2001年03月01日

スレンダーなクライマー、パワーを重視するスプリンター、では、その中間の選手は山登りとパワーのバランスをどんな風に考えているのだろう?

TT
では常に一桁順位に入るものの、鍵となる山岳で遅れてしまい、グランツールではなかなか表彰台に上れない、真のクライマー、スプリンターのどれにも属さないジェネラリストは単に体重を減らせばいいのか?

イゴール・ゴンザレス・デ・ガルデアノの場合は体重を落としたおかげでヴエルタ
1999年で2位に入ったと言われているけれど、体重を減らせばグランツールで勝機が見出せるといった簡単な問題でもなさそう。身長183cm、体重72-3キロ(昨年、おととしの平均体重)というアンヘル・カセロは、ツール1998年の最終ITT4位に入るなど、TTではいつも上位に入るものの、山岳で後退というパターン。ヴエルタ2000年では、エルアングリルで決定的な敗北を喫し、エラスに優勝を譲ることになった。ツール99年で総合5位、ヴエルタ2000年で総合2位を取り、漸く花が開きかけている感もあるが、最大の目標であるツール表彰台はまだ果たしていない。

 

「ツールで表彰台に上るためには、やっぱり山岳での成績を向上させるのが課題だと思う?」そんな問いに、カセロが答えた。

C「僕は山岳での問題点やTTの問題点を既にかなり改善できたと思っている。それでも僕はグランツールで山岳、TTどちらかでNo.1になれるタイプじゃないから、平均的に力を出すことを主眼にしなくちゃいけない。」

「でもやはり、エルアングリルみたいな登りで踏ん張れないとグランツールで勝つには厳しいのでは?」

C「もちろん、最大の目標はTTでの効率を失うことなく山岳を改善すること。でもこれが難しい。特にエルアングリルほどの山岳は、本当にきついからどんなに頑張っても、僕の場合はグロッキーだね。一方で幸いなことに、エルアングリルほどの山はこの世にあと1つしかない。イタリアのモルティロロだ。更に幸いなことに、ヴエルタ2001にはエルアングリルは登場しないんだ。」

「ツールに向けてウエイトコントロールはどういう計画?」\r\nC「去年は怪我でスタートが遅れたから、普通ツール前に20,000キロ走りこんでいるべきところが12,000キロだけになってしまった。だから体重オーバー気味で、ツールの最中はちょっと不安だった。(注:彼は昨年のツールは結局、落車が原因で途中リタイヤした。)でもヴエルタでは68キロまで落ちていて、この体重が一番バランス的に良かったね。99年ヴエルタよりも3キロ軽かったんだ。今年は怪我もないから去年よりトレーニングが2ヶ月早くスタートできる。」

「もっと体重を落としてクライマーに近づく気はないの?」

C「いや、限度がある。体重を落とすこと=万能薬ではないんだ。体重と力のバランスが崩れてしまうのは危険。僕の場合68キロのベストよりもあと1キロは減らせるかもしれないが、そうなるとぎりぎりのところで走ることになり余力はゼロになる。それは危険だ。トップの時の体脂肪は最低56%といったところで、そういう時、パワーを落とさずに体重のみを落とすというのは僕の場合できないな。」

「体型的にワンデイにも向いているんでは?スペインチャンピオンを2年連続取ったし。」

C「実を言うと、かつてクラシカ サンセバスチャンに照準を置いた時期もあったんだ。ツールとヴエルタの中間期で調子もいいし、距離も長いし。でも、グランツールの準備とクラシックの準備は相入れないことがわかった。今はグランツールが目標だけど、それが叶わなくなったら、クラシックに力を入れてもいいと思ってる。」

「ところでジロは?」

C「何故かわからないけど、興味がないんだ。登りが地獄だからかな?」

 

昨年ヴエルタで、見た目にもかなり痩せていたのがわかったカセロ。彼はインデュラインと同時期にバネストにいたが、その時から終始一貫、わりとがっしりタイプだった。ウンスエ監督が、彼のお尻が大きいのを気に入ってバネストに入れたといわれるほど。その彼が68キロにまで体重を落としてまで望んだヴエルタ。それでもエラスが軽々登ったエルアングリルで、カセロは ばててしまった。それ以上体重を落としてクライマーめざすのではなく、パワーを温存しつつ、レギュラリティ(コンスタントであること)をめざすとして、2001年ツールに燃えている。(インタビューはスポーツコムより)