというそんな経験。
なんと松岡さんらしくない!
でもこういうバックグラウンドがあるから松岡さんはいいんですよねー。松岡さんチュキチュキ☆

でもそんな特別な存在であるはずにも関わらずみっちゃんのこの鈍感さはひとはも「予想外」といわざる得ない程どうかしてます。というかひとはも家で話題にしろよー松岡さんのこと。

こういうところがみっちゃんはやっぱり自分のこと以外は鈍いというか見えていないというか…そういうことが解ります。「いつも」というわけではないのですが。
でもある意味小学6年生っぽいっと言えばそうかもしれないですね。当時の自分を振り返ってもそうでした。(今も?ダメ大人だ…)


ひとは意外みんな知らない松岡さんの退院日。
いや、ひとは意外にもう一人その案件を知っている人物がいました。吉岡さんです。
いや、もしかしたら知らなかった…のかも。

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みんなと嗜好が違いそしてマイペースであるが故に単独行動が顕著な松岡さんですが、でも一応チーム杉崎の一員です。
同じチームの仲間である吉岡さんにとってはそんな松岡さんであってもほっとけない存在です。
彼女は常にチーム杉崎の一員として楽しいなとか嬉しいなとか思っていてもらいたいと、そしてそうさせるのは自分の役割だと感じているそんな優しい子なのです。

ですから松岡さんが入院した時ひとはにそのお株を取られてしまったと勘違い(?)した吉岡さんは
ひとはに嫉妬するというそんなちょっと珍しい表情を見せたのも記憶に新しいことです。

で、そんな吉岡さんですがしっかり松岡さんとメールのやり取りをしておりました。
ひとはに退院のこと知らなかったの?と訊ねられた時のちょっとカチンときた表情&反論は吉岡さんの新しい一面ですね。でも「カチン」と来るときって大体図星突かれちゃった時なんですよね。ふふふ。

そのメールのやり取りの内容はというと、術後の経過を毎日知らせてくれるという親密な関係を証明するような内容です。患部の状態をどアップで撮影された画像付きという…ほんとスパムよりたちの悪い内容なのですが。(by杉崎&宮下)

その画像はまあ何針も縫った患部の画像ですからあまり気味の良い物とは言い難いのですが
しかしその画像に付けた松岡さんの嬉々とした内容のコメントから解ることは、吉岡さんにとってこのやり取りは松岡さんを喜ばしているということで、吉岡さん自身もこれはこれで良しと考えているように思われます。
要するに吉岡さん自身もこのやり取りに満足しているわけです。ちょっと松岡さん画像が気持ち悪いですけどそれが友達の勲章なのです。

しかし次のひとはの一言でその優越感も崩れ去ることになります。


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ひとははほぼ毎日お見舞いをし直接患部を見、松岡さんを喜ばしているのでした。
しかしひとはにとって松岡さんは先程の「相関図」の矢印からすると「超面倒くさい」人物なのですが何故わざわざお見舞いを続けているのでしょうか。

理由の一つは、矢部っちに、というか先生に頼まれているという義務感のようなそのようなことから。
矢部っちにはひとはと松岡さんは仲の良い友達同士という認識のようです。
恐らく1巻7卵性でそう感じたのでしょう。


その二は、ひとはは友達の居ないひとりぼっちだった経験があります。というかその時間の方が長かったことでしょう。その辛さを解っているから松岡さんになんだかんだ言いながらも自然とシンパシーを感じているのかもしれません。

その三。クラスで初めて友達になった人だから。これは結構大きい要素かもしれません。
これってその一の理由、矢部っちに対しても通じるところがありますね。

そうは言ってもここまで面倒見が良いというのはひとはが優しい子である証明でもあります。
なかなかできることではありません。ひとはええこや。


そんな二人の関係に嫉妬した吉岡さんはまたまた以前見せたジェラシーの表情に変わります。
このような事情を知らない宮下さんの「いやなんでジェラってんだ」と言う突っ込みは正しい。

ちなみに昼ドラの愛好者でもある吉岡さんにはこんな表情はもしかしたら自然と習得しているものであるのかも知れません。ちゃんとハンカチを咥えてぐぬぬって。正しい定番のジェラの所作。


ジェラってた理由。
ここで吉岡式相関図のお披露目。

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ひとはが「愛などどこにも無い」と言っているように、吉岡さんはいろいろ勘違いしているようですが友情が愛に変化するということもあるかもしれません。
この嫉妬の様子から察するに、もしかしたら自分自身を偽り友情でごまかしているのかもしれませんよ。吉岡さん。愛の形は人それぞれなのですから。

しかし、まあ、ひとはの松岡愛は無いは本当だとしても先程の上に書いた推察から「友情」はあるのかも知れませんね。ぐふふ。

吉岡さんはこの劣勢を返上するために退院祝いとして松岡さんを喜ばす企画を考えました。
その内容は「お化け屋敷を作る」というもの。
うん。これは良い提案。きっと喜ぶよ。松岡さん。


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皆に同意を得、ひとはにも松岡さんへの親友の称号を与えられた吉岡さんのなんと誇らしげな表情。
「えっへん」て。吉岡さん可愛すぎ!!

