日曜の試合が中止になった事もあるので少しまた雑感を。

 まずは横浜FC関係の事から。ジョンチュングンを外国籍枠の関係から岡山への期限付移籍という形で一旦放出しそのあとを補強するや否や、という点については噂で流れていた通り、山形からFW瀬沼を獲得するという選択を取った。ジョンチュングンにとって不運だったのはCBに怪我人が続出し、専業CBがペスンジン一人になってしまった事で急遽採用した急造3バックの3-5-1-1が思った以上にハマってしまい、彼が一番活きるポジションがなくなってしまったことだろう。瀬沼について第一印象としてはやはり愛媛と山形で木山監督の門下生で、特に愛媛で結果を残したという事だろうか。大型の選手ながらも運動量があるという点でジョンチュングンと被る。ただ、今季は不調のせいかほとんど起用されていない。そのあたりは気になるが元々神奈川が地元という事もあり、心機一転での活躍を期待したいところだ。

 そしてもう一点気になるところは「どのように起用するか」だろう。横浜FCは怪我などの余程の事がなければ前2人はイバとレアンドロ・ドミンゲスで決まりだ。そして最近は戸島も結果を残している事も考えるとFWとしての序列はその後ろになるだろうか。一番可能性が高いのは現在のシステム3-5-1-1の5の右から二番目、現在は渡邊一が入る事が多いポジションだろう。点を取りたい時に前に推進力のある選手を、といった時の交代選手としては恐らく適任だろう。ジョンチュングンも何度かこの位置で起用されていた事も考えるとこれが一番ありえそうだ。ただ、タヴァレス監督は選手の起用について慎重な側面も持っており、チームの戦術面に慣れるまではベンチ入りを控える形になるかもしれない。

 その外国籍枠に関して、Jリーグの委員会で撤廃の話しが持ち上がっているとのことだ。この件に関しては非常に積極的なクラブ(恐らく筆頭は神戸)と消極的なクラブがあるとのことだが、個人的にはこれは夏春制と並ぶ世紀の大愚策と確信している。外国人だけのチームを見て「これが地元の応援するクラブ」と誰が思えるというのか。また、先日までは「日本人の若手の出場機会がない」という事が取りざたされていたのに、思いっきりそれとは逆行する方針をこの短期間で採ろうとするのは如何なものか。Jクラブのオーナーの中には「自分のところが勝てれば手段は問わない」という自尊心や名誉だけを満たす事しか考えないグローリーハンター的な人物もいる。しかし、Jリーグは日本人による日本人のためのリーグである事が第一だ。放映権料の絡みで金回りが良くなった事、そしてその放映権の絡みで「アジアのプレミア」を目指し特に東南アジアへのさらなる進出を図り、放映権料を拡大したい事からこのような案が出ているのであろうが、このままではJリーグやそこで活躍する日本人選手、そしてそれが好きな観客は放映権料に振り回されてサッカーという娯楽を殺される事になるのは間違いないだろう。

 「早ければ来季から」という記事を出しているスポーツ紙もあるが、実際にはこれから実現の可否も含めて詳細を詰めていくのであろう。リーグ関係者には慎重な判断をお願いしたい。ただ、もしもこれが実現されれば自分はリーグへの関心を失くすし観戦も辞めるだろう。そしてそのような感情を抱くのは自分だけには限らず、多くの人に同様の行動をとらせるだろうことは間違いない。