2008年11月18日

今週の六十余州 その18「2. 大和 立田山 龍田川」

2図 大和国は、現在の奈良県全域を領している。その生駒郡斑鳩に龍田がある。北部に有名な法隆寺があり、古来紅葉の名所として知られる。立田山は信貴山の南に接し河内の大県郡に跨る嶺で、「風吹けば沖津しらなみ立田山夜はにや君がひとり越ゆらむ」(古今集)の歌で著名である。龍田川は上流を生駒川、龍田に至って大和川にはいるのである。「龍田川もみぢ乱れて流るめり渡らば錦なかや絶えないむ」(古今集)の名句が知られている。筏を流す清閑さが画中にただよい、真赤に紅葉した秋の風情もよく描きだされ名にしおう歌によまれる名所の風景である。謡曲「龍田」はシテに龍田明神がなり、龍田は有名な風の神であるが、実際は山風も静かな平和の地である。そこで代々の歌人もこの紅葉をしみじみと賞翫していろいろの歌を詠まれるのであると語る。詩情豊かな歴史的な土地を画題にしたところにこの図の趣旨があろう。

歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版(毎日アート出版版元)解説書より抜粋。
mainichi_art at 15:10│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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