2009年03月17日

今週の六十余州 その34「12. 駿河 三保のまつ原」

12図 駿河国は静岡県中東部を占め、大井川・阿倍川の水量によって大きく平野部をもち、富士山の南麓、真近に霊峰富士をあおぐ地として名高い。三保松原は、駿河湾西岸の砂嘴で、静岡市の南東にあるドーム状の有度山(頂上は平坦地で日本平)が沿岸潮流によって削られて、その土砂が堆積して水面に現れた物で、ここは特にいくつにもわかれた地形になっている。
 白龍という漁夫がこの松原で天女の羽衣をみつけ、帰ろうとすると、天女が現れ、羽衣をかえし給へといい、返すかわりに天女の舞を所望する。「この松原の春の色を三保が崎、月清見潟富士の雪いづれも春の曙」と景観を謡い、「浮島が雲の愛鷹山や富士の高嶺かすかになって」天津御空にまいもどる謡曲「羽衣」はこの図の有様を背景にしたものといえよう。巨大な富士を眼前に描き、春風駘蕩とした感がよく表されている。広重の手によって雄大な光景を観る者に与えてくれている。



歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版 別冊解説書より)
mainichi_art at 10:05│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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