2008年12月02日

今週の六十余州 その20「30. 若狭 漁船 鰈網」

30図現在の福井県南部にあたる若狭の国は、NHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」の舞台ともなっています。
冬の味覚として知られる「若狭かれい」は若狭湾でとれたヤナギムシガレイのことで、地域ブランドとして商標登録されているほどの逸品です。その美味は江戸時代にも広まっていたのでしょう、六十余州の若狭国を代表して鰈漁の絵が描かれました。
 さすがの広重も沖に出て写生したわけではなく、『日本山海名産図会』という今で言うガイドブックにまさしく参考にしたであろうという図が収められています。寛政11年(1799)刊行なので、広重はまだ2歳、「六十余州」より凡そ半世紀前の作品です。絵の説明に

 海岸より三十里ばかり沖にて捕るなり。其所を鰈場といひて若狭越前敦賀三国の漁人ども手操網を用ゆ。海の深さ大抵五十尋鰈は其底に住みて水上に浮む事稀なり。漁人三十石斗の船に十二三人舟の左右にわかれ帆を横にかけ其力を借りて網を引けり。アバ(泡)は水上に浮きイハは底に落ちて網を広めるなり。外に子細なく
網中に混り獲る物蟹多くして尤大し。

とあるが、広重の図もまさにその通りに描いてある。

30図部分 シルエットだけで描かれている鰈がよりいっそう大漁を感じさせます。



歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版の紹介ページはこちらです。(O)

mainichi_art at 18:12│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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