2009年01月27日

今週の六十余州 その27「52. 長門 下の関」

52図 長州の呼び名も馴染み深い、長門国(山口県西北部)の名は貞観11年(869)の太政官府(命令文書)にすでに見え、海陸の要衝にあたったため、ことに中国との往来の出入の地としても著名であった。

 下関港は古来中継港すなわち商港としてさかえ、また漁港、旅客港も兼ねていた。本州と九州との間の下関海峡は関門海峡・馬関海峡ともいわれ、多くの船の往来が絶えなかった。大船の後ろ半分を描き、特に船尻をみせた画面は、構図としてまことに奇抜であり、広重の『名所江戸百景』の「四ツ谷内藤新宿」に見られた午の足を大きく描いて、街並みをその横に描くのと構想が近似している。

52図部分前方にある猪牙船も何かつけたしの感がなくもないが、三人の人物は各々その姿態に表情があって面白く描かれている。出船入船の多い下関港のあわただしさも船尾を大きく描いたことなどにも自ずから表れて、広重の描現のするどい感覚がうかがわれる。
(復刻版の解説書より抜粋)

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mainichi_art at 10:00│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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