2009年04月14日

今週の六十余州 その38「33. 能登 瀧之浦」

33図能登国瀧之浦は現在の石川県羽昨(はくい)市一之宮町滝港あたりで、能登半島の根元、千里浜の北端部に位置する。

『日本水路志』に「是(滝崎)より海岸は北北西に走ること約十三里にして海士崎に至り、次に更に東北東に走ること約三十海里にして珠洲岬に至る」とある。距離のことは不確かであるが、その位置を知ることが出来る。しかし実際の画景は滝からさらに北に位置する海蝕崖で有名な能登金剛(羽咋郡志賀町)の海岸と思われる。


33図部分満開の桜樹を点綴させ、一丈の滝、頂近く聳立する松の姿など、ただ単に奇怪な岩の形態のみでなく画面に種々の変化を持たせ、平凡におちいることをさけている画法を見るべきである。洞内及び海中の小岩などの黒い陰影部分と岸壁の襞にみせる薄い陰影部分の変化に、光線に対する感覚を示し、日照とそうでない部分の描写なども、新しい浮世絵の技法として新鮮な感触をみる人々に与えたことであろう。


歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版 別冊解説書より
(blogに転載するにあたり、市町村合併などによる地名の変更は極力現在の名称になおすようにしています)


mainichi_art at 10:02│Comments(1)TrackBack(0)今週の六十余州 

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この記事へのコメント

1. Posted by 川崎 仁志   2016年03月02日 22:13
能登瀧ノ浦の図絵は羽咋市一宮となっていますが実際は羽咋郡志賀町(以前は羽咋郡富来町福浦)の巌門を舞台にしたと地元では言われていますが間違いでしょうかどうかをお尋ねしたいです。
ご面倒でも回答よろしくお願いいたします。

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