2008年12月09日

今週の六十余州 その21「26. 上野 榛名山 雪中」

26図
ここ数日一気に冬の寒さが本番となってきました。
このあたりは昔、毛野(けぬ)とよばれる国であったのが分割して上毛野と下毛野となり、その後国名から「毛」が抜け(!)、上野、下野となったのだけれど、音には「こうずけ」「しもつけ」と「け」が残っているのです。表現上不愉快な思いをされたかたには申し訳ありませんが、「上野」をどうしても「こうずけ」と読めなかったもので、調べてみました。
上野の実質的な長官は助役である「すけ」、つまり「上野介(こうずけのすけ)」という名称は役職名のようなもので、「吉良上野介」というのは「吉良次長」みたいなことだったのですね。
広重の時代には既に「忠臣蔵」の話は大人気で、「上野」の題材として雪景色を選んだのは、偶然とは思えません。
榛名山(はるなさん)は山岳信仰の対象とされた山で、山頂にはカルデラ湖と榛名富士がある。妙義山、赤城山とあわせて上毛三山と呼ばれる。近くには伊香保などの温泉地がある。
広重のこの作品は、ジグザグに近景から遠景へと構図が変わり、白と墨でほとんどの構成され、浮世絵でありながら水墨山水画のような趣きに満ちている。図中に描かれている寺や橋など特定出来るところはなく、広重の風流な一面がうかがえる作品となっている。


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mainichi_art at 17:55│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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