2002年02月04日

(「Velo Juillet 2001」記事から)

スヴェン・モントゴメリー。ここ
3年ほどの経験を通して、彼は徐々に分かり始めてきた。他に頼らず、必死の努力をするという孤独な過程なくして、勝利はあり得ないのだと。更に、自分の限界もわかってきたし、不思議な発見もある。体の限界ぎりぎりを尽くしても、細胞はまた元に戻り回復していくのだと。

彼の走りは音楽に似ている。それはまるで、誇り高きバイオリニストのよう。弦と弓を操り、技巧に走りながらも、芸術性を追求していく、そんな走りだ。

彼が好きなもの、それは肩と肩をぶつけあいながら、ヒロイックなバトルを繰り広げ、連なる山脈を走り抜けて行くこと。他のクライマーたちと一緒に逃げのグループを形成し、自分の役目を模索していく。息は切れ、肺には火がつく。

1984
年、彼は父とTVでツールドフランスを見ていた。父親は、スヴェンよりも先にバイクに乗り始め、その頃、1年で12000キロを走っていた。そして、スヴェンも父親にならい、ベルンの山々をバイクで走るようになる。そのうち、彼の目標は決まる。84年にTVで見た、あのライダーたちのように走ること。84年、ツールを走っていた選手たちが、彼に道しるべを与えてくれた。スヴェン・モントゴメリー。爆発的な力を持ったライダーに成長した彼は、まだ見ぬガビリエ峠を夢見て2001年ツールに挑戦する。