2009年03月24日

今週の六十余州 その35「57. 伊豫 西條」

57図 伊予国は現在の愛媛県にあたる。この新居(にい)郡に西條の町があり、北に海湾をもつ港で、松山より十四里の地点にある。
この図は「山水奇観」の「伊予西條」の図から借用して作画したことが明らかになっている。同書によれば中央の頂の平らな山は石鎚山となっている。
この山は新居と周桑(しゅうそう)二郡の南を領して伊予国の高嶺と称されている。高さ六百四十丈で四国第一の高峰ともいわれている。図中にみえるのは西條城で、寛文年中、紀伊大納言宣頼の次男松平左京丈夫頼純の居城となってから、代々松平氏三万石の城下として栄えた。
白帆と帆船が相似形に描かれている点、それを連ねる一線と雁の空より来る列の線の、画面を横切る角度、その鋭角のなかに大きく描かれる山容、これらは幾何学的構成によって組み立てられている感が深い。広重の叙情的な自然さをモットーとする構図のなかで変わった趣をだしている作品である。

歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版 別冊解説書より
mainichi_art at 15:17│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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