2009年06月23日

今週の六十余州 その47「58. 土佐 海上松魚釣」

58main土佐国は、四国の南偏の地にあって、南は海に開き、東西には岬が突出して湾月状の地形をなしている。
ここの名産は土佐鰹(松魚)である。
『山海名産図会』巻之四によると、堅魚は四、五月頃陽に向かって東南の海に集まるため、相模、土佐、紀州にとれ、特に土佐はそれを名産として味厚く肉肥え、乾魚の上品となり、また生食も美味である。


漁捕は網は稀で釣りが多く、一年中沖に出るが、三月初より中旬までを初鰹として食すとある。

58図部分図中の桶は、鰯の生飼を入れておくもので、長柄で汐を汲入れているのは、鰯の生を保つためである。
その鰯 - 小さな魚 - を海中に放っている。この図は同書より借用していることは明かであるが、広重が原図をどのようにアレンジしたか、例えば人物の表情、波のうねりなどには生々としたものが感じられ、それにもまして色彩の配り、遠方に朱の陽光を入れ、水平線と画面下部の藍の一文字などにより、画面に緊張感をみなぎらせている。



歌川広重「六十余州名所図会」完全復刻版 別冊解説書より

mainichi_art at 10:15│Comments(0)TrackBack(0)今週の六十余州 

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