しかしここでちょっと注目。
宮下氏の発言とひとはの発言です。

ひとはの発言は吉岡さんを絶賛しているような内容ですが、本心は自分と松岡さんとの関係に対する吉岡さんの誤解を解くことが第一の目的となっております。
私と松岡さんは愛とかそんな関係じゃないよ!吉岡さんの方がずっと相応しいよ、というひとは自身の為の発言です。


そして、ひとはより重大な宮下さんの発言。
宮下氏さらっと言っておりますが、「吉岡が言うならしょうがない」…ですと?
吉岡さんが言うことはとりあえず同意すると、そういっているのですよ宮下氏は。
真の友情はここにあるのです。灯台下暗しとは言い得て妙ですね。
実際あたりまえの愛情ほど尊くありがたみのあるものはないのですから。これって日常過ぎて見えにくくて感じにくいんですよね。つまりなんだかんだいっても吉岡宮下は最強コンビということなのです。


みっちゃんもこの提案にはのりのりで松岡さんがチビっちゃう程の怖いものを作ろうということなのですが
真の松岡さんを知らないみっちゃんらしい発言です。
夏休みに寺の墓場で平気で単独キャンプをしたり、心霊スポット指定のトンネルも喜んで入っていくという筋金入りの松岡さん。みっちゃんも知らないわけはないと思うのですが…。

吉岡さんはここら辺のことは理解しているようですね。
作り物であってもきっとそこに我々には見えない何かを見つけて喜びますよ松岡さんは。よだれ垂らしながら。

ま、それはともかく、僕的には松岡さんがちびるのもよだれを垂れ流すのも全然アリなんで
みっちゃん、吉岡さんには是非とも頑張っていただきたいと思っている次第でありまする。はい。


さてさてそうこう言っているうちに歓迎会の当日がやってまいりました。
雲が高くてよい天気ですね。朝早く登校してみんなでお化け屋敷を作ろうという算段です。
みんなそれぞれ「脅かしアイテム」を持参しているわけですが、みっちゃんはというと素人作成お化け屋敷定番のコンニャク。って…あんたどんだけ食いしん坊なの?
だって…。

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みっちゃんはどんな顔をしてこのコンニャクを食べたのだろう…。
それ想像する方がコワイヨ。

で、お次は千葉氏。マネキンをご持参していただきました。
婦人タイプのボディのみというタイプのものです。要するに首、手足がないタイプですね。
スーパーや百貨店の下着売り場によくディスプレイとして飾ってあるアレです。
しかしなんです、千葉氏は小学生でこんなもの買っているなんてほんと改めて恐れ入ります。
ひとえに母君の理解があってこそだとそう思うのです。

人体に秘技練習用の下着を付けたままなので顔を赤らめる吉岡さん。
そんな「いやらしい」格好のままにするなよと、今すぐ脱がせろよとおっしゃる佐藤くん。

しかしこの人体、結構リアルなタイプだと思いますので、乳首はないもののボディのラインは
先にも述べたようにある程度本物に近い感じに作られていますので脱がした方がいやらしくなると思うのですがいかがでしょうか佐藤君!!
いや、さすがです。お見それしました。さすが変態パンツ佐藤という名に恥じない発言だ。

佐藤君がマネキンのパンツを脱がせ急いでいるそのすぐ近くでひとはさんは何か真剣に書いておられるご様子。
なるほど。ドッキリ大成功というアノ看板ですか。

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騙された人にあなたは見事に騙されたんですよどうですか今の気持ちは?この屈辱は?ん?ん?と、どや顔で迫ることが公に許されるアイテム。

さすがひとはさん。目の付け所が素晴らしい。
あまりにもその看板の魅力の強大さについ「ずるい」と発してしまう宮下さん。
みっちゃんも同じくこの看板のとりこになってしまったようです。
顔を紅潮させて宮下さんと同様その魅惑に取り付かれた目になっておられます。
只のベニヤ板なのにね。

お化け屋敷の設計図を眺めながら次の段取りを思案している充実した表情の吉岡さん。
その後ろでは今やらなくていい「秘技」の練習をマネキン相手にしようとしている千葉氏。
技が決まりかけたその時、大変という大きな声が教室に響いた。

千葉氏の手元が目標物からわずかにずれ、机に乗せられてたマネキンはひとはの手前に、生と別れを告げた瞬間のように倒れて落ちたのだった。

その声の主は杉ちゃんこと杉崎さん。
何かあせっている様子ですよ。なになに?

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何ということでしょう!!
松岡さんがもう登校していると!
し、しかもですよ!!校舎裏でテントを張って一夜を明かしたということですよ!

