2009年05月26日

今週の六十余州 その43「62. 豊後 簑崎」

62main豊後国は九州の東北部、阿蘇火山の東にあって、海洋は四国の伊予と相対する豊後水道をもつ。そのなかで北方に延び、伊予灘と周防灘に接するところに国東半島がある。この半島の東南に杵築(きつき)湾が存在する。湾は東の角を美濃崎、西の角を賀貫崎といい、西北に入り込んでいる。
美濃崎は、昔景行天皇がこの地に巡幸の折、にわか雨に簑を献上したとの伝説に簑崎の地名ができたといわれる。海を距てる砂州が奇景であったためか、豊後ではこの地が選ばれている。山頂・海岸のボカシは絵に重厚味を加え、下部の一文字も青海原に続くイメージを観る者にもたらす効果があり、単調になりやすい画面をすくっている。人物も子細にみると腰をかがめた者、者をかついだ者などと変化をもたせているのも注目される。また黄や赤の短冊形の部分は、この絵全体が沈みがちであるのをよく助けて画の調整に一役かっている。





歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版 別冊解説書より


mainichi_art at 11:09│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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