2009年02月10日

今週の六十余州 その29「53. 紀伊 和哥之浦」

53図
 現在の和歌山県全域と三重県南部を含む紀伊国は、南東部での降水が本州第一といわれ森林繁茂して木国の異名に相応しい地域である。
 また一方太平洋に面する海岸に屈折多く、数多い風光絶佳の海浜の地をかかえていることも特色である。
 そのなかで「和歌浦は名立る勝地にして、東西廿余町、浜松の色濃くあしべの田鶴波間のちどり、江水洋々たり。」と『名所図会』にある。
「若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴きわたる」(万葉集・山辺赤人)は古来から知られた和歌で、広重もこの歌によって飛翔する鶴を画中に入れたのであろう。

53図部分
「和歌の浦や入江のあしのしもの鶴かかる光にあわんとや見し」(新千載集・家隆)など鶴の歌が他にも多い。
 中央の霞が紫色をしたものと白色のものとがある。前者はその背景の山が薄墨になり、後者は青色になっている。色違いの版を比較するのも興味深い点である。
(復刻版解説書より抜粋)


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mainichi_art at 17:45│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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