お化け屋敷間に合わないじゃん!!みんな大騒ぎです。
ひとはもまさかここまでするとはと松岡さんの恐ろしさを実感しているご様子。


と、ここでちょっと一言。
この松岡さんの行動、ちょっと「みつどもえ」的にはギャグに偏ってしまっていると思うのですがいかがでしょうか?
「みつどもえ」はギャグ漫画です。が、これはちょっと「らしくない」ギャグなのではと思うのです。

というのも、松岡さんは2年前※の夏、(※みつどもえ時空外換算)
毎年恒例の墓場キャンプを親に止められています。止められた理由は娘の奇行をやめさせ更生させる為だと思われます。ご近所からも通報があったのかもしれません。
しかしでは何故それまでこの「奇行」を許していたのでしょうか。
私はこう思うのです。きっともう松岡さんの親は彼女の事を諦めているものと推測されます。
娘に愛情が注げなくなっていると。そこへ近所からの通報です。世間体的にはそのままほっとく訳にも行きませんので今まではほっておいたのですがその夏は中止を言い渡したのです。
そんな親の気持ちもわからず松岡さんは霊とイチャイチャしているから大丈夫なんだと訳のわからない言い訳をするものですからキャンプ道具自体を即没収とそういうことになったのです。

その後、松岡さんは家出を決意しましたが行く当てが無く、とりあえず丸井家にころがりこむのです。
しかし自分の娘が夏休みまるまる他人の家に世話をさせるというのはあまりにも不自然な行動です。
そこから見えてくるのは、やっぱり松岡さんの親はこの娘を家において置きたくない、居て欲しくないというそのような心理がうかがえます。
この間の松岡さんの生活費はちゃんと丸井家に支払われているということからもお金で解決できるものならという考えが見え隠れするのは僕だけでしょうか。

要するに彼女は松岡家にとって「いらない子」なのです。

でもだからといって娘を「捨てる」わけにもいきません。
さて、そのような家庭内の雰囲気とは一体どういうものをご想像されるでしょうか。
はっきりいいます。この家には親自身もそして松岡さん自身もここに居たくない、そういう家庭なのではないでしょうか。

退院を先伸ばす松岡さんの行動。
それによって入院費や治療費も余分にかかるというのに黙認して入院させている親。
これらのことから松岡家は家庭崩壊していると思われます。
松岡さんも家に帰ると誰とも話さず自分の部屋に閉じこもり「霊」という「言い訳」を自分に思い込ませ過ごしているのではないかとそう思うのです。その反動が学校での異常なほどに明るい振る舞いです。


何を言いたいのかって?

ですから、子供が病み上がりなのに野宿をさせちゃうなんて親としてどうなの?ということです。
そしてこの行動がギャグにまかせて「みつどもえ」としてちょっと破綻していると思うのは松岡さんの親はなんだかんだ言って「ちゃんとした人」だからなのです。
さっきと言っていることが違うじゃないかと思われるかもしれませんが、病み上がりの娘を野宿させたとそういう前提で上のような松岡家の状態を想像させていただきました。

本当は違います。
なぜそう断言できるのか。
松岡さん自身がその答えです。

まず第一に彼女の身に着けているもの、衣服を例にとれば小6の女子として非常に恵まれた装いをしております。おしゃれでテキトーな格好ではありません。
きっとお母さんと一緒にあれがいいこれがいいと選んだものなのではないでしょうか。
そしてもう一つ、彼女自身の体つきです。これは一目でわかりますが健康体そのものです。
肉付き等を見るだけでもバランスの取れた愛情のこもった食事をしているのがよく解ります。
もちろん杉崎さんのように愛情たっぷりで育っている人でも少し成長的に小6としては小柄な人もいるのですが
松岡さんの場合は決していい加減に育てられている身体つきではないでしょう。
そして「霊が好き」とかある意味一般的に忌み嫌われることを嬉々として興味を持つことが出来るのは「幸せ」な立ち位置に居ればこそなのです。不幸の時に不幸なことはなるべく考えたくないはずです。
これらの理由から松岡さんの親はちゃんとしておりますから、ですから、松岡さんに病み上がりキャンプはして欲しくなかったのです!

病み上がりの時ぐらいはリアルに愛情あふれるあたたかい自宅から登校して欲しかった!
そういうことなんです!!


え?


いちいちうるさい?


ギャグ漫画なんだからそんな細かいことつっこむな、だって?


えええ!そんなことないでしょだってだってあんなに大怪我したのに野宿なんて普通しないしそんなのおかしいよおかしいって!漫画だからってやっていいこととわるいことがな、なんだ!どこにつれていくのだ!離せ!僕が何をしたというのだはなせってはなせえええぇぇぅゎぇぇぇ…


取り乱しまして大変申し訳ございませんでした。

ではレヴューの続きを。(その2に続くよ)